ひゅうるり〜、ひゅうるり〜らら〜、ひどい〜、吹雪です〜っ♪  
 冬の夜。月は見えない、星は見えない、雲は見えない。カーテンを閉め切ってるから、当然見えない。  
 開けたって同じで、数メートル先の視界すら遮る、白くて冷たい雪の風。  
 だけど自宅はオール電化でポッカポカで、そんな家の中で、そんな自分の部屋で、ボクは一時間も掛けて空気を入れる。  
 浮き輪用のプッシュ式ポンプを使い、額から汗を垂らして、フロッグピローに、ラブワイフに、隣で監視する幼馴染みがオーケーを出すまで。  
 そしてついに……  
「んっ、そんなもんでいいぜゆーと」  
 取り扱い説明書とにらめっこする顔が上げられ、停止命令が掛けられたのでした、まる。  
「ううっ……もぅ、握力なくなっちゃったよぉ」  
 やっとの思いで完成したのは、アニメのヌードイラストがプリントされた『フロッグピロー 平木鏡美』。  
 足の付け根にはオナホールが装着され、ハードローションが溢れんばかりに注がれている。  
 そして始まるのは……  
「良いかゆーと、セックスっつーのはよ?」  
 不良少女によるセックス講座。  
 サキちゃんは制服姿のまま。ベッドに座って足を組み、手には教鞭を持ち、珍しく赤い縁の眼鏡を付け、髪は後ろで一つに纏めてポニーテールに。  
 対するボクは真ん前。床の上、フローリングの上で正座して、同じく制服姿のままで講師を見上げる。  
 隣には準備が整ったフロッグピローが置かれ、なんだかとっても情けない気分。  
 
 
 
 
   『ボクが奴隷に落ちるまで』  
    〜契約満期まで後7日〜  
 
 
 
 
 昨日の夜、「親とケンカしたから暫く(しばらく)泊めてくれ、つか泊めろやオラ!」と、サキちゃんが巨大なスポーツバッグを抱えて家に来た。  
 有無を言わせず入り込まれ、ボクの部屋にしかないベッドを取られ、仕方なく布団で寝たけど、慣れてないせいか一睡もできずに朝チュン。  
 しかもサキちゃんは、おヘソ丸見えの超ミニなタンクトップとハーフパンツをパジャマ代わりにするから、視線をどこに合わせて良いかわからない。  
 二人でぷよぷよしてても、横で揺れるぷよぷよがチラついて勝てないし、顔を見るとニヤニヤしながらスケベって言われるし……はぁっ。  
 
 
 今日も学校の授業が終わって帰宅して、悔しいから制服姿のままでぷよぷよしたけど、結局は昨日のイメージが頭を離れず隣のぷよぷよをチラ見してしまい、またスケベって言われて終わり。  
 だったけど、事件は夕食の後に起きた。サキちゃんが作ってくれた豚の生姜焼きを二人でコタツに入って食べ、後片付けしてテレビを見ながらお茶を飲んでる時。  
 それこそ唐突に、何の前触れも無く……  
 
「なぁ、ゆーと? もう限界なんだろ?」  
 
 視線は前のテレビへ、言葉は隣のボクへ。その内容は省略されて伝えられるけど、その意味は確信で伝わって来る。  
 つまり、溜まってるんだろ? とか、ヌきたいんだろ? とか、その辺り。だけど驚かないし、答えはずっと変わってない。  
「んっ。ガマン、するよ……その時まで溜めとくんだ」  
 ボクもお茶をすすり、視線はテレビへ、言葉はサキちゃんへ。  
 別に怒らせる事は発して無いつもりだったけど、隣から手が伸びて来て頬を摘ままれ、つねられ、  
 
「バカっ!! こっちは凄い久し振りなんだぞ? 思いっきりされたら、オレ壊れちゃうだろっ!?」  
 
 罵られた。頬っぺが痛くてボクは涙目で、何故かサキちゃんも頬っぺを赤くして涙目。「それとも、オレをメチャクチャにしたいの?」って、意味がわからない。  
 エッチするんじゃないし、おっぱいの間でゴシゴシするだけなんだけど? そう言う約束だしね。  
 それでも不安なのかな? もしかしてボクが暴走すると思ってる……とか?  
 取り敢えず痛いから、サキちゃんの手を離そうとしても、ぐにぃっと頬っぺが伸びて、余計に痛いだけだった。  
「ふぁぶん、やさしゅくしゅるひ……おっぱいらけで、マンゾクすふよ?」  
 優しくするし、おっぱいだけで満足する。  
 宣言を終えた後、やっと頬っぺから手が離れ、その手は僅かに下へスライドしてボクの胸ぐらを掴み、引っ張られ、身体ごと引き寄せられ、顔は息が掛かる程に近く。  
 つまり、こんな宣言じゃ、サキちゃんは何一つ納得してない。  
「どーだか、信用できねぇな。ソーローでデカチンでゼツリンのくせにっ、オレとマヤを……どれだけ失神させて来たと思ってんだテメェは?」  
 ゴチンと額がブツかり合い、鼻先が触れ合い、二人の距離は更に近くに。唇を突き出せばキスだってできる。  
 でもしない。思ってしまったから。もしかしてサキちゃんは、何かとイチャモンをつけて、ボクとの約束を破ろうとしてるんじゃないのかと。  
 そう考えたら、顔は赤いだろうけど、心は急速冷凍で冷めて行く。結局、最初から守るのつもりは無かったんだなって。  
「じゃあ、どうすれば良いの? それとも、約束を守るの、イヤになっちゃった?」  
 只々、ボクを奴隷して、からかって、弄んで(もてあそんで)ただけ……  
 
「ちげぇよ! 一回スッキリしとけって言ってんだよオレはっ!!」  
 
 アレっ?  
 
 そして今、制服のズボンを脱いで、トランクスも脱いで、フロッグピローにのしかかったまま固まってる。チンコが勃たないんだ。  
 プリントされてる絵も可愛いしエロいなって思うけど、思うだけ。幾ら見つめ合って、このキャラクターとセックスしたいとか、おかずにしてオナニーしたいとかは思いもしない。  
 だからフロッグピローの、キャラのアソコに、オナホールの挿入口に、ふにゃんこふにゃんにゃんなチンコを押し付けてるだけ。  
「ったく、これじゃあ教えれないだろうが……仕方ねぇな。ほらっ、コッチ見ろよ。オレの、サキちゃんの、秘密の場所を見せてやっからさ」  
「ひみ、つ?」  
 だったけど、横からサキちゃんの足がニュッと伸びて来て、足の甲でボクの顎を持ち上げて、強制的に振り向かせる。  
 秘密の場所って単語でボクをあからさまに誘惑して、声のする方を見上げざるをえなくする。  
「そうだぞゆーと? ふふっ、女の子の……いちばん大切な、ト、コ、ロ♪」  
 フロッグピローに身体を乗せたまま、顔だけを上に、視線だけをサキちゃんへ。  
 無言で口がスケベと形作り、赤い瞳が見下して笑う、ベッドに腰掛けた幼馴染みへ。秘密の場所へ。  
「ど、どうせウソなんでしょ? からかってるんでしょ? わかってるんだからねっ! ボク騙されないからねっ!!」  
 見せて!! サキちゃんの見せてっ!! どこまでも肥大化する鼓動が、身体から裏返って死んじゃいそう。  
 心臓は一秒でトップギアに変わり、冷静を装った……つもりだけど、バレてるんでしょ? ドキドキしてるって、セリフだけだって、バレてるんでしょ?  
 なら良いよ、スケベだよボクは!! だからサキちゃんの、サキちゃんのセーショクキを見せてっ!!  
 
「おぼえてるかゆーと? 初めてココでシた時の事を、さ?」  
 
 まるで犬のよう。ボクは息を荒くして四つん這いになり、間近の正面からサキちゃんを見上げる。  
 しならせてた教鞭は胸の谷間にスルスルと差し込まれ、足は肩幅に広げられたまま、両手でスカートの裾を掴み、ゆっくりと……ゆっくりと、めくられて行く。  
 黒いタイツは面積を増し、比例してサキちゃんの口横はツリ上がり、ボクの心拍数は界王拳。  
「はぁっ、んっ……おぼえて、るよ。サキちゃんとの初めては、電車のっ、はあぁっ!」  
 加えて起爆剤を投げ入れるのは、サキちゃんと、マヤちゃんと、初めてエッチした時の記憶。思い出すだけで射精しちゃうかも。  
 マヤちゃんとは放送室で。全校生徒に連絡事項を伝えながら、スイッチをずっとONにしながら、パンパンって肉のぶつかる音を拾われながら、ボクは中出ししてマヤちゃんはロストバージン。  
 サキちゃんとは満員電車の中。隅っこで二人抱き合って、片足を持ち上げて挿入した。喘ぎ声は雑音で聞こえない、子供の身長なら視線に入らない映らない。  
 そう高をくくって、実際にはバレたけど、構わず見せ付けた。隣に立っていた気の弱そうな若い人妻に、サキちゃんのアクメ顔と、ボクの膣内射精を、目的地に着くまでずっと……  
 どうしてそんな所でしたのかと言われれば、誘われたから。脅されたから。どちらにも、「エッチしてくれないなら、犯されるって叫ぶから」。そう言われて逃げ道は無かった。  
 
 外は白い雪が降り、積もり、閉じきった部屋の中は、サキちゃんの匂いで溢れてる。  
 甘い、甘い、アイスたっぷり、ハチミツたっぷりのハニートーストより更に甘い、脳の奥をチリチリと刺激するような、チンコをおっきくさせる甘い柚子の香り。  
「んくっ……」  
 唾液の量は無尽蔵に増える。飲み込み続けなきゃ、すぐに口内はいっぱいいっぱい。  
「大変だったよなぁ? オレはイッた後にオシッコ漏らしちまうし、ゆーとはオレを正面から抱き締めて、何とか服に吸わせようとしてたし、なぁ?」  
 ピリピリビリ、ビリィィィッ……  
 破られる。黒いタイツが。浮き出るワレ目の上が。サキちゃんは両手の親指と人差し指でタイツをつまむと、まるでポテトチップスの袋でも開けるかの様に躊躇無くそれを破いた。  
 足の付け根、身体の中心、そこに丸く穴が出来て、白い下着が直接見える。際どい角度が入った、アソコのスジまで形のわかるセクシーショーツ。  
「はぁっ、んっ、うん……だけど、マヤちゃんにも言ってないから」  
 
 ──ゆーとのオシッコ飲んであげるから、わたしがオモラシしたのは誰にもナイショにして?  
 
 電車を降り、二人で駅の障害者用トイレに駆け込んで、暗くなるまで鍵を掛けて隠れてた。  
 服を脱いで洗い、裸を備え付けのタオルで拭く。その最中に言われた取り引き。  
 ちょっとオシッコしたいから反対の方を向いててって言ったら、「ゆーとのオシッコ飲んであげるから、わたしがオモラシしたのは誰にもナイショにして?」と、急に膝立ちになってチンコを咥えた。  
 まだ汗と、精液と、膣液と、破弧の血と、サキちゃんのオシッコがこびり付いてたのに、ボクの制止も聞き入れず、ジュポジュポと顔を前後に動かしてフェラを始める。  
 唾液で汚れを溶かし、舌先でこそぎ落として、嫌な顔せずにノドを鳴らして飲み下した。そして本当に、精液とオシッコが出るまでボクの背中に回した腕は離さず、そのどちらもお腹の中へ。  
「まぁ、オレがゆーとのオシッコを飲んだ……ってのは、バラしちまったけどな♪」  
 そう。今でもお漏らしは秘密にしてるけど、取り引きの内容は翌日にサキちゃんがマヤちゃんにバラした。そしたら何故かマヤちゃんにも飲ませる事になっちゃったよ。  
 マヤちゃんにもジュポジュポされて……ぁぁああああああ!! いつだって、いつだってボクの思い出には、幼馴染みとのイケナイ出来事がある。サキちゃんと、マヤちゃんと、今だって。  
「サキちゃ、サキちゃっ!! 早く見せてサキちゃん!!」  
 サキちゃんの右手人差し指は、破かれて産まれた穴の中。パンツと肌との隙間に差し込まれ、クロッチ部分に引っ掛けられている。  
 そのまま少しでも横にズラせば、六年振りに見える秘密の場所。凄く興奮して、思考回路もとっくにダウンした。  
 チンコはガチガチに勃起してるし、多分カウパーも滲んでる。だから……  
「なぁ、ゆーと? おっきくなった?」  
 サキちゃんの、この質問に、ボクは疑う余地なく、頷いてしまった。  
 
 

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