やっと電車が10mほど動いたと思ったら、また急ブレーキが掛った。
「うわー」
満員電車の中でこけそうになった僕は体を支えようと本能的に右手を前に差し出した。
「あ、あのう…」
顔を真っ赤にしながら、その女子高生は僕を見てきた。
「えっ、す、すみません。ごめんなさい、すぐに…」
とっさにでた僕の右手が彼女の胸を鷲掴みしてしまったようだ。
慌てて僕は右手を下げようとした。
「あっん…」
しかし、僕の右手は2センチほど下に動いたでけでそれ以上下に動かなかった。
「ご、ごめんなさい」
あやまりながら、今度は上の方に右手を逃がそうとした。
しかし3センチほど上にいっただけで、それ以上動きそうもない。
なんとか彼女の胸から手をどけようと必死にもがいていると
「いやああん。も、もうダメ。動かさないで、お願い…」
彼女は周りを気にしながら僕にだけ聞こえる小さな声でそう言ってきた。
やばい、このままでは彼女の股間をこすってしまっている僕の一物が暴発する……
ち、痴漢に間違われる。顔を真っ赤にしながら僕が焦っていると
「じ、事故だって、わかっています。お願いだから、手や、か、下半身を動かさないで下さい…」
彼女は顔を真っ赤にして呼吸を乱しながら、僕にそう囁いてきた。