「奥さん!」  
「だめよお米屋さん」  
古典代名詞の一つ。  
なお、この台詞の使用が許されるのは玄関先のみであり、  
疲れたでしょう、といって室内に案内されてからは使用してはいけない。  
類義語に「せ、先生」「だめよ○○くん」というものがある。  
この場合『せ』とどもることにより思春期の焦りの表現を(略  
 
民明書房刊『よく分かる古典辞典』  
 
 
うららかな昼下がり、主婦山瀬昭子(32)は洗濯物を畳んでいた。  
畳みながら、ふと、部屋の角に目をやると昨年自分を  
残して死んでしまった、夫、山瀬春夫の忘れ形見がすやすやと、  
ベビーベッドの中で寝ている。  
暢気なものだ、と苦笑する。  
しかしと昭子は考える。  
作家だった春夫のお陰で食べるには困らないし、  
昭子と春夫の親も何かあったら頼ってくれといってくれている。  
少なくとも衣食住の心配はないのだから暢気にもなるかと考え直す。  
小心者の自分と違ってこの子は夫に似たんだろう。  
昭子がそんなとりとめの無い事を考えているとピンポーンと呼び鈴の音がした。  
「ちわーっす、宅配です」  
「あ、はーい」  
 
急いで判子を探し玄関に向かう。  
窓を覗き、相手を確認し、鍵を外す。  
すると鍵を外した瞬間ドアが強く押され、  
宅配会社の制服を来た男が入ってきたかと思うと  
「奥さん、触手屋です」  
と言うなり、抱えていた荷物を玄関口に置き、さっさと出て行ってしまった。  
「えっ」  
昭子はドアを開ける強引さに強盗かと思い身構えていたのだが、  
目をやれば、縦横50cmほどの箱が置いてあるだけで男の姿は既になかった。  
「悪戯?」  
昭子は訳が分からずに呆然としていたが、とにかく箱を見てみようと近づいた。  
その瞬間、箱を内から破り、無数の触手が出てきた。  
「ひっ」  
一本の触手助けを呼ぼうとした昭子の口に潜り込み、声を殺すと、  
他の触手が昭子の体を拘束する。  
「んーっ」  
振りほどこうとするが触手は微妙に力加減を変え、動きを消してしまう。  
そして拘束に参加しなかった触手たちが、女ざかりの昭子の体に襲い掛かる。  
「んっ、んぁ、ん」  
タートルネックの白のセーターを押し上げる豊満な乳房に対し、  
触手は裾から侵入すると苛烈に締め上げ、  
先に付いている口のようなものが乳首に食いつく。  
「んっ、ふぅ、んんぁ」  
また下半身を包む茶のロングスカートは腰まで捲り上げられ、  
秘所をショーツ越しに擦られる感覚に昭子は鳴いた。  
 
およそ一年間、時に自分から体を慰める事もあったが、  
男の体を知らずにいた昭子の肉体は、  
昭子の意に反し、触手がもたらす快楽を貪欲に欲していた。  
「んっ、んぁ、っぁ、んっっ、ぷぁ、あぁ、ふぁ、ゆ、許して」  
口を犯していた触手が離れる事により言葉を取り戻した  
昭子だったが、声を聞くことにより、自分がこのおぞましい触手によって  
快楽を受けていることを自覚してしまい、全身を羞恥によって赤く染めてしまった。  
「はぅ、ああ、ひぁ、ああ、あぅ、っあぁああ」  
こんなモノで気持ちがよくなることなどない、とウェーブのかかった髪を  
散らしながら必死に否定するが、各所に加えられる愛撫はそれを断罪するかのように  
激しくなり、昭子の声が途切れる事はない。  
「あぁ…あ、いや、だめ、だめぇ」  
当然といえば当然だが乳飲み子を抱える昭子の乳房は時間が来れば、  
ミルクを出すために、張ってくる。  
それを感じた昭子はやがて来るだろう光景を回避しようと声を上げるが  
触手は分かっていたかのように乳房への愛撫の仕方を変えた。  
今まできつく、乳房全体を締め上げるようにしていたそれを  
柔らかに、何かを搾り出そうとするようにしたのである。  
その変化に昭子の肉体は耐えることができなかった。  
いや、乳房がミルクを出す事が自然ならば耐える必要はなかったのだろう。  
「だ、だめぇえええ」  
昭子の悲痛な声が上がるが、触手はそれを無視し、乳房から出てきた  
ミルクを先の口のようなもので吸う。  
「あぁああああ」  
 
むせび泣く昭子だったが、触手はそんな暇は無いと言わんばかりに  
ショーツ越しに行っていた愛撫を止めると、器用にショーツを脱がせ、  
その先端を、快楽に濡れた秘所へと定めた。  
「お、お願い、それだけは、それだけは」  
夫以外の何かを迎えるということに恐怖する昭子だったが  
そんな感情の揺れを感ずる能力はないのか、  
触手はその身を昭子の秘所に突き入れた。  
「うぁああああ、ああ、はぅあぁ、ひぐっ、くぅぅぅ」  
そしてそのままの勢いを維持しながら、時に円を描くように、  
緩急をつけた動きで昭子を翻弄する。  
いつしか艶めいた声色になっていた昭子だったが、  
快感に白く染められつつあった頭はそれを考えてはいなかった。  
「ああ、き、気持ちいい、あっ、うぁぁあ、ふぁあああ、ぁあああ」  
胸を揉まれ、絞られ、吸われ、秘所を貫かれていた昭子の体が硬直する。  
それをもたらしたのは菊座にねじり込むように入った触手だった。  
それは回転しながら出入りを繰り返し、昭子はそれによって  
何度も軽い絶頂を繰り返していた。  
初めて菊座に入れられたという思いは、膣と腸の触手が粘膜ごしに  
身を寄せ合うという感覚によって吹き飛んでいた。  
「ああ、も、もうダメ、イク、イっちゃうぅぅぅうううう」  
何回も軽いアクメを感じていた昭子は乳首、クリトリスに吸い付かれ  
大きな波が砕けるイメージと共に、果て、失神した。  
 
 
 
「あ、あれ」  
目を開けるとそこは夕日が差し込む自宅の一室だった。  
周りには畳んだ洗濯ものが置いてある。  
目を擦りながら昭子は起きあがり、ゆっくり考える。  
触手など影も形もない。  
「夢?」  
なんて事だろうと思った。  
あんな夢を見るとは自分は欲求不満なのか?  
というか娘は既に16歳だ。  
夢の中の自分と今の自分の年齢は同じだが  
風景が娘が赤ん坊の頃なのはどうしてだ?  
幾つものどうして?が昭子の頭を駆け巡り、  
羞恥が顔を夕日に混じるように赤く染めた。  
「もう、こんな夢見てるようじゃダメね……けど良かった  
 千佳ちゃんが帰ってきてなくて」  
変な寝言でも聞かれたときには家族関係の終わりだ。  
昭子は夕方という事もあり急いで夕飯の支度を開始した。  
 
 
ガタンゴトン、ガタンゴトン  
山瀬家に程近い駅近くの本屋。  
その一角で山瀬千佳は立ち読みしながら頭の中で愚痴っていた。  
 
 
もう、お母さんたっら、帰るなりオナニーの最中ってどういうことよ、  
年頃の娘がいるんだからちったぁ考えてよ、ああ、けどお母さんも  
若いしい、どうしても体が宇疼いちゃうってこともあるわよね、  
娘の私が週5回しちゃうくらいだからお母さんも無理ないのかな  
いや、もしかしてお母さんが淫乱で、その血が私にも流れるとか?  
うそ、いや、けど、皆の回数分かんないし、ああ、私って普通なのかな  
普通だよね、お母さんに聞いてみるか?  
いやいやいや、娘の私から見てもほんわかした所がある人だ。  
オナニーの平均どうったなんて聞いたらぶっ倒れてしまう。  
ああ、どうしたらいいのよ。  
 
思考の袋小路から抜け出した千佳が家に帰るのは1時間後。  
夕飯の最中に「お、お母さん、オナニーしたことある?」  
という質問をしてしまうのが1時間半後。  
昭子が笑顔のまま固まるのも1時間半後。  
 

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