メリークリトリース!!
クリスマスの浮かれた空気漂う電車の中で、真由香は手すりを力の限り握り締めて俯いていた。
がたんがたん。がたんがたん。
規則正しい電車の揺れとはまるで違うタイミングで、びくびくと足が震える。
「大丈夫?」
黒崎が優しい声で気遣うようなセリフを口にするので、真由香はしかめっ面をして相手を睨む。
「大…丈夫な、わけ…ないっ…」
気遣いの言葉とは裏腹に、黒崎はニヤニヤと楽しそうな笑みを隠そうともしない。
「そう?つらかったら言ってね」
黒崎がコートから出した左手には、小さな黒い機械が握られていた。
調整つまみがついているだけの、そっけない機械だ。
真由香はそれを見て、顔を強張らせる。
「ばか!外に出さないでよソレ」
「コレがナニかなんて、誰にも分からないよ」
調整つまみに指をかけるのを見て、真由香はびくりと身構える。
「…なに期待してんの。次で降りるよ」
だが黒崎は調整つまみを動かさないまま、コートのポケットにそれを戻した。
電車は時間通りにホームに滑り込む。
黒崎は吐き出される乗客から守るように真由香の肩を抱いて、自分のペースでぐいぐいと改札口めざして歩き出す。
引きずられるように歩く真由香の足取りは弱々しい。
せめて情欲に火照った顔を他人に見られないようにと、真由香は黒崎のコートに顔を埋めた。
足の間、下着の中に入れられたローターは、ゆるゆるとした刺激を休まずクリトリスに与え続けている。
黒崎のマンションに辿りついた真由香は、ほうっと安堵の息を吐き出した。
まだ下着の中でローターが動いているが、他人に囲まれた電車の中と、慣れた恋人の部屋とでは心持ちが全然ちがう。
「真由香、突っ立ってないで、座りなよ」
くつろいだ格好になった黒崎が、部屋の真ん中で佇立したままの真由香を促す。
「す、座れるわけないでしょう…。もう、いいでしょ?これ取っても」
「うん?なにを取る…って?」
「ひゃあああああん!!!」
さりげなく近づいてきた黒崎が、真由香の腕を引っ張って、無理やりソファに座らせる。
下着の中で位置を変えたローターが、座った衝撃でクリトリスに強く押し付けられた。
電車の中で30分ちかくいじめられていたクリトリスにとって、この刺激はトドメだ。
真由香はソファの上で背筋を強張らせた。
「ああ、イっちゃった?」
かち、かち。黒崎の指が、調整つまみを──ローターを遠隔操作するリモコンの調整つまみをランダムに切り替える。
「あっん!!んん!!やっ!!!」
強く、弱く。
イったばかりのクリトリスを、読めない刺激がさらに襲う。
真由香はソファの上で悶絶する。
「や!も、無…理、と、とめっ…あんっ!」
突き上げる快楽に、息がうまく出来ない。
このままだと死んじゃう、と切れ切れに訴えると、黒崎はようやくローターを止めた。
「はぁっ、はっ、は(;゚д゚)ァ.... …」
黒崎はソファの前に座ると、仰向けに倒れたまま必死に呼吸を整える真由香のスカートをたくし上げ、その奥に指を伸ばした。
「も…やだあ…」
「あれ、ローター外さなくていいの?」
さらに責められるのかと身をよじらせる真由香をからかうように言って、タイツを下着を一緒に引き下げる。
真由香の愛液にまみれて艶々と光るローターが、ころんとソファに落ちる。
散々いじめられたクリトリスも、すっかり尖って皮から頭を出している。
黒崎が慈しむようにクリトリスの先端をつつくと、真由香はぎゃ、と色気のない声をあげて半身を起こした。
「とろっとろになってる」
「い、言わないでよぅ…」
「このままじゃ気持ち悪いだろ、風呂はいる?一緒に」
「ええー…」
「クリスマスなんだし、いちゃいちゃしたいじゃん」
「…う」
今日はめちゃくちゃ虐められているが、普段は優しいし大好きな恋人だ。クリスマスなんだし、一緒にお風呂も悪くない。と思わなくはないが。
「…変なことしない?」
「しないしない」
「…じゃあ入る」
実際問題、どろどろの下肢は気持ち悪いし、電車の中で緊張のあまり嫌な汗もかいている。風呂には入りたい。
イったせいでおぼつかない足取りを黒崎が支えて、2人でじゃれあうように服を脱がせあって、バスルームに入る。
シャワーで温めたバスマットに2人で座ったところで、黒崎はするりと真由香の足に手を伸ばした。
「…変なことはしないけど」
「ん?」
「エロいことはするからね」
「ちょっ待っ!?」
足を閉じられないように固定され、皮を剥くような形にクリトリスを二本の指で押さえつけ、ぬるめの温度に設定されたシャワーが真由香の股間に勢いよく噴出した。
メリークリトリス第2ラウンドは、シャワー責めになる様子。
「いやああああん!!!」
終わり。