「おい、ブランカは見つからないのか?」
ロボは、地声の深く渋みのある声に苛立ちと殺気をブレンドし仲間に聞く
「はい…匂いも途絶えておりまして……」
「ジャイアント!」
「ヒッ… はぃつ、っあ」
怒鳴りつけられたジャイアントは恐怖で掠れた声でやっと答え、少し漏らした。
「お前らしくもなぃ…どうした?なにかいつもと違うか?」
「ぃぇぁ…た、た、た隊長。ロボ様。がッ、怖…」
「ガァルルルルル」!!
「ひえぇっっ」
ロボはたちまちジャイアントの首筋に噛みつき、絞めながら喋る
「気合い入れて探さねぇとテメエの喉笛噛み潰して両目くり抜いてその穴にぶち込むぞ」
ジャイアントの首骨がミシミシと鳴り、口から泡を吹いた所でジャイアントを投げ飛ばした。
「痛かったか?苦しかったか?
ブランカはこれ以上の扱いを受けてるかもしれない、脚の一本二本千切られちまってるかもしれぬのだぞ
ブランカが俺の嫁だから心配している訳じゃない、ブランカは俺達の群の一員だから心配してるのだ
周りの群は皆毛皮になっちまった。俺達だって時間の問題だ……俺はブランカを助けに行く。
お前ら、俺に付き従う狼一族。
さらなる狩りをのぞむか?地上に住まうすべての生き物を喰う狩りをのぞむか?」
「アドルフ!アドルフ!アドルフ!」(高貴な狼)
「よろしい。ならば狩だ
だが、この地の果ての荒野で人間から地べたを這い回り逃げてきた我々にただの狩ではもはや足りない。
"人間狩"を!一心不乱の"人間狩"を
人間達の眼を潰して思い出させよう、人間達のはらわたを引きずり出し思い出させよう。
神は人間では無いことを、人間は神では無いことを思い出させてやる。
俺は狼王なぞでは無い。王なぞ、人間のような高慢な輩の1階級に過ぎぬ
俺は、大神ロボである。今日が審判の日だ人間。今すぐにチリに返してやる」
~その頃~
「(汚された。こんな人間に……)」
「はっは、こんなビッチ狼だったとはな…うっ」
「(ロボの子が……)」
ブランカは抵抗を諦め、人間に犯され続けていた。
現実は非情である。すでに30人を超える人間に輪姦され、荒い行為に子宮を壊され、子を宿せぬ体になっていた。
それでも牝狼の股には絶えず人間が腰を振り続けていた。
が、
まず一人、ライフルを抱えて寝ていた男が死んだ。
次に二人目その子供が喰われて骨になった。
三人目は夜の闇に消えた。
五人目~八人目はベッドの上で二度と目を覚ませなくなった。
九人目は閉じた店の奥で死んだ。
十人目は酒樽に頭を突っ込んだまま死んでいる
十一人目は農場で土に帰るのを待つ身になった。
十二人目はキリスト像の前で殉職した神父だった。
ロボはランプの点いたまま二階の窓を見上げた。
ロボは血まみれだった。
小さな村一つ全てを狩ったのだ。残るは恐らく一人、そしてそいつはロボの望むものを手にしている。
ロボは跳躍し、窓ガラスを割り二階に突入した。
「ロ…ロボ!ひぇえ!ひでぶ」
彼が十三人目である事は言うまでもない。
彼は仰向けにさせられていたブランカのマズルを舐めた
「遅くなってごめんよ。ブランカ……つらい思いをさせた」
「ロボ 私、私は……」
「喋らなくていい。大丈夫。もう離れたりしない」
この時、神は決断した。
人と狼。どちらを生かすか考えあぐねていた神は、人か狼どちらが優れているか
人間の始めた狼狩り。これに狼が抵抗出来れば狼、狼が狩尽くされるならば人間を生かす。
そんな賭けをしていた。
狼に分が悪いのは明白で、人間が狼を狩った場合にシカトしてれば狼が絶滅するのを待てばよかった。
しかし、ロボは抗った。13もの屍を並べられれば無視できぬ抵抗であり、人間は如何なる方法を使ってでも狼を絶やすだろう
ならば、人間を絶やしてやればよい。
神の裁きは静かに下された
目を覚ましたら全身に違和感を覚えた。
別に夢精したとかそんな下らない違和感ではない。
毛布は使ってないのに毛と布を擦るような音、感じがする。
昨日はしゃいだ覚えは無いのに全身の関節はある程度しか動かない。
瓶にきちんと入れたペッパーやミントの香りがはっきり感じれる。
そこで俺は目蓋を開いた。
なんだ、まだ朝焼けも出ていない。…カーテンの柄、なんだか飽きたな。
俺は二度寝すればいいものを起き上が……れない。仕方なく体を旋回させ、
…?
!?
窓に映った自分にびっくりした。いや、窓に映った"狼"にびっくりした。
「やった。遂にTFしたか?それとも画面の中にはいれたか?」
「あれ?俺…そもそも人間ってどんな姿だったか……?」
そこには狼の文明が存在した。
人類が絶滅し、人間は
終わり
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