「これは…… 絶対に許すわけにはいかないわ!」  
10歳の少女、川澄まなは、屋敷に入るなり不機嫌そうな顔で言った。  
彼女は、祖母から受け継いだ杖を使いこなし、魔界からの使いを撃退していく、正義の魔法少女である。  
 
そして最近、まなの通う学校の少女達が行方不明になるという事件が勃発していた。  
数週間前から、まなの周りから女の子が消えていっている、それもかなりの数なのだが、  
…しかし、何か記憶操作でもされているのか、まな以外の誰もその事には気づいていなかった。  
「これはきっと魔界の使いの仕業ね!」  
まなはそう予測し、すぐさま「闇の魔力」を感じる場所をサーチして、森の中にある館を見つけた。  
 
ビンゴだった。  
館の中で、行方不明になった女子児童達を見つけたのだ。  
それも一人二人ではない、ざっと見ただけで40人の児童が、ガラスケースの中に「展示」されていた。  
そして女子児童達は皆、時間を止められていたのだ。  
少なくともまなは、魔力の流れからそう判断した。  
事実、ガラスケースの中の女子小学生達は、瞬きもせず、ずっとその場所に静止している。  
 
皆、何かに驚いているのか、きょとんとした表情で固められている。  
学校の制服であるセーラー服を着て、ランドセルを背負っている事から考えるに、どうやら登校中か下校中を狙われたらしい。  
そして様々なポーズを取らされて、皆ガラスケースの中に「展示」されている。  
傍から見れば  
(驚いてはいるけど……。 特に変な事はされてない……かな?)  
しかしまなは気付いていない。彼女達の薄いスカートの下には、本来あるべき筈のパンツが無く、性器が剥き出しだという事に。  
(すぐに助けてあげるからね!!)  
まなは少女達にそう誓い、屋敷の奥へ向かっていった。  
 
 
奥につき、魔界の使いの正体を見た時、まなは少し驚いた。  
何故なら奥にいたのは、自分より年齢が少し上くらいの「女の子」だったからだ。  
蝙蝠のような翼を生やし、先が槍のようになっている細い尻尾を生やしてはいるが、他の部分は普通の少女と変わらない。  
むしろ、同性であるまなすらも魅了しそうな可憐さを持っている。  
「……あ、見つかっちゃった!?」  
「そうよ、見つけたわ! ……覚悟してもら――」  
勇ましく敵に杖を向け、まなは相手を威嚇しようとした。  
しかし、魔界の使いである少女を見た瞬間に驚いてしまったため、それは未遂に終わる。  
何故なら、悪魔が座っているのは、「ブリッジ」をした女子小学生の、背中の上だからだ。  
かろうじて裸ではないが、それでもパンツが無い事に、まなは気付いた。  
そして怒りながら、こう叫ぶ。  
「…… よくも、皆を!!」  
「…いや! あの! これは不可抗力ってやつで!」  
何故か否定する悪魔。  
「問答無用!! ……一刻も早く貴方を倒して、皆を開放する!!」  
そして彼女は、今まで抱えていた杖を上に掲げ、魔力を開放する。  
刹那、彼女が着用していたセーラー服が裂け、少女の体が光に包まれる。  
その光が晴れた時、まなは正義の魔法少女「マジカルマナウィング」に変身する…… 筈だった。  
 
「少しは人の話を聞きなさい!!」  
悪魔が変身中のまなに向けて、瓶の液体を投げつける。  
本来ならまなの変身中は、全ての攻撃を弾く筈…だったのだが、その液体は何故か弾く事は無い。  
「リリカルまじかる……。」  
勇ましい表情で詠唱するまなの体を、液体がすっぽりと包みこむ。  
刹那、光が晴れ…… 中から、全裸のまなが登場した。  
勇ましい表情で、大きく口を開けながら、空中で動かなくなった全裸の少女が。  
 
悲鳴を挙げる暇も無く、彼女の時間は止められてしまったのだ。  
 
「……人の話を聞きなさいよ〜、もー!!」  
そして、悪魔の少女が、かなり感情を露わにする。  
「最初から悪魔と決めつけて暴力で解決するような…そういう子はお仕置き!  
……この時の精霊「ラプラス」が、 マジカルマナウィングにお仕置きするわよ!!」  
 
まなの変身は、まず、自分の着用している衣服を異世界に移動させて、その後魔法装束を自分に装着させるというものだ。  
そして今彼女は、その、着用していた制服を異世界に移動させた「時点」で、「時の水」というものにより時間を止められた。  
「時の水」というものは、それを浴びたものの全ての時間を停止させてしまうという、魔法の水だ。  
まなは変身中にこの水によって時間を止められ、固まってしまった。  
彼女だけではない。彼女が入り口で見た女子児童達も皆、この水により身体の時間を奪われ、ここまで運ばれてしまったのだ。  
そしてその後、パンツを盗まれてしまったわけだが。  
 
「……さて、全裸で固まってくれたのは好都合ね。  
これならお仕置きもすぐできるし。 ……本当人の話聞きなさいよ。」  
ため息をつきながらも、悪魔はまなに近づく。  
彼女は瞬きもせず、変身中の途中のまま、空中で静止している。  
自分が憎むべき悪魔の少女に、全裸をじーっと見つめられても、彼女はずっと静止しているのだ。  
 
悪魔はまず、尻尾をまなのお尻に突っ込んだ。  
「んん!! …… な なんという締め付け…!  
流石女子小学生! 美味しそうなお尻だからと突っ込んだ私が…やばい!!」  
尻尾はずぶずぶとまなの中に入っていく。  
まなの小さな体は、そんな侵入者を拒むかのように、それを締め付ける。  
その締め付けが、悪魔にとっては快楽の元だというのに。  
「……んく! こ ……ここが奥ですね……!」  
長い指のようにしなやかに動く尻尾は、まなのお尻の「奥」にたどり着き、そこを撫でる。  
まなの体の時間は止まっているのに、彼女の中は温かい。  
「くぁ!……あ……んぅ!!」  
そして悪魔の尻尾は、非常に敏感に出来ている。 特に彼女の場合は「弱点」だ。  
可愛い女の子に尻尾を握られるだけでイッてしまう悪魔だ。  
女の子の中に入れたとなれば、その快楽は普段感じる事のない、強いものになる。  
「……ごめ!! も… イッちゃ……んんん!!!」  
そして悪魔は激しく体を揺らせ……、そのまま倒れこんだ。  
尻尾を突っ込まれたまなはまだ、魔法少女になる事も出来ず、全裸で勇ましい表情をしていた。  
 
 
時間停止を解除した瞬間。  
まなは表情を崩し、そして  
「あああ!! んあああ!!お尻が お尻が!!!」と大声で叫ぶ。  
どうやら、時間停止中に与えた感触が、停止解除時に一気に襲いかかったらしい。  
彼女はそのまま倒れこみ、そして大声で泣き始めた。  
痛いのと気持ち悪いのと…もしかしたら気持ちいいがあるかもしれない。  
 
勿論変身は失敗した、が、異世界に移転されていた服が戻り、既に元の格好に戻っている。  
そして、魔法の杖を、本来の杖の役割である「支え」にした後、泣きながら悪魔にこう叫んだ。  
「…な 何をしたのよ!」  
「いや、少しばかりお仕置きをですね……。」  
悪魔はなんとかまなを宥め、説明をする。  
自分は悪魔ではあるが、同時に「時」を操る精霊だという事。  
そしてこの先、少女の身体の自由を奪うウィルスを持って、魔法少女を一網打尽にする魔界の作戦が行われる為、  
それから逃がす為に、自分が少女を拉致しているのだという事を。  
勿論まなは、信じられない。という顔で見つめてはいるが、  
しかし精霊だという事は彼女にも分かっていた。 ただ、あのようにコレクションみたいに展示するのはどうかと思う。  
「それに私に変な事をしたし…!」  
「……あ あ〜。」  
悪魔は目を逸らす。 お仕置きとはいえ彼女に性的行為をしたのは事実だ。  
それに悪魔は、彼女以外の女の子のパンツを盗んでいるのだ。  
もしその事がバレたら、魔界の使いじゃなくてもまなに本気で殺されるだろう。  
「…と、とりあえずそのウィルスをどうにかする為に協力するわ!」  
まなは悪魔を睨みつけるが、悪魔はその事に構わず、彼女に握手を求めた。  
 
 
 
後に悪魔は、そのウィルスの事件が解決した後、捕えていた女子児童達を開放する事になる。  
しかし、まなのお尻の感触だけは忘れる事が出来なかったらしく、気が向いた時に時間を止めて、まなのお尻に尻尾を入れるという事を繰り返していたらしい。  
 
正義の魔法使いのお尻に尻尾を入れて無事でいるのは、この悪魔だけだった。  
まなは今日も、悪魔にお尻を弄られている事なく、魔法少女として戦いを続けていた。  
 

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