私はいつものように学校へ通い、いつものように帰ってきた。
そしていつものように両親が帰っていない家のさらに自室の中のPCの前に座る。
カタカタ…カタ…
「クスクス…これは…笑えるなー…」と一人で行きつけの掲示板の書き込みを見て一人で笑う。
そういえば今日もまた告白された。割りと顔はよかった。
一応周りの女子よりはスタイルは悪くないし、顔もまぁいい方なのかな?
自覚はしつつあった。いや、自覚せざるを得なかった。男女問わずクールビューティなどとあんなにもてはやされれば―――。
そんな訳で告白されるのも例外なく『いつものこと』なのである
別にタレントになれる訳でもなし。クールビューティなんてただ暗いだけじゃないの。
裏の顔、とでも言おうか、私は一人の世界では画面に張り付く真性の現代っ子なのだ。
できればクラスメイトには知られたくない
「ふう…」
溜息をつき、書き込みの送信を押す。もう一度掲示板に戻り、コメントを流していると、虫が画面に寄ってきた。動いてはいるが、飛んでいく気配がない
仕方なく手で除けようとする。
「んっ?」
払い除けた感触がない。しかも今の自分の手は全く我には介せぬと言った感じでまだうごめいている
「何…?これ…」
よく見てみると、それは虫ではなく
「うわっ!それスゴイ笑えるね!!」の一部
『っ』だった。
次第にうごめく文字が増えていく。怖くなった。
新手のウィルス!?だとしたらヤバイ。
「何なの…!?これ…」
ただ見ているしかなかった。キーも何も反応しない。画面が出鱈目にスクロールされていくばかり。うごめく文字が増える。増える。増える。
中には大きくなる文字もあった。そしてそれが画面からハミでる程に大きくなると
『さ』が文字どおりハミ出てきた。
「!?キャァッ!」
何が起こっているのかわからない。ただの文字が画面から飛びだすなんてありえない!
立体感を得て、2次の世界から3次の世界へとレベルアップを果たした文字は大はしゃぎ。次々と他の文字もレベルアップしていく。
『に』『ヒ』『g』…まだ増える。
呆気にとられている私の周りを文字達が喜ぶ中
「え…あっ!?」
『口』に私の両手首は上に掲げさせられるように拘束された。
「えっ!?はっ離してっ!」
まだ訳がわからない。『口』は離してくれる様子もない。
「離してったらっ!」
それで離す相手なら苦労はしないな、と言ってから気付く。
30分後
大分落ち着いてきて、わかったこと。
これは夢ではない。文字達には大きさの違いだけでなく、感触、重さにも違いがあるということ。
情報は得たはいいが、状況と文字のテンションは変わらない。性格もあるのかな?そんな事を考えていた矢先だった
不意にお調子者で冷たい温度の『e』が服の中に入り込んで来た。
「ひゃんっ!?」
『e』は腹、背筋、胸、うなじを縦横無尽に駆け巡る。
「ちょっと…待ってぇっ!それはダメェ!あんっ!?」
今度はショートジーンズの中でヌルリとした感触が押し寄せてきた。小柄な『チ』の悪ノリである。
「ぁあっソコ、ホン、トにダメっ…!」
拘束された手はもちろんの事、足も力が入らない。この空気はマズイ。未経験ながらもそう直感した私だが、もう口を動かす事しかできない。
「ホ、ントに、やめ、てった、らぁ…ぁ」
とうとう『e』『チ』がインナーの内側に侵入した。
「あぁっ!はぁんっダ、ダメダメダメーッ!」
この叫びを合図に、他の文字が一斉にこちらに向かってきた。(硬派な『V』を除いて。)
『の』そして『Q』が絶妙なコンビネーションで私の脚に自身を通し、拘束し私の体を宙に持ち上げていく。
「う…あぁ…痛い…」
私の手首に負担がかかる事を知った大きな『T』は、私の下に回って下から支えてくれた。優しいんだね。…じゃなくてもう私の体は結構キテる。次やられたら――――。
カチャカチャ
何の音?
ギョッとした。器用な『な』が私のジーンズのジッパーを…。
「あ…あ…いやぁ…」
言葉が上手く出ない。案の定引きずり落ろされ、更に大股開きにさせられた。インナーも引きずり落ろす気らしい。もちろん上の方のも。
「ダメッダメッ…あぁ…」
もう駄目。恥ずかしすぎる!だが責めは止まらない。『P』が胸の先を、『S』が下を責めてくる
「はっひぃいんっ!いやぁっんはぁああっ!」
これだけでもう軽くイッちゃった。
『の』と『Q』は更にピッチをあげ、更に脚を開かせた。そこに待ち構えていたのは、『ニ』である
「えっ!?なっ何するの!?いやっいやっウソッあはぁぁああん…ッ!」
やっぱり下の長い方が前の穴に入ってきた。もう既に出来上がっていたソコには、意地悪な『ニ』が暴れている。そして短い方はというと、えっ!?ウソでしょ!?
「えへぇっ!?いやっソんナトこぉッ入らナいよォッ!」
もうダメダメな言葉を話す私の後ろの穴に、何かが来た。
「あはぁぁぁぁっ!!」
それは2時間ほど続き、私は何回も文字相手に頭を真っ白された。痙攣して体が言う事を聞かない。
「ヒド…イィ…もう…大…キライィ…」
その言葉を聞いた文字達は今までがウソのようにピタリと動きを止めた。
「え…?」
皆先ほどの元気はどこへやら、一人…いや、一文字残らずトボトボと画面の中に帰っていった。とても寂しそうで、それでいて後悔しているように…。
「…………」
それから数日間私は画面を見る事はなかったが、最近また再開した。文字達は元気だしただろうか。
でも心配はいらなかった。私が部屋に入ろうとすると、決まってバタバタと音がする。ノロマな『み』が画面に入りそびれてたりするのも度々目にするの。
あの子達は外で遊びたかっただけ。さて、日曜には私から謝って遊んでやるとしますか。…あくまでも健全に…。
おわり。