「ただいま〜」
「おかえ…あらあら、どうしたの?」
「いやー、今そこで車に水跳ねられてさ」
「まあまあ大変、今すぐタオル持ってくるわね」
「うん、お願い。…ちゃー、パンツまでびしょびしょだよ」
「はいはい、おまたせ」
――ゴシゴシ
「ちょ、お姉ちゃん、自分で出来るよ」
「遠慮しないの……はい、頭終わり。
次は片足ずつ上げて。あ、お姉ちゃんの肩に手置いていいよ」
「うん」
「右足終わりっと。左足…はい、終わり」
「ありがと、じゃあ着替えてくるね」
「あ、ちょっと待って」
「ん?」
「ちゃんと拭かないと風ひいちゃうよ」
――カチャカチャ
「ちょっお姉ちゃん、何やってるのさ!?」
「何って…さっき言ってたじゃない」
「そそそそこは自分で出来るから、だだ大丈夫だよ」
「もう、弟のくせに遠慮しないの。
お姉ちゃんに全部任せなさい♪」
「……」
「あらあらあら、まあまあまあ!」
「な、何だよ」
「こんなに縮こんじゃって…よっぽど寒かったのね。
待っててね、今すぐに温めてあげる♪」