「おいッ! 鎖を解けッ! ボクを誰だと思ってるッ!? 第四十二  
代魔王ルナ・エプシロン様だぞッ!」  
「その魔王も魔法が使えなきゃただのお子様だな。」  
「ちょ、ちょっと油断しただけだッ! だいたい三時のケーキに  
痺れ薬が入ってるなんて誰も思わないだろうこの外道勇者ァッ!?  
」  
 
「ゲドーでケッコー。魔王なんかに道を語られるのは心外だがね  
。  
 
二十三歳職業勇者。  
『勝てれば良し』は座右の銘。  
名前をアルファ・セイクレッドと申します。以後お見知りおきを  
、魔王サマ?」  
 
恭しく一礼。  
紳士な俺と魔王の戦いが終結した瞬間だった。  
 
『ちっちゃな魔王と外道な勇者の初交渉』  
 
 
俺の名前はアルファ・セイクレッド。世界の八割を占める大国の  
王子にして、選ばれし勇者。  
国の財布である民に危害を与える魔族の討伐を命じられ、見事そ  
の元凶である魔王をたった今捕らえた神話になってもいい位クー  
ルなこの物語の主人公。  
 
「何がクールだッ! しかも生け捕りにして何する気だッ!?」  
 
ちッ、捕虜の癖に喧しい。  
目の前には捕らえたばかりの魔王……が、正直尻尾と角が生えて  
なかったら普通の生意気な小娘。  
そのうえ王とは名ばかりの間抜けで、痺れ薬に気付かないわ、調  
理場に居た俺に今日はチーズケーキが食べたい、と普通に話しか  
けて普通に立ち去る。  
……バカか?  
 
「今ボクの事バカだとか思ってるだろッ!?」  
 
……読心術だけは尊敬する。  
しかしそれ以外は……どう高く見積もっても歳は十二、三ってと  
ころ、そこらの町娘と比べても変わり無い身長、肩ほどまでの黒  
髪、凹凸の少ない身体。顔さえ可愛いものの、見れば見るほど残  
念だ。  
 
「おいッ! イタイケな美少女をこんな鎖で繋いで何だお前  
はッ!? 変態ッ! 色狂いッ! そーろーッ! たんしょーッ!  
」  
 
……プツンッ!  
 
「誰が短小だこのガキッ! その生意気な口に(ピー)突っ込んで  
無理矢理してやろうかッ!?」  
 
「はンッ! 結構だッ! お前の汚ならしいモン何か舐められる  
かッ!」  
 
減らず口がッ! マジで犯してヤろうかこのガキィッ!? なまじ  
造形が良いだけ余計ムカつくぜッ!  
 
「しかもそんなムキになって反論するなんて気にしてんのかぁー  
?」  
 
……二度目のプツンッ!  
 
「へぇー、知りたい? そーですかー…………望み通り犯してや  
るよ小娘ェッ!?」  
「はァッ!? むグ……ッ!?」  
 
 
よ、ようやくテントまで来れたか……大変だった。  
蹴られるわ騒がれるわ、口を塞いでんのにあの小娘特有の高い声  
が響くせいで兵達が残らずこっちを見てたじゃねーか。  
……何か噂流れそうだな。  
 
「ふむグッ! むガーッ!?」  
 
縄……縄……一月位前に使ってここら辺に片付けた気がするんだ  
がなぁ……  
 
「むグゥッ! もがーッ!」  
 
お、あったあった。くー、やっぱ良い勘してんなぁ俺。  
んー、鞭、鞭……  
 
「むゴゴゴゴ…………ぷはァッ!」  
 
あれ……見つかんねーな。  
……まぁいっか。他のはあったし。  
 
「おいッ! こんな所に連れて来て何する気だッ!?」  
「さっきも言っただろう。生意気な仔猫を躾るつもりだ」  
 
知れた事を。流石にこれ以上外に女の声が響くのは俺の外聞に関  
わる。  
……いや、勇者なんだけどね? 気にするんですよ。性根がセコ  
いから。  
 
「まぁ、顔は可愛いからな。どうだ? 第四王妃位なら用意でき  
るぞ?」  
「結構だッ! 勇者に尻尾を振る魔王なんて話有ってたまるかッ  
!」  
 
まぁこれから振って貰うんですけど。尻を。なんて下卑た事を思  
いながら縄の強度を確かめる。  
仮にも魔王だからな。ぷちッていかれるかもしれん。  
あぁ蘇る戦いの日々。勇者との特権を使って女湯に侵入、そのま  
ま皆でヤったり洗ったり。  
 
スーザン、サラ、カナ、マヤ、クレア、ミント、レナ……  
 
「最低な勇者だな」  
 
だまらっしゃい。また心を読みやがって。あァでもこの軽蔑の目  
が良いッ! 超泣かしたい、啼かしたい。  
 
「さて、いつかの望み通り鎖を解いてやるよ。手を縛った後だけ  
どな」  
「お前絶対いじめっ子だったろ」  
 
大正解。しかし、繋いだはいいけど、この鎖……何処かに首輪が  
あった気がしたが。  
あぁーうぅー……思い出したァッ!  
そういや女兵士の一人があまりに生意気だったんで真夜中に柱に  
全裸で首輪付けてヤりまくったな。確かこの辺に放り投げて……  
イェス!  
 
「まだデコレーションする気か」  
「……完成だ」  
 
完璧だ。  
両腕に二重に結んだ麻縄を腹側で纏める。  
首からはゴツい首輪に鎖がだいたい足くらいまで。何よりもそん  
な拘束を受けてるのがこんな小さな女の子で、恐怖の象徴である  
魔王って所が……じゅるッ。  
 
「き、気持ちワルッ!? お前たんしょーの癖にロリコンなの  
かッ!?」  
「まだ短小言うかこのガキ……」  
 
まぁ守備範囲が広いのは認めよう。顔が良ければ良し。  
 
しかし、どうやって泣かせてやろうか。何もしないでぶちこめば  
泣くだろうけどそれじゃ面白味がない。俺も最初は痛い。  
 
「……よし、選ばせてやろう。  
一つ、じっくりねっぷり苛められた後二人とも楽しくやる。  
二つ、何もしないでぶちこまれる。さぁどっちッ!?」  
「どっちもヤダ。この縄解いたら考えてやる」  
 
む……我が侭な……お父さん! どうやってこんなひねた子に育  
てたんですか!  
 
「余計なお世話だ。それにボクのお父様はたんしょーの親では無  
い」  
 
……よし、一番だ。泣かして啼かして自分からヤって下さいって  
言うまで苛めてやる。  
そうと決まれば、早速このマントとローブは脱がしてあげますか  
。そう思って俺はベッドの上の獲物に手を伸ばす。  
……この後俺は足も縛っておくべきだったと反省する事となる。  
 
「ひッ!? クソッ! ボクに触るなッ! 蹴るぞッ!」  
「はっはっはっその程度の抵抗可愛いものだ。さぁ脱ぎ脱ぎしま  
しょおね゛ッ!?」  
 
今思えば不用心だった。全身に気を巡らせて、急所は完璧に守っ  
ていた。  
…………最も決まると危険な所を除いて。  
 
「た、玉が! お、俺の玉が!」  
「ふ、ふふふふふ。こ、コレに懲りたらボクを解放しろッ!」  
 
ヤるために腰鎧を脱いでいたのが仇となり、これから働かなけれ  
ばいけない我が分身をコイツの足が襲った。  
正直、痛い。ものっそい痛い。だが頭では冷静に何をすべきか考  
えていた。  
決まっている。お仕置きだ。  
 
「へへへへ……ひゃッ!?」  
「悪い子だ。悪い足だ。これは大人として罰を与えねばなるまい  
……」  
「ば、ばかァッ!足離せ……」  
 
離さない。離すわけにはいかない。足を固定したまま腰の辺りで  
ぐいっと持ち上げる。  
ローブの下を捲り上げると、肉付きの薄い小さなお尻と、年相応  
の毛も無い秘部に、黒いひょろっとした尻尾が顔を出す。  
やはりお仕置きと言えばこれしかない。  
 
「馬鹿ッ! 見るなッ! 触るなッ! 離せッ!」  
「五月蝿い」  
 
お尻ぺんぺんだッ!  
一発目、平手がつるりとした目標に勢い良く振り下ろされる。  
ぱしんッと言う小気味良い音とコイツの悲鳴が部屋に響く。  
 
「ひィッ!?」  
「はいはい二発目ー」  
 
無視。  
 
「ちょ、ちょって待って……ふァッ!?」  
「待てない。三発目ー……」  
 
 
 
 
 
その後十発ほど同じことを繰り返した所で軽く泣き始め、もう十  
発ほどやった所で激しく泣き始めた為急遽中止。叩き続けた桃色  
だった尻は見事な手形が何個もついて真っ赤になっていた。  
何で止めたのって? 言っただろう。外聞を気にするんですよ。  
……鳴き声が五月蝿いったらなくて……。  
 
「うぇぇ……ひっく……グスッ……」  
「あー……すまんかった。やってたらなんか楽しくなってきちゃ  
って」  
 
まぁ泣きじゃくるコイツは可愛いものだ。普段が生意気なだけに  
打たれ弱いのかもしれない。  
これ位で止めてあげたって良いか……  
 
「殺してやる……火山に突き落としてやる……――の癖に……―  
しょーの癖に……」  
 
…………んんー? 全然反省してないんじゃないのかコイツ?  
ま、まぁ多めに見てやろう。段々とオーラが黒くなってきたから  
な。  
 
「ひくッ……ひッく……」  
「ま、まあ落ち着け。ほ、ほら! お前が可愛くて歯止めが効か  
なかったんだ! な!?」  
 
泣き腫らした目でこっちを見るなッ!? 対応に困るッ!?  
止めてくれッ!? どうしても苛めたくなっちゃうんだッ!  
 
「可愛い?」  
「も、勿論」  
 
……にへへーとはにかむコイツの顔を見てると不思議な気分にな  
ってくる。  
いや、決して邪な気分では……邪な気分じゃないよな? 純粋に  
愛したいって?  
 
「好き?」  
「……あ、ああ」  
 
再びにへへー。  
今度は羊の様な頭の角をカリカリといじりながら。……笑う時に  
半開きになる赤い口が妙に艶かしく感じる。  
 
「じゃあ出せ。解放しろ。今なら向こう三年はお前達の国を襲わ  
ないという約束までしてやる」  
「…………反省することを知らんのかお前は」  
 
思わず突っ込む。先程までの儚そうな感じは本当に可愛かったの  
に、再び、いや前よりも目が吊り上がり、威圧感が増した。  
流石魔王。詐欺か。泣きそうな顔まで。  
 
「だってお尻なんか叩かれたの久しぶりで……」  
 
あ、また若干泣き始めた。どうしよう。情事が進まない。  
暫くヤってなかったから結構張り詰めている我がムスコに溜まる  
弾丸が空中で暴発する危険性がある。  
 
さっさと再開しなくては。  
 
「ふぇ……」  
「そ、そうだ。舐めてくれたら解放しようかなー」  
「ヤダ」  
 
敢えなく撃沈。  
 
「は、早く用を済ませたら解放しようかなー」  
「ヤダ」  
 
再び撃沈。  
まずい。本当に不味い。このままだと弾丸が装填されたままヤる  
気が無くなるという最高に気分の悪い状態になる。  
 
「て、手で! 手で擦ってくれたらッ!」  
「……ホントに?」  
「あ、ああッ!」  
 
よしッ! 何とか一発いけそうだッ!  
危なかったぜ。  
 
「じゃ、じゃあ……」  
「待て。どうせなら全裸で。いや、裸にマントだけで」  
 
裸マント。意外と良いかもしんない。  
つるぺったんの裸マント……うへッ。  
 
「変態め……ボクは自分で脱げない。脱がせたいなら勝手に脱がせ  
。その代わり……ちゃんと解放しろ」  
「ウン、モチロン」  
 
嘘だ。生意気な子供に大人として世界の厳しさを教えなくてはな  
らない。  
皆も知っておいて欲しい。世界は嘘と真で回っているのだと。  
何て事を思っている間にお着替え完了。結論。超良い。  
全体的に凸凹が少なく、どちらかと言うとなだらかって感じの体  
で、小さな膨らみに天辺の桜色、さっきも見たぴっちりと閉じた  
毛の無い秘所。  
それがマントで視覚的に若干見にくくなっている。あぁ、妄想が巡る。  
 
「見るなよォ……ボ、ボクが擦ってやるんだ。早く出せッ!」  
「あ、脱がして」  
「はァッ!?」  
 
駄目だった……。結構期待したのに……。  
恥ずかしがりながらもそーっと帯を外し服を持ち上げる。ぽろっ  
と俺のモノが出てきた瞬間小さな悲鳴を上げて……  
 
「ひッ! お、大きい……」  
 
そうそうこんな感じ……ん?  
 
「脱がしたくないんじゃなかったか?」  
「さ、さっさと終わらせたいんだ。こんな恥ずかしい事……」  
 
……いぃッ! しかも俺は聞いた。さりげなく『大きい』と言っ  
たのを。  
ん? 小さいと思ってた? 残念。一回りくらい標準よりデカイ  
のだッ!  
 
「ほらほらー『短く』て『小さい』んでしょー? 早くお願いします  
よー?」  
「う、うるさいなぁ。や、やればいいんだろ……」  
 
 
 
 
 
小さな手をそーっと伸ばし、俺のモノに触ろうとする。指先が微  
かに触れたところで、またすぐ手が戻る。ソレを何度か繰り返し  
、ようやく握れるところまで落ち着いたのか、深呼吸の後ついに  
ぐっと手を伸ばし握る。  
 
「はーッ……はーッ……」  
「はい良くできました。分かるー? 擦るんだよー?」  
「ば、馬鹿にするなッ!」  
 
意外と手がひんやりしてて気持ち良い。  
目を逸らしながらゆっくり、ゆっくり上へ下へ。  
でも……分からないのだろうか。これ程そそる表情は無いという  
事に。  
…………苛めちゃえ。  
 
「ほらほらしっかり見ないと」  
「ひッ! きゃあああァッ!?」  
 
肩を掴んで顔をアレの真ん前に寄せて、じっくり見えるようにしてやる。  
優しいだろ。俺。  
 
「ひくッ……何でボクがこんな事……」  
「顔反らしちゃだーめ。しっかり自分が男のモノ擦ってるんだっていう事  
を見なさい。ね? 出せば解放したげるから」  
 
……見れば見る程苛めたくなってくるのは俺だけじゃないだろう  
なぁ。  
最初の頃の気の強さがすっかり消え、目には涙を溜め、それでも  
俺から逃げる為に精一杯頑張る。  
……逃がしたくないなぁ、この子。  
 
「んっ、出そう……口開けてー。はい、あーん」  
「ぐす……何でそんな事……」  
 
……むー、ここまで来て抵抗されるのも腹立つなぁ。  
よしッ!  
頭を掴んでいない方の手を広げ、コイツの見えない位置まで高く  
上げる。  
狙いはさっき散々苛めた可愛いお尻。  
 
「痛ッたァッ!?」  
「もう一度聞きまーす。口開けて?」  
「い、イヤだ……痛ッ! わ、分かったからッ! もう叩かないでぇ……」  
「分かり『ました』だよね? 俺年上だしね? はい、あーん?」  
「ひくッ……あ、あーん……」  
 
はい良くできましたー。  
優越感を噛み締めながら、一生懸命俺のモノを擦っている魔王の頭を  
上から掴み、開かせた口にアレが入るように押しつける。  
……その温かい口の中に入った瞬間、俺は果てた。  
 
「く……うゥゥッ!」  
「むぐッ!? む、ぐぐぐぐ……」  
 
……ん、はー。スッキリした。  
しっかし俺もまだ若い! コイツの口が小さいのもあるんだろう  
けど、溢れてるよ。  
いや……ちょっとやり過ぎたかな?  
 
「げほッ!? かふ、かふッ……こ、これで解放してくれるんだろ  
ッ!? も、もう良いよなッ!?」  
「あぁごめん。あれ嘘」  
 
ピシッと空気が凍る。  
だいたい口から自分の子胤垂らしながら泣いてる少女見て其処で  
『はいサヨウナラ』って出来るか?  
一瞬で復活するわ。幾ら出してても。  
 
「え……!?」  
「せっかく捕らえた魔王をそんな簡単に逃がすわけ無いじゃん。  
しかもこんなに可愛いのに」  
 
柔らかく綺麗な黒髪を手で撫でてやる。  
恐怖と絶望で染まった顔は今まで一番……そそられる。  
動かないのを放っておいて、隠されている股の間の秘所に手を伸  
ばす。  
 
「何だ。しっかり濡れてんじゃん。擦ってただけなのにね? あ  
、もしかしてお尻ぺんぺんの頃から?」  
「ひ……あ……」  
 
無理矢理足を開かせ、俺のモノをあてがう。  
どうせなら、とことん苛めてやる。  
びしょ濡れって訳じゃない。ちょっと蜜が垂れてるくらい。  
そこを多少着色して話したのは、この顔が見たかったから。  
 
 
 
 
「一気に行こうか。ダイジョブダイジョブ。君くらいで身を売ってる子も見た  
ことあるから」  
「ボ、ボク……初……めてで……」  
「おっ。そりゃ幸運だ。こんな可愛い子の処女貰えるなんて」  
 
いやー、思ってはいたけどねー。口悪いわりにはアレ見た時相当  
ビビってたし、口に出した時も信じられないって顔してたし。  
じゃ、あんまし待たせるのも何だし。頂きますか。  
少しずつ先っぽを埋めていき、異物感があった直前で一回止める。  
ココまででもかなりキツイ。  
 
「さて、あと一息で破れるけど、何か言う事ある?」  
「ほ……他の事なら……何でもする……いや、しますから……止めて……お願  
い……」  
 
あらら、遂に敬語になっちゃった。あぁ涙も流れてきちゃって…  
…全く、しょうがないな。  
手を伸ばし、指で流れた涙を一粒拭いてやる。満面の笑みで。  
 
「お・こ・と・わ・り」  
 
上体を沈め、腰を突き出す。  
軽い衝撃が体を伝い、胸の辺りで霧散していく。  
今までで一番の喰い千切られるような圧力が俺を包んだ。  
 
「ひッぎィッ!? ぬ、抜いて! 抜いてェッ!」  
「そう言うわけにも……くそ、締まるッ……いかねえんだなッ!」  
 
中に感じる液体は愛液じゃないだろうな。血だ。  
初めてなのに加え、圧倒的な体格差。中では裂けているかもしれ  
ない。  
そんな中でも感じるのは、未知の快感。例えようもない強烈な締  
まりに、くっついて離れない媚肉の感触。  
触れ合う外の肌、痛みに耐えるその表情。  
どれもが美しく、完璧に調和していた。  
その時何を考えたのか分からない。そうしたかったのだろう。  
軽く唇と唇を触れ合わせるだけの接吻。  
そこまでで限界だった。  
 
「出すぞッ……中にッ!」  
「……はー……はー……ひィッ!?」  
 
二度目とも思えない量を幼く小さなソコに放ち、体力も底をつく。  
俺も、コイツも満身創痍だった。残った感情は恐らく違っただろう  
が。  
 
「は……は……ァ…………ふぅ――――」  
「おいッ!?」  
 
突如倒れ込んだ体を片手で支え、何があったのかを知るため顔を覗  
き込む。  
 
「寝た……のか?」  
 
すーっすーっと可愛い寝息をたてながら、無防備に眠りこける。  
何も無かったかのように。たった今犯したこの俺の前で。  
思わず幸せなこの顔を見て笑みが溢れる。  
 
「ふ、ふふふ、くっくくくく……」  
 
連れて帰ろう。いや、その前に体くらい拭いてやるか。  
いつかまたこの寝顔を隣で見る。  
……勇者と魔王が結婚したらどうなるだろう。人と魔物は手を取り合って生きていけるのかな?  
 
「うしッ! 俺が居ないと生きてけない位にしてやるよッ!」  
 
とにかく今は眠れ。  
また起きた時に楽しめる様に。  
 
「俺も寝るかッ!」  
 
この後二人はどうなったか。  
それはまた別に。  
『ちっちゃな魔王と外道な勇者の初交渉』終  
 

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