「――ハッ! ……きゃー!? 遅刻遅刻!!」
私は目覚まし時計を見るや否や、ベットから慌てて飛び起きる。時計はすでに八時を示していた。
「どうして目覚ましが鳴らないのよ!」
しかし今は原因を追及している場合ではない。パジャマを脱ぎ捨てながら姿見の前に。――ああ、なんつー髪型。
こんな日に限ってすごい寝ぐせがついているのはなぜなのだろう。
「あーもう! 全然髪がまとまらないじゃない!」
しばらく櫛で梳いてたが、イライラしているのと慌てているので上手くいかない。私は髪のセットを諦め、とりあえず最低限寝ぐせだけは直す。
バタバタとようやく身だしなみを終えて、一階のリビングに降りて行くと母が朝食の準備をしていた。
「もう! お母さん! 何で起こしてくれないの!」
そんな母にやつあたりだと分かっていながらも、ついつい強く当たってしまう私。
「そんなこと言ってもあなた。母さんは声は掛けたわよ」
「初日から遅刻だなんて……。ああー! 行ってきます!」
自分から突っかかって置きながら無視を決め込む。
重ね重ね言うが私には時間が無いワケ。返事している場合じゃないの。……ゴマカシテナイヨ?
「朝ごはんはー?」
「食べながら行くー!」
私は食卓にあった食パンを口に咥えて家を飛び出して行った。
私は道路を全速力で走る。ああもう、信号待ちがうっとおしい! でも、確かここから先に信号はなかったはず。
時間をちらと見ると、予想よりも早く進めてるようだ。――もしかしたら間に合うかも……
ようやく信号が青に変わる。
「いっくわよー!」
掛け声と共に発進。このまま直進、そしてそこの角を曲がれば――
ドカーン!
そんな轟音と共に私は強い衝撃を受ける。首がしなってむち打ちみたいになってしまった。とても痛い。
――何かにぶつかったみたいだ。
クラクラする頭を上げてで前を見る。男の人が駆け寄ってきた。
「――って、どこ見てんのよ!」
私がそう叫ぶとそいつは悪びれもせず、
「俺の車見てんだよ! ああ……こんなにでかい傷が……」
「ちょっと! それおかしいでしょ!」
私は車から降りるとそいつに詰め寄って行く。あ、私の車もへこんでる……修理代結構かかりそう……
「うるせー! 大体確認もせずこんな狭い道で急に曲がってくるそっちが悪いだろ!」
「うっ……。そ、それはそうだけど……私が悪いかもだけど……。だからと言って一番に自分の車の心配する!?
まずは相手の心配する方が先じゃない!?」
「い、いや……。その……それは悪かったけど――って何で俺が下手に出なきゃならないんだ!」
最悪も最悪。出会いがしらの交通事故、それが私と彼の出会いだった。
つづかない