「よろしくお願いします」
小さく頭を下げると、浴衣姿の彼女はうつ伏せに布団に寝転んだ。
まずは足の裏からもみ始める。足首は白くほっそりとしている。
「やっぱり、さすがプロですね」
「そうですかね。強さはどうですか?痛いですか?」
「あっ、いえ、大丈夫です」
大人しく、品が良い。寝転んだ女性はまさに俺のタイプで、これはターゲットにしないわけにはいかなかった。
マッサージ師を名乗るようになってはや3年。不純な動機で始めても意外と続くものだ。
ちなみに、女の子専門ね。培ったマッサージテクを駆使しながら女性を気持ちよくさせつつ、
ぎりぎり訴えられないラインを見極めながら喘がせちゃうのが俺のジャスティス。
最初の30分は、普通のマッサージをする。足から腰、背中、肩まで談笑しながら
真面目にマッサージ。すると、相手も打ち解けてきて俺のことは全く疑わなくなる。
「ん…気持ちいいです…」
「だいぶお疲れのようですねー」
「そう、なんです…残業が続いて…」
うっとりとした声。ここまで気持ちよくさせたら、俺の『仕事』は終わり。
ここからは『趣味』の領域に入らせていただきます。
「じゃあ、仰向けになってください。」
「あ、はい」
仰向けになった彼女の太ももを揉む。やっぱり、女の子の太もも、特に内腿はいいね。
ふにふにで柔らかい。少しくらい脂肪がついていたほうがいい。男にはない柔らかさだ。
そして、細い。両手でやすやす揉めるこの細さがたまらない。
「もう少し足を開いていただけますか?」
「は、はい」
彼女は恥じらいながら少しだけ足を開いた。内腿を揉みながら、ぎりぎり上まで揉んでゆく。
揉んでいる手が、股を擦るか擦らないかくらいまでぎりぎり上まで。
内側まで指をすべり込ませて、お尻の方の肉も少しくにくにと揉んでおく。
ここの内腿マッサージは、最初に特に念入りにやっておくことが重要だ。
そうすれば、この後の感度が断然良くなるのだ。
「じゃあ、腰に移ります」
この時点で彼女は頬を赤らめていた。おお、これはいい調子かもしれないな。
腰骨に沿わせてぺたりと両手を当て、優しく撫でる。
腰回りとおへその周辺を、ゆっくりと、優しく優しく撫でまくる。
ここまで「揉む」という動作だけだったが、ここで初めて「撫でる」が入ることで、
しっかりと相手の性感スイッチを押しておくのである。
予定通り、ここで僅かながら彼女の呼吸が速くなる。
彼女は目をつぶったまま、少し肩を強張らせているようだった。
下腹をくるくる撫でつつ、するっと恥丘の谷間に触れてみたり。
ぴくん、彼女が反応する。彼女は少し内腿を擦り合わせ、また何事もなかったように静止した。
しかしながら動揺してるのが赤くなったままの顔からバレバレですぜお嬢さん。
今度は両手の指の平で円を描くように撫でる。触れるか触れないか程度でお腹を指でさわさわしつづけると、
だんだんと彼女の「ぴくん」の反応の頻度が増えてゆく。それでも横たわった彼女は平静を装う。
うーん、そのいじらしさがたまらんね。可愛い反応をする彼女を眺めながら、俺はしばらく焦らして撫で続けた。
次は、上半身。ここは一気に有無を言わせずに進むことがポイントだ。
「じゃあ、上半身に移りますね。起きあがって浴衣を脱いでください」
「えっ、あ、はい。…あの、浴衣脱ぐんですか?」
「そうですね」
「あの、この中、下着しか着けてないんですけど…」
「あ、大丈夫ですよ。脱いでもらって構わないです」
まぁ、この上から目線ですよ。何が大丈夫なんだって話なんだけどね。
自信たっぷりに言われるとそれ以上彼女も言い返せないのか、少し不安そうな表情のまま彼女は浴衣を脱いだ。
細い線が露わになる。控え目な花柄の、薄いライムグリーンの下着だ。うむ、良い眺めだ。
腕を所在なさげに胸の前におく彼女をじっくり鑑賞しつつ、俺は彼女の後ろに座った。
「じゃあ、ストレッチしますねー」
髪に顔を近づけると、甘いシャンプーの香りが鼻をくすぐった。
ぐい、と肩を持って内側に寄せ、いくらかストレッチ的なことをする。
「両腕を上げてください」
「はい」
腕を上げた彼女に、抱きつくような感じで俺は腕をまわした。ここで、足の間に彼女を挟む体制になる。
「伸ばしますよー」
といいつつ、俺は体を密着させた。細い体に自分の体をこすりつける感じで、ぐいぐい引き寄せる。
かっちかちになったきかん棒を、彼女の腰にすりすり。ぐいぐい。すりすり。
「!…っ、…」
「あ、痛いですか?」
我ながら白々しい。彼女は耳まで真っ赤にして、小さな声で大丈夫です、と言った。
「そうですか。じゃあ、腕を下ろして。」
もじもじと体を小さく丸める彼女を、今度は包むように後ろから抱きしめ、今度は手のひらをあばらにもっていく。
マッサージをするふりをしつつ、徐々に手はブラジャーの上へ。
「ん…」
びく、と彼女は体を強張らせる。そんな彼女を安心させて解きほぐすように、ゆっくりと胸を円を描いて撫でる。
ブラジャーの上からでも、乳房の中心に固くなったしこりがあることがわかる。
ときおりそのしこりを人差し指でくりくりと押してみる。
「ぁ…」
なかなか可愛い声で鳴く。ギュッと抱きしめると、彼女が体を捩じらせて感じていることがわかった。
「ん?どうしました?痛かったですか?」
「いぇ…だいじょうぶ、です」
「ここが少し反応があるみたいですけど、痛いですか?」
またくりくりとしこりを両人差し指で押す。すると、びくんと彼女の体が跳ねた。
しかし、俺の腕で固定されているため大きな動きは叶わない。
「ん〜、ちょっと固くなっちゃってますねー。緊張しなくて大丈夫ですよ」
真っ赤になっている耳元で囁きながら、執拗に乳首の部分を撫でさする。
十分にこすりあげて満足したところで、ブラの中へ片手をすべりこませる。
指に固く起ち上がった乳首が触れると、びくびくと彼女が震えた。そのまま、つまんで優しく愛撫する。
あ、あ、と小さく喘ぎながら彼女は体を前に倒すが、逃がさない。
「ちょっと前かがみになっちゃってますね。もう少し、寄りかかる感じにできますか?」
あいた片腕で強引に彼女の太ももを持ちあげると、
ずるりと彼女は俺に寄りかかって半まんぐり返しのような形になった。
「!?あ、あのっ…!」
「じゃあ、ここもマッサージをしちゃいますね」
そう言って、足を広げさせてショーツの上から指で上下に擦り上げる。
「あっ!あ、だ、だめです、あ、あ、」
抵抗をするが、気持ちよさから力が出ないのか、ふにゃふにゃと体を捩じらせるだけだった。
ショーツは染みが確認できるほどにぐっしょりと濡れている。
「大丈夫ですよー、マッサージで気持ちよくしてあげますからね」
片手でがっちりと彼女を抑え込んで固定したまま、ぐりぐりとクリトリスのあたりを撫で続ける。
体を揺すって抵抗しながら、可愛いあえぎ声をあげてあっという間に彼女は絶頂を迎えた。
「あっ、ん、あ、あ、もう、だ、めです、あ、あ、あっ…!」
びくんびくんと痙攣する体を、抱きしめたままじっくり「いく」瞬間の観察をする。
この瞬間の女の子は、誰も一番輝いている。何人見ても見飽きない。
体を震わせたあと、くたりと彼女は俺の腕の中で全身を弛緩させた。
なかなか今日の子は良かったなと満足しつつ、俺は帰り支度を整えた。
「あの…」
「はい、なんでしょう?」
もじもじとしながら、彼女は「また来週、お願いできますか?」と首を傾げた。
これだから、この商売やめられんのですよ。
終