「じゃ,みんな揃って,食べ物と飲み物も準備できたところで何かゲームでもやろうか」  
「そうですね.何がありますか?」  
「えーとねー.すぐ出せるのはトランプとー,ウノとー,あとはモノポリーくらいかな」  
 
夏期休講――昨年までで言うところの夏休みが訪れ,私たち仲良し3人組は3ヶ月おつかれさまパーティをすることになりました.  
ちなみに仲良くなったのも3ヶ月前からなので,まだちょっと2人のノリについていけないこともあります.  
 
「こういうときの定番って敗者は罰ゲームだよね」  
「あー,そーだねー」  
 
……例えばこの何とも言えない嫌な予感がするときにです.  
こういうのはちょっとしたお遊びですし,ついていけないなんておかしいと思われるでしょうが,これには事情があるんです.  
 
「ねーねー,罰ゲームありでいいよねー?」  
「……いやですって言ったら止めてもらえるんですか?」  
「そんなこと言わないでさー.負けなきゃいーでしょ?」  
「そそ,勝っちゃえば問題ないよ」  
「それはそうなんですけど」  
 
私の名誉のために言っておきますが,別に壊滅的にゲームに弱かったりはしません.  
よほど運が悪くなければ負け続けることもありませんし,まして2人がズルをしてくるなんてこともないと思います.  
ただ,恥ずかしいのが苦手な私をからかうためなのか,私を恥ずかしがらせるような罰ゲームになる気がします.  
それはもうこの3ヶ月で何度もからかわれているんですから.  
つい先日,ふだん肌を出さない服装を好む私にマイクロミニのスカートや肩が出るようなアウターを勧められ――しかも試着もです――ました.  
ちなみに,そのうちの何点かはその場でプレゼントされて着て帰ることになったんです.もう思い出しただけで赤面してしまいそうです.  
他にも更衣室で着替えているときに過剰なスキンシップをされたり,昔から気にしないようにしていたことを指摘されたりするんです.  
それさえなければ2人ともとても頼りになるいいひとなので,特に喧嘩や仲違いせずに今晩もこうして集まっているわけですが.  
それに,そろそろ私の中の恥ずかしがり屋な部分をを何とかしておかないと,社会の荒波を乗り切れないかもしれません.  
そう考えると,一方的に責めたり止めるように言うのも何となく憚れてしまいます.  
 
「あ,おもしろいルール閃いた」  
「なになにー?」  
「ルールはいつもどおりの大富豪.  
で,一回終わる毎にそれぞれ2点1点0点が与えられ,誰かが10点になったら,そのとき一番点数が少ないひとが1枚脱ぐなんてのはどうかな?」  
「んー,最下位が同点なら?」  
「2人とも脱いじゃおうか」  
「えー,そのときの貧民にしようよー」  
「あ,そのほうがいいかもね」  
 
な,なんなんですかっそのルールは!?  
みんなお風呂上がりで薄着だというのに,どうして脱衣ゲームなんてする気になれるんでしょうか.  
私が着ているのはミニスカート丈のキャミソール,2人だって長めのTシャツやYシャツで,あとはみんなショーツだけじゃないですか.  
ちょっと前に今度着てねと贈られたこのキャミソール,胸部は二重になっていますが全体が透けているんです.  
ただでさえ着るのにちょっと勇気が必要でしたのに,これを脱ぐだなんて想像しただけで恥ずかしいです.  
ちょっと前までは着ることすらできなかったでしょうから,少しは恥ずかしいのを耐えられるようにはなっているんでしょうけれど.  
 
「その,もう少し穏やかなルールにしませんか?」  
「えー,べつにいーんじゃない?」  
「一応反対されたわけだし別のルールにしようか」  
「わたしも楽しそうだと思ったのになー」  
「まあ,そのうちやればいいじゃない」  
「……絶対に賛成しませんからね」  
「んー,それじゃーねー.あ,富豪になったひとが次の罰ゲームを王様ゲームみたいに決めるのはどーかな?」  
「富豪の肩を平民が揉むとか?」  
「そーそー,そーいう感じで」  
「まあ,それならいいんじゃないでしょうか」  
「決まりだね」  
「けってーい」  
 
最初の一回は罰ゲームはなしということで,早速始めることになりました.  
 
「それじゃいくよー」  
「ま,お手柔らかに」  
「ちょっと厳しい手札ですね」  
「そーなんだ.今回はもらったかな」  
「いやいや,私だってそんなに悪くないよ」  
「まーいいや.じゃ,わたしからだねー」  
「そこっ!初手から革命するんじゃないっ!」  
 
とまあ,和気藹々とゲームは進みました.そして…….  
 
「まさか革命しかえされるとは思わなかったー」  
「ちょっと焦っちゃったよ」  
「この勝負って平民になれても意味がないんですよね」  
 
1回目の結果,私は平民でした.決まった罰ゲームは貧民は2分間自分の胸を揉み続けること.  
先ほど肩を揉むって言っていたのはなんだったんでしょうか?  
人前でそんなことするなんて冗談じゃないです.これは負けられません,気合いを入れ直してがんばりましょう.  
 
「あー,負けちゃったー」  
「危ないところでした」  
 
……どうにか今回も貧民にならずにすみました.  
 
「じゃー罰ゲームやるから時間見ててねー」  
「わかったよ」  
「え?本当にやるんですか?」  
「負けちゃったしねー」  
 
ええと,これって次以降の罰ゲームを拒めなくなってしまったんですよね?  
たぶん次も似たような罰ゲームになるんでしょうし,これはどうあっても平民か富豪にならないといけません.  
 
「ぁあ,はぁ……ゃんっ.んんっぅん!……はぁぁあんっ」  
「ちょっとなんて声出してるのよ」  
「だぁってぇ,やぁ,あぁっん,ちょっときもちよくなって,あんっ,きちゃってるし」  
「そこまでしてとは言ってないでしょっ!ほら,もういいよ」  
「あははー,最初から飛ばしすぎたかなー?」  
 
ええ,飛ばしすぎです.いくら男性の目がないからって,そんな自分でカラダを慰めるようなことを人前でしないでください.  
聞いているだけの私も恥ずかしいです.  
そういうことは1人で居るときにするべきというか,いえ,私はそんなことしてませんけれど……そう頻繁には.  
 
「似たような罰のときは,わたしと同じくらいしなきゃダメだからねー」  
「そ,そんなことできません!」  
「えー,わたしはやったんだからそんなのズルいよー」  
「まあ,私は負ける気ないからいいけどね.で,次の罰ゲームは貧民は富豪から1分間くすぐられるなんてのにしようと思うんだけど」  
「先ほどのよりはマシな気がします」  
「こんどは負けないよー」  
 
結果はまたしても平民で,富豪と貧民が入れ替わりました.勝ても負けもしないのって運がいいんでしょうか?  
 
「ふふふー,じゃーいくよー.時間見ててねー」  
「きゃはははは,ちょっと,ぁははは,もう,そんな,あははは,本気でくすぐらないでよ」  
「ここかー,ここがええのんかー?」  
「それ,いつの時代の台詞ですか.はい,1分経ちました」  
「えーもう?」  
「……それじゃ,さっさと次の罰ゲーム決めちゃって」  
「うーん,なににしようかなー」  
 
次の罰ゲームは貧民と富豪は着ているものを交換することになりました.  
次も平民なら罰ゲームからは逃げられますが,富豪にならないとその次の罰ゲームを決められないんですよね…….  
 
「あ,私はこれで終わり」  
「え?」  
「わたしもー」  
「じゃー,罰ゲームの服交換しちゃおー」  
「ってここで着替えるんですかっ!?」  
「そーだよー.べつにいーじゃないオトコに見られるわけじゃないんだし」  
「まあ,そうだよね」  
 
いえ,私は女性相手でも肌を晒すのはとても抵抗があるんですけれど.……ああ,もうYシャツのボタン外し始めています.  
仕方がありません,どうあっても脱がないといけないみたいですし.2人からなるべく身体を隠して,それから視線を外すのは忘れませんが.  
 
「はい,交換」  
「え,あ,はい」  
「わー,やっぱり胸大きいよねー」  
「やぁ,そんなにじろじろと見ないで下さい」  
「だってーうらやましいじゃない.わたしだってそんなに小さくないけどさー.えぇい」  
「わぁっ,いきなり何をするんですかっ!」  
「んー,揉んでる?」  
「揉んでるね」  
「いきなりこんなことし始めないで下さいっ!」  
「だからーうらやましいって言ってるでしょー.ほらほらー,おとなしくしばらくわたしに悪戯されてなさーい」  
「やぁっ……ぁああ,そぉんなぁっ,ぃやめてくださぁああいぃ」  
「ああぁー気持ちよくなってきてるでしょー?」  
「そんなことぉ,ぁありませんからぁああ」  
「ならここが固くなってるのはなんでなのかなー?」  
「こんなことされてたら嫌でもこうなりますからっ」  
「そんなもの欲しそうな表情じゃあんまり説得力ないね.でもまあ,そろそろ止めてあげなよ」  
「えーせっかくかわいくなってきたのにー」  
「ほら,またあとでね」  
「……なにをする気なんですかっ!?」  
「気にしない気にしない.それよりほら早く着ちゃってよ,ゲームを続けよう」  
 
私が遊ばれている間に渡したキャミソールを着た彼女は私が着るよりも似合っているような気がします.  
一方,光沢のあるワインレッドのYシャツを着た私は……おかしくないでしょうか?  
 
「うん,かわいいよ」  
「うっすらと桜色になった肌や潤んだ瞳がいいかんじだよー」  
 
おかしくはないみたいですがそれは何か違うんじゃないでしょうか?  
それと胸元がキツいせいかボタンを留められないことや固くなっている先端と生地が擦れるのが気になります.  
いくら男性の目がないとはいえ,こんなはしたない格好をしていなければならないんて信じられません.  
先ほどまでは露わになっていなかったショーツも見えてしまっていますし.  
 
次の罰ゲームは貧民は富豪から脚をマッサージされるに決まりました.  
負けたらまたえっちなことされるに決まってますから,どうあっても勝たないといけません.  
無駄かもしれませんが気合いを入れ直します.  
それに少しだけ――そうほんの少しだけですが――昂ぶった身体を冷ますためにも,少し気を落ち着けないといけませんから.  
 
「なんとか勝てました」  
「あー,負けちゃったー」  
「あれ?私が貧民なの?」  
 
途中,そのショーツかわいいーとかその谷間は反則だーとか聞こえてきて,顔に血が集まった気がしますが気のせいです.  
 
「それじゃー,マッサージいってみよー」  
「どうすればいいんですか?」  
「あれ?やったことないのー?それじゃーわたしが言うとおりにやってみてー」  
「わかりました」  
「まさか自分がされることになるなんて……」  
「じごーじとくだよー」  
 
「まずはふくらはぎからー.ちょっと強めに揉んであげてー」  
「こうでしょうか?」  
「そーそー,そんな感じでもう一方もー」  
「あ,けっこう気持ちいいや」  
「あ,ときどき摩ったりするといいかも」  
「それ,ちょっと擽ったいんだけど」  
「そしたら今度は太ももだねー.同じよーに膝から上へと揉んだりー撫でたりー摩ったりー」  
「ええと,はい」  
「ちょっ,ちょっと……」  
「んーちょっと違うなー.わたしがお手本やってみるから真似してみてー.」  
「こうしてー,こんな感じでー,そしたらこう.それからこんなこともしてみたりー」  
「なるほど」  
「ちょっと止めてってばっ!」  
「んー,どうしてかなぁー?」  
「そ,それは…….ほら,もう十分だから終わりにして次を始めようよ」  
「ええと,そしたらこうと.マッサージってこんなこともするんですか?」  
「うん,この間見た雑誌に書いてあったからまちがいないよー」  
「それはマッサージはマッサージでもっ!」  
「あれあれー?反応してきちゃったー?」  
「……なんのことかな」  
「べつにーどことは言わないけどー」  
「ほらもういいから.次々」  
「私も腕が少し疲れてしまいました」  
「しょうがないなー.じゃ,罰ゲーム決めて始めようか」  
「大富豪は飽きてきたし,次で最後にしよう」  
「えー,じゃーねー,次の貧民は今晩はずっと残り2人の言うことに従うことー」  
「そ,それはさすがにちょっと」  
「いいよ乗った.絶対勝ってさっきの仕返ししてやるんだから.ほら始めるよ!」  
「え?え?ちょ,ちょっと……私はまだ賛成してませんって」  
「ありゃー怒っちゃったかな?」  
 
というわけで始まった最後の勝負.宣言どおりに1抜けされ,互いの手札は残り5枚になりました.  
負けるなーと視線で応援――いえ,もはや強要ですよね,これ――されています.  
私も負けたくありませんから頑張りますが  
 
「ええとー,これをこーして」  
「パスです」  
「次にこれとこれ出してー」  
「うぅ,パスです」  
「最後にこうしてこうだー」  
 
……あっさりと負けてしまったんですが.  
 
「ふふふー,想定どーりだよっ」  
「決め台詞のつもりなの,それ?それにしてもふがいないなぁ」  
「負けたくて負けたわけではありませんっ!」  
「まー,罰ゲームは罰ゲーム.今夜は寝かせないよー」  
「……冗談ですよね,それ?」  
「勝てなかった自分を恨むしかないんじゃない?最後に関しては私は応援してたよ」  
「ゲームを無理矢理始めたの誰だと思っているんですか……」  
「そ,それはどうしても許せなかったからで」  
「ほらほらーけんかは止めようよー」  
「確かに今更そんなこと言っていても不毛だよね」  
「そりゃ勝てたならいいんでしょうけれど」  
 
うう,私は無事に帰られるんでしょうか?というか,そもそも何事もなく夜を越えることすら何となく不安な状況なんですが.  
そのせいなのか,お風呂から出てだいぶ経っているというのにいつまでも身体が熱っていますし.  
 
「あまり酷いことはしないで下さいよ」  
「それじゃー,さっきから1人だけ飲んでないこの炭酸入りのを飲み干してみよー」  
 
ふだん炭酸が入ったジャースなんて飲むことありませんけど,この独特の喉ごしはどうしても好きになれません.  
それに何となくクラクラしてきました.空気が悪いんでしょうか?  
 
「あの,少し窓を開けませんか?」  
「どうしたの?十分エアコンなら利いてると思うけど」  
「そうだよー.それでも暑いなら脱いじゃえばー?」  
 
その言葉でYシャツを羽織っただけという今の格好を思い出しました.  
いい機会ですし,そろそろ返してもらいましょう.  
 
「あの,そろそろ服を戻しませんか?」  
「えー,そのままでいいじゃない」  
「私もそれに反対はしない.けっこう着心地いいしね,これ」  
 
こんな格好で一晩過ごすのはちょっと勘弁願いたいところです.どうにかならないものでしょうか.  
片手で止めていないとすぐにはだけてしまいますし,もう一方の手はグラスで塞がっていますし.  
 
「あ,さっきマッサージしてもらったんだし,やってあげればー?」  
「ん,そうだね」  
「またわたしがお手本見せてあげるー」  
 
ふと,そんなやり取りが聞こえたと思ったら,いきなりマッサージを始められてしまいました.  
慣れない刺激が擽ったくも気持ちがいいですんが,何だかそれが変な感じです.  
足ツボマッサージもされつつ,やがて太ももの方へと手が移ってきました.  
膝から根本へと指先で摩られたり,手のひらで撫でられたり,揉まれたりされてます.  
 
「そんな固くなってないでー.せっかくのマッサージが効果半減だよー?  
ほらー,グラスを置いて両手を後ろについてみてー」  
「そんなことしたら,Yシャツがはだけてしまうじゃないですか」  
「オトコの目なんてないんだから平気平気ー」  
「そう……なんでしょうか?」  
「そうそうー,わたしたちだけなんだから気にしないのー」  
 
言われてみれば,こういうときはリラックスしないといけない気もします.  
それに,ルームコロンなのか製油なのかわかりませんがどこからか心地よい香りがしてきました.  
 
「んーやりにくいかなー?ちっと膝を立ててくれるー?」  
「わかりました」  
「さっきも言ったけどこのショーツかわいいよねー」  
「うん,淡いミントグリーンが綺麗だし,アクセントのリボンが何だからしい感じ」  
「きゃっ,そんなとこ見ないで下さいっ」  
「あははー赤くなってるー.目に入っちゃうんだからしかたないって.  
それでどうー?けっこう気持ちいいでしょー.がんばって練習したんだからー」  
「さっきされたの上手だったし,気持ちいいと思うよ」  
 
確かに気持ちいいです.疲れているとは思っていませんでしたが,普通に歩くだけでも疲労が溜まっていたんでしょうか.  
それはそうと何だかさっきよりも身体が熱ってきました.これもマッサージの効果なんでしょうか?  
 
「体勢がつらかったら横になってみるー?ついでに上半身もやってあげるよ.」  
「ええと,ちょっと大変なのでそうします」  
「二の腕とか胸のつけ根の辺りとかをほぐすといいみたい.どうかなー?」  
「ぁあ……確かに気持ちいいです」  
「そうー?じゃー続けるねー」  
「ぇえ,あぁ,もう十分ですから終わりにしましょう」  
 
胸や太ももを刺激されているからか,次第に別の意味で気持ちよくなってきてしまいました.  
このまま続けられてしまうのは望むところではないので制止の声を出さないといけません.  
 
「えー,気持ちいいんでしょー?わたしはまだ疲れてないから大丈夫だよ」  
「うん,私も大丈夫」  
 
私が大丈夫ではないんですっ!かと言ってまさかマッサージをされて性感が高まってきているとも言えませんし…….  
どうしたらいいんでしょうか,この状況.  
 
「すっごく気持ちよさそーだね.我慢しないで声出していいんだよー?んー,それじゃ次はこうだー」  
「ぅぅん,それぇ,やぁ……やめてくださいぃ」  
「おー,さすがに胸を揉まれると声がまんできないよねー.気持ちいーでしょー?」  
「もしかしてぇ,最初からそぅう,あぁん,いぅつもりだったぁあんですねぇ?」  
「あれー?言ってなかったけー?」  
「これ,性感マッサージだよ.さっきおかしいと思わなかったの?」  
「ふふー,もうカラダは昂ぶっちゃってガマンできないでしょー?」  
「そんなことぉ,あぁりませんからぁ」  
「つよがっちゃってー.このこのー」  
「ぁん,もういぃでしょう?……止めて下さいぃいい」  
「とか言いながらー,こんなに乳首を尖らせてるのはだれなのかなぁー?」  
「それはっ,あぁ,言わないで下さい」  
「乳首もマッサージしてほしい?お願いされればしてあげるよー?」  
 
……ダメです.気持ちよくてボーっとしてきて,ぁああ,何も考えられなくなりそうです.  
お願いすれば,もっと気持ちよく,なれるんでしょうか……?  
あぁ,でもそんなことを口にするなんてぇ.はしたないですし,恥ずかしすぎます.  
 
「んーがんばるなー.いいのー?いつまでもこのまま生殺しだよー?」  
 
ううぅ,胸や太ももに悪戯されて,性感を高められ,感じてしまっている姿を人前で晒しているなんて信じられません.  
いくら気の置けない友人とはいえ,いえ,だからこそあんまりです.これから顔を合わせる度に思い出して真っ赤になりそうな気がします.  
……あれ?どうして,私は,ここまでされたのに,気持ちよくなるのを,我慢している,んでしたっけ……?  
 
「ぅう,お願い……します」  
「えー?何をかなー?」  
「そっ,そんな…….お願いしたらぁあしてくれるってぇ」  
「なにをするんだっけー?」  
「ですからぁ,そのぉ,マッサージの続きですぅ」  
「お願いのしかたが悪いんだよー.りぴーとあふたーみー.  
おっぱいを悪戯されて気持ちよくなったえっちなわたしの乳首をマッサージしてください」  
「い,言えませんっ,そんなことぉ」  
「言わないとこのままだよー?」  
「そんなぁ……」  
「ほらほらー言っちゃいなよー.そしたらもっと気持ちよくなれるよー?」  
「もっとぉ……気持ちぃいんですかぁ?」  
「そうそうー.ほらーもうガマンできないでしょー.言っちゃえ言っちゃえー」  
「あぁぁ,もうダメぇぇ.  
おっぱいをぉ悪戯されてぇ,気持ちよくなってしまったぁ,ああんっ,エッチなぁ私の乳首をぉ,どうかマッサージしてくださいぃぃ」  
「あーあ,後で絶対恥ずかしがるよ,このコ」  
「よく言えましたー.それじゃごほうびー」  
「あぁ……んんぅ,うぅ変ですぅ.なにかぁああん,このままだとぉなにかキちゃいますぅ」  
「あれー?もうイっちゃいそう?」  
「けっこう焦らしてたしね.もしかしたらそうなんじゃない?」  
「やっぱりここは寸止めするのが定番だよねー」  
「鬼とか悪魔とかGMとか言われそうだね……」  
「じーえむってなにー?」  
「ん,何でもない.気にしないで」  
「あぁぁ,キますぅ.なにかキちゃいますぅぅ」  
「イキそうなんだー?頭の中が真っ白になっちゃいそうでしょー?それイクっていうんだよ」  
「あああぁぁぁ,イクっ,私イッちゃいますぅ.ああぁ」  
「はい,ストップー.ふふふー,あと少しってところでイケないともどかしいでしょー」  
「「はぁはぁはぁ……あぁぁ,どうしてぇ」  
「んー,私たちに見られながらイキたかったのー?恥ずかしがり屋なのにそんなこと言わないよねー?」  
「そ,それは……」  
「そんなことになったら後悔するよ,絶対」  
それはそうかもしれませんが,あんなことしておいて直前で止めるなんて…….  
 
あと少し,ほんの数秒続けてもらえれば絶頂まで昇れたんです.  
ああ,でも……落ち着いてきたら恥ずかしくなってきました.  
なんて言葉を口にしてしまったんでしょう,おっぱいだとかイクだとか今まで一度も言ったことがありませんのに.  
 
「さてー,新しい道具も準備できたしー,続けるよー」  
「え?え?なんですか?」  
「まずはこの手枷で両手を拘束してー」  
「なんでそんなものがあるのよ……」  
「んー趣味だしー.そしたら,足首をテーブルの脚の外側につないでー」  
「やっぱりそういう趣味だったんだね」  
「ひとのこと言えないくせにー.同類はなんとなく判るんだからー」  
「ノーコメント」  
「や,止めてくださいっ.いくら何でも冗談が過ぎますっ!」  
「あれー?さっきイケなくて残念そうだったから,今度はイカせてあげようと思ったんだけどなー」  
「そ,そんなのけっこうですっ」  
「そうなのー?じゃー,ちょっとカラダに聞いてみようかー.あ,これ使っていいよー」  
「ローターまであるんだ」  
「そんなのよゆーよゆー.小中大特大と各サイズのバイブもあるよー」  
「それじゃ遠慮なく」  
「あぁぁ,そんなっ,いきなりぃぃいい」  
「乳首用ローターと二人がかりで太ももをローターで責められるのはどうー?」  
「聞くまでもなく気持ちよさそうだよ」  
「そんなぁっ,そんなことっ,ぁぁあありませんからぁぁああん」  
 
そんなの嘘です.二人の顔を見る余裕なんてありませんが,バレバレなのに決まってます.  
太ももは指で摩られるのとは全然感覚が違いますし,あぁ,乳首につけられたローターの振動は身体を更に熱らせてしまいます.  
かといって,先ほどのように気持ちがいいかというとそうでもなくて……このままではまた生殺しです.  
ああぁ,またはしたなくて恥ずかしい言葉を口にしなければいけないんでしょうか.  
そんなのは絶対嫌です.ですが,ずっとこのままなんてそれこそ耐えられませんっ!  
 
「だんだん気持ちよくなってきたよねー.ねー,そろそろクリも責めてあげようかー?」  
「ぁぁ……そんなことぉ」  
「してほしいの?ほしくないの?」  
「もちろんしてほしいよねー」  
「ぅうう,してぇっ!してほしいですぅ」  
「それじゃー邪魔なものは脱がしてもいいよねー.あー,もうぐしょぐしょだ.脱がしたらえっちな糸引きそうだよー?」  
「そんなぁ……そんなことぉ」  
「膝まで脱がせばいいよね」  
「うん.さて,りぴーとあふたーみー.  
わたしはえっちなおもちゃで責められて感じてしまってます.そんなえっちなわたしのクリトリスを悪戯してください.はい」  
「い,言えませんっ.お願いですぅ,お願いですからぁ」  
「言わなきゃダメだよー」  
「そうそう,してほしいことはちゃんと言葉にしないとね」  
「あぁ,わ,私はエッチなオモチャで責められてぇ感じてしまっていますぅ.エッチな私のくりとりすをぉどうか悪戯してくださいぃ」  
「よく言えましたー」  
「ぃいい,きもちいいぃぃですぅぅ.ぁぁぁぁあああああ」  
「でも,このままイカせてはあげないんだー」  
「ど,どうしてですかっ」  
「分からない?わたしはえっちなおもちゃで責められて,クリトリスを悪戯された感じてしまっているえっちなコです.  
そんなわたしのえっちな汁で濡れたオマンコをローターで弄ってどうかイカせてくださいってまだお願いされてないじゃないー」  
「ぁん,ああぁぁ,イクぅもう少しでイケそうなんですぅ」  
「だからーまだイッちゃダメー.ちゃんとお願いしないとねー」  
「私はぁ,エッチなオモチャで責められてぇ,クリトリスを悪戯されてぇ感じてしまっていますぅ,エッチなんですぅ.  
どうかぁ私のエッチなお汁で濡れたぁ,オ,オマ,オマンコをローターで弄ってぇイカせてぇっイカせて下さいぃぃ!」  
「わ,ほんとに言ったよ」  
「あぁぁん,イクぅっ!今度こそイクのぉ,イッちゃうのぉ.ぁぁいぃ,イクのっ,あっ,イクっ,イクイクイクイクイクぅぅぅうううう」  
「あははー,イッちゃったねー.アクメの瞬間の顔すっごく可愛かったよー.これは一息ついたら第2ラウンドだねー」  
「今度は私に言葉責めやらせてよね」  
 
私たちの初めての夜はこうして更けていくのでした.……途中で訪れた機会に私も仕返ししましたよ,勿論.  
 

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