地元の高校を出た俺は自分のオツム相応な東京の短大へと進学し、2年間せっせと勉学と  
就職活動に励んだ結果、昨今の厳しい就職事情をはねのけて某大手企業の内定をゲットした。  
 
 そして、地元を離れて2年目の年の瀬。  
 久々に雪の降り積もる地方都市の実家へと帰省した俺を待っていたのは、両親不在の我が家と、  
その留守を預かる懐かしい女の子の笑顔だった。  
 
「おかえり!お兄ちゃん!」  
 
 そう言って俺を蕩けるような笑顔で迎えた女の子を前に、俺は結構な間、ぽかーんとマヌケな  
顔を晒していたように思う。  
 それくらいその女の子……2つ下の幼なじみで妹分の茉奈(まな)が、変貌を遂げていたからだ。  
 
 まず顔だが、元々タレ目で童顔だったけど、今では年相応の大人っぽさも備えた美少女になっていた。  
 ショートカットだった髪は背中にかかるほどに長くなり、俺の胸のあたりだったはずの頭の位置も  
肩のあたりになっていたし、なにより体つきはかなり女らしくなっていた。  
 特にぺったんこだった胸は、爆乳という程ではないものの大きく盛り上がって激しく自己主張していた。  
 
 まあ、女の子がちょっと見ないうちにえらくキレイになったなんてのはよく聞く話しだし、実際俺と同じく  
東京の大学に進学したクラスメイトにもそういうのは居たので別段驚く話でもないんだろうけど……  
 
「どうしたの?」  
 
 怪訝そうに俺の顔をのぞき込む茉奈の視線で俺は我に帰った。  
 
「……まさか、私のこと忘れちゃったとか言わないよね?」  
「いや、茉奈だろ。ずいぶん見違えたけど……」  
「見違えたって……どんなふうに?」  
 
 ちょっと言葉に詰まる。いや、素直に言ったからってどうってことはないんだけど。  
 ちょっと口ごもってから、俺は素直な感想をいうことにした。  
 
「うん……綺麗になった。」  
「えっ、本当!? やった〜♪」  
 
 そう言ってぴょんと飛び跳ねて喜ぶ茉奈……中身は元の茉奈のままのようだ。  
 
「お兄ちゃんが褒めてくれたから、今晩のお夕飯はお兄ちゃんの好きな物沢山作るね。  
 ほら、早く上がって上がって!」  
「あ、ああ。」  
 
 俺は茉奈に腕を引っ張られながら、2年ぶりの我が家に足を踏み入れた。  
 
                   ◇  
 
 物心付く前から俺と茉奈はいつも一緒だった。  
 そもそも親が幼なじみ同士で、俺が生まれたときにはすでに家族ぐるみのつきあいだったらしい。  
 
 まあ、そんな感じだったので俺と茉奈も兄妹のように育った。  
 小さい頃はいつも一緒に遊んでいたし、学校に通うようになっても登下校は一緒だった。  
 茉奈と顔を合わせない日なんて、1日もなかった。  
 
 それが激変したのが2年前。俺が大学進学にあたって東京でひとり住まいをすることになった事で、  
それまで普通であった「2人一緒に居ること」が不可能になった。  
 
 茉奈は地元の高校で2年生になり、俺は東京の大学の1年生となった。  
 
 子供の頃からの相方と離れ離れになったことに俺もどことなく寂しさを覚えたが、おふくろからの  
話で聞いたところでは茉奈はそれ以上だったらしい。  
 
 もともと喜怒哀楽がはっきりして、押しの強い方ではないけれど明るい性格だった茉奈がすっかり  
落ち込んでいたという。  
 
 俺の方はというと、日々の単位履修と学費の足しにするバイトの忙しさに紛れて、いつしか寂しさも  
忘れていた。  
 薄情なことに茉奈の存在とともに、今の今迄綺麗さっぱりと。  
 
                   ◇  
 
 久々の実家の匂いに心地よさを感じながら、居間のソファーに腰をおろした。  
 
「親父達はどうしたんだ? よそ行きの靴がなかったけど。」  
 
 キッチンの方に入っていった茉奈に質問すると、すぐに声だけの答えが帰ってきた。  
 
「あ、お父さんたちは4人で旅行だよ。今年は温泉で年越しなんだって。」  
「……帰ってくる息子放置して旅行かよ。」  
「だって、お兄ちゃん去年帰ってこなかったでしょ。だから今年は旅行を予定に入れてたんだって。」  
「いや、去年はバイト抜けられなかったし。」  
 
 コンビニの店長に正月のシフトを頼み込まれて断れなかったから……給料弾んでくれたし。  
 
「私だって去年待ってたんだよ。」  
 
 そう言いながらちょっとふくれっ面の茉奈はお盆を手に居間に戻ってきた。  
 お盆に載せていた急須からお茶を注いで俺の前に差し出しながら愚痴を続ける。  
 
「ずっとお兄ちゃんに会えると思ってたのに……おかげで受験勉強にも手がつかなかったよ。」  
「それはすまん。」  
「まあ、推薦とれたけどね。」  
「おいっ!」  
 
 全然勉強できてるんじゃねーかよ。  
 
「で、茉奈はなんで一緒に行かなかったんだ?」  
「誰もいないとお兄ちゃんかわいそうでしょ。それに……」  
 
 茉奈はちょっとはにかんだ笑顔でちょっと言い淀んでから答えた。  
 
「茉奈は、お兄ちゃんに会いたかったんだもん。」  
 
 うわ、その笑顔は……心臓に悪い。  
 
 茉奈は俺がどぎまぎしている間に自分の湯のみにもお茶を注ぐと俺の隣に腰をおろした。  
 肩にかかるぐらいに伸びた綺麗なストレートがフワリと舞っていい匂いがする。  
 自分の知っている茉奈とは違う女の子の香りにまたドキッとしながら、それを誤魔化す  
ように質問した。  
 
「……で、どこの大学に行くんだ?」  
「東京の○×大学。」  
 
「へぇ……じゃあ茉奈も春から東京に来るのか。」  
「うん。でもお父さんが一人暮らしは心配だって……あ、そうだ、ねえお兄ちゃん。」  
 
 ぽんと手を打って茉奈が俺の方を見る。  
 
「お兄ちゃん東京の会社に就職したんでしょ? ってことは、東京に住むんだよね。  
 私、お兄ちゃんと同棲しようかな。」  
「は?」  
 
 今同棲とか言ったか?  
 同棲っていうと……それは俺と茉奈が恋び……  
 
「お兄ちゃんが一緒なら私を守ってくれるし、変な虫もつかないってお父さん信用してくれると思うし。」  
 
 ……俺の気のせいだったようだ。  
 
「ああ、『同居』か。ああ、そうだな。俺はおじさんには信用されてるし。」  
 
 昔っから茉奈は俺にくっついて歩きたがるので聞いたことがある。  
 そうしたら「虫除けだよっ。」と答えたのだった。  
 まあ、茉奈にとって俺は何時までも良き兄なのかもしれない。  
 
 実際、長い間兄妹のように過ごしてきたこともあって、お互い「役柄」が染み付いている部分もある。  
 
 茉奈の言動にいちいちドキドキしてしまっているのは、久しぶりにあった茉奈が自分の知っている  
イメージと乖離しているからに過ぎない。  
 慣れればそのうちこの気持も落ち着くんだろう。  
 
 最近女っ気がなかったから変な期待が膨らんでしまっただけだ……多分。  
 
                   ◇  
 
 案の定、夕食が終わってひと息つく頃にはいつもの調子を取り戻した。  
 今は茉奈と二人、こたつに入ってのんびりみかんを頬張りながらTVで洋画を鑑賞中。  
 TV画面ではこれからまさに濃厚なラブシーンに突入しようとしているところだ。  
 
「ねえ、お兄ちゃん。」  
「ん?」  
 
 茉奈が視線をTVに向けたままで尋ねてきた。  
 
「向こうの生活楽しい?」  
「うーん……今のところはなんとも。学費と生活費は親父達が出してくれてたけど、卒業後の事考えて  
 バイトで貯金作ってたし。」  
「ふうん。」  
「そういう茉奈はどうなんだ?」  
「私? 私は……寂しかった、かな。」  
 
 いつの間にか茉奈はこちらを見ていた。  
 
「友達もいるけど……いつも一緒だったお兄ちゃんが居なくなって……寂しかった。」  
「……そっか。でもいつかは二人とも別々の道に進むんだし、仕方ないんじゃないか?  
 寂しいなら彼氏でも作れば良いじゃん。お前モテない方じゃないだろ。」  
 
 まだ俺がこっちにいた頃は、普段俺が一緒に居たせいで茉奈にアタックしてくる男はほとんど  
居なかったけど、それでも年に一人か二人交際を申し込んでくる奴は居た。  
 茉奈は全部断ってたみたいだけど。  
 
「ん……お付き合い申し込んできた人はいたけど、全部断った。」  
「勿体無いな。」  
「だって……私は本命居るもん。そんな気持ちで付き合うの失礼でしょ。」  
「へぇ、本命居たのか。」  
 
 そいつは初耳。  
 
「そういうお兄ちゃんこそどうなの? 彼女の一人もできたの?」  
「だからそういう暇はなかったよ。同じ大学とかバイト先で知り合った女友達はいるけど、友達どまりだな。」  
「ふーん、お兄ちゃんそういう方面のマメさが無いもんね。鈍感だし。」  
「ほっとけ。」  
 
 俺がむくれてみせると茉奈がケラケラと笑った。  
 
 そしてひとしきり笑った後で、茉奈は再び口を開いた。  
 
「で、鈍感なお兄ちゃんに教えてあげたいことがあるんだけど。」  
「はいはい。俺はどうせ朴念仁だよ。で、何だ?」  
「私の本命はね、お兄ちゃんなんだよ。ねぇ……私が恋人じゃ、お兄ちゃんはだめかな。」  
 
 は?  
 おいおい、冗談は止せ、と言おうとして止まる。  
 茉奈の眼差しは真剣で、そして必死だった。  
 
 俺はどう答えたらいい?  
 どうやったら茉奈を傷つけずに……  
 いや、なんで断ること前提になってるんだ?  
 別に茉奈と俺は本当の兄妹でも何でもない、幼なじみだ。  
 付き合ったって問題ないし結婚だってできる。むしろ親父達は大喜びだろう。  
 でも俺の気持ちは? ……なんて答えりゃいいんだろう。  
 
 しばらく俺は口をパクパクさせながら茉奈から視線を外せずに居た。  
 すると、茉奈は恥ずかしさがこみ上げてきたのか、いきなり耳まで真っ赤になると、  
オロオロと視線を泳がせて、そしてうつむいた。  
 
「ご、ごめん、お兄ちゃん。困らせちゃったよね。」  
「ま、茉奈。」  
「でもね、本当だよ。茉奈の本命はずっと昔からお兄ちゃんだったんだよ。  
 ずっとずっとずっと、おばあちゃんになっても……ずっとお兄ちゃんのそばに居たいよ。」  
「茉奈……」  
 
 俺はどうしたいんだろう……  
 茉奈に掛ける言葉を見つけられずに、俺は沈黙するしかなかった。  
 
                   ◇  
 
 あの後、長い沈黙に互いに居たたまれなくなってそのまま床につくことになった。  
 
 俺は2年ぶりの自分の部屋で布団に潜り込む。  
 ……眠れねぇ。  
 
 茉奈の真剣な「告白」を聞いてしまったことで俺の頭はいっぱいになっていた。  
 意味もなく寝返りをなんどもうつ。でも眠れない。  
 
 しばらく悶々としたあとで、遠慮がちに扉をノックする音が聞こえた。  
 
「お兄ちゃん……」  
 
 そう言いながらパジャマ姿の茉奈は部屋に入ってきた。  
 
「どうした?」  
「一緒に寝ても良い? ……少しお話したいの。」  
 
 さっきの事があったあとで一緒に寝るなんて……とも思ったが、茉奈の性格を思い返す。  
 茉奈は俺には嘘をつかない。多分本当に話したいことがあるんだろう。  
 
「ほら、こっちに来いよ。」  
 
 端に体をずらすと、布団をめくって茉奈を招き入れた。  
 茉奈が布団に潜り込み、俺の胸に頭を預ける。  
 
「二人で寝るの、久しぶりだね。」  
「ああ、茉奈が中学生になる前だよな。」  
 
 茉奈は俺のパジャマの胸のあたりを掴んでうつむいたまま話し始めた。  
 さっきまで風呂に入っていたのだろう。茉奈の体温は高くて、石鹸の香りがした。  
 
「ね、お兄ちゃんは小さい頃私が言ったこと覚えてる?」  
「いつの?」  
「んと……お兄ちゃんが小学校に上がったとき。」  
 
 ……考えてみたが、全然記憶が無い。  
 
「……すまん、わからん。」  
「だよね……私その時、『大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになる』って言ったんだよ。」  
「ベタだなぁ。」  
「でもね、小学生、中学生となっていくに連れて、お兄ちゃんにとっての私は限りなく『妹』に  
 近づいていって……私はそばに居るだけでいいって思うようになってたんだ。  
 でも、お兄ちゃんに彼女ができるのは見たくなかったから、いつもくっついてたの。」  
 
 そういう意味での「虫除け」だったのか……てっきり茉奈が言い寄ってくる男を避けるためだと思っていた。  
 
「でも、お兄ちゃんが大学に行って、一人ぼっちになって解ったんだ。私はやっぱりお兄ちゃんじゃなきゃ  
 ダメだって。」  
 
「茉奈……」  
「茉奈はお兄ちゃんが好きだよ。お兄ちゃんの恋人、茉奈じゃだめかな……」  
 
 そう言って、茉奈は俺の胸に顔をうずめた。  
 
 俺は茉奈の頭を撫でて、それから覚悟を決める。  
 
「本当に俺で良いのか? 世の中には俺より良い男はゴマンと居るんだぞ。」  
「……茉奈は、お兄ちゃんがいい。」  
 
 そう言って、茉奈は顔をあげると俺に唇を重ねてきた。  
 茉奈の唇はひんやりしていて……かすかに震えていた。  
 
「……ふう。」  
 
 唇が離れると、恥ずかしくなったのか茉奈は再びうつむいて俺の胸に顔を押し付けてきた。  
 
「茉奈……大丈夫か?」  
「うん。ちょっと……恥ずかしくなっちゃって。」  
 
 まあ、大人しい茉奈にしては頑張った方かもなぁ。  
 胸にすがりつく茉奈の体を布団の中で軽く抱き寄せる。茉奈の体の柔らかさと温かさが心地よい。  
 
 まあ、俺の良いところも悪いところもこれ以上無いほど茉奈は良く知っている。  
 それでも俺を選んでくれるのならうまくやっていけるだろう。  
 今までだって、兄妹のようでもあり、恋人のようなものでもあったのだから。  
 
「じゃあ、茉奈と俺は今から恋人同士だ。」  
「いいの?」  
「今更嘘でしたなんて言ったら俺泣くぞ。色々覚悟完了しちゃったんだからな。」  
 
 茉奈の顔がぱぁっと輝いてぎゅっと俺に抱きついてきた。  
 
「嘘なんてつかないよ。知ってるでしょ? 茉奈はお兄ちゃんにはウソつかないって。」  
「ああ、わかってる。」  
「嬉しい……今日はもう離れたくないな。」  
 
 俺の胸に顔をうずめたまま茉奈がつぶやいた。  
 
「じゃあ今日はこのまま一緒に寝るか。茉奈もその方が良いだろ。」  
「うん……」  
「じゃ、朝までこのまま抱きしめててやるから。おやすみ。」  
「え?」  
 
 茉奈が意外そうな顔で俺を見る。  
 
「……どうかしたのか? やっぱり別々に寝た方がいいか?」  
「……えっち、するんじゃないの?」  
「は?」  
 
 茉奈が耳まで真っ赤になりながらぼそぼそと言った台詞に耳を疑った。  
 
「だって、男の子って、付き合うとすぐにしたがるって……友達が言ってた。」  
「いや、俺も男だから、したくないってわけじゃないけど……」  
 
 いきなりそっち方面の話に流れが変わって、自分の腕の中の茉奈の体の感触がひどく艶かしく  
思えてくる。  
 
「それに……今まで兄妹みたいな物だったからキスだけじゃ恋人になった実感が湧かないよ。  
 だから……私を普通の女の子みたいに扱って欲しい。」  
 
 そこまで消え入りそうな声で言って、茉奈は俺の体にぎゅっと抱きついてくる。  
 柔らかい胸の感触……たぶんノーブラの……に理性と本能がせめぎ合う。  
 
 正直、事を急いて色々と失敗することを恐れていた。  
 一度茉奈を抱いてしまえば、今までのようには茉奈を見られなくなる。  
 兄妹に戻るという逃げ道はなくなる。  
 
 でも一方、妹としてではなく女の子としてみて欲しいという茉奈自身の願いでもある。  
 
 ウジウジと迷っている俺を見かねたのか、茉奈がまた唇を重ねて来る。  
 ただし今度は、重ねた唇を介して舌を割り込ませてきた。  
 
 茉奈はあっけに取られている俺の口内の奥に舌を差し込み、俺の舌の上をザラリと撫でた。  
 ぞくり、と背筋がざわめく。  
 
 茉奈はたどたどしい舌使いで俺の舌の上を舐め、舌の裏をねぶり、左右の歯茎をなぞった。  
 溢れ出る二人の涎が口からこぼれ、頬を伝って布団に落ちてシミを作る。  
 
 据え膳食わぬは何とやら。そんな言葉が脳裏をよぎる。  
 そして必死な茉奈の姿に、愛しい、独占したいという感情がムクムクと首をもたげ、理屈を  
押さえ込んだ。  
 
 俺は初めてのディープキスの余韻で惚けていた茉奈を布団に組み敷いた。  
 惚けながらも少し驚いたように茉奈が俺を見上げる。  
 
「本当に良いんだな? 一旦始めたら、もう止まらないぞ。」  
 
 茉奈がこくん、と一つ頷く。  
 
「キス……して欲しい。」  
 
 茉奈の願いに、初めて俺から唇を重ねた。  
 
                   ◇  
 
 薄く開いた唇の間から舌を滑り込ませると、茉奈の舌がそれを出迎えてからみ合った。  
 
「ん……ふ……んふん……」  
 
 茉奈の鼻にかかった声が恐ろしく艶っぽい。  
 舌の表面がこすれ合う度に興奮の度が増して行く。  
 
 どれほどの時間だったのかは分からない。たっぷりと舌を絡め合ったあとで唇を離して改めて顔を見ると、  
茉奈は頬を染めてぐったりとしていた。  
 視線もどこかうっとりとしていて、俺を見る視線が恐ろしく熱っぽい。  
 
 俺も熱に浮かされたように、茉奈の胸へと手を伸ばす。  
 
「あ……」  
 
 俺の指先が胸に触れた瞬間、茉奈の声が漏れた。  
 力加減が分からない。恐る恐る、なでるように茉奈の胸に触れる。  
 
「くすぐったい、お兄ちゃん。」  
「ご、ごめん。加減が良くわかんね。」  
「ん、もっと強くても大丈夫……それに、直接触って欲しい。」  
 
 茉奈の言葉にしたがって、俺は茉奈のパジャマのボタンに手をかけた。  
 一つ一つ胸元のボタンを外していくと、想像以上の落差を持つ胸の谷間が顕になる。  
 
 まだ男に触れられたことの無い双球は、仰向けでありながらもその強い弾力で形を保っていて、  
その頂上はしっかりと上を向いていた。  
 俺は吸い込まれるように茉奈の白い胸に手を伸ばして乳房をやんわりと握る。  
 
「ん……」  
 
 茉奈が再び短く声を上げる。  
 程よい弾力を持った茉奈の乳房を撫でさするように揉みしだくと、手のひらの下で乳首が硬く  
盛り上がってくる。  
 固く尖った乳首を人差指と中指の間で挟み込んで弄ぶと、茉奈がぴくり、と体を波打たせた。  
 
「結構大きいんだな。2年前はぺったんこだったのに。」  
「ん……ぺったんこじゃないよ。でもこんなに大きくなったのはお兄ちゃんのせいなんだから。」  
「俺のせい?」  
 
 茉奈はちょっと拗ねたように視線をそらすと、ぶつぶつと語り始めた。  
 
「お兄ちゃんが居なくなってから……自分で、お兄ちゃんのこと考えながら……その……触ったりとか……」  
「茉奈、意外とエッチな子だったんだな。」  
「え、エッチじゃないもん。 ……あ」  
 
 俺が右の乳首をぺろりと舐め上げると茉奈が嬌声を上げた。  
 調子に乗って乳輪を舌でなぞったり、乳房の下の境目のあたりを指でなぞったりすると、  
腕の中で茉奈の体がぴくぴくと跳ねた。  
 
「うん……や……お兄ちゃんの方がえっちだよぉ。」  
「おれは男だもん。男はやらしーのが普通なの。」  
「ずるい……あ、お兄ちゃんくすぐったいよ。」  
 
 茉奈のお腹のおヘソのあたりを撫でてみると、くすぐったいばかりではない、甘ったるい声が  
茉奈の口からこぼれた。  
 柔らかいお腹の感触をたっぷり堪能したあとで、パジャマのズボンのウエストに指をかける。  
 
「あ、」  
「……脱がすぞ。」  
「……うん。」  
 
 パジャマのズボンをするりと下ろすと、生白い茉奈の両脚と、淡いピンクの下着に包まれた下半身が  
顕になる。  
 一部にレースをあしらったピンクの下着に手を伸ばすと、指先が触れた瞬間、茉奈の体がピクンと震えた。  
 
「緊張してるのか。」  
 
 茉奈がコクリと頷く。  
 
「でも、やめないぞ。」  
「……わかってる。続けて。」  
 
 茉奈の下腹の膨らみをサラリと撫でたあとで、ふっくらとした肉付きの恥丘へと指を進めた。  
 
「ん……」  
 
 布の上からでも他よりも熱い体温を感じる。  
 指先が股間をなぞる度に茉奈の口から熱っぽい吐息が漏れた。  
 
 しばらく愛撫を繰り返したあとで、紅潮した茉奈の顔を見てそろそろいいか、とウエストから内部へと  
指先を潜り込ませた。  
 
「あ、お兄ちゃん……」  
 
 先程よりもはっきりと体温の厚さを感じながら指先を下着の奥へと進める。  
 が、予想していた感触がなかった。  
 
「茉奈……毛はどうしたんだ?」  
 
 はっきり言ってムードブチ壊しな質問だった。  
 そしてそれは茉奈の羞恥心に触れたようで、耳まで真っ赤になった。  
 
「私気にしてるのに……」  
「ということは元から無毛なのか……剃ってるのかと思った。」  
 
 18年目にして知る真実。幼なじみはパイパンだったのか……って、生えるのは2次性徴以降  
なんだからわかる訳がない。一緒に風呂入ってたのは小学生の頃までだし。  
 
 俺はさらに奥深くまで指先を潜り込ませた。  
 指先が粘膜の感触と、そしてヌメった湿り気を捉える。  
 
「やっぱり茉奈はエッチだな。なんかもうぬるぬるしてるぞ。」  
「……」  
 
 茉奈は真っ赤な顔でぷいっと視線をそらした。  
 俺は中指をスリットに這わせるとぬるりと粘膜を撫で上げた。  
 
「ひうっ、」  
 
 茉奈の体がピン、と跳ねた。  
 もう一度、スリットを擦り上げる。  
 
「はんっ、」  
 
 茉奈の漏らす嬌声が、俺の本能を刺激する。  
 夢中で茉奈のスリットを刺激する行為に没頭した。  
 
 指で粘膜をこする度に茉奈の体がぴーんと反って、くたりと弛緩する。  
 そのたびに口から嬌声が漏れ、激しい息遣いにあわせて乳房がプルプルと震える。  
 その光景が余計に俺の本能を刺激して、なお一層行為が激しくなる。  
 
「はん、あっ、あんん、あ、お、お兄ちゃん、いくっ、イッちゃう、」  
 
 その直後、茉奈の体がひときわ大きく反ったかと思うと、今度はくの字に折れ曲がってガクガクと  
痙攣した。下着に潜り込ませていた俺の手が大量に分泌された粘液にまみれてヌルヌルになる。  
 
「はっ、はぁっ、はーっ、はー」  
「イったのか。」  
「うん……お兄ちゃんにされてるって思ったら……我慢できなかった。」  
 
 そう言って、茉奈はニコッと笑う。  
 ここでそれは反則だ。むちゃくちゃ可愛いくて、自分のものにしたくてたまらなくなる。  
 
 だけどそんな俺の葛藤を打ち消すように、茉奈の一言が追い打ちをかけた。  
 
「ねえ、今度はお兄ちゃんので……して。」  
 
                   ◇  
 
 茉奈の愛液で濡れて役に立たなくなったパンティとパジャマの上着を脱がせた。  
 俺もパジャマとトランクスを脱ぎ捨てて、お互いの体を隠すものはもう何も無い。  
 
 布団の上には全裸で横たわった茉奈が待っていた。  
 俺のナニはもうさっきの茉奈の痴態で痛みを覚えるほどに固くなっていて、下腹部に張り付くほど  
そそり立っていた。  
 
「思ってたのよりおっきいんだね……」  
 
 茉奈が俺のを見てちょっと驚いたように言った。  
 
「これからこれを茉奈の中に入れるんだぞ。大丈夫か?」  
「多分……さっき一回イッたし。大丈夫だと思う。」  
 
 確かに……さっき手でイかせたときに、十分に濡れたはずだ。  
 
「じゃ、行くぞ。俺も初めてだから上手にはできないかもしれないけど。」  
「うん……」  
 
 ギンギンにいきり立っている我が息子の先端を茉奈のスリットの綻びに擦り付ける。  
 それだけで発射しそうになるのをこらえて、狙いを定めた。  
 
「この辺りか?」  
「ん…もうちょっと下。」  
「ここか?」  
 
 茉奈のスリットをなぞっていると、ある箇所で先端が浅くめり込んだ。  
 
「ん、そこ……」  
「じゃ、行くぞ。」  
「いいよ……来て。」  
 
 そう言って茉奈が自分の足を俺の足に絡めてくる。  
 
 俺は茉奈の膣口に自分のモノをあてがったまま、茉奈の腰に手をかけて力任せに突き出した。  
 
「うんっ、はっ、ああっ!」  
 
 狭くギュウギュウと収縮する茉奈の膣口を力任せに押し開く。  
 茉奈が身をよじるが、腰は俺ががっちり押さえ込んでいるので逃げることはできなかった。  
 そして亀頭が飲み込まれたあたりから急に楽になり、一気に根元までつるりと茉奈の中にのみ込まれた。  
 
「うわっ……は、入った。大丈夫か?」  
「う、うん……思ったより、痛くない、かも。」  
 
 荒い息遣いで茉奈が答えた。でも言葉とは裏腹に茉奈はぼろぼろ泣いていた。  
 
「ほんとに痛くないのか? お前めちゃめちゃ泣いてるぞ。」  
「だって……嬉しいんだもん。やっとお兄ちゃんだけの物になれた……」  
 
 そう言いながら茉奈は笑って、目からボロボロ零れる涙を手でぐしぐしと拭った。  
 ……めちゃめちゃ茉奈が可愛く思えてきた。  
 
 改めて俺のモノが飲み込まれた茉奈の下腹部に眼をやる。  
 茉奈の胎内は熱くて時々ヌルヌルとうごめいて俺のモノを刺激している。  
 別に自分が巨根だと言いはるつもりはないが、茉奈の中にあれだけの容量の物体を入っているのか  
と思うと不思議な感じがする。  
 
「お兄ちゃんのおちんちん……すごく熱い。」  
「茉奈の中だって……熱くてぐにぐに動いてるぞ。」  
「そんなこと言わないで……恥ずかしいよ。」  
 
 そう言って顔を隠す茉奈が可愛くて、俺はちょっと意地悪な気分になる。  
 顔を隠していた手を掴んで組み伏せると、恥ずかしがる茉奈の唇を奪う。  
 そしてしばしの間、お互いの舌を絡め合わせた。  
 
 つながったままで茉奈の躯を抱きしめる。茉奈の柔らかい肌の感触が心地よい。  
 そして……たっぷりとディープキスを堪能したあとで唇を離すと、茉奈が言った。  
 
「お兄ちゃん、動いても良いよ。動いた方が気持ちいいんでしょ?」  
 
 正直、もう我慢の限界だったし、熱っぽいその言葉がたまらなかった。  
 
「じゃ、行くぞ。はっきり言ってあんまり手加減できないかもしれない。」  
「いいよ。お兄ちゃんの好きなようにして。」  
 
 その言葉で、最後の自制は消え去った。  
 
 根元まで茉奈の中に飲み込まれていたものをカリ首の見える辺りまでズルリと引き抜く。  
 その時、ペニスにまとわりついた茉奈の愛液に血が混じっているのが見えた。  
 
 そして、再び熱い茉奈の胎内へと俺のモノを挿入する。  
 奥の壁を叩いた瞬間に茉奈の膣が俺のペニスを引き絞るようにキュッと締まる。  
 そしてまた引き抜くと今度はビクビクビク、と痙攣するように茉奈の膣内がうごめいた。  
 
「茉奈の中……すごい反応してるぞ。もしかして気持ちいい?」  
「そ、そんなこと、ないもん。」  
 
 言葉とは裏腹に、俺のピストン運動に合わせて声が跳ねる。  
 
「うっ、くっ、はっ、やっぱり、茉奈の中、反応してるぞ。」  
「やっ、やぁっ、そ、そんなこと、無いもん。わたし、そんな、エッチじゃ、あん、いや……」  
 
 素直じゃない茉奈の中をペニスでこね回すと、押えきれないよがり声が茉奈の口からこぼれた。  
 でもこれはやばい、俺も……イキそう。  
 
「俺、もう、持たない。」  
「イっていいよ、お兄ちゃん、あ、お兄ちゃん。」  
「茉奈!」  
 
 切なげな茉奈の声で一気に上り詰めた俺はペニスを根元まで押し込んで茉奈の奥底に先端を  
押し付けた。  
 
 ペニスの根元が痛くなるほどの射精感。  
 尿道を通して俺は精子を茉奈の胎内へとありったけぶちまけた。  
 
「うっ、く……」  
 
 愛しい女を犯す、男としての根源的な喜びで体中にゾクリと快感が走った。  
 
                   ◇  
 
 まぶたを通して朝日の明るさを感じ、俺は目を覚ました  
。  
 まだ回転の怪しい頭で布団の中を探ると、自分は人肌で気持ちの良い抱き枕を抱えていた。  
 
 ……ん? 抱き枕。  
 
 一瞬よくわからなくて、くっついたままの上まぶたと下まぶたを無理やりこじ開けてみると、  
目の前には綺麗なつむじがあった。  
 
 お……そうだった。  
 昨日は茉奈と若さに任せて励んだまま力尽きて一緒に寝たんだった。  
 
「ん……」  
 
 超低速で思考している間に茉奈も目がさめたのか、俺の腕の中で身じろぎして顔を上げた。  
 
「あ……おはよう、お兄ちゃん。」  
「よう、おはよう。」  
 
 ……キスしそうな距離で恥じらってる顔がむちゃくちゃ可愛いぞ。  
 茉奈も昨日の二人の行為を思い出して今更恥ずかしくなっているようだ。  
 とりあえず……この場はキスだろう。うん。  
 
 恥らって固まっていた茉奈の唇をさっと奪うと、茉奈は硬直が溶けたようで顔は赤いままでにっこり  
笑って、俺の胸に顔をうずめてきた。  
 
「しちゃったね……私たち。」  
「ああ結構濃厚な奴を……そういえば、避妊のことすっかり忘れてたな。」  
 
 たっぷり心ゆくまで何度も中出ししてしまった……  
 
「まあ、いいか。できちゃってたらその時だ。できればデキ婚はしたくないけど。」  
「いきなり結婚まで話飛んじゃうの?」  
「おまえ……年とっても一緒に居たい、なんてまるっきりプロポーズだろ。」  
「え? あ、私そ、そんなつもりで言ったんじゃ……」  
 茉奈が耳まで真っ赤になって布団の中に潜る。こいつ、気づいてなかったのか。  
「それに茉奈ももう結婚できる年だし、一応俺も春から社会人だから問題ないだろ。それに……」  
「それに?」  
「責任とらないなんて言ったら、お前と両親どもに殺される。」  
「それはそうだね……」  
 
 茉奈は俺の腕の中でクスクス笑った。そして、ちょっと嬉しそうな笑顔を見せた。  
 
「でも、お兄ちゃんが私をお嫁さんにしてくれるつもりなのはうれしいな。」  
「覚悟を決めたっていったろ。茉奈は俺のそばに一生一緒に居るんだから。」  
「うん。じゃ、とりあえず……朝からだけど、する?」  
「へ?」  
 
 茉奈が恥ずかしそうにそう言って俺は気がついた。  
 まあ、その、マイサンが臨戦態勢で茉奈のお腹をつついていたわけだ。  
 
「いや、これは朝立ちといって男の生理現象で、」  
「する?」  
 
 茉奈が再び、からかうように聞いてきた。  
 実際、腕の中の茉奈の人肌の感触のせいで、ぶっちゃけ収まりがつきそうも無い。  
 
「まあ、軽く……」  
「じゃ、しよ、お兄ちゃん。」  
 
 まあ、今日は昼までに起きれば良いか……  
 そして夜は二人で年越して初詣に行って……二人の将来について神様に願をかけることにしよう。  
 
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル