クリスマスというものが近付くたびに、どうして人々はこんなにも浮足立ってしまうのだろう。
窓から外を覗けば、妖精達があちこちに点す魔法の光や、せっせと氷像をこしらえているドワーフ達の姿が見える。普段は陰欝な雰囲気が漂う底無し森だが、この時期はクリスマスモード一色である。
微かに聞こえる楽しげな音楽は、妖精たちが本番に向けてクリスマスソングの練習をしているのだろう。その歌声を楽しみながら、俺は調合を終えた魔法薬をマグカップに注ぎ、仕上げの粉末を振り掛けた。
こいつを早めに完成させてドワーフ達に差し入れてやらなければならない。納期はまだ先だが、早めに作っておいて損はないだろう。
「ぐりむ様見てください、ホビットの皆さんから頂きました」
パタンと開かれたドアから、可愛らしい声とともに冷風が吹き込む。振り返ると、鼻と頬を真っ赤に染めたプリマが大荷物を抱えて立っていた。
ホビットの居住地にお使いに出たついでにまた色々と貰ってきたのだろう。愛想がよく何より美人さんな我が弟子は、森の住人から大人気でよくこうして土産を持たされるのだ。
「リースにオーナメントに…わぁ、これなんて素敵ですよ!」
テーブルに広げた荷物を改めながら、プリマがきゃっきゃと歓声を上げた。手先が器用なホビットだけあって、細かい装飾を施したリースや木彫りの小さな人形達は本当に愛らしい。
「確かにこりゃ凄いな。ツリーに飾ったらなかなか雰囲気出そうだし」
プリマのカップに紅茶を注いでやりながら俺も同意した。
木彫りの装飾はツリー用のオーナメントらしい。これを吊したらさぞかし豪華なツリーになりそうだ。
「わぁ、ツリーなんて素敵ですねぇ。私、ちょっと倉庫を探してきます!」
「その前にお茶を飲んでいきなよ。お使いで冷えただろ?」
依然鼻を赤くしたまま外に飛び出そうとしたプリマに、俺は慌ててお茶を勧める。プリマときたら、この時期は張り切りすぎて少しもじっとしていないのだ。
「わぁ、ありがとうございます!」
ニコニコとマグカップの中身を煽ったプリマが、その体勢のままビクンと大きく震えた。
うん?確か俺がお茶を煎れたのはそっちのマグカップではなくて…
「あう…なんか、これぇ…」
「…プリマ!お茶はそっちじゃない!」
慌てて制止したのも虚しく、プリマの手からマグカップが滑り落ちる。カシャンと音を立てて割れたマグカップから、緑色のドロリとした液体が飛び散った。
どうやら、お茶の横に置いていた魔法薬を誤って飲んでしまったらしい。床に散らばった量から推測するに、恐らく半分ほど飲んだか。
「プリマ、すぐにぺっしなさい!ぺっ!!」
「無理れ…す…身体が、動かな…」
一度力が抜けきったプリマの身体が、気をつけの姿勢のままビクンビクンと身体を震わせて硬直した。少しずつ目から意思が抜け落ち、表情も虚ろになっていく。
「プリマ!おい、聞こえるか!?」
慌てて揺さ振る俺の腕の中で、プリマがかくんかくんと危う気に傾く。
「…何だか……きも…ちぃ…れ…す……」
ほんのりと染まった頬とは対照的に、遂にプリマの目からは意思の光が完全に消えた。先程まで元気に動き回っていた少女は、今は俺の目の前で人形のように硬直して立ち尽くしたままである。
ああ、これは完全に俺の不注意だ。
プリマが飲んでしまったのはドワーフに依頼されていた硬直薬である。
これは彼等が制作している氷像の仕上げに必要なもので、これをかけると解除薬をかけない限り固まり続けてくれる仕組みになっている。
幸い人体に害のある薬ではないため、命には別状はない。解除薬も既に作っておいたのが不幸中の幸いだろう。
安心して、ふうっと体から力が抜けた。
「しっかし、見事に固まっちゃったなぁ…」
むにむにと頬を突いてみるが、当然プリマからの返事はない。身体はしっかりと固まっているのに肌の柔らかさや質感は損なわれていないようだ。
うぅむ、氷像に使うにはもう少し改善の余地があるかもしれない。ふむふむ、とプリマの身体の感触を確かめながら俺はそう考えた。
そうと決まれば、魔法薬の改善も兼ねてプリマの身体を調べてみなくてはならない。
これは研究熱心なだけであり、いらやしいことをしたいという訳では断じてない。断じて、だ。
先走りそうな息子を抑えながらプリマのコート脱がせ、ローブのボタンをパチンパチンと弾いていく。夢を見ているかのように虚ろに視線をさ迷わせるプリマは、自身の置かれている状態にも気づかないままだ。
最後のボタンを弾いてやると、ふるんと大きな胸がこぼれ落ちる。俺のしょうもない悪戯やら失敗やらで何度も見ているが、いつ見ても彼女の身体は美しい。
桜色の乳首に口づけを落とし、甘い香りのする双丘に顔を埋めた。クラクラするほどに柔らかいこの身体は、今だけは俺のなすがままだ。
シルクのようにすべすべとした感触の肌を楽しみながら、更にローブを脱がしていく。スルスルとローブを下げるにつれて、プリマから匂い立つ甘い香りが一層強まる。
滑らかな曲線を描く柔らかい腹を唇でなぞり、俺はプリマの全身の感触を楽しんだ。
虚ろな表情のまま立ち尽くすプリマを好き勝手に弄ぶ背徳感。ローブの中に手を滑り込ませ形のよい尻を撫で回すと、そのたびに反動で彼女の身体はかくかくと傾いだ。
ローブを全て引き落としショーツを脱がせ、遂に生まれたままの姿となった彼女の全身を撫で回わす。
「さぁて。こうしてせっかく固まってくれたわけだが…」
むぅと考え込む俺の視界に、プリマがホビットからもらってきたオーナメントが映る。そうだな、せっかくもらったのだからちゃんと活かしてやらないと。
一度悪戯心が湧き上がると後は簡単だ。
現在のプリマは、まるでマネキンのように自由にポーズを変えてやることが出来るようだ。早速プリマの手を胸の辺りまで持って行き、たっぷりとした膨らみを下から掴ませる。
位置と高さを調節してやると、まるでプリマが胸を自ら持ち上げているような体勢になった。硬直しきっていても感度は変わらないのだろうか、双丘の桜色の先端はまるで自己主張するかのように立ち上がっている。
その先端に俺は木彫り人形のオーナメントをかけてやった。引っ掛かるかどうか若干不安だったが、どうやら大丈夫だったようだ。プリマの乳首から吊されたとぼけ顔の小人が、ゆらゆらと呑気に揺れている。
もう片方の乳首、軽く開かれた指にも同様にオーナメントを引っ掛けていく。ボールキャンディーや松ぼっくりなどをぶら下げられまるでツリーのように装飾されていくプリマだが、当の本人はそんなことにも気づかないままどこか遠くを見つめている。
そんな彼女に向かって杖を振れば、杖先から飛び出した電飾コードが蛇のようにプリマの体に絡み付いた。イメージはちょっと変態的に亀甲縛りだ。
命令を受けたコードが、たちまち無抵抗のプリマを縛り上げていく。胸を強調するようにキュッと食い込ませれば、プリマの柔らかな膨らみがバンと張り出された。
果たして数分後には、世にも淫らな人間ツリーなるものが完成した。全身にオーナメントを吊り下げ、ピカピカと賑やかに光る電飾はプリマの体をこれでもかというくらいいやらしく縛り上げている。
当の本人のぼんやり顔とのギャップがこれまたそそるではないか。自らの痴態に気づく事さえ出来ず、プリマはツリー扱いされにているというのに。
そっと胸に触れれば、ふるふるとオーナメントが揺れて彼女の乳首を刺激する。張り出された膨らみは、一層の柔らかさをもって俺の手を楽しませた。
同様に縛り上げられた下半身に手を這わせば、くちゅりと僅かに水音が聞こえる。
それは感じているのか、それとも無意識か。暖かい秘所を掻き分け内部へと指を進めてやると、じわじわと愛液の分泌量が増えていくのが分かった。
硬直しているために締め付けはないものの、キツく熱い体内はトロトロになって俺の指をくわえ込む。するりと指を引き抜くと、溢れ出した愛液がつぅっと太股を伝った。
「クリスマスまでツリーとして頑張ってもらうのも悪くないかな?」
プリマの中でふやけた指を彼女の口に押し込んでやりながら、意地悪く声をかけてやる。もしも今の彼女に意識があったなら泣くだろうか、それとも喘ぎながらよがり狂うだろうか。
何なら試してみるのも面白いかもしれない。
未だコポコポと熱されているフラスコの中には、念のために作っておいた解除薬が完成している。
それを10倍に薄め、プリマの舌にスポイトで一滴だけ垂らしてやった。これなら身体の硬直は解除されないが、意識は戻るだろう。
ゆっくりと解除薬が舌に馴染むにつれ、小さな色っぽい吐息とともにプリマの目に光が戻りはじめた。
「んぁ…はぁっ…ぐりむ、様?」
ひくりと瞳を震わしたプリマが、緩慢な動きで俺に焦点を合わせる。未だにトロンとした表情は、まるで寝起きのようなあどけなさがある。
「気分はどう?」
ピチャピチャと音を立てて淫核を弾きながら声をかけると、すぐさま色っぽい吐息が返ってくる。
「ふっ、体が…動かっ、あっ!」
円を描くように指先で淫核を捏ねくり回すたびに、プリマは情けない声をあげてよがる。目覚めと同時に与えられた快感は、いとも簡単にプリマを堕としていくのだ。
指で捉えた淫核が、徐々に膨らみを増していくのが分かる。それに合わせるように、プリマの嬌声もどんどん艶を増していく。
身体が動かない事は分かっても、自分がとんでもない格好をしていることにも気付かないプリマは、ただただ訳の分からぬままに快感に溺れていった。
「あっあっ…やんっ!何?ひゃあ…あぁぁぁぁん!」
指を再び秘所に差し入れもう片手で淫核をつねりあげると、プリマは一段と甲高い嬌声を上げて果てた。
一度光が灯った瞳は、再び虚ろに曇り快感の涙を零す。開かれた口からはつぅっと唾液が流れ落ちた。
しかしそれでも身体を動かすことも崩れ落ちることも叶わず、プリマは再び物言わぬツリーへと戻った。彼女はただ、既に暗くなった室内を身体に纏った照明でチカチカと照らし続けることしか出来ないのだ。
快楽のせいか紅潮したプリマの身体を撫で回しながら、自然と俺の口元が笑みを作る。
遠くに聞こえる妖精達のクリスマスソングをBGMに、俺は再び可愛い人間ツリーを堪能するのだった。