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Truc AI FIRE! 後  
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-*-*  
 
「・・・おきて、るよ。」  
たっぷり3分は待たされた後、扉越しにおずおずとした義文君の声が聞こえてきた。  
 
こくんと唾を飲む。  
「・・・」  
何かを言おうと思ったけれど声は出ずに、あたしは扉を開いた。  
キイ、と音が鳴る。  
 
暗い部屋の中、ベッドの上で俯いている義文君はなんだか猛烈に反省している子供のように見えた。  
 
行き当たりばったりで何とかなると思ったもののそれを見た瞬間、  
私も何も言う事が出来なかった。  
つまり、それくらい義文君は参っているように見えたのだ。  
 
私は何も言わずに義文君の隣に座った。  
私の体重でぎし、とベッドが揺れた瞬間、ぎゅう、と義文君は更に、胸に顎を埋め込むみたいに頭を下げ、俯きを深くする。  
 
本当に小さな子供の時、悪い事をして叱られた後みたいに。  
思わず抱きしめたくなる。  
 
肩に手を廻そうとして、思い直して手を引っ込める。  
どう云う風に傷ついているか想像も出来なかったからだ。  
触られたくも無いかも。  
 
そんな風に躊躇していると  
「うっく。」  
と、突然義文君がしゃくり上げた。  
 
私は呆然と義文君の方を見た。  
「うっく、うっく。」  
義文君の背中が揺れて、固く握り締めた手で義文君が俯かせた目元を拭うようにした。  
 
何かしなくちゃいけない。  
でもどうすれば良いのか判らなくて私は手をベッドの上と義文君の肩の間で彷徨わせた。  
義文君の背中が息を吸い込む音と共に、ひゅっ、ひゅっと揺れて、唇から懸命に抑えようとしているような音が漏れる。  
「うっく・・・ひっく・・・うっく・・・ご、ご、ごめんなさい。」  
義文君が絞り出すように声を出した。  
 
え、と思わず声を返す。  
その私の声にも義文君はびくっと身体を振るわせた。  
背中が大きく揺れて、義文君の膝にぽたぽたと涙が落ちた。  
またごしごしと目を擦る。  
「うっく・・・うくっ・・・ごめんなさいっ」  
 
またぱたぱたぱたっと義文君の涙が膝の上に落ちた。  
私は義文君の肩に手を置いた。  
 
何だか凄く懐かしいような気分だった。子供の頃、二人で叱られた時みたいな。  
ひゅうっひゅうっと義文君の背中が揺れる。  
暫く考えて、  
「・・・ずっと気にしてたの?」  
浮かんできた言葉をそのまま口にした。  
 
「ひっく・・・ひくっ・・・ごめんなさいっごめんなさいっ」  
てっきり頷くもんだと思ったら、義文君はぶんぶんと頭を横に振った。  
 
ゆっくりと背中を擦る。  
ポケットからハンカチを取り出して、目を拭ってやるのはいかにもだから(義文君も男のプライドがあるに違いない。)額の汗を拭ってそれから手に渡してやる。  
義文君はそのハンカチでぐしぐしと目元を擦った。  
 
その時、トントン、と控えめにドアがノックされ、ゆっくりとドアが開いた。  
てっきり寝ていると思ったのだろう、  
水差しを持ったメイドがそっと部屋の中に入ってきて、  
そして私達を認めた瞬間、ぎょっと目を見開いた。  
 
小さい新入りのメイドだったので、私はしい、と唇に指を当てた。  
直立不動で立ち尽くしたメイドに手を振ると、慌てたように水差しを置いて、駆ける様にして扉から出て行く。  
その姿を見ながら今まで気にしてなかったけどあの仕事の割り振り、やめさせなくちゃなぁ。とふと思いついた。  
夜中にこっそりメイドが扉を開けて何かを置いていくなんて、考えてみればプライバシーも何もあったもんじゃない。  
そろそろ子ども扱いさせないようにしなきゃいけないのだ。きっと。  
 
しん、と部屋の中は静まり返ってチクチクと壁に掛かった古い時計の音だけが聞こえる。私はふう、と溜息を吐いて、それから何も言わずに少しだけ義文君にくっつくようにして、義文君の背中を擦り続けた。  
ひゅうっひゅうっと何度も嗚咽するように背中が動いて、  
泣き声を上げないようにはあっはあっと息を吐き出して、  
それから義文君が声を出せるようになるまでには10分以上の時間が掛かった。  
 
「わか、わ、うくっ若菜ちゃん、うくっ」  
漸く声を出したものの、言葉が続かなくて、  
ひくっひくっと喉を震わせながら、ぐしぐしと目を擦る。  
「ん?」  
と背中を擦りながら言うと  
 
「き、きも、うくっきもちわるいって、うくっおもったでしょ。」  
漸くといった感じに搾り出す。  
う、と詰まった。別に気持ち悪いとは思ってない。  
が、この場合どう答えるべきだろうか。  
上手い言葉が見つからないけれど沈黙は肯定と受け取られない。  
ゆっくりと義文君の背中を撫でながら。  
「うーんと、ちょっと、びっくりしたかな。」  
と正直な所を口にした。  
 
義文君がさらに俯く。  
「ご、・・・うくっ・・・ご、こめん、なさい。ひくっ」  
何と言うべきか。私の腕の中の義文君は今、とても傷ついている。  
すう、と息を吸う。  
「あ、あのね、泣くような事じゃないんだよ。それに、謝る事でもないんだよ。」  
ゆっくりと声を出した。  
「うくっ・・・でも、あんな事して、・・・ひくっ、ぜったい、気持ち悪いって、  
わ、わ、若菜ちゃん、ひっく、すごい、驚いた顔して。」  
 
「そんな事思わないよ。な、なんていえば良いかな。  
そりゃ、義文君は恥ずかしかったよね。でも、なんていうか、それだけの事だよ。  
義文君は皆してる事をたまたま見られちゃったってだけ。」  
 
義文君はぶんぶんと頭を振る。  
「しないよ、うっく、・・・あんな、変な事、皆は絶対しない。」  
またひくっと背中が動いた。  
「あんなの、ひくっ・・・僕だけだよ、僕、きっと、わ、若菜ちゃんは気持ち悪いって、うくっぼ、僕のことき、嫌いになったでしょ。」  
 
「馬鹿な事いわないの。そんな事無いって。私がそんな事思うわけ無いでしょう?」  
ぎゅうと手を握ってやる。  
何がどうあったってそんな事は思わない。それくらいは寧ろ判って欲しい位だ。  
 
でも義文君はまた俯いた。  
「でも、わ、わ、若菜ちゃんは女の人だから、あ、あんなの、へ、へ、変な事って思うでしょう?き、気持ち悪いって思うよ」  
 
「あ、あのね、」  
すうと息を吸う。ぎゅっと肩を抱いて擦ってやる。  
「義文君は眠たくなるし、お腹が空いたらご飯も食べたくなるでしょう?ね。  
眠くて眠くてしょうがなかったら夜じゃなくても寝ちゃうし、お腹が空いてしょうがなかったらご飯の時間じゃなくてもお菓子を食べちゃうよね。  
その、義文君のそれも同じ。大人になると眠くなったりご飯を食べたくなったりするのと同じでそういう事をしたくなるの。  
だからあ、ああいうのは大人になれば女の人もするの。  
だ、だから、私は、そんな気持ち悪いとか、変とか思わないから大丈夫だよ。」  
 
初めて義文君の震えが止まった。  
ゆっくりと義文君が顔を上げる。  
「・・・若菜ちゃんもするの?」  
ぐうっと喉から変な音が出た。背中を汗が伝う。  
幾らなんでもこの告白はきつい。  
 
「ぅ・・・んーーんーーー。んーー。ど、どうだろうね。あたしはし、し、しな・・・」  
そう言い掛けた瞬間  
「やっぱり、変なんだ。」  
義文君の顔が戻る。  
 
「し、・・・する、かな。う、うん。」  
義文君の顔が持ち上がる。涙に潤んだ瞳で私の顔を見上げる。  
「本当?」  
なんというか、邪気の無い、若菜ちゃんも僕の仲間なの?という視線。  
思わず頷く。  
「う、うん。」  
ほうっと義文君が息を吐いた。  
べしゃっと顔が崩れる。  
「ぼ、僕、ずっと、あんなの、変だって思って、ひくっ若菜ちゃんにもし知られたら死んじゃうって思ってて」  
 
「馬鹿だなあ。」  
私の袖を掴んで泣き顔でそう言ってくる義文君のふわふわの頭を撫でる。  
「大丈夫だよ。死んじゃうなんて、そんな事考えちゃ駄目なんだから。」  
 
「ひくっあの時も、若菜ちゃん、若菜ちゃんって言いながらそうしてたから、だから、」「・・・」  
・・・それはきいてなかったぞ。と思う  
・・・ええと、もしかするとそれは、私の事を考えながらって事か。  
そう考えた瞬間、かあっと頭に血が上るのを感じた。  
まさか、そんな事だとは思わなかった。  
 
「それで、若菜ちゃんが急に扉開けて、それで、ひくっびっくりした顔して、僕、きっと若菜ちゃんが気持ち悪いって」  
 
私の腕の中で義文君が訥々と私に言う。  
やばそうだ。  
私は胸がきゅんとなっている。  
頭がくらくらする。  
 
「あ、あ、あのさ。」  
そう言うと、義文君が私の顔を見上げてきた。  
「その、義文君は私の事を考えて、その、するの?」  
 
思わずという感じで口に出た言葉だった。  
そう言った瞬間、ばっと義文君が顔を逸らしたので私は慌てて  
「あ、あ、嫌だって意味じゃないよ。そ、その、そうなのかなって」  
そう言う。  
心臓がばくばくと鳴っているのが判った。  
義文君がゆっくり頷く。  
 
自分が首筋まで真っ赤になっているのがわかる。  
くらくらとする。  
何と言って良いのか判らないけど、私はこういうのに弱いらしい。  
わ、私の事考えて、義文君はするのか。  
なんか、鼻血出そう。  
 
何か言わなくちゃと思って口に出たのがこれだった。  
 
「その、あ、あたしも、義文君の事を考えて、するよ。」  
 
@@  
 
「それで、どうしたの?」  
「ちょ、秋乃さん、近い、近いです。近いですって。」  
秋乃さんがクルクルとパスタを絡めていた手を止めてこちらに乗り出してくる。  
メイド服ではない普段着の薄い色のシャツも清楚で秋乃さんにはとても似合っている。  
「何それすごいじゃない。若菜。」  
鈴子もフォークを咥えながら興味津々といった体だ。  
 
秋乃さんも鈴子も声が大きくて、私は周りに他の客がいないのを慌てて確認した。  
 
「え、何それ何それ何よそれ何て事なの?そんな状況ありえる訳?  
私の場合なんてそれこそ業を煮やして押し倒したってのに  
そんな鴨が葱と鍋と薬味とお皿とお箸を背負って来るなんてそんな事ありえる訳?」  
「あ、秋乃さん?」  
ぶつぶつと空ろな目で呟く秋乃さんに声を掛けると  
秋乃さんははっと意識を取り戻したように私の方を見た。  
 
「で、それでどうしたの?」  
 
「な、何だかいつもの秋乃さんと違・・・」  
 
「で、どうしたのか言いなさい!」  
 
「え、いや、いえ、えっと・・・」  
 
@@  
 
二人でベッドの上でシーツを被って顔だけを出して寝そべったのだ。  
義文君は大分元気を取り戻していた。  
 
そして、私は片手をシーツの下で捲り上げたスカートの下、自分の下半身に当ててゆっくりと指を動かしていた。  
義文君が私の顔を見ている。きゅう、と唇を噛んで私も義文君の顔を見ていた。  
下着は少し前に脱いでいた。  
 
脱いだ下着をシーツから出して枕元に置こうとした瞬間、義文君の視線が私の下着を追って、私は慌てて枕の下にそれを隠した。  
 
ゆっくりと指をなぞる。敏感なそこを少しだけ擦って、  
声が出そうになって慌てて唇を噛む。  
 
「若菜ちゃんのする所みてみたい。」  
駄目に決まってるでしょう。と言下に否定できなかった私の負けだ。  
 
「だって、本当にするのか判らないし。」  
「やっぱり嘘だったんだ。」  
 
最大限に譲歩させて、私はシーツを被った状態で、それでも判るでしょ?  
と云う事で義文君は漸く納得した。  
 
それでも無理だと最初は思ったけれど暗い部屋の中、  
蓑虫のようにシーツの中に入ってしまうと意外と大胆に私は下着を脱いだ。  
それでも顔を見られるのは恥ずかしかったけれど先程からのドキドキが私を大胆にさせていたのだろう。  
 
ゆっくりと指をその部分に当てると既にその部分は潤んでいた。  
何だか凄くいやらしい。  
「・・・んっ!」  
ぴん、と弾くと鼻から息が漏れた。  
シーツから顔だけ出した私を同じようにシーツに潜りながら穴が開くように見つめていた義文君がはあ、と溜息を吐く。  
 
義文君と同じように私の顔も今、真っ赤になっているのだろう。  
シーツが私の手の動きに合わせて揺れる。  
シーツの上からでも義文君には私が下半身で手をいやらしく動かしている事位は判るだろう。  
 
「・・・ぅんっ!」  
自分の体の事だから、自分自身の手の動きは容赦ない。  
的確に責めてきて、口から声が漏れる。  
 
義文君が私の顔をじっと見てる。  
ゆっくりと掻き回すようにする。  
「・・・んあっ!」  
 
声が抑えられなくなって、私はぎゅっと目を閉じる。  
そこからは早かった。  
恥ずかしさはどんどん消えていって、指の動きが私を高めていった。  
「んっ!んっ!あっ!」  
というかいつもよりびちゃびちゃに濡れているのが自分でも判る。  
クリトリスの部分を弾いて、人差し指で浅瀬をかき回すようにするとじわっと中が溢れてきて、きっとシーツの中ではいやらしい音を立てているだろう。  
 
薄く目を開けると、義文君がびっくりした顔で私の顔を見ている。  
いやらしいって、変って思われたかもと思った瞬間、くすりと胸の奥から笑い声が起きた。  
義文君もあの時、きっとそう考えたのだろう。  
「義文君も、していいんだよ。」  
少し笑いながら義文君に向かってそう言う。  
真面目な顔をして頷いた義文君を見て、私はもう一度目を閉じた。  
もう片方の手で思い切りクリトリスを捏ねる。  
「あっ!あんっ!」  
くん、と顎が上がって声が漏れる。  
 
もう少しで、と、そう思った瞬間、  
シーツの表面が動いて、義文君がシーツの中に潜ったのが判った。  
「あっこ、こ、こらっ!」  
ぱちんと目を開けて思わずシーツを捲って声をあげたけれど、義文君の動きは止まらなかった。  
もこもことシーツの中を動いて、あっという間に私の脚の間にすっぽりと収まる位置まで来た。  
 
脚を閉じる間もなくて、私の動かしていた指のすぐ下に義文君の位置が来る。  
シーツの中で見えるのかどうかは判らないけれど当然私のスカートは捲くれ上がっている。  
「こらっだ、だめっ!」  
慌てて両手でそこの部分を隠して、潜めながらそう叱るように言ったけれど、義文君はじっと黙ったままどこうとしない。  
 
私は両手で下半身を押さえた情けない姿でシーツの上から何度も義文君に向かって駄目と言った。  
でも帰ってきたのは最後にぽつりと  
「見せて。」  
という義文君の言葉だった。  
 
ぼすん、と持ち上げた頭を落とす。  
頭の中が爆発しそうな羞恥心で一杯になる。  
私はシーツを被ったまま両足の間に義文君を入れて、そしてその部分を見られている。  
「もう、駄目だって言うのに。」  
見えないように隠しながらそう言うけれど、無駄だろうなというのは判った。  
そして、私も頭の中がじんじんとしていた。  
 
「見せて。」  
シーツ越しにもう一度義文君の声が聞こえた。  
 
@@  
 
「ご、ごめん秋乃、ちょっとそこの紙取ってくれる?はな、鼻血が。」  
「・・・若菜ちゃん・・・恐ろしい子っ」  
話の途中で既にフォークを取り落とし、  
二人は手を握り合うようにして私を見つめてくる。  
 
「いや、あの、ええと、鈴子、秋乃さん?」  
 
「かえって経験が無い方がこういう状況になったりするのかもねえ。見習うべきかも、私達も。」  
「で、それで、続きは?それでどうしたの?早く話しなさい。」  
 
「あ、あの、なんだかあたしすっごい恥ずかしいんですけど。」  
 
「いいから。」  
「いいから。」  
 
@@  
 
ゆっくりと手を外した。  
見えないかもと思っていたけれど、  
シーツ越しに義文君の「凄い」という声が聞こえて私はぎゅうと目を瞑った。  
 
「駄目だって、こら・・」  
そうは言ったものの頭の中は煮立ったようにぼんやりとして、体中が熱くなって、見られている下半身からはじんわりとした何かが背筋を這い上がって来ていた。  
 
ゆっくりと指を当てると、さっきよりもそこがもっとどろどろに潤んでいるのが判った。このまま指を動かしたら、きっとぴちゃぴちゃと音が義文君に聞こえてしまうだろう。  
そう思って、私は思い切り指を浅瀬で廻すように動かした。  
「んっ!んっ!!あああんっ!」  
 
鋭い、今までにない位の快感が頭の中で弾けて、その瞬間、思い切り声が漏れる。  
それでも指は止めなかった。  
義文君に見られている、そう思いながら浅く指を入れたまま思い切り、上下に動かす。  
「んっ!んんっ!あんっ!あっだめっ!」  
「あっ!あっ!あっ!ああっ!」  
 
一人でする時もそんな声を上げた事は無いというような声が私の口を漏れて出てくる。  
左手でクリトリスを捏ね、右手で浅瀬をかき回す。  
と、暫くして激しく動かしていた右手の指先に自分以外の湿った感触が這うのを感じた。  
暫くぼうとした頭が理解できなくて、指の動きを弱める。  
が、その湿った何かが私のクリトリスを突付いて、鋭い快感が頭に走った瞬間にそれが何かという事が判って、私はシーツ越しに  
「あっ馬鹿っ!あんっ!」  
と叫んだ。  
その間も湿ったそれは私のそこをゆっくりと這った。  
「ば、馬鹿、汚い、から、ああんっ!!」  
啜るようにクリトリスが吸い込まれて私の腰が思い切り持ち上がる。  
 
ぬとぬとと濡れた右手を引き上げてシーツを持ち上げる。  
顔を突っ込んで  
「駄目!駄目だよ義文くんあっ!」  
と思い切り持ち上げた私の腰に顔を埋めている義文君に声を掛けた。  
 
義文君が顔を上げる。  
「若菜ちゃん、脚、開いて。」  
「駄目、こら、ああっ!」  
「若菜ちゃん、脚、開くの。」  
思ったより強い力でぐいっと脚を押し広げられて、私は狼狽した。  
思い切り脚を開ききった格好になり、自然と腰が上に持ち上がる。  
そこに義文君が顔を伏せた所で私は諦めてシーツを持ち上げていた手を離した。  
 
義文君が私のを。  
ずるずる、と吸われた感触で  
「あーーーっ!」  
と声が漏れた。  
 
そこからは決壊したように義文君の舌が私のそこを動く度に声が漏れた。  
抑えられていた脚はいつの間にか義文君の手が離れていたけれど、  
かくん、と力が抜けて閉じれなかった。  
 
それだけじゃない。義文君は私の左手を取って、私のそこに当てる様にした。  
快感と羞恥心の混ざった胡乱な頭の中、それでも義文君の動作の意味が判って  
「意地悪・・・」  
と呟く。  
 
義文君のそれだけで軽く何度もいってるのに。  
当てた自分の指を動かしてクリトリスを捏ね回す。その下を義文君の舌が這う。  
時々私の指の動きを覚えるように私の指の後を義文君の舌が追いかけるように動く。  
 
義文君が舌を尖らせて浅瀬に突き刺すようにした瞬間、私はシーツを握ってぐぐうっと丸まった。  
 
まずい、と頭の中で考えるけれど動きは止まらない。  
私は、義文君に舌でされながら、一人でする時以上におもいっきりいかされそうになっていた。  
「駄目っ!義文君っそれ以上だめっ!あたしいっちゃうっ!」  
シーツ越しにそう言った瞬間、クリトリスを捏ねていた右手を外されて、ちゅう、と吸われた。  
頭の中が真っ白になって、自然と義文君の顔にに押し付けるように腰が前後にくねる様に動く。  
 
はあっはあっという自分の息が自分の耳に聞こえるようになるまできっと数十秒、もしかしたらもっとかもしれない。  
私は長い時間絶頂を感じ続けた。  
 
@@  
 
「ね、秋乃、さ。そ、そろそろ。わ、わたし、」  
「う、うん。で、でもちょっと待ちなさい。最後まで聞かなきゃ、きっと後悔するから。  
最後まで。」  
ちらちらと鈴子と秋乃さんが目配せをしあっている。  
 
「あ、あれ?鈴子、秋乃さん?」  
鈴子は腰を浮かしかけ、秋乃さんも落ち着きが無い。  
 
秋乃さんがコップの水をくうっと喉を見せながら飲む。  
たん、とテーブルに置く。いつの間にか秋乃さんの目元が染まって、色っぽい。  
鈴子もぱたぱたとメニューで顔を仰いでいる。  
「そ、それからどうなったの?」  
 
@@  
 
「ね、義文君も、してる?」  
跳ね回る息を少し落ち着かせた後、私はまだ私の脚の間にいる義文君にそう聞いた。  
頭はぐねぐねで、身体は思い切りいった後の気だるさが支配している。  
 
でも、一人でする時と違って、まだ体の中に何か温かさが残っているような感じがしていた。  
 
義文君がうううん。と首を横に振って、「でも、もう、」と切なそうな声で言った。  
私はその声だけで体中がじんじんとした。  
私は身体を持ち上げながら  
「義文君、こっち、きて。」  
と、そう言った。  
 
義文君を寝かせて、先程とは逆に、私が義文君の脚の間に跪くようした。  
義文君のがちがちになったおちんちんの上で口を開いて、私は  
「口の中に出して良いからね。」  
と言った。  
 
頭の中が義文君への愛おしさと、私の中のいやらしさが混じってじんじんする。  
義文君のを口の中で思い切り出されたら、と考えてそれが待ちきれなくて、  
舌が口の中から自然と出てきて唇を舐める。  
 
義文君が右手で擦り始めて、私は上で口を開けて待った。  
義文君の先っぽがぷっくりと膨れ上がって、先端から透明なそれが溢れるように出てくる。  
待ちきれなくて舌で迎えるように舐めた。  
「あっ!若菜ちゃん!」  
くん、と義文君の腰が突き上がって、私の口の中に先端が入り込む。  
 
口の中に苦味が走って、でも硬く熱くなったそれが口の中で跳ねて、  
純粋にそれを逞しいと感じた。  
 
支配されるような、傅くのが当たり前のような気持ちになって、  
ちゅう、と頬をへこませて吸った。  
 
舌は下顎の方に下げていたから、義文君の先端は私の喉の奥に一直線に向かっていた。  
私は意図してそうしていた。  
思いっきり口の中に出して欲しい。  
 
「あっ!」  
と義文君が叫んで私の頭を掴んだ。  
どくん、と口の中のそれが動いて、思い切り、そう、びゅっという勢いで私の口内に義文君の精液が発射されて、私の喉の奥を叩いた。  
 
苦い味が口内一杯に広がる。  
しかもそれ一回だけではない、びゅ、びゅ、と何度も私の口の中に精液がぶちまけられるように、叩きつける様な勢いで発射された。  
 
覚悟がなければ噎せていただろう、  
でもその苦い精液が愛しくて、私は唾液と一緒に口内のそれを飲み込んだ。  
それだけじゃない、口の中でまだ硬いそれを嘗め回すようにして、啜り上げて、  
私は義文君のそれを全部自分の口の中、身体の中に入れた。  
 
@@  
 
「鈴子。」  
「う、うん。」  
鈴子と秋乃さんが頷きあう。  
 
「あ、あの、へ、変ですよね、やっぱり。  
そ、それ以降も、実は、ねだられると断りきれなくって、時々・・・」  
 
私の言葉を聞かなかったかのように立ち上がった秋乃さんが  
「今日のお会計は私で持ちます。」  
と、そう言ってさっさと立ち上がる。  
鈴子もぱっぱっとスカートを叩いて立ち上がる。  
 
あまりにも変で呆れられたのだろうか。  
「あ、あの、なんか、すいません。変な事ご相談して。」  
頭を下げる。  
 
立ち上がった鈴子がきっとこちらを見る。  
「ま、負けてないんだからねっ。」  
私を指差してくる。  
 
「は?」  
と答えると今度は秋乃さんが私の方を見てくん、と顎を持ち上げた。  
凄艶な美人なだけにその仕草には迫力がある。  
 
「私は若菜ちゃんを少々侮っていたようです。  
と、年下だから、とそう思っていた自分が恥ずかしい気持ちです。  
さすが姉川家付きメイド。今回は、悔しいですけど引き下がります。  
でも、じ、次回こうやって会う時は私が若菜ちゃんをびっくりさせる番ですからね。」  
 
「あ、あの、び、びっくりさせるって、私は相談して・・・」  
 
「お幸せに」  
「お幸せにっ」  
 
え、ええと、ちょっと、と、くるりと背を向けて歩み去っていく二人に手を伸ばす。  
でも鈴子も秋乃さんも振り返ってはくれずにずんずんと歩いていってしまった。  
 
了  
 
 

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