「旦那様、お帰りなさいませ」
マンションの扉を開けると美咲が出迎えた。
馴れた手つきで鞄を受け取り、ジャケットを脱がせブラシをかける。
その後ろ姿を俺は見つめる。
週末の夜、美咲をどうやって可愛がってやろうか…そう思い巡らせていた所に携帯が鳴った。
「堺が今からくるそうだ。何かだしてやれ」
「はい…あの…」
「なんだ?」
「服を…着てもよろしいでしょうか?」
「ああ…」
俺は身体の前で手を組み、なるべく俺に見える範囲を狭めている美咲を舐めるように見た。
その視線だけで白い肌が朱く染まる。
美咲がここに来てから、まだ数カ月しか経っていない。
親の作った借金の肩代わりをしてやる代わりに住み込みのメイドとして雇ったのだ。
…決して「否」とは言わない事を条件に。
それ以来、美咲は通常衣服を身につける事はない。
ウエストをきつく締め上げたビスチェとガーターベルトにストッキングだけだ。
さらに、大切な場所を覆うはずのアンダーヘアは…最初は俺が処理していたが、
色素沈着をするのもつまらないので永久脱毛してある。
「仕方ないな」
美咲の申し出にキーケースから小さな鍵を取り出す。
美咲の衣類は鍵付きのクローゼットに納められ、俺の許可がなければ取り出す事もできないのだ。
鍵を取ろうとする美咲を見て、ふと思いつく。
「待て」
「は、はい…」
「後ろを向きなさい」
「え…」
「返事は?」
「は、はいっ」
「お尻をこちらに。自分で開くんだ」
「……はい」
美咲の声が震えている。こんな反応が俺を楽しませる事には気付いていないようだ。
「はやくしないと、堺が着いてしまうぞ」
「は、はい…」
さらに声が小さくなる。表情が見えないのが残念だ。
程なく、美咲の小さな丸い尻がソファーに座る俺の目の前に突き出される。
震える細い指が自身を割開く様をじっくりと鑑賞してから、チェストを開けた。
美咲は何を取り出すのか察しているらしく、その音だけでピクリと身体を震わせた。
俺は中から、小ぶりのバイブを選び美咲が知らないジェルをたっぷりと塗り付け、
まだまだ清純さを失わないそこへゆっくりと宛がう。美咲はそれだけで背筋を反らせた。
「力を抜かないと入っていかないぞ」
「申し訳ありません…」
美咲は涙声だ。
「ほら、息を吐きなさい」
「はい……」
美咲が息を吐くのに合わせて、バイブをねじこんでいく。
「ふぁ、あああああああ」
美咲の悲鳴が洩れ、いつのまにかお尻を突き出し崩れ落ちている。
「美咲、まだだ」
「えっ…」
潤んだ怯えた瞳が俺を見上げている。
「後ろもだ」
「旦那様っ…?」
「嫌なのか?」
美咲は形の良いふっくらとした唇をキュッと結ぶと
「…いいえ。お願いいたします」
そう言って再び尻を突き出す。
今度は後ろのすぼまりがよく見えるようにして。
俺はやはり、先程と同じジェルをアナル用のバイブに塗り付けゆっくりと美咲の中へ押し込んでいく。
「ふぁ、うう…、うっ」
前も後ろも塞がれる事は稀なせいもあり、美咲はかなり苦しそうだが、それもいい。
きつい入口を押し開き、しっかりと奥まで挿入すると、震える美咲を立たせる。
「もうすぐ堺が来る。お客様の前で落とさないようにしなさい」
そう言ってクローゼットの鍵を渡した。
「だ、旦那様…」
「どうした?」
「堺様が来られた間もこのままなのですか?」
「あたり前だろう?堺が帰った後、すぐに使えるようにな」
「………」
美咲は青ざめ、俺を見ている。
どうやらこんなものを入れたままで客を迎えるとはおもわなかったようだ。
「そうだな…」
何かを考えるふうの俺に、すがるような視線を向ける。まったく可愛がりがいがある。
「これを着けてやろう」
俺はチェストの中から、黒いレザーで出来たワンピース形の下着を取り出す。
それはV字になっていて、肩で長さを調節できる代物だ。
美咲は不思議そうに見ていたが、身体に宛がわれた瞬間、瞳に絶望の色が浮かんだ。
「ぁ、あああ…」
バイブを押さえ付けるようにきつめに肩のボタンを留めると、苦しそうな美咲の声が洩れる。
しかし、苦しそうなのは今だけだろう。
じきに先程のジェルの効き目がでるはずだ。
堺がどれだけ滞在するかは分からないが、帰る頃には普段の…
「嫌」とは決して言わないが、行為を苦痛に感じている美咲がどんな風になるのか…
想像するだけでもゾクゾクする。
「さあ、はやく服を着てこないか。堺をその格好で迎えるのか?」
「い、いえ…」
身体に異物を飲み込み、覚束ない足取りで美咲は寝室へ消えた。
かすかに鳴咽が聞こえる。
「さて、どれくらいで効いてくるかな」
呟いていると、インターホンが鳴った。
つづく