「何で閉鎖してるんだ?」  
「何して梅姉ちゃんが鍵を持ってんだ?」  
「それはだな〜」  
 
梅姉ちゃんは説明した。  
現在、温泉管理組合の長をしている、親父さんの入院中、第一浴場の管理を任されたこと。  
上がり湯用の湯沸し器を、客が少ない今の時期に更新したこと。そして今日、湯沸し器の運転確認をしようと思ってたこと。  
 
「だから安心してくんろ」  
「通報されることは無いですよ」  
 
見透かされてましたか。  
 
「ムフフ〜、ゆっくりするですよ〜」  
 
第一浴場は、脱衣場、上がり湯、露天風呂に別れていて、その全てが男女共用だ。  
したがって服を脱ぐとこから、俺は、心を試されることになった。  
 
うおっ!、何も躊躇もなく脱ぎ初めやがった。少しは羞じらえろよっ!。  
って、何を凝視してんだよ俺。いや、意識して無いなら普通に見れる筈だな。  
いやいや、親しき仲にも礼儀ありだな。いやいやいや、でも見たいかも。男の子だもん。  
って、何を考えてるだ俺。《ろり》でつるぺたの梅姉ちゃんで興奮なんか・・・。  
嘘つくなっ!。するだろっ!。  
 
頭の中がぐるぐる回る。・・・昔の事を思い出す。  
 
10才の夏、俺は初めての射精をした。  
梅姉ちゃんと、川で水遊びをした後、二人で昼寝をしていた時だった。  
 
『梅姉ちゃん、そんなところさわらないで・・・』  
『おちん○んいじらないで・・・』  
 
夢の中で、水着姿の梅姉ちゃんが、当時の俺が考えもしない所ろを弄っていた。  
 
『おちん○んいじめないで!』  
『痛いの!おちん○ん変になっちゃうの!』  
 
梅姉ちゃんは、俺の手を胸に寄せた。  
『エッチな事させないで、梅姉ちゃん!』  
『あっ、あっ・・・つっ』  
『ううっ、うめこおねいちゃん!』  
 
『梅姉ちゃん?』  
 
気が付けば、いつもの梅姉ちゃんの部屋、梅姉ちゃんのベッド、梅姉ちゃんの匂いだった。  
 
梅姉ちゃん暑いよ。  
 
梅姉ちゃんは、俺を抱きしめながら寝ていた。  
 
ふと、自分のパンツの中に、違和感を感じ様子を観た。  
 
何なのこれ?。僕・・・射精しちゃたの?。ここでしちゃたの?  
 
知識としては、知っていた射精。しかし梅姉ちゃんと一緒に居る時に。  
恥ずかしさと、罪悪感に苛まれ、慌てて部屋を飛び出した。  
 
梅姉ちゃん、ごめんなさい、ごめんなさい。  
 
梅姉ちゃんでえっちなこと考えてごめんなさい・・・。  
 
「トイレに行ってくる!」  
「風呂、先に入っていて!」  
「あっ、武坊・・・」  
 
俺はトイレに駆け込んだ。  
鼓動が止まらない。  
落ち着け、俺の心。落ち着け落ち着け、俺のちんち○ん。  
 
身体が冷えた。  
少し落ち着いて来たので、脱衣場の様子を窺ってみた。  
 
梅姉ちゃんは・・・居ないな。  
さてさて落ち着いてっと。梅姉ちゃんと風呂なんて、散々入ったではないですか。  
 
んっ?何だべあの白いのは。  
 
床に白い物が落ちているのを見つけた。  
 
えーと、ブラジャー的なものですね。ブラジャー的なって要するに、成人女性が付ける感じではなく、スポーツブラだからですね。  
やはりジャ○コの、初めてのブラジャーコーナーで買うんだべか?。  
 
俺は、まだ少し温もりの残る、それを拾い上げ、顔によせ匂いを嗅いだ。  
 
いつもの梅姉ちゃんの匂い。少し甘い匂い。俺の好きな匂い。  
 
《ギー、バタン!》  
 
「武坊ー」  
「湯沸し器オッケーだから、上がり湯使えるよー」  
 
ビクッ!  
 
設備室から梅姉ちゃんが出てきた。  
 
そうだ、湯沸し器の確認をするって言ってたな。  
 
・・・あわわわっ!、どっ、どうするべ?。  
 
どうもこうも仕様が無く、慌ててブラジャーを衣類カゴに放り込み、露天風呂に向かった。  
 
「先に入ってる!」  
「さっきと逆ですよー」  
 
無意識に何をやってるんだ俺っ!。ばれて無いよな?。お願いします、ばれてません様に・・・。  
 
全てを隠すような湯気を抜けると、昔と変わらない姿の、露天風呂があった。  
俺の好きなこの露天風呂は、回りを森に囲まれ、入っていると、別な世界に来た感じがする。  
 
変わって無いなー。程好い温度と、アルカリ性でぬるりとした湯。気持ち良いなー。  
そうそう、そっちは立って入れるぐらい深くて、梅姉ちゃんと、飛び込んだりしたよな〜。  
 
《バシャーッン!》  
 
うあっ!、何か飛び込んで来た。・・・何かじゃねーよ、梅姉ちゃんでしかねーよ!。  
 
飛沫で目を閉じた俺が、目を開いたら、そこには梅姉ちゃんが居た。  
 
・・・スクール水着を着た梅姉ちゃんがいた。  
 
「・・・痛い」  
「何がですか」  
「・・・お前、成人女性」  
「おうっ!酒も煙草も孕みもオッケーだべ」  
「・・・スクール水着」  
「わたすは日本一、すくみずの似合う22才だべ!」  
「・・・その水着、小学校から着てるやつ」  
「ニヤリ、覚えていたんだな」  
 
ニヤリは発音しなくてもいいよ。つーか、さっきも同じような会話しただよっ!。  
 
「裸ん坊だとな、え〜とだな、武坊が恥ずかしがってだな、みっ、みっ、密着出来ないかも」  
「と思ってだな・・・」  
「着ちゃいましたですよ・・・」  
 
髪をアップにまとめ、スクール水着を着た梅姉ちゃんは、不思議な雰囲気を醸し出していた。  
 
えーと、梅姉ちゃんは元々綺麗な人なんだよな。口に出しては言わんけどさ。  
髪の毛を上げた顔は、少し大人びて見えるなー。口に出しては言わんけどさ。  
22才で、スクール水着を着た、ちっちゃいつるぺた美人さんですか 。  
何でだろうな?妖艶な感じがするのは。  
 
「・・・?」  
 
気が付くと、目の前に梅姉ちゃんの顔があった。  
 
「武坊どうしただよ?」  
「何だか変だよ」  
「なっ!何でも無いっ。」  
「さーてと、温泉堪能したから上がるとするかっ!」  
「はやっ!早すぎですよっ!」  
 
む〜ん、こっちは裸ん坊ですよ。防御力0ですよ。すらいむ程度のモンスターにも、殺られてしまいますよ。  
梅姉ちゃんは、防御力は低いだろうけど、常時チャームの魔法が出来る、伝説の[すくみず]を身に纏っているのに・・・。  
 
「ゆっくり・す・る・だ・よ」  
「・・・二人きりだし」  
 
早い・・・何か展開が早いです。  
やばい・・・落ち着いて下さい俺のち○んち○ん。  
 
梅姉ちゃんは、俺の手を取りこう言った。  
 
「抱っこしてやるから」  
「ゆっくり暖まろうな」  
 
抱っこですか・・・抱っこしてやるですか。  
 
俺の膝の上に乗り、腰に手を回し、頭を胸を預けて、梅姉ちゃんは寛いでいた。  
 
梅姉ちゃんの、《抱っこをしてやる》時の体勢だ。  
 
小さい頃の俺は、梅姉ちゃんと、ぴたぴた引っ付くのが好きだった。よく抱っこをせがんだ。  
 
『りっ、りふじんです!』  
 
俺を抱っこしていた梅姉ちゃんは叫んだ。自分より大きくなった俺を、抱っこするのを理不尽と思ったらしい。  
 
俺の寂しそうな顔を見てこう続けた。  
 
『安心してけろ、今度からこうやって抱っこしてやるから。』  
 
そう言って膝に乗り、腰に手を回し、頭を俺の胸に預けた。  
 
それからは、俺が寂しそうにしていると《抱っこしてあげる》と言い、膝に乗ってきた。  
 
「ふ〜・・・ぬくいね〜武坊」  
ピンチです。スクール水着のすべすべとした生地が、ぬめりのあるお湯と相まって、不思議な気持ち良さを醸し出しているんです。  
落ち着いて下さい、俺のちん○ん。  
俺は膝を伸ばし、バレリーナのように足首をクロスさせ、ちんち○を腿に挟み込んでいた。  
 
「久々だべ、武坊を抱っこするのは」  
 
端から見たら、俺が抱っこしてるしか見えんけどな。  
 
段々と会話が少なくなってきた。気まずい感じでは無く、此所の雰囲気が、俺達二人の気持ちを、飲み込んだみたいだ。  
 
空は冬の曇天。もうもうと立ち上がる湯気。そして森に囲まれ、全ての物から切り離されてるような露天風呂。  
其所には、俺と梅姉ちゃんしか居ない。  
 
「・・・」  
「・・・」  
 
沈黙が続いた。  
昔は梅姉ちゃんと引っ付き、黙ったまま時間を過ごす事が多かった。  
俺の好きな、幸せな時間だった。  
 
「なー武坊・・・」  
「この露天風呂入ると、別な世界に来た気がするなー」  
「・・・」  
「その世界でも、わたすは幼馴染みで、お姉ちゃん何だべか?」  
「・・・」  
「それとも、その世界では、二人は違っているんだべか?」  
「違う関係なんだべか?」  
 
「切ないだよ・・・」  
 
梅姉ちゃんは、顔を胸に埋め、震えながら言った。  
 
泣いてるのか?  
 
梅姉ちゃんは強い人だ。お母さんが亡くなっても泣かなかった。俺を守るために。  
俺は、そんな梅姉ちゃんを泣かせてしまったのか・・・。  
 
俺は、一番大切な人を悲しませてるのか。  
俺は、一番好きな人を守れないのか。  
 
「梅姉ちゃん、今まで俺を守ってくれて、ありがとうな」  
「守られた分だけ、守り返せるような人に成るまで、言うつもりは無かったんだけど」  
 
「・・・けど言います」  
 
俺は、梅姉ちゃんを抱きしめて言った。  
 
「俺は幼馴染みの梅姉ちゃんが好きです」  
「俺はお姉さんの梅姉ちゃんが好きです」  
「俺の全てを守ってくれた、梅姉ちゃんが好きです」  
 
「そして」  
「一人の女性の梅子さんが好きです」  
 
「・・・好きです、好きです、好きです」  
 
気持ちを溢れさせてしまった。けど後悔は無かった。  
 
「・・・むっ、むぎゃ〜」  
 
何だ、この変な声?  
 
「くるしいですよ〜武坊〜」  
 
おあっ!、きつく抱きしめ過ぎか・・・。  
 
「・・・すまんです」  
「ウッ、ウルトラくるしかったですよ!」  
「ぷんぷんですよ!」  
「武坊には、れでぃーの扱いかたを、教えねばですよっ!」  
 
スクール水着を着てる淑女ですか・・・。  
 
「そ・れ・か・らっ!」  
 
梅姉ちゃんは深呼吸をして言った。  
 
「私は幼馴染みの武坊が好きです」  
「私は弟の武坊が好きです」  
「私を守ろうと頑張る武坊が好きです」  
「一人の男性の武志さんが好きです」  
 
「・・・好きです、好きです、好きです、好きです」  
 
「じゃー俺は、好きです、好きです、好きです、好きです、好きです」  
「・・・わたすなんて、好きです、好きです、好きです、好きです、好きです、好きです!」  
梅姉ちゃんが、指を折りながら言い始めた。  
梅姉ちゃん、勝負する所違うよ・・・  
 
俺は、梅姉ちゃんを黙らせる為、顔を引き寄せ、恋人達のキスをした。  
 
《ちゅ・・・あむっ・・・れろ・・・くちゅ・・・くちゅくちゅ・・・》  
 
梅姉ちゃんの舌が、俺の歯を割り、おずおずと俺の舌に絡み始めた。  
 
ディープキス?ディープキスですかっ!  
 
当然の如く、初めてのディープキスで、俺の頭の中は、気持ち良さと恥ずかしさで真っ白になった。  
真っ白になり、大切な事を忘れていた。  
 
「ぷはっ・・・はあはあ・・・」  
「いっ、息が出来ないですよ」  
「鼻ですれば良いのでは・・・」  
「そだな」  
 
俺が、また顔を引き寄せキスをしようとした時だった  
 
「あっ!・・・ひゃっ!」  
「たっ、武坊・・・」  
「こっ、これ・・・」  
 
俺のちん○んは、すでに腿の束縛から解放されていた。  
かちかちに勃起した、俺のちん○んが、梅姉ちゃんの股間に当たっていた。  
 
「くふっ、んっ・・・」  
「んっ、んっ・・・」  
「・・・た〜け〜ぼ〜、これはどうしただ〜」  
「ニヤリ」  
 
本当にニヤリと笑った。  
 
股間を俺のちん○んに擦り付け、妖艶に笑った。  
 
 

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