パチンパチンと小気味よい音を立てて、暖炉の中の炎が爆ぜた。  
窓から差し込む日差しはぬくぬくと俺を包み、心地よい午後のまどろみへと誘っていく。  
 
「ふ〜、幸せだなぁ」  
 
怠惰に勝る贅沢はない。しみじみと感じながら、俺は呟いた。  
手元にある依頼全てをこなした今、俺とプリマはひと足早い冬休みを楽しんでいた。まあ魔女は毎日が休日みたいなものだが、この際気にしないで頂きたい。  
 
「うふふっ、ぐりむ様ったらお爺さんみたいです」  
 
大きなテーブルをせっせと拭きながらプリマがそう言って微笑んだ。俺が魔法薬の調合で散らかした粉末も出しっ放しの魔法書も、嫌な顔せずにてきぱきと手際よく片付けていく。  
うむ、この子ならいいお嫁さんになれるね。多少ドジな所はあるがこれは十分に許容範囲、オールOKだ。  
実際、プリマは魔女の弟子という役割以上によくやってくれている。  
魔女への依頼の受注は勿論、掃除洗濯料理に至るまで魔法を使わずにこなしてしまうのだから空恐ろしい限りだ。  
魔法の便利さに屈した俺も見習わねばなるまい。  
 
だから感謝の気持ちを込めつつ、彼女の掃除によって偶然出てきた招待状を手にして言った  
「プリマ、今晩麓の城で舞踏会があるそうだけど行ってみたら?」  
という誘いに、特に深い意味を込めたつもりはなかったのだが…  
 
「ぐりむ様、今なんと?」  
 
くるんと振り返ったプリマの顔が驚きに満ちている事に、かえってこちらがびっくりしてしまったのだ。  
 
「いや、プリマはいつも俺の世話ばかりで大変じゃないか。だからたまには羽を伸ばしたらどうかと思って」  
 
「あぅ…大変だなんて、全然そんなことないです!でも…私なんかが舞踏会なんて…」  
 
もごもごと口ごもりながら、嬉しさと困惑をないまぜにしたような表情でプリマは俯いてしまった。ありゃ、舞踏会はお好みではなかったか。  
 
「あ、嫌なら無理しなくてもいいからね!」  
 
「全然嫌じゃないです!むしろ、でも…あーうー、そのぅ、舞踏会に着て行くドレスが…」  
 
黒い簡素なローブの裾を弄びながら、プリマが恥ずかしそうに呟いた。パリッと糊のきいた清潔なローブに、小さな手がくしゃりと皺を作る。  
成る程、そういうことか。  
確かにここに来てから、彼女が黒のローブ以外の服を着ている様子を見たことがなかった。  
うぅむ、先代の魔女は彼女に服を買ってやらなかったのか。もっと可愛いものでも与えればよいのに。  
 
「ですから、申し訳ありませんが舞踏会は…」  
 
「プリマ、俺を誰だと思ってる?」  
 
ふふん、と不敵に笑いながら俺は言い切る。  
こういう魔法こそが魔女の真骨頂、可愛い可愛いプリマをシンデレラにしてやるくらい造作ないのである。  
 
「見てろプリマ!これがビビデバビデブゥってやつだ!!」  
絵本に出て来た魔女よろしく、俺は高々と杖を振り上げた。杖の先から溢れた光の粒子が、シャワーのようにプリマを包んでいく。  
イメージは絵本でみたシンデレラ。  
俺の魔力と妄想力を費やした一晩だけの特別な魔法だ。  
光の粒子が彼女のローブに絡み付き、レースがふんだんにあしらわれた水色のドレスへと変えていく。  
腰に羽のように大きく結ばれたリボンは俺の趣味だ。  
パールのティアラにチョーカー、胸元には大粒のダイヤが輝く。  
ふんわりとした髪はシニョンに結い上げられ、足元に輝くのはお約束のガラスの靴。  
光の粒子が全て収まる頃、目の前に立っていたのは世界一といっても過言ではないほどに美しいお姫様だった。  
驚いたようにぱちくりと瞬く彼女の瞳の色に、その色鮮やかなドレスはよく映えた。  
薔薇色の頬とお揃いの色で引かれたルージュは、思わずドキリとするほどにプリマの可憐さを引き立てる。  
参ったな、こんなに綺麗だと某国の妃に林檎で毒殺されないか心配である。  
 
「鏡をどうぞ、お姫様」  
「そんな…あ…う…ぐりむ様ぁ!」  
信じられないとでも言うように何度も鏡を覗き込んでいたプリマの目から、ぽろりぽろりと大粒の涙が流れ出した。  
 
「ちょ、プリマ!?なんか気に入らなかった?」  
急に泣き出した彼女に、俺は情けなくもあわあわとうろたえてしまう。  
ドレスの色が好みじゃなかったのだろうか、それとも俺の趣味がまずかったのか?  
 
「い、いえ…違うんです、嬉しいんです…お姫様になんて、私なんかがどんなに望んでも一生なれないと思っていたから…」  
しゃくりをあげ、赤くした鼻をすすりあげながらプリマが言う。そういうことか。  
この世界において、通常は変わることのない配役。  
魔女の弟子という役を与えられたプリマは、配役を受け入れながらもお姫様に憧れ続けていたのだろうか。  
どんなに努力しても、決して主人公たるお姫様にはなれない配役。お姫様に魔法をかけ、自分が受けることのない幸せを見届けるだけのその役はなんて悲しいのだろうか。  
くそぅ!泣かせるじゃないか。  
 
「プリマ、遠慮はいらん!俺が許す!誰が何と言おうと、今晩だけはお前はお姫様だ!!」  
何の根拠もない保証だが、嘘のない俺の言葉にプリマはようやく微笑んだ。  
今のプリマの美しさには、世界中のお姫様が束になっても敵わないだろう。今日のプリマは世界一のプリンセスだ。  
さすがは我が自慢の弟子である。  
 
「…ところでプリマ、ひとつだけ約束がある」  
「はい、なんでしょう」  
「門限は12時!それ以上の夜遊びはお父さん許さんぞ」  
わざとしかめっ面を作り、俺は重々しく宣告する。  
うん、冗談めかしたもののやっぱり心配なんだ。可愛い娘…いや、弟子に悪い虫が付いたらって思うとおちおち夜も眠れないし。  
 
「勿論です、ぐりむ様」  
クスッと微笑みながら、プリマがスカートの裾を摘んでお辞儀をする。  
よし、いい返事だ。ならば誓いの魔法をかけてやろう。  
プリマの足元に杖を向けると、ガラスの靴が一瞬だけ淡く光る。  
 
「ぐりむ様、今のは?」  
「おまじない。まあ気にすんな」  
不思議そうに首を傾げる彼女をごまかすと、俺はカボチャの馬車を作りに庭へ出るのだった。  
…おまじないの効果は、約束を破ったら分かるさ。  
少しだけ教えるとしたら、シンデレラの魔法は12時を過ぎると俺の悪戯心溢れる魔法へと変わる、というね。  
 
「うーん、ただ待つのも退屈だな…」  
 
招待状を手に城へと向かうプリマを見送りながら俺は呟いた。  
カボチャの馬車から無邪気に手を振るプリマは、もう無茶苦茶にしたいくらいにかわいらしい。  
こんな子を一人で舞踏会に置いておくなんて、サファリパークに仔ウサギを放しておくようなものだ。危険すぎる。  
そう思い立つと居ても立ってもいられず、俺は箒を引っつかむと空へと飛び出したのだった。  
コントロールはまだ不安だが、どうにか飛行は様になってきた気がする。ちなみに、男が箒に跨がると股間が目茶苦茶痛いというのを先代魔女は知っていただろうか…  
城を目指す間、何度桃白々乗りをしようかと考えたか分からない。まあ、あくまで余談なのだが。  
 
さて、俺が城に着く頃には既に舞踏会は始まっていた。  
箒で降り立った先のバルコニーからも、中の華やかな様子が見て取れた。生演奏によるワルツに合わせて、美しく着飾った人々がクルクルと踊っている。  
ふむ、なかなかの迫力だ。現実世界ではまずお目にかかれない光景である。これが社交界というやつなのか。  
周囲から気付かれないよう、不認知の魔法を己にかけ俺は広間にいるはずのプリマを探す。  
途中、気付かれないことをいいことにご婦人方の乳を揉みまくったのは内緒だ。  
正面から堂々と胸をもんでも気付かずに澄ましている美女達に、俺のテンションもうなぎ登りである。  
 
「お、いたいた」  
 
寄り道を重ねた末、広間の群集の中からようやくプリマを見つけた頃には舞踏会も佳境にさしかかっていた。  
こういう時こそ人探しの魔法を使えばよかったとちょっぴり反省してしまう。  
さて、当のプリマはというと見知らぬイケメンをパートナーに華やかにダンスをしていた。  
ハリウッド俳優真っ青の容姿をしたその男が、優雅にプリマをリードする。さりげなく腰に添えた手さえ全くいやらしく見えないのは、この男の高貴なオーラのお陰だろうか。  
一方プリマはというと、恋する乙女のように頬を染めうっとりとした目で男と見つめ合っている。まるで映画のようにロマンチックな雰囲気の中、ふわりふわりと踊るプリマはまるで天使のようだった。  
 
「うぅ…悔しい…!」  
 
その様子を見つめながら、しかし俺は割って入りたい衝動を押さえる。ここで邪魔したら、せっかくのプリマの夢が台なしになってしまうではないか。  
今、彼女の中では新しいシンデレラストーリーが紡がれているのだから。  
ええい風間ぐりむよ、男には耐えねばならぬ時があるのだ。  
 
しぎりしぎりと涙目で歯ぎしりをする俺を尻目に、お伽話の世界の王子様とお姫様は優雅に踊る。  
それはもう、唇の触れそうな距離で見つめ合いながら――  
 
これ以上見ていると虚しくなるので、一足先に俺は城門へと戻った。なんかもう駆け足で戻った。  
箒を握りしめた手にこぼれ落ちたのは涙じゃねえ、ただの雨だ。別に悲しくなんてないからな。  
全然悔しくなんかないが、家に帰ったら俺もあのイケメンみたいになれる魔法でも開発してみようと思う。  
冷たい夜風に吹かれながらどれくらいそんな事を考えていただろうか。  
遠い目をしていた俺の耳に、カーンと澄んだ鐘の音が飛び込んだ。  
ハッとして見上げると、城の塔に据えられた時計が夜中の11時55分を指していた。  
もうこんな時間か。  
馬車置場を見るが、プリマの乗りつけた馬車はまだ置かれたままだ。プリマちゃんや、これじゃあ遅刻確定じゃねぇか。  
まあ12時過ぎても俺が得するだけだからいいんだけどさ。  
未だ賑わう城を見遣ると、出口の大階段で男に引き止められているプリマの姿を見つけた。かの有名なシンデレラのワンシーンのようだ。  
せめて名前を、とでも言うかのように男は逃げようとするプリマの腕を掴んでいた。しかしプリマも門限が気になるのだろう、男の手を振り払うと一目散に駆けていった。  
ここでガラスの靴が脱げたら本当にシンデレラのようなのだが、実際はプリマの足に大人しく履かれたままだ。  
振り切られた男の切なそうな顔が、新たなラブストーリーを作り兼ねない雰囲気を醸し出している。畜生、いちいち良い男め。  
敗北感を感じつつ俺は馬車の影に移動して、こちらに向かって走ってくるプリマの様子を伺う。  
つーかプリマよ、急ぐのは結構だが門限というのは家に着く時間を言うんだぜ。  
 
「あぅ、ぐりむ様に怒られちゃいますぅ」  
 
息を切らせながらようやく馬車にたどり着いたプリマがドアに手をかけようとしたその瞬間、無情にも12時を告げる鐘の音が鳴り響いた。  
 
あーあ、言わん事はない。  
その鐘を合図に、プリマの履いていたガラスの靴に異変が起きる。眩しいくらいに溢れ出した魔法の光が、つま先からプリマの身体を少しずつ覆っていったのだ。  
 
「ふぇ?な、何ですかぁ!?」  
 
素っ頓狂な声をあげるプリマを無視するように、光は彼女の膝を這い上り太股のあたりまで包み込む。  
光が強いせいで変化がよく見えないが、ピシピシと硬質な音がプリマから聞こえ始めているのが分かった。  
 
「この音は?な、なんで足が動かないの?」  
 
うむ、これが約束を破ったおしおきだ。  
プリマをこの靴と同じガラスの像に変えて、クリスマス用に作られた氷像の隣にでも並べてやるのだ。前回のツリーとは違って、大衆の面前に晒してやる。  
恐怖よりは戸惑いが強いのだろう、身体をよじらせながらプリマはささやかな抵抗を試みていた。  
その間も光の侵食は止まず、既にプリマの胸にまで到達していた。先程までパタパタ振り回していた腕も、空中に大きく振りかぶったまま光に包まれて制止している。  
 
「…なん、ですか。これぇ…きゃん!?」  
 
既にほとんど自由を奪われたプリマが、驚きの声をあげる。  
これまで緩慢に侵食していた光が、急に速度を早めプリマの残りの部分を一気にその内に覆ったのだ。  
 
12時を告げる最後の鐘が鳴り終わる頃、そこには物言わぬ光の塊が立っていた。  
フゥっとその塊に息を吹き掛けると、砂のようにサラサラと光の粒子が散っていく。  
中からはガラス像となったプリマが出て…くる筈だったのだが。  
光の粒子から現れたプリマは、なんと生まれたままの姿だった。  
いや、正確には服は着ているのだが、先程までプリマを彩っていたドレスがその役目を失っていた。  
柔らかなドレスだけがガラスとなって、プリマの裸体を透かしていたのだ。  
プリマ自身はガラス像にならず、驚いた表情のまま時を止めている。  
薄く青みがかったガラスのドレスに包まれたまま、プリマはその美しい裸体を惜し気もなく晒していた。  
どうやら魔法が不十分だったらしい。  
俺が使うガラス化とは、時間停止で対象の動きを止めた後に物質変化魔法をかける二重魔法だ。  
上手く発動しなかった魔法はプリマの時間は止めたものの、ガラスに変えるには至らなかったようだ。  
結果、ドレスだけがガラスになるという中途半端かついやらしい結果になってしまったのである。  
 
「とりあえず人目に付く前に家に帰るか」  
 
舞踏会もお開きになったのだろう、出口に人の姿がチラホラと見えはじめた。  
魔法を解いて馬車を元のカボチャに戻し、俺は自身とプリマにテレポートの魔法をかけた。  
 
消し忘れた暖炉の中で、小さくなった炎がプスンと燻った。  
新たに薪を放り込んでやりながら、俺は依然固まったままのプリマに向き直った。  
驚きの悲鳴をあげかけた一瞬の表情を切り取られたまま、プリマは時を奪われている。  
見開かれた目と言葉を紡ぎかけたまま止められた口は、今にも動き出しそうだ。  
暴れている間に止められたせいで、豊かな胸はふるんと大きく揺れ動いた形のまま固まっている。  
思わずその膨らみに手を伸ばすが、地肌に触れる数センチの所でガラスの服に阻まれた。  
爪で弾くとカツーン硬く澄んだ音が響く。  
服に阻まれた部分は冷たくコツコツとしているのに、露出している頬はつまめばぷにっとした柔らかい感触を返してくれる。  
ガラスの屈折でゆらゆらと歪んで見える身体が、なんとも言えず神秘的だ。  
 
たまらずにプリマの身体を抱きすくめ、むしゃぶりつくように口づけをする。  
ぽっかりと開かれたままの口に舌を差し入れ、柔らかくほのかに温かい彼女の舌を吸いあげた。  
腰に回した手で、ツルツルとしたガラスの服の感触を楽しむ。たっぷりとしたボリュームのスカート部分も、今ではただのぶ厚いガラス層と化しプリマの白い尻を透かすだけだ。  
プリマの身体を少し動かすだけで、大きく揺れた状態のまま固まったバストがその形を保ちつつプルプルと震える。  
その膨らみに触れられないのが残念だが、しかしその淫らな姿は俺の官能を高めるには十分すぎた。  
ガラスの下に息づく美しい身体を隅々まで舐めるように凝視しながら、ツルツルとしたドレスに取り出した自身を擦り付ける。  
あっという間にこみあがる射精感をこらえきれず、俺は動かないお姫様に白濁を放つのだった。  
 
 
「それでですね、そこのお城のお姫様がすっごく綺麗でして」  
 
元気のいい声が部屋の中に響いた。  
うっとりとした表情で舞踏会の感想を聞かせてくれるプリマに、俺もうんうんと頷いてやる。  
どうやら舞踏会は相当楽しかったらしく、時間停止を解いてからかれこれ一時間ほどは彼女のマシンガントークが続いていた。  
記憶を少し整理してやったおかげで、彼女の中では自分はきちんと門限に間に合って帰ってこれた事になっている。  
 
「エルフの皆さんのオーケストラもとってもすて…って、ぐりむ様?聞いてますかぁ?」  
 
ぷぅっと膨れ上がるプリマに苦笑いを浮かべながら、俺は彼女の全身を再びまじまじと眺める。  
意識の時間停止は解いたものの、彼女の身体は相変わらず硬直しているしドレスもガラスのままだ。  
偶然の産物とはいえ、せっかくの芸術を簡単に消しては勿体ないだろう。  
今のプリマは自身の身体が丸見えなのにも気づいていないし、動けないという状況にも不信感を抱けずにいる。記憶を整えてやった際、ちょっぴりだけ認識をいじってやったのだ。  
相変わらず真っ白な裸体をガラスの中に閉じ込め、堂々と俺の前に晒したままプリマは楽しげに土産話を続けている。  
 
「ダンスのパートナーの方も優しい方でして…はうぅっ!?」  
 
カツンと指で軽くドレスの胸元を弾いた瞬間、プリマが艶っぽい声をあげた。  
しかしすぐに元の表情に戻ると、そのまま話を続ける。  
 
「まるで、きゃん!王子様みた…ひゃ…素敵な、あああん!!」  
 
カツカツとリズミカルにガラスを叩くたびに、プリマが嬌声をあげる。  
門限に遅れたお仕置きに、ガラスを叩くたびに強い快感を感じるようにしたのだ。  
勿論、この異変にもプリマは気付かないのだが。  
可愛い弟子の痴態と、それでも楽しそうに話す様子に俺の頬も自然と緩む。  
お仕置きもこのくらいにしておこうか。  
息も絶え絶えに話続けるプリマの頭を撫でてやりながら、俺は強めにガラスを弾いた。  
 
カーン、と甲高く澄んだ音が響くとともに、プリマも快楽に目を見開く。  
 
「あう、あん…あ、ひゃあああああああああん」  
 
ガラスの下で桜色の乳首がピンと尖り、太股をトロトロと愛液が伝っていくのが見えた。  
絶頂を迎えたのだろう、唯一動く表情はトロンと恍惚を浮かべている  
一際高い嬌声をあげた弟子は、快楽に頬を染めて幸せそうな顔のまま意識を手放したのだった。  
 

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