「全くあいつ等ったら、どこに行ったのよ!」  
高そうな服を着飾った、パッと見チョットきつめの顔の女性がぼやいてる  
「お待ちの男性達は現れませんよ」  
俺がその女に声をかけてやる。  
「あ、あんたは!?」  
「おや?顔くらいは覚えて頂いてましたか?大学で同じサークルにも入ってますからね〜」  
皮肉を込めつつ返す。  
「あなたが何故ここにいるの?」  
汚い物を見るような顔で聞いてくる彼女に対して俺は  
「いや〜ちょっと用事があってね。この場所じゃなく・・・オマエにね!」  
「な!・・・」  
彼女の言葉は続かない  
彼女の姿は消え、代わりに彼女が着ていた服を着たそっくりな木の人形が立っている  
コンコン  
俺が手の甲でその人形の肌を叩いてみると乾いた良い音が聞こえる  
「どうですか気分は?」  
俺がその人形に話しかけると  
(「ど、どうなってるの?!何これ?!えっ?な、何!」)  
俺の頭の中に動揺しまくってる彼女の声が聞こえてくる  
「だから用事があると言ったでしょ。あなたを木に変えに来たんですよ」  
(「な、何?えっ?何て?!」)  
未だ動揺してる彼女の声を無視し俺は人形が着ている服を剥き取っていく  
着ていた物を全て剥ぎ取ると綺麗な木製の裸像が現れた  
「思ってたよりオッパイ大きかったんですね。下の毛の具合もなかなか・・・」  
(「いや・・・・・・」)  
ニヤニヤと眺めてる俺の頭の中に、少しは状況を理解し始めてきた彼女の声が届く  
「さてと。流石にこのままじゃ運べないからな・・・」  
すると木製の裸像に枝や葉が生えてきて、人の高さ程の普通の大木へ、いや若木に姿を変えていく  
「よいしょ」  
彼女の服を自分の鞄に詰め、見た目と違い遥かに軽いその若木を肩に担ぐと俺は歩き出す  
暫く歩いた所で  
「あっ、そうそう。そこに転がってる木材があなたが待ってた男達ですよ」  
元は目が有ったであろう場所を転がってる木材に向けてから若木に話しかける  
「そのうち何かの材料として誰かに使って貰えるでしょ」  
「あなたはこの後どうなると思いますか?」  
(「イヤーーーーーーーー」)  
彼女の叫びを無視し俺は、ハハハッと笑いながら目的地に向かい歩いていった  
 
 
数日後  
ガヤガヤ、ガヤガヤ  
「お待たせしました。さぁどうぞ。」  
外で待っていた沢山の人を誘導してある場所に歩いていく  
森の中に他の木とは少し離れて一本の若木が生えていた  
その木は離れた所から生えてる二本の木が途中で合わさって一本になって伸びているものだった  
高さも成人女性程の高さしかない  
「これが今回発見された木でして、まずは皆さん実際にご覧下さい」  
そう言って手に持った道具を丁度2本の木が合わさった部分にセットする  
その道具というのはノコギリの形はしているが歯の部分がシリコンのような素材で出来ている物だった  
合わせ目でゴシゴシ擦り続けながら  
「こうやって擦ると樹液が出てくるんですよ。それでは皆さんも実際にどうぞ」  
並んでた中からどうやら家族と一緒に来てたような小学生位の男の子に道具を渡す  
「歯も柔らかいから木を傷つける心配も無いんで順番に自由にどうぞ」  
と、大きな声で並んでいる者達に声をかける。  
その後に若木を押さえる振りしながら頭の高さ位の木の面に口を寄せて誰にも気付かれないように小声で語りかける  
「どうだい気分は?」  
(「んっ、何を・・・あっ、させる・・・つもりなの・・・」)  
「ちゃんと感覚あるだろ?オマエはそんな木にしたんだからな」  
「それに何をさせるつもりも見たままだよ。一生そのままで色んな人間に股を弄ってもらいな」  
(「あっ、あぁ、・・・許して、んっ、いやっ、・・・お願い、あぁ、・・・だから、んっ・・・」)  
下を見ると小学生の男の子が必死にノコギリで元は股であった部分をゴシゴシ擦ってる  
「楽しそうだな。じゃあな。」  
(「ま、あぁっ、待って、うっ、い、あっ、ああっ、行かないであぁぁぁああああーーーーーーー」)  
頭の中に彼女のイッた悲鳴が響く  
「お兄ちゃん。樹液が本当に出てきたよ!」  
必死にノコギリで擦っていた男の子が嬉しそうに話しかけてくる  
「そうだろ、もっとやればもっと出てくるかもしれないぞ〜。皆さんも順番にどうぞ」  
俺はそう告げてその場を後にする。  
 
俺がその場所に戻る事は二度と無かった。  
 

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