「ただいまぁ」  
「おかえりなさい、ご主人さまぁ!」  
「おう。遅くなって悪かったな。小学校はどうたった?」  
「あ、今日学校でリレーをしたんですよ!だからがんばって走ったら、いちばんになっちゃいました!」  
「そうかそうか。それはよかった。」  
「えへへ…」  
「今日のメイド服はいつもと違うな。新しく買ったのか?」  
「はい。6万円でした!」  
「…。お前はまず金銭感覚をなんとかした方がいいな。…いや、テヘッて言われてもだな…うんまぁかわいいからいいけどさ」  
「ご主人さまならそういってくれると思ってましたよ!あ、それよりご飯にしましょうか?」  
「うーん。今日は疲れたから、先にお風呂に入るよ。」  
「ごはんにしますか?おメシにしますか?それとも…は・ら・へ・っ・た?」  
「素直にメシが食いたいと言え。ご飯にするかー」  
「そうですね。…でも、これからごはんを作らないといけませんよ、ご主人さま。そしてできればやきそばがたべたいです、ご主人さま!」  
「…おい」  
「ご主人さまがりょうりをしているあいだ、わたしはおフロに入ってきますねっ!」  
「おいこら、ちょ待てっ!」  
 
「…もぉー!」  
 
 
 
 
「シャワーの温度設定を最高に設定して…と。うへへへへ。熱湯シャワーを被弾したロリメイドの悲鳴が聞きたいね。カカカカカ。」  
「こんなところで何してるんですか?ご主人さま」  
「うをっ!ちょっとおまえにいたずら…じゃなくて、お風呂のお湯加減をチェックしてたんだ。」  
「そうでしたか。ありがとうございます。…あ、そういえばシャンプーが切れていましたね。今日買ってきたので居間から持ってきていただけますか?」  
「おーおー。わかったよ。さぁ、フロへ入れよ。早く早くwktk」  
「?…きがえたいんですけど」  
「あーすまんすまん。シャンプー持ってくればいいんだな?」  
「はい。おねがいしますね。」  
 
 
 
「うひゃぁぁっぅっっっ!あ、あつっ!!!ひぇぇ!」  
「あはははははははははははっははははははは!どっ…どうしたの?タオル巻いて出てきて…ククッ…なんか…ひ、悲鳴も聞こえたけどぉっはははははははっ!」  
「あぅ…なんかシャワーのおんどがあつくてびっくりしましたぁ…ってご主人さま、ちょっと笑いすぎです!」  
「あははははははははははははははっ!ちょwww…もうムリっ!っははははは!ハラ痛い!」  
「あぁ!もしかして、あのシャワー!あれはご主人さまのしわざだったんですかぁー!?」  
「いや、あははは、だって、もう、ナイスリアクション!…あはははっ」  
「もう、ご主人さまって人は…」  
「あはははははははははははっ!ひー」  
「……そんなに笑いたいならずっと笑っててください」  
「あははっ!え、ちょっ…くすぐったいっははははははははは…あやっ、あやまるからっははははははっ…やめて!!」  
「ふん!」  
 
 
 
「お〜い。シャンプーなんてないぞぉ〜」  
「あれ〜?おかしいですねぇ〜。わたしもいっしょにさがしますね」  
「おぅ。悪いなすまな…」  
「〜♪」  
「……!!!」  
「どうしたんですか〜♪」  
「ちょっ、とりあえず、おまっ、ふ、いやっ、その…ふくっ!なななんでハダカっ!?っていうかだからっ服を着てくださいよ!」  
「どうしたんですか?そんなにあわてて。やだなぁふくならきてるじゃないですかぁ〜」  
「パンツだけじゃねぇか!俺男なんだし、その、もっと恥じらいというのをだな!」  
「でもご主人さまはこういうの好きなんですよね!?」  
「…んー。まぁ、小学生なわけだからつるぺただが、そこにぽわんぽわんと上気した肌と乾き切っていない髪の毛が色っぽい…って何ニヤニヤしてんだよ!」  
「いいえ。それよりかってきたシャンプーが見あたりません。」  
「どこにしまったか覚えは?」  
「ふくろに入れっぱなしだと思っていたんですが…もしかしたら店においてきてしまったかもしれません」  
「…なにしてんだよ」  
「いいじゃないですか。いいじゃないですか。」  
「もういい。とにかく早く服をきて来い。」  
「は〜い」  
「あ、ちょっと」  
「はい?」  
「俺的にはその上から白いワイシャツ一枚だけを着るのがいいことをアドバイスしておく。ワイシャツは大きくてぶかぶかしたのだぞ。袖が余りまくってる姿を見たらそれはもう興奮するというか、あぁでもやっぱり…」  
「ご主人さまって…」  
「ん?どうした?」  
「…ワイシャツもえ?」  
「そんな言葉どこで覚えてきた」  
 
 
 
 
「今日はロリメイドにやられてばかりだったな。このままじゃプンスカがおさまらん。もっと楽しいいたずらはないものかね?うーん…」  
「おフロあがりましたよ〜!」  
「お、おーう!待ってたぞ…じゃあメシにしようか。」  
「はーい。」  
「あー、コホン…えー、なぜにまだメイド服を着ているのかな?」  
「今日はこのメイドふくでねるんですよー」  
「いや、あれだけワイシャツと…いやまて。このメイド服+ツインテール+素足の組み合わせは新ジャンルだな。  
むむぅ、こいつはワイシャツを越えたかもわからんね。顔の横からぴょこんと出たツインテールに、風呂上がりのメイドさん、そしてかわいくてきれいな足指にどうしても目が行ってしまうな。いやでもまてよ。この組み合わせにプラスアルファとして…」  
「さきほどからぼそぼそとどうされたんですか?」  
「あ、あぁ。なんでもないよ。ごはんにしようか、あはははは」  
 
 
 
「今日の学校でのほうかごのことなんですが」  
「うん。」  
「友だちが、好きな男の子に告白して、オーケーをもらったんですよ」  
「へぇ。最近の小学生はすすんでるな」  
「でも私には好きな人に告白するなんて考えられません」  
「まぁ、お前も女の子だ。その内好きな男の子とかも出来るんじゃねぇの?」  
 
「…ご主人さまも告白をした経験がおありなのですか?」  
「ブフォッ!焼きそば吹いたわ」  
「というか、ご主人さまはお付き合いしている方とかいらっしゃるんですか?」  
「は!?い…いるよ!彼女100人いるよ!うんそれはもう!」  
「…そうですよね。ごめんなさい、いるわけがないですよね〜、ふふっ」  
「え!?何よ!?別に俺寂しくないし!永遠の純粋な少年だし!」  
「まぁ、ご主人さまならそのうちできますよ♪」  
小学生に慰められたよ。あっはっは。泣くしかないね  
「しょうがないから、わたしが彼女になってあげてもいいですよ」  
「…え!?」  
「いや、じょうだんですよ、じょうだん。本気にしないでくださいね〜?」  
「な、なんだよ、びっくりしたなぁ。…あ、そうだ。食後のコーヒーをいれてくれよ。」  
「あ、わかりました。おさとうたっぷりとミルクでいいんですよね?」  
「あー。今日はニガい気分だから、ニガいコーヒーにしようかな。」  
「それじゃあわたしが飲めないのでイヤです」  
「はっはーん。どうりでいつもコーヒーがやたら少ないと思ったら」  
「ハッ!いえ、ちょっとしたどくだみですよ、どくだみ」  
「それを言うなら"毒味"だ」  
「…テヘッ♪」  
 
 
バァン!  
「ご主人さまぁ!お部屋に入りますよ〜♪」  
「それは戸を開ける前に言ってほしいな。てかお前、ドアノブが壊れ…」  
「ケーキとコーヒーをお持ちしました。」  
「お、ありがとう。…ケーキが随分と小さいようだが?」  
「え!!?そうですか?もとからそのサイズかと…」  
「そうか。じゃあおまえのほっぺたのクリームは何だろうな。」  
「え?あはははは。どくだみですよ、どくだみ。」  
「そうかい。」  
 
「ずずっ…。うん、コーヒーがうまいな。ありがとう」  
「いえいえ。」  
「ずずっ…」  
「…………(じー)」  
「ずずっ…」  
「…………(じー)」  
「……ホラ、残りのケーキ全部食っていいぞ。」  
「え!?ホントにいいんですか!?」  
「あぁ、どうぞ。実はそんなにハラ減ってないんだ」  
「そうでしたかぁ!実はちょうどケーキが食べたいなぁって思ってたところなんですよ〜!」  
「よだれたらしながらケーキの上のイチゴをずっと見つめるなよ。どんだけわかりやすいんだっつーの」  
「おいひぃ〜♪」  
「…やれやれ。」  
 
 
 
「…なぁ。」  
「はい?なんでしょうか?」  
「ちょっと、話をする時間はあるか?」  
「…あ、はい。なんでしょう?」  
「まぁ、ここに座れよ。…おまえの事だ。」  
「…身の危険を感じちゃいます」  
「なぜだ…!あ、つうか無理に敬語を使わなくてもいいぜ?」  
「いいえ。けいごもメイドも自分でかってにやってるだけですから。」  
「そうか、それならいい。」  
「はい。」  
「おう。…あのな、俺達が最初に出会ってから、今日でちょうど半年なんだ」  
「そうでしたか。あれから半年もたったんですか…。早いですね。」  
「あれから、両親から連絡は?」  
「……いいえ。」  
「…そうか。やっぱり、寂しいか?いやな、俺は時々不安になるんだ。お前の両親のかわりにきちんとなれているのかどうか」  
「何を言っているんですかぁ♪ご主人さまがいるから私は平気ですよ〜。」  
 
「お前ならそう言うと思ったよ。この家に始めてきた時もそう言っていたな。」  
「ホントですよ?わたしはぜんぜんさみしくないですから」  
「無理するなよ。」  
「え…」  
「俺は本当のお前の気持ちが知りたい。あれから半年がたったんだ。正直に、俺と向き合って、話をしてくれ。」  
あいつは、戸惑いの表情を見せた。でも俺は、目をそらしたりなんてしない。あいつの目をじっと見据えて、あいつの返答を待つ。  
 
 
 
「ほんとうは…ほんとうは…」  
俺の顔から目をそらす。あいつの目に涙がたまっているのが分かった。  
「わたしは……」  
「…泣いても、いいんだぞ」  
「………ごっ……………ご主人さまぁーーー!」  
そう言うと、ぼろぼろと泣きながらその場に崩れ落ちた。  
「どうして…どうしてお父さんとお母さんはわたしをおいていったんですかぁー」  
半年前、突然両親がいなくなって、一人になった小学生。それがあいつだった。  
まだまだ子供なのに、人から愛されたいと思う年頃なのに、人から愛されないというのはどれだけ残酷なことか。  
普段は明るいあいつの性格。だが、あいつはもともとそういった性格だったのだろうか。  
無理やり明るく振る舞うことで、寂しい心を必死で隠そうとしているのではないだろうかと、そう疑ったこともあった。  
 
でも、だからといって。  
自分はあいつのために何もしてやれない。あいつの両親の代わりには、なれないのだ。それが、悔しかった。  
 
「俺は…、お前の両親は最低なことをしたと思っている。」  
「…。」  
「でも…なんだ、お前、夕飯の時に好きな人に告白する気持ちが分からないって言っただろ?愛を伝えるってな、以外と難しいことなんだよ、きっと。  
いや、俺もよく分からないんだけどさ、どうやったら自分の気持ちが相手に伝わるのかなんてわからないし、そもそも自分の気持ちが相手に伝わったかどうかだって分からないことも多いんだ…と思うんだ。  
自分のことをどう思っているかも分からない、だから、両親は苦しくなっちゃったんじゃないかな。…あー、話しているうちに訳が分からなくなっちまった。  
えーと、だからだな、…その…お前の両親はきっと、お前の愛し方が分からなかっただけなんだろうよ。きっと、お前の両親はだな…」  
 
「つまり…まだお前のことを愛してるんじゃないのかな」  
 
「それは……ホントですか?」  
 
 
 
 
俺は、一つの確信があった。  
実は昨日、郵便受けに差出人不明の封筒が入っていたのだ。そこにはただ一言、"ごめんなさい。あいつをよろしくおねがいします"の旨が書かれた一枚の紙と、数万円の現金が入っていた。切手や消印がないことから、直接郵便受けに投函されたものだと分かる。  
この封筒の投函主はあいつの両親で間違いないだろう。両親はあいつがここに住んでることを知って、この手紙と現金をうちの郵便受けに入れた。  
一度はあいつを捨てた両親だが、本当に見捨てたのであれば、こんな手紙をよこす必要はない。結局両親は、心の中ではまだあいつを捨ててはいないのだ。  
 
けれど。その手紙の内容は同時に、あいつとは会わない、といっているような気がして…  
 
俺やあいつに顔も見せず、手紙と現金だけを残して行った両親は、やっぱり最低だと思う。  
 
でも同時に希望も残してくれた。俺はその希望をあいつに伝えてやりたい。  
 
だから、俺はあいつに迷いなくこう言うんだ。  
「あぁ…ホントだよ。」と。  
 
 
「だから、お父さんやお母さんに会えるまで、一緒に…いや、それは傲慢だな。結局俺は、お前を助けることも出来ないし、両親を見つけてあげることもできない。お前の心の傷を埋めてやることも出来ない。でも…」  
俺はあいつを抱き締める。  
「つらいことだけ、泣きまくって忘れちまえ。俺はどうしてあげることもできないけれど、それでも…」  
「それはちがいます。ぜんぜんちがいます。わたしはご主人さまと会えて、ほんとうによかったと思ってますよ?」  
俺の言葉を、あいつが遮った。泣きながらも、あいつは俺の事を気に掛けてくれている。一番つらいのは、あいつなのに……  
俺にできるせめてもの事は、あいつが落ち着くまでずっとそばにいてやることだけだった。  
 
 
 
 
 
「ご主人さま」  
「おぅ」  
「…わたしね、毎日のようにお父さんになぐられていたから、自分は生きていてもしょうがないんだ、って思っていました。だから、わたしは出来るだけ自分を出さないように気をつけてました。  
…でも、あの日ご主人さまと出会った時、ご主人さまは"一緒に家へ帰ろう"って言ってくれたんですよ。この自分を、家族の一人みたいにあつかってくれた。おぼえてますか?あの時、ものすごいうれしかったんですよ」  
「……そうだったか」  
 
「ご主人さまは、いろいろなことをしてくれました。見ず知らずのわたしを、一人の人間として見てくれました。ご主人さまがいたから、自分に自信が持てるようになったんですよ?  
……ご主人さまの"愛"は、私に十分すぎるくらい、伝わりましたよ。」  
「お、お前…」  
「ねぇご主人さま、確かにご主人さまはお父さんの代わりにもお母さんの代わりにもなれません。だってわたしには、本当のお父さんやお母さんがいるからです。  
…でも私にとってご主人さまは、だれよりもとくべつな、そして大切なひと、たった一人の"ご主人さま"なんですよ?。だから、"あなた"とも呼ばないし、名前でも呼ばない。あの…ずーっと、私のご主人さまでいてくださいね?」  
「…お前を慰めるつもりだったのに、逆に俺が泣いちまったよ。ご主人さまらしくないな」  
「…ふふっ。ほんとですよ。今日はなんだかご主人さまらしくありません。」  
俺達は笑っていた。この半年間のすべての笑いとは根本的に違う、本当に心の底から沸き上がる笑顔だ。  
半年前まで、他人だった俺達は。この6カ月で、お互いを必要とする存在に変わっていったようだった。二人で過ごせることが、こんなにも幸せだったなんて---------  
 
 
 
 
「ねぇご主人さまぁ〜」  
「ん?どうした?」  
「こっち向いてください」  
「ん」  
「わたしは…ご主人さまのことが、大好きですよ♪」  
「む…!?…そ…そうか…いきなりだな…」  
「ご主人さまも、私に何か言うことがあるんじゃないですか?」  
「あ…あーっと、そ、そうだな」  
「ちゃんとわたしの顔を見て、きちんと言ってください。」  
どうやら素直になるしかないようだ。  
「…あー。お、俺も、………」  
「ほら、がんばって!」  
「お前のことが…好きだ、大好きだよ!」  
だいぶはずかしかったけど、最高の笑顔で言えたんじゃないかと思う。  
「えへへー。合格です」  
「…あ、そうだ。…お前も、両親が見つかるまでは、ずっと俺のそばにいてくれよな。」  
「もちろんですよ〜♪ず〜っっと、ずっと、ご主人さまといっしょですよっ!」  
「そうか。安心したよ。じゃあ、これからもよろしくたのむよ。」  
「ご主人さまも、よろしくお願いしますね!…えへへへ」  
 
 
----------------------------------  
 
 
 
やはりあいつは、少し無理をしていたんだろうか。  
 
俺は、こんな時間がずっと続くものだとばかり、思っていたのに。  
 
病気はおろか、風邪すらもひいたことのなかったあいつが---  
 
 
 
 
 
 
 
 
突然----------  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
鼻血をだした。  
 
 
 
「はあぁぁぁぁぁぁああ!!??ナニに興奮したんだよ!!?」  
「あれ?あれ?」  
「あー!Tシャツが返り血浴びたみたいになってるし!」  
「あ…あはははは。いやぁ…そういうこともありますよ、ご主人さまぁ♪」  
「いいからホラ、ティッシュ!…まったく…いや、テヘッ♪って言われてもだな………もー、俺はフロに入ってくるぞー」  
「あぁ!私も入りますー!」  
「お前はいいよ」  
「でもメイド服がとけつをした直後みたいになってますよ?」  
「なぁ!?おまっ、それ6万円だろうが!早く洗濯すっぞ!で俺の後に風呂に入れ」  
「い〜いゆぅ〜だぁ〜なぁ〜↑あははん↓」  
「現実に戻るんだ!お前はまだ風呂じゃない!」  
「現実のお風呂に入りたいなぁ」  
「…わーったよ。ホラ、一緒に風呂行くぞ」  
「わ〜い!はじめていっしょにはいりますね!」  
「…あー。なんつうか、こういうのが一番俺達らしいかもな」  
「そうですねっ!こういう毎日もなかなか……って、あー!」  
「ど、どうしたっ!?」  
「買ってきた牛乳をれいぞうこに入れるのを忘れてましたぁ」  
「なぁ!?しかもよりによってストーブの前に置きっ放しじゃねぇか!大丈夫か、これ?」  
「なにか白いかたまりが浮いていますね。明日の夕食に使いますか……って、あー!」  
「今度はどうした!?」  
「シャンプーが、れいぞうこの中に入ってました!」  
「オマエ…逆だよ…」  
「ごめんなさい。そのシャンプーで洗って、頭を冷やしてきますっ!」  
「むー。何うまいこと言ってんだよ。なんか俺くやしいじゃん」  
「えへへー♪……あ、それよりご主人さま、早くメイド服を脱がしてくださいよ」  
「…んー?なんか言ったかー?」  
「ですからー…」  
 
…………  
………  
……  
…  
以上、これが俺とあいつの、物語だ。  
物語はここで終わりだが、俺達のちょっと普通とは違う日常は、もうしばらく続く。  
 
今のところ、あいつの両親はまだ、見つかってはいない-------  
 
 
終わり  
 

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