皆さん初めましてっ、ボクはシュレってゆーの。  
んぅ?いきなり自己紹介されても訳がわかんない?あははっ、そりゃそーだね。でも、ここでお話して  
おかないといろいろややこしくなっちゃうからゴメンねぇ?  
 
さっきも言ったけどボクはシュレって言うの、今…こうやって草原が広がってる街道を歩いてるユート  
の肩に乗ってるんだ…んぅ、鼻先に風が当たって気持ちいぃ…♪  
あと、ボクがなんでユートの肩に乗ってるとかこんなこと考えてるかは…。  
「ねぇ…シュレ?さっきから変なほう向いて唸ってるけど…なにか…いるの?」  
「シュー…ン、シュシュルキシュシュッ!キシュ」  
ボクはついうっかりって顔をして、首を振りながら声を出したの。うぅ、今の体だとこんな声しか  
出せないのが不便だなぁ…。ユートはあちこち見渡してなにもなかったからキョトンってボクのこと  
みてる、かわいぃ…。  
うう、いけないいけない、このボクの目の前にいる少年こそがボクの愛しいユート君。  
ボクが猟師の罠に捕まって鳴いてたところを助けてくれたとっても優しい子なんだよ?それが切っ掛けで  
ボクはいつもユートの肩で彼の危険を守ってあげてるんだっ、なにせボクもドラゴンの血を引く者  
どんとこーいって……自覚してるんだからツッコミとか白い目は流しちゃう、うん。  
 
「さっ、シュレ…今日はここまでにしよっか?お腹もすいたでしょ………えへへっ、さっきからシュレの  
お腹鳴いてるもん」  
ふっと、ユートがこっちむいた、目があっちゃった……、ってお腹…きゃー!聞かれちゃった!  
もうダメー!お嫁にいけないっ!やーーっ……あ、でもでもユートのお嫁さんになっちゃえば……えへ。  
「ね、ねぇ…シュレ…、お腹…痛いの…?さっきから鱗が青ざめたり赤くなったり…アイスとかフレイム  
とかドラゴンの見分けがつかなくなってるよ?」  
「キッ、シュシュルッ、シュシュッ…シーッ、シッシッ…」  
うん、確かにお腹は空いてる…ごまかしもかねてボクはユートと出会ってから作ってくれた保存の魔法が  
かかった皮袋を唇でつついて…ごはん♪って可愛く上目使いで見上げてみる。  
「なんだ、やっぱりお腹空いてたんだね…?ずっと僕のほう見ててなにも言わないから…ちょっと心配  
だったよ…、さっ、一緒に食べよう?」  
ちゃんとボクの方にもお皿を置いてくれて、立ち寄った村で買った血の滴る生肉を並べてくれる。  
思わず食べていい?食べていい?ってお肉とユートを見比べちゃう、でもユートはそっと頭を撫でて  
抑えてくれて、大好物の香草も並べてくれた、嬉し。  
 
もう、あたりはお日様が落ちて。明日にはその賢者サマとやらの住処の中の森にいた。  
ボクはユートのお腹で丸まって、これが一番安心できるところ…ユートの音が聞こえて温もりも…。  
ここ最近ずーっと思ってる、もう小さなトカゲみたいにしたくないって、ちゃんとほんとの姿でユートに  
抱きつきたいって。  
そう、ボクはドラゴニュート。竜で人で…ややこしーけどそんなの、助けられた時が今の姿で…、ずっと  
賢そうなトカゲの振りをしてる。  
だって怖いからユートみたいな可愛くない姿見られたら…きっと逃げられちゃうかも、嫌われちゃうかも  
なら…今の姿のままずっとユートと一緒にいたほうが…幸せかなって…毎晩……ん……んーんー…。  
「キシャァァァァァァァッ!」  
悔しくて悲しくて叫んでみた…ちなみに今のは、ユートのことが大好きって叫んでみたの、でもね…。  
「どうしたの…シュレ…怖い?いいよ、いつもそんな声出した後って首に、だよね?」  
ほら、これだ…いっつもこーなんだもん…トカゲのボクでも簡単に唇を合わせてくれる…。  
でもその柔らかさが苛立ちを抑えてくれるんだよねぇ…、  
ちくしょう、ユートへの恋敵が現れたらユートのファーストキスから向こう数百回はボクだって  
自慢するもん…。  
 
 
その夜のこと、ユートが切り出してきた薪にボクがボッと火を吐いて、その明かりの元で二人抱き合って  
眠りにつく所だった。  
 
ガザッ  
 
ボクの耳にしか届かないような草木が擦れ合う音が聞こえた、普通…わざわざ明かりを立てている相手には  
一声かけるなり何かするはず、そーじゃないなら…モンスターだ。  
神にしろ種族にしろ存在にしろ理性を失い害を及ぼすものは皆モンスター、害意の妄執に取り付かれたモノをモンスターって呼んでる、こんな状況…ユートが危ないっ!  
「キシャァァァァァァァッ!」  
今日二度目の雄叫び、普通の人には区別は無いかもしれないけど、流石は愛しのユート君っ!  
「ふ…ぇ、ん…シュレ……?モンスター…!危ないっ、早く逃げて…っ?!」  
えー、もう…ユートぉ…これで何度目なのかなぁ…。えっと…ユート…ボクを庇って……それから…  
ボクがモンスターへ放ったブレスを背中で受けちゃいました、えーえーもう、100%完璧にしっかりと。  
「…シャァァァァァァ!」  
ボク悪くないもん、悪くないもん!ユートが優しすぎるのがよくないんだもーーーんっ!  
ボクは、ユートの襟首を捕まえて必死に森の中を逃げたの。でもでも安心してほしーの、一通り逃げた  
後でおーきゅーしょちしてその後は傷口広げないよーに………。  
 
「グルォガァァッ!!!!」  
 
ごめん、さっきの嘘。  
おーきゅーしょちも庇う暇もあったもんじゃない、追っかけてきたのはゴブリン。  
普通のゴブリンはのーみそまで筋肉のマッチョさんか、筋肉までのーみそなお堅い先生みたいなどっちか  
しかいない。両方どっちだとしてもモンスターだからどっちにしろ敵には変わりないし…。  
しかーし!今の状況はまずい。追っかけてきてるのが前者だから…木々や藪も関係なし、ちょとつもーしん  
一直線、迷いなし。  
仕方ないから、ちらっとユートを見てみる…ん、おっけ、上手い具合に気絶してる………息してるよね?  
 
「シュラァァァァァアアァァァアアッ!」  
雄たけびと共にボクを中心に真っ白く光る、なんで光るかって…お約束。それとも…変化のかてーを  
じっくり見るのがすき…?なわけないよねぇ…だったら変態さんだよぅ。  
っと、さておき。ボクは銀色のちょっと下品かもしれないぬめつくような髪を垂らし、必要以上にヒレの  
ついた耳を表し、バランスならまだしもあちこち鱗の浮き出た肌を晒して、止めに鮮血みたいな裂けた紅  
瞳を晒してって…今のボクは嫌いなユートと旅するようになって見た人間の女の子達とは違う…姿。  
でも、今はそんなことにかまってられないから迫るモンスターを一睨み。  
「ボクが大好きなユートをいじめる奴は許さないっ!」  
言葉の最後でお腹に力を溜めてごうっとボクは本気でブレスを浴びせてあげた、モンスターは一瞬で黒い  
影を炎に散らして…散らし…て……ぇ、嘘ぉっ?!なんで平然と歩み出てくるのっ?!  
なんで”それがお前の全力か?ファファファファファ…”なんて顔でのっしのし歩いてきてんの?!  
 
「うわぁぁんっ!ごめんなさぁぁぁいっ!」  
その後はもう全力でユートを抱えて森の中を駆け出して逃げ続けた、とりあえず傷つけたのはお前だって  
ツッコミからも逃げ続けた。  
だけどこっちはユートを抱えてるし…脊髄どころか筋肉反射で動いてますって感じのゴブリンに次第に…  
その爪が首筋に届こうとした瞬間、ボクの後ろに突然出来たとーめーな壁に弾かれてモンスターはすっと  
んじゃったの。  
「ふぇ…はふ〜…助かったよぉ……」  
「安心するがいい、この周辺は聖別されている。落ち着くんだ」  
「ひゃっ?!だ…だれ…あ、とりあえずありがとーってユート!…けが人がいるの!助けてよぉ!」  
ちょっとびっくりしたけど…低いけど…女の人かな?そんな声が聞こえて…今度は胸に抱いてるユートの  
事で頭が一杯になっちゃって思わず泣きながら叫んじゃった…。  
 
「と、ゆーわけです…でも、助かったよぉ…。あれ…でも、おねーさんがユートの言う賢者さん?」  
ボクは目の前の賢者…んー……魔女さんでしょ…これは、黒い三角帽子に黒いローブって…それにローブ  
の下からでもわかる豊かなボディラインが許せない、むぅ。  
「そういうことになるな、ユート…だったか?そろそろ目覚めるだろう、起こしにはいかないのか?」  
「あ…実は…ね、ユートってば今のボク知らないんだ…まだ見せたこともないし…、ごめん…っ」  
また悲しくなってきたから…そんなの見せたくなかったからポンっと何時ものトカゲに戻ってユートが  
寝ている部屋の扉をコツコツって唇で叩いたんだ。その後は…ユートが目覚めるまでずっと側にいた、  
丸々一日かかって目覚めてボクを見てくれたから…キスしちゃった。  
 
「漸く理解が行った、詰まる所…ユートは私に弟子入りしようとして、その道中モンスターに襲われた  
そう言う事だな、ただ…お互いに誤解が生まれているな…」  
「誤解…ですか?僕は…テ、ィエ、ル様…今、僕の前にいらっしゃる賢者様へ使えるようにと…」  
紹介状にあった名前をそのまま読んでる…。うふふ、ユートってばきんちょーしてる。  
こんな所見るのははじめてかなぁ…でもそこがかわいーの。  
「そうだな、そこで誤解が生じている。ついでに言えば…ティエル様…と呼ばれるのは嫌いだな…  
ティーと呼んでくれ、その方が嬉しい」  
「で、でも…そんな…ティ…ティエル様…」  
「硬い」  
「ティー様…」  
「硬い」  
「ティエルさん…」  
「愛称を教えたはずだ」  
「ティー…さん」  
「ふむ、及第点といった所か。個人的にユートにはティー姉様、もっと砕けてティー姉の方がいいぞ」  
ちなみにボクはシュレおねーちゃんって呼ばれたいなぁ…うぅ、うらやまし…。  
 
「さて、誤解から話そうか…私は少なくとも六百年ユートが久しぶりの、いや…ずっと一人だった」  
「え…?それじゃ…ティ…んくっ。ティーさんは…ずっとここで……?」  
あ、舌噛んだ。きんちょーしてるなぁ、もぅ。  
「そういうことになるな…恐らく、弟子入りの制度がいつの間にか生贄の儀式と混同した、それが顛末。  
君の役目の先代たちは勤めを果たしたように故郷に戻るか何処かの町に逃げ出したよ」  
「じゃあ…………」  
「ユートの落胆の気持ちは判る、君にとっては村に騙され贄にされた悲しみも深い筈だ…だから…」  
「ごめんなさいっ!」  
ふぇ…、どーしてユートがあやまってんの…?ティエルもボクみたいにきょとんってしてる…。  
「す、少し…落ち着かないか、ユート…。君に非は無いだろうなぜそこで謝る必要がある、ユートは  
ある意味で被害者なのだぞ、本来謝るのは私の方だ、こうやって今もまだ未練げにここにいる」  
「なおの事です…僕の前の人達は…ずっと…ずっとティーさんを見捨ててた…六百年もずっと…」  
「ユートが気にすることは無い、既に慣れ…」  
「嘘です」  
きっぱり言った、目も…緊張なんかじゃなくって真剣だから震えてる。だってボクを助けてくれた時の  
目とおんなじ、ボクもこれで陥落されちゃったんだよねぇ………って…ちょっとまって?  
「僕は…この決まり事が決まって初めてティーさんに弟子入りした人が書いた本を読みました。その中  
ではティーさんは…賢くて…優しくて………そしてとっても寂しがり屋な堕天使だと。」  
「その本はどこで」  
簡潔にティエルが…って…おねーさん、冷静に勤めようとしすぎて顔が怖くなってるよ?って堕天使!?  
「僕が持っています、持ち出してきました」  
そーいって…ティエルは手を震わせながら本を受け取った…立場逆転だねこれじゃ。  
 
勿論雲の向こうにだって大陸はある、そこは天界って言ってとりあえずつよーい神様とその召使の天使達  
が住んでる。だけど神様の御許だけあってきっびしー世界なの、必要以上の欲はもってはならないとか  
法がらめのねぃ、中にはそれが嫌で地上に降りる天使もいるけど…それが堕天使、名前は兎も角として  
いい人には代わりは無いけど…いろんな意味で凄い人って思ってもらえればそれでおっけー。  
………やな予感してきた…。案の定ティエルは厳しい顔で…あ、ほころんだ、笑った…涙も零した。  
「ありがとう…幸せなころに思いを馳せる事が出来た…とても嬉しい」  
「僕は…それを読んで、憧れを抱きました…ティーさんの元で学びたいです」  
「…っ…くすっ、ははっ…………っく!あははははっ!ははははっ!何もかも…あの時と同じ…うふふっ  
嬉しい…過去にすがるつもりも無いが…これで二度目だ……。ユート…私は君に…」  
ってその続き言わないで!ボクが先に言うはずなのに…わ、ちょっと、まって…ま…っ  
「ユート…私は君に恋心を抱いてしまった、一目惚れという奴だ」  
ほんとに恋敵できちゃったーーーーーーーー!  
 
「と、言いたいところだが…君の意思を無視するわけにはいくまい?ドラゴニュートの少女よ」  
いきなりこっちに話を振ってきた、それも一生あるかないかの大イベントを勝手に起こしてこっちまで  
巻き込んできた。  
え…そんな、心の準備も無いのに…でも、でもやだよぉ…ユートとおしゃべりしたいし…普通の女の子  
見たいに…ユートと一緒にいたい!今のままじゃ絶対やだ!  
「……っ…!…普通の女の子見たいに…ユートと一緒にいたい!今のままじゃ絶対やだ!」  
気がついたら…ユートに嫌われそうな姿で叫んでた…ユートを見直しても、ユートは後ろを向いてる  
やっぱり…嫌われちゃった…か…。しょーがないよね、ティエルみたいに人間に似てないし…。  
「あ、あのさぁ…シュレ…?お願いだから…服着てよ。今のでいろいろ理解できたけど…とりあえず  
恥ずかしくない…かな?」  
「ユート、君はここ肝心な気配りにかけているな、強いて言うならデリカシーがない」  
「え、えーと…そう!ユートのばかぁっ!」  
初めからユートはずっとボクのことを知ってたの、その…今回みたいに今の姿を薄れいく意識で何度も  
見てたみたい、ううー…ボクのバカぁ…でも…でもね?  
「僕もシュレのこと…大好きだよ。何時も守ってくれてありがとう…ちょっと痛いときもあるけどね…  
それでも僕はシュレのこと好きだよ」  
こう言ってくれた…うん、あと他に何もいらないや…、だからユートに抱きついちゃった。  
 
その後ろでパチパチと乾いた拍手が聞こえたの、ティエルだ。  
「うん、実に感動的だな。お互いの思いを確かめ合った少年と少女、この後は一糸纏わぬ姿で抱き合い  
と、言ったところか…先にお手つきしたのはシュレだ、少し悔しいがそこの部屋を使うがいい」  
あのー…おねーさん…?その部屋…寝室…って!なんだか手順まちがってるよっ?!  
「えと…えと…おねーさん、それって…」  
「シュレ、君にはティーねーさんと呼んで欲しいな、その方が親しみがある。詰りは…身も心も一つに  
なって契り合わないのか?」  
「な、なにいってるのぉっ?!ユート…まだ子供だよぅ!きょーいく上よくないよぅ!」  
「ほう、良くないのか……私は心に決めた相手を見つければ幾らでも体や心を晒すぞ、そうでなくては  
詰まらん、事実既に求めている。シュレはそう考えないのか?」  
うわぁ…ティエル…んや、ティーねーさん…からかいも嘘もかけらも無いよ…。流石堕天使…自分の  
欲望に忠実だよぉ。  
「ね…ねぇ…シュレにティーさん…どうかしたの…?シュレも顔真っ赤だし」  
ううぅ…ユートってば純真…まだエッチな事もしらないんだろうなぁ…、話においてかれたみたいで  
首を傾げてる……、ティーねーさんは本気だし…。きめた!  
「えっと…ティーねーさん、ありがと…負けないからね!」  
「ああ、シュレには当然の権利だ、私は挑戦者というところか…心が躍る、こんな感情も何年ぶりか…」  
「ユート、いこっ!」  
ティーねーさんにウインク一つ返して、そのままユートの小さな体を抱えて寝室に飛び込んだ。  
 
「ね…お願い、ユート…もう一度ボクの体見て…?ボク…ユートとぜんぜん違うよ、それでも好きで  
いてくれる?」  
ユートを振り向かせてボクの全部を晒しちゃう。  
「うんっ、大好きだよ僕はシュレのこと…好きだよ。シュレの綺麗な目の中に何時も僕が映ってるもん  
ずっと見てくれてるなんて…照れちゃうけど嬉しいよ」  
言っちゃったね、恋する女の子はそんな言葉かけられたらとまんないよ…。だからそのままユートを  
押し倒してベッドに重なったの、ついでに唇も。  
「ふ…ぁ…ユー…トぉ…れる…ん、ふぁ・・・はぷっ…」  
「ん…くっ…あ?は…えぅ…ん…」  
こんなキスするのも初めてだけど…すっごいきもちいい…ユートの中がとっても熱くって…舌が絡んじゃう  
と全身がゾクゾクしてくる…うぅ…ボクも良く判らなくなって来たよぉ…、でももっとしたい…。  
でも息が続かなくって唇をいったん離すんだけど、ユートの甘い吐息が漏れてきてまたしたくなっちゃうの  
ユートも同じみたい、目がとろんってしてきてボクの方にも舌を入れてくれる…、ボーっとしてきた…。  
「ふぁ…ぁ、う…くぅん…ふぅ…うふぅ…ユートぉ、こんなキス初めて…?」  
「はふはふ…うん…初めて…でも、なんだか蕩けちゃうかも…」  
どれだけキスしてたか判らないけど…ユートは足をすり合わせて居心地悪そうにしてた。そっか、知って  
なくっても体はわかっちゃうんだ…、ボクもそう…おなかあたりからきゅーんって切ないや…。  
 
「ひゃぁん……き…きゃひぃっ!ひぅ…ユートぉ…そこぉ…そこ、キモチイイよぉ…あぅ、んっ!ユート  
も…ここ…だよね?」  
「ん、うん…シュレぇっ、ここさわると…うっとりしてる…あぅ…うわぁ、ん…っ!シュレのて…鱗ぉ…  
こりこりって…は、やぁぁっ!」  
何時からかわかんないけど…ユートと顔を合わせて横向きでお互いに触りあってた…こんなこと知らな  
かったから、最初はユートのこと爪で引っかいちゃったりしたけど…今はもうダメ。あっという間に  
覚えちゃったんだ、ユートは掌のつるつるした鱗で先を擦られるのが好きみたい。ボクは…………、  
なんだか腫れてる所と……その、おしっこの…ところ。  
「シュレぇ…」  
「ユートぉ…!」  
お互いに手が止まって見つめ合った、うん…ボクも欲しい。ユートのこと包んであげたい。  
「ね、ユート…ここだよ?さっきみたいに優しくなくていいよ…ボク…ユートのモノにされたいよぉっ!」  
ボクもはつじょーって言うのかな…とにかくユートに今のボクに足りない所を早く埋めて欲しくって足を  
広げておねだりしちゃった。  
「うん…、でも…シュレに食べられちゃいそう…かな…でもシュレなら…く…ぁぁっ!」  
「はぁ…あは…ボクもユートのこと逃がしてあげな…い、んっ…!くひぃいぃんっ!」  
……一瞬で頭のなかが真っ白になっちゃった、初めてを貫かれたとかそんな事よりただ嬉しかったの。  
 
「…きゅ…ぅ、ん!ご、めん…ユート、ちょっとこの…ままぁ…はふぅ…ぁ!じっと…しててぇ…」  
「く、ぁう…だいじょうぶ…?痛いの…胸が…トクトクって…つらいの?」  
ボクはユートを胸に抱えてふるふるって横にふったの。痛いんじゃなくて嬉しいって言いたかったけど  
言えないの、じっとしててもユートがここにいるよって、ボクのおなかは勝手に返事するみたいに力を  
入れちゃって、もっとユートのことがわかって…覚えちゃう、ボク、ユートのこと体が覚えちゃ…ぅ!。  
「ふ…っ、うふー…っ!あ…あっっ!!ふぅーーーっ、あっっ、あうううううっ!!」  
「あ…シュレ…?だいじょ…ぅ?はくうっ!な、なにこれぇシュレが僕のこと…吸って…ぇ!」  
「はふ…はふ…はんっ!ユートぉ…ボク、の…体、変…だよぅ…おなかきもちいいよぅ…ひ、にあ゛っ!」  
おなかの奥がコツンって……あ、ボクもう駄目かも。体がいうこときかないや…もう、きもちいいことしか  
わかんなくなってきた…。  
「ふ、くぅ…ひぅう!きひぃいんっ!おなかぁっ、ボクのおなか溶けちゃうよぉっユートに溶かされちゃう  
のぉっ!ふぁぁんっ!」  
「んぅ…!ぁ…っ、く…シュレ…ぇ、シュレも…?僕もむずむずするよぅ…でも、止まらないよっ!」  
とまんなくていいよぉ…だからもっとボクの深くしちゃってぇ…!もぅ涙も、よだれもあふれて、あふ…  
おなかぁ…なんか噴いてるぅ、おもらしかな…あは…でもいいや、ユートがいるから怖くない。だって  
ユートだって…おなかで、もういい…考えたくない。  
「ふ、くん…ひは…っ!シュレ、何…?これ、わかんないよぉ…ぞくぞくするよぉ…ふぁ、あぁぁっ?!  
きゅふぅうっうんんっ!」  
「ひんっ…はひん…っやぅ、な…っ!ユート、ユート熱いぃっ!これ、こんなのもぉおぉっ!ユートだめぇ  
ユートぉぉおぉおぉおっ!」  
おなかのなかにあっついのが広がって…後のことは覚えてないけど…。ボクはもうユートがいないとダメ…  
それだけは判ったの。  
 
 
「は………んぅ、むぅ…んぅ?あ…朝だ……!ユー……っ!…はぅん…あぅ…」  
目覚めは最高で…体が暖かくて幸せだった…。もちろんその元はユートだったんだけど、いっぺんに昨日  
の事を思い出しちゃって体を動かしたら…その、ずっと繋がってたままだったみたいで…その拍子で  
離れちゃったの…体中ゾクゾクってしたけど、その後がすっごく寂しくなっちゃったの。  
「うぅ…ユートぉ…幸せそうにねむってるしぃ…でもいっか…ちゃんと抱き合える」  
改めて…ユートのこと抱く悦びに浸ってみる…、嬉し。  
「もう、離さないよ?愛してる…ユート…♪」  
嬉しいからユートを抱き枕にして二度寝しちゃお…ふふふっ。  
でも…ボクって…せっそーなしなのかな…ユートにおなかつつかれてないと安心できないよぅ、ううっ。  
とりあえず寝るっ!……おやすみ、ユート。  
 
 
おまけ  
今晩は、ティエルだ。  
どうやらユートもシュレも上手くイった、いや失礼。行った様だな。  
昨晩は実に辛かった、声が漏れてきて当てられてしまってな、自慰の衝動を抑えるのに必死だったよ。  
さて、次回は私が語り手となるはずだ。しかし…困ったものだ、彼我の戦力差が大きすぎる。  
ん…いやそうではないな、時には絡め手も効果がある。では、次回を。  
 

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