エリアル姫はテラスに立ち、白骨のような月を見上げてひとり落涙していた。  
「お心を痛めておいでなのですね、姫様」  
魔女はそう言って姫の肩に手を置き、耳元でそっと囁いた。  
「全てを解決する方法があります」  
「え……?」  
「弟君との間に御子を設け、おふたりでその御子を王として擁立するのです。  
さすれば佞臣どもの権力闘争は幕を下ろし、国に平和が戻りましょう」  
エリアル姫の表情が嫌悪に歪んだ。おぞましい、と吐き捨てた。  
「母は違えど、私とリチャードは父上の血を継ぐまことの姉と弟!  
恥知らずの魔女め、よくもそのように人の道に外れたことを――!」  
「"南門の虐殺"をお忘れですか、エリアル姫?」  
息を呑む気配が肩越しに伝わってきた。やはりここが弱点だったか、と  
魔女は内心ほくそ笑みながら追い打ちを掛けた。  
「おふたりの王位争いに巻き込まれ、百余人もの市民の命が失われました。  
女、子供、老人。いずれも無辜の命です。そしてそれはこれからも失われ続けるでしょう。  
その悲劇を終わらせる方策を持ちながら手をこまねいてなにもせずにおられることは、  
はたして人の道に添った行いといえましょうか? それこそ外道の沙汰なのではありませんか?」  
 
「仰るとおり、血の繋がった姉弟が肉の契りを交わすなど神に背く行いでありましょう」  
魔女の声は低く、リズミカルに、エリアル姫の耳朶をくすぐる。  
「しかしお考えになって下さい。顔すら見たことのない者と政略のために契りを結ぶことと、  
愛する弟君と御子を為すこと、はたしていずれが美しく、清く、純なる行いでしょう?」  
「そ、それは……」  
「神は尊い自己犠牲を必ずやご覧になっていますよ」  
「自己犠牲……」  
掴んだ、と魔女は思った。  
自己犠牲。それこそがエリアル姫の心を開く鍵だった。  
信心深い姫にとって、麻の如く乱れた世の中にあって自分ばかりが安全な特権階級に座していること、  
それは耐え難くうしろめたいことであったのだろう。自分は世界に対して大きな借りを作っている。  
いつの日か身を挺してその支払いをしなくてはならない。そんな強迫観念に苛まれていたのだ。  
心の鍵を掴んでしまいさえすれば、精神に"暗示"を流し込むことは難しいことではない。  
路地裏のうらぶれた占い師に過ぎなかった魔女がここまで――王室付きの相談役にまで  
上り詰めることができたのは、ひとえにこの"暗示"の術のたまものだった。  
これまで何人もの男を誑かし、女を破滅させてきた。  
蝶よ花よと育てられてきた十七歳の小娘ひとりを墜とすことなど、いかにも容易い。  
 
魔女は魔法の言葉を密かに織り交ぜながら、弟と交わることがどれだけ正しく、  
そして気高い自己犠牲精神の発露であるのかを滔々と囁き続けた。  
姫はそれでも一時間ほど悪魔の説法に耐えたが、やがて疲れ果てた様子で「わかりました」と頷いた。  
その目は霞がかったように虚ろで、もはや正気のものではない。  
「けれど」  
姫は夢うつつの声で言った。「私は男性を知らぬ身体。リチャードもおそらくは同じ。  
果たして立派に種付けを為し遂げることができましょうか?」  
自分がおそろしい言葉を口にしているという意識はもはやエリアル姫のなかにはない。  
墜ちた、と確信して魔女は言った。「ご安心下さい。私めが責任をもってお手伝いをいたします。  
さて。姫様の月のものの周期から考えるに、今宵こそが種付けの好機と存じます。さあ、ご準備を」  
「身体を清めてきます」  
「その必要はありません。男というのは多少汗ばんで汚れた女を相手にした方がより欲情するもの」  
「で、でも」  
「肉親を相手に、弟君が種付けを決意できるとお思いですか? 少しでもご負担を与えず  
速やかに種付けを行えるようご配慮なさるのがあなたさまの務めではありませぬか?」  
姉姫と同じ方法でリチャード王子を墜とすのは簡単なことだ。しかし魔女は敢えてそれをしなかった。  
互いに理解し合っての交わりなど、羊飼いや農民のそれと同じではないか。  
血の繋がった姉弟が、しかも高貴な姫と王子が互いの処女と童貞を捧げ合うこの儀式は、  
より劇的に、より淫らに為し遂げられなければ意味がないのだ。  
 
魔女は霧になって王子の寝室に潜り込んだ。眠っている王子に魔法を掛け、その肉体の動きを封じる。  
そうして内側から鍵を外してエリアル姫を部屋へと招き入れた。  
緊張しているのであろう。王女の息は荒い。呼吸に合わせて、ドレスの下の胸が大きく上下している。  
魔女に命じられるまま、エリアル姫は弟のベッドに歩み寄り、震える手で、幼い弟のズボンをおろしはじめた。  
間もなくリチャード王子が目を覚ました。  
「姉様、いったいなにをなさっておいでなのですかっ?!」  
「ああ、リチャード」  
泣き出しそうな顔でエリアル姫は弟に告げた。  
「こうするしかないのです。これがただひとつの方法なのです。どうか耐えるのです。  
姉様も耐えます。いっときの辛抱です。そのままそこに横たわっていればすぐに終わるのですから」  
すぐに王子のペニスが露わになった。縮こまり、陰毛の中に惨めに隠れている。  
魔女は鼻で笑った。  
「そのままでは種付けは適いませんわ。姫様。弟君のそれを大きくしてさしあげては?」  
どうしていいのかわからず、救いを求めるように姫は魔女を見あげた。  
魔女の命令のままに、エリアル姫は弟のペニスをおそるおそるつまみあげた。  
しなやかな両の指を使って包皮をめくりあげると、桃色の亀頭がつるりと露わになった。  
チーズのような匂いがむっと鼻をつき、姫は思わず顔を背けた。  
 
「あらあら。随分と汚れていらっしゃいますのね。そのままではお体に毒ですわ」  
泣き出しそうな顔で見上げるエリアル姫に、魔女は底意地悪く告げた。  
「なにからなにまでお世話は致しかねます。  
どうすればよいのか、少しはご自分でお考えになってはいかがですか?」  
エリアル姫はしばし思案すると、おもむろに絹の手袋を外しはじめた。  
そこに自分の唾液を、つ、と垂らし、弟の亀頭を優しく拭い始める。  
「姉様、汚い! そんなところを触ってはいけません!」  
言葉とは裏腹に、王子のペニスは姉の手の中でむくむくと膨張してゆく。  
魔女は勃起した王子のペニスに顔を近づけて、昂奮の面持ちで言った。  
「まあ、まだ十二歳でいらっしゃるのにすっかりご立派になられて。  
姫様。弟君のご成長をしっかりとご覧になってあげてくださいませ!」  
エリアル姫は伏せた瞳を遠慮がちに弟のペニスへと向け、  
それから再び消え入りそうな表情で俯いた。  
「い、痛くはありませんか? 姉様はこうした夜伽に慣れておらぬゆえ……」  
なめらかな絹の感触と唾液のぬめり、そして実の姉が絡めてくる細い指の刺激に、  
十二歳の少年がそう長く耐えられるわけもなかった。  
「だめっ、姉様、あ、あ、ああんっ!」  
エリアル姫の手の中で、弟のペニスが激しく脈打った。絹の手袋にじわっと染みが生まれたかと思うと、  
ペニスの根本を支える指に、なまあたたかい液体がねっとりと垂れてきた。  
 
弾かれるように手を引っ込めて、姫は指に絡みつく白濁液を呆然と見た。  
「こ、これは?」  
「それこそが男の放つ命の樹液。それを秘密の門の中に迎え入れることで女は子を為すのです。  
さあお急ぎ下さい。空気にさらされることで子種としての力が刻々と失われてゆきますわ」  
エリアル姫は慌てて絹の手袋をドレスの中へと潜り込ませた。  
スカートの中で指を使う。人差し指と薬指で大淫唇を開き、  
中指を使って手袋ごと精液を小淫唇の間になすりつけた。  
「見ないで……姉様のはしたない姿どうか見ないで頂戴……」  
エリアル姫の紅潮した頬を一筋の涙が伝った。自らに言い訳をするように言葉を続ける。  
「しかたがないのです。種付けが失敗すれば無辜の民の命が失われるのです。だから、だからっ!」  
「あら。時間切れ」  
「え?」  
「いささか時間を掛けすぎたようで。弟君の精は力を失ってしまたようです」  
「そ、そんなっ」  
「困りましたわね、ほら、ご覧下さい」  
魔女はリチャードのペニスにそっと触れた。尿道口に精液の残滓をこびりつかせたまま、  
それはすっかり元気を失ってうなだれている。「もう一度元気にするのは難しそうですわ」。  
エリアル姫は顔を覆ってわっと泣き崩れた。魔女は姫に優しく寄り添い、言った。  
「姫様の恥ずかしいところを見せて差し上げたら、元気を取り戻すかもしれませんわ……?」  
 
「も、もうおやめください姉様。私の知っている姉様はそのようなことをなさるお方ではないはず!  
姉様は魔女にお心を操られておいでなのです! 目を覚ましてください! 姉様!」  
「お黙りなさい、それでも貴方は男ですかっ!」  
エリアル姫はそう叱責するとドレスをたくしあげ、弟の胸の上にまたがった。  
「種付けのためなのです! し、しっかりと姉様のここを舐めてあそこを硬くするのですよ……!」  
ふわっ、と、リチャード王子の顔は姉姫のドレススカートの中に覆い被された。  
見あげると、むっちりとしたふとももの合わせ目にてらてらと濡れ輝く姉の女性器が見えた。  
十二歳の少年が初めて目の当たりにする女の生殖器はなまなましくグロテスクで、  
魚のような生臭い匂いと相まって、激しい嫌悪を感じずにはいられなかった。  
姉の女性器が、ぬっ、とリチャード王子の顔の前まで降りてきた。  
「早くっ! 早く舐めるのですっ!」  
熱気と異臭が王子の鼻を覆った。ぼろぼろと涙を流しながら、王子は姉の性器に舌を這わせた。  
ひと舐めされただけで、姉姫は悲鳴を上げた。中腰の姿勢を維持できず、がくんと崩れ落ちる。  
ドレスの中、姉姫のふとももと生殖器に顔を覆われて、リチャードは窒息寸前だった。  
「まだですわ。ちっとも元気になってはおりません」  
魔女の報告を受けて、エリアル姫は腰を大きくグラインドさせた。  
「ふがいない! 男でしょう! さあ、早く大きくするのです!  
それとも姉様の身体では足りないと申すのですかっ」  
その声は徐々にうわずり、とぎれがちになってゆく。  
「し、舌の動きが、と、止まって……んっ……あっ……早く大きくして姉様と……子作りをっ」  
エリアル姫は我を忘れ始めていた。  
 
 

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