「ちょうだいよぉ! アイコのお口におちんぽちょおだぁい!」  
だらしなく涎を垂らしながら少女は叫んだ。その手首は柔らかな手錠で拘束されている。  
「おまんこも! こぉんなにいやらしくなってるのぉ! 誰かぁ、ご主人さまたち……」  
少女は脚を開こうとして……、自分の股に不快な布切れが当たっているのに気付く。  
「いやぁ! アイコの、おまんこどこ? おむねどこ!?」  
少女にとって、見慣れた自分の裸体が隠されてしまったことは恐怖だ。  
着せられた可愛らしいワンピースから逃れようと身をよじりだした。  
 
「ああ、もう異常な生活に慣れきってしまっているんですね、あの子……」  
遠くから少女を見ていた白衣の女性は、悲痛な表情を浮かべた。隣の男性が頷く。  
「そうだな。だからこそ我々が彼女をまっとうな人間に戻さねばならない」  
「ええ」  
 
アイコ、という名の少女は、まだ物心がつかないうちに性犯罪者組織に連れ去られた。  
そして肉便器として男達に調教されつくしたのである。  
しかし、長年の後、犯人達は全員警察に捕まり、少女も無事救出されたのだった。  
ただ、今までの人生ほとんどを肉便器として過ごしてきた彼女を、普通の生活に戻すには  
並々ならぬ治療が必要だった。  
 
「やああ! お口におちんぽじゃないの突っ込んじゃ、ダメなのぉ!!」  
アイコは大きく首を横に振って抵抗したが、医師はそっと彼女の顎を掴み、涎の絶えないその口に  
手に持っているもの――ペロペロキャンディ――をゆっくり差し込んだ。  
「あふ……うぁあ!」  
口が左右に押し広げられ、アイコは一瞬うっとりとした顔つきになった。それは未知の感覚だった。  
ずっとおしゃぶりのようにしゃぶり慣らされた男性器とはかけ離れた味……。  
舌をとろかすような甘さだった。アイコは驚き、おそるおそる舌を動かし、キャンディを味わった。  
次第に夢中でしゃぶりだし、時折、  
「ごめんなさいご主人さま……」  
と悲しげな目つきをした。  
 
「身体に刻まれてしまった快感を忘れさせよう」  
と、医師達はアイコの体中に軟膏を塗りたくった。これは発達し過ぎた触覚を鈍感に戻すもので、  
性感帯には特に念入りに塗りこまれた。  
「これで手錠を外しても大丈夫なハズだ」  
医師の一人が手錠を外すと、アイコの手はすぐさま自身のクリトリスへ向かった。  
「ああ、駄目だよ!」  
若い医師が止めようとしたが、他の医師が制止した。  
「見ていたまえ」  
アイコはパンツを下ろし、クリトリスを指で弄り始めた。その仕草は幼い少女とは思えないほどの  
器用なものであった、が……。  
「あ、アレ? 良く……ならない…………どうして?」  
手つきを早め、強く指を擦りつける。しかし、快楽はやってこない。  
「おさねが、おかしくなっちゃったぁ……」  
涙のように愛液が漏れ出す。しかし医師達はそれをすぐに拭き取り、乾かした。  
アイコはクリトリスをぐいぐいと押しはじめたが、  
「っ、痛……」  
もう快感を伴わない痛みしか感じなかった。  
 
続いて、アイコは膣を収縮させる注射を打たれた。  
注射をされること自体は慣れていたので、針が刺さる瞬間にはマゾ的な笑顔を浮かべた。  
しかし起こる体の変化にはついていけないようで、おろおろとしてしきりに脚の間を覗き込んだ。  
どんな男のモノでも受け入れた膣が収縮していく。幾多もの男達と密接に関わってきた思い出を  
封じられながらも、膣内が狭まれていくことに奇妙な安心感を覚えていた。  
「ああ……あぅぅ……」  
伸縮性のあった膣肉は固くなり、膣口は閉ざされ、  
年相応の少女のそれとなった。  
「ここは女の子の大事なところなんだから、簡単に開けさせちゃダメなのよ」  
女性医師の言葉が、催眠術のように優しく響いた。  
 
 
・・・・・・  
数年後、治療を終えたアイコはごくごく平凡な学生として人生を過ごしていた。  
肉便器だった記憶も幸せな記憶に塗り替えられ、もう残っていない。  
ただし経験したことへの反動からか、性への嫌悪が人一倍強くなっていた。  
(……汚らわしいわ)  
友人との会話に少しでも卑猥な単語が混じると密かに眉をひそめる。  
しかし同時にほんのりと懐かしさをも感じてしまい、そんな自分を不思議に思うのであった。 (終)  
 

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