「ミユ〜〜〜、大丈夫か〜〜〜?」
俺はミユこと妹の美由紀の顔をうちわで扇いでやりながらつぶやいた。
聞く、と言うよりも一人ごちた、と言う表現の方が正しい。
元々長風呂好きなミユだが、今日はさすがに1時間以上も入っていたので心配になって
確認したら案の定風呂の中でのぼせ上がっていたのだ。
流石に慌てて風呂場から引っ張り出したが、未だに気絶したままだったりする。
結婚記念日で旅行に行ってる親には、まあ言わなくていいと思うが、
現在進行形で別の問題が浮上しつつあった。
ゴクリ
自分のつばを飲み込む音が、やけにはっきり聞こえる。
この場を占める音源は扇風機の「ブーーン」と言う音だけ。
そう、俺とミユは今、この家の中で二人っきりなのだ。
風呂場から引っ張り出した時はそんな余裕は無かったが、
俺のひざに頭を乗せてるミユは、バスタオルをからだに巻いただけで
(裸はまずいと思って湯をふき取りつつ俺が巻いた)、
濡れた髪と(のぼせた所為で)赤く染まった肌がとっても艶っぽい。
お、落ち着け俺。
ミユは妹なんだぞ。
周囲からも仲のいい兄妹と言われるほど俺たちの関係は良好で、
いやそれは恋愛感情云々と言う問題ではもちろんないが、って俺は一体何を考えて―――
フニ
俺の下半身というか本能は欲望に忠実だったらしい。
異常な状況で混乱しているまま、つまり無意識に俺の手はミユの、その、胸を揉んでいた。
や、やわらけぇ。
タオル越しに掴んだその物体のやわらかさに、本能部分も混乱中の思考部分も完全に動きが停止した。
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ
完全停止した後、思考回路は混乱どころではなく暴走を開始する。
毎日風呂上りに牛乳をビン1本飲んでいる所為か、ミユの胸は同年代の中では大きいほうだと思う。(現実逃避中)
そんな思考部分を尻目に本能はその感覚を堪能しようとさらにグニグニと揉みしだく。
俺の手の中で自在に形を変える双球は、しかし表面に一部分だけ硬いところがあって、
そこをつまんでコリコリと捻ると
「うう・・ん」
ズザザザザ、ゴチッ
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!いった〜〜〜」
しまった。
突然ミユが身じろぎしたのに驚いて、膝枕してたのも忘れて思いっきり後ずさりしてしまった。
枕になってた俺の膝がなくなった所為で、ミユの後頭部は思いっきり床に激突したのだった。
ぶつけた所を押さえながら、ミユは起き上がる。
「あれ〜〜?なんであたしこんなとこで」
冷静に冷静に冷静に(自己暗示)
ここでとちったら、万が一ばれるようなことがあったら、人生の終わりだぞ。
「風呂でのぼせてたんだよ」
必死にいつもの口調を思い出し、内心の動揺を悟られないよう忠実に再現する。
「あ、アニキ。え?あ〜〜〜」
俺に気付いたミユは、何か思い出したのか斜め上の方(いわゆる明後日の方角)
に視線を彷徨わせた。
「お前なぁ、俺が気付かなかったらそのまま風呂で溺れてる所だぞ」
「あははは、ごめんごめん。ちょっと考え事してたらつい」
な、なんとかばれてはいないみたいだな。
と言うか頭ぶつけたショックで眼が覚めるあたりの記憶が吹っ飛んだのかもしれないが。
「それよりも、とりあえず服着てきたらどうだ?」
「へ?・・・うわっ!!」
やっと自分の格好に気付いたミユは、再び真っ赤になると急いで脱衣所に走っていったのだった。
「さて、寝・・・・」
寝れそうになさそうだな・・・・・・。
さっきのミユの胸の感触が手から離れず、思わず手をワキワキと動かしてしまう。
ミユは気付いていないようだったが当然、俺の息子もギンギンになっていたのだった。