俺はあの後、ハル姉の体を濡れタオルで清め、下着とパジャマを着せてベッドに寝かせたあと、  
ひっそりと部屋を出て……逃げ出した。  
 
 今思えば、それはどれほど身勝手で独りよがりな行動だったのかと後悔してもしきれない話だった。  
 それがどれほどハル姉を傷つけたのか、俺がそれを知ったのはおばさん……ハル姉の母さんの  
口からだった。  
 
 
 
    〜 Sweet Omelette 〜 Chapter 3  
 
 
 
 土曜日の午後。  
 あの日からは3日経っていた。  
 今日は本当ならいつもの約束の日で、ハル姉の家に行って部屋を片付けるハズだったけれど、  
あのことがあったせいでハル姉と顔を合わせるのが怖くて行くことが出来なかった。  
 仕方なく家の仕事を手伝い、先程ランチの最後の客が途切れて外に仕込み中の札を下げた  
ばかりだった。  
 
 カランカラン  
 
 出入口のベルが鳴るのが聞こえて、夜の仕込みの手伝いにかかろうとしていた俺は応対に出た。  
 
「すいません、ランチは終わっちゃったんでディナーまで……って、おばさん。」  
「あら、秋ちゃん丁度良かったわ。」  
 
 店に入ってきたのは隣の家のおばさん、ハル姉のお母さんだった。  
 
「えっと、俺に何か……?」  
「今ねぇ、ちょっと春香の所まで行ってきたところなのよ。」  
「えっ、」  
 
 今ハル姉の事で何か聞かれるのははっきり言ってあまり嬉しくない。  
 でも逃げ出すわけにもいかない。  
 おばさんはため息を一つついて、困ったように言った。  
 
「それがねぇ……一昨日から風邪で会社休んでるって聞いてちょっと様子を見に行ったんだけど、  
 どうも風邪じゃなくて仮病みたいでねぇ……いい年した大人がズル休みしてるみたいなの。」  
「はぁ。」  
「良くわかんないんだけど、あの子、秋ちゃんに嫌われたーってしょげてて。ベッドでわんわん  
 泣いてるのよ。」  
「……」  
 
 それは、間違いなく俺のせいだ。  
 俺があの後逃げ出して、何のフォローもしなかったせいだと言うのは容易に想像が付いた。  
 
「それでね、なにがあったのか聞いてみたんだけど、あの子頑としてしゃべらなくってねぇ。  
 それで仕方なく放って帰ってきたんだけど、秋ちゃんなら解るかと思って。」  
「……」  
「秋ちゃん、春香に何か嫌な事されたかしら?」  
「……いえ。」  
「そう? ならいいんだけど。」  
「……俺の方が、ハル姉にひどい事して……」  
 
 それだけじゃない。  
 ハル姉を放り出して……逃げた。  
 ハル姉の気持ちなんて、考えずに。  
 
「そう……でも秋ちゃん、反省しているのよね?」  
 
 そんな俺を見て何かを察したのか、おばさんは優しくそう言ってくれた。  
 
「……はい。」  
「なら、あの子に会って仲直りしてやって頂戴な。」  
 
 おばさんは俺の手を取ってそう言った。  
 
「あの子、秋ちゃんとは付き合いが長いから、色々わがまま言って困らせていると思うけど、  
 秋ちゃんとの事とても大事にしているのよ。だから、できれば嫌わないでやって頂戴。」  
「嫌うなんて、そんな……」  
「……じゃ、春香との仲直り、お願いね。」  
 
 おばさんは、ハル姉とそっくりな笑顔で笑いかけると店を出て行った。  
 
「……とっとと行ってこい。」  
 
 振り向くと、いつの間にか親父が顔を見せていた。  
 
「話は聞いてた。どうせしょーもない事で春ちゃんとケンカでもしたんだろ。」  
「喧嘩なんてしてないよ。でも、俺がハル姉を泣かせたのはその通り。」  
「だったらここでグダグダやってないでとっとと行って謝ってこい。どうせ今日だって本当は  
 春ちゃんの所に行く予定だったんだろ。」  
「……ちょっと、行ってくる。」  
「おう。」  
 
 俺はそのまま店を出ようとして、親父に肩をつかまれた。  
 
「なんだよ。」  
「お前、コックコートで電車に乗るつもりか。一刻も早く行きたい気持ちはわかるけど、少し  
 落ち着いて着替えてから行け。」  
「う。」  
 
 そうだった。  
 仕事用のコックコートを着ていたんだった。  
 
 踵を返して、店の奥の自宅へ通じるドアをあけようとしたら、また親父に声をかけられた。  
 
「息子!」  
「なんだよ……って親父……」  
「ガンバレよ。今日は帰ってこなくてもいいからな!」  
 
 ……親父、スゴクいい顔で卑猥な形の拳つき出してんじゃねぇよ。  
 
                   ◇  
 
 30分後、俺はハル姉の部屋の前にたどり着いた。  
 チャイムを押してみたけど返事はない。  
 
 仕方なく鍵を使って中に入る。  
 靴は全部揃っていたので、出かけてはいないはずだ。  
 
 俺は玄関を上がって迷わず奥の寝室へと向かった。  
 そしてドアの前で少し躊躇し、それから覚悟を決めて静かにドアを開けた。  
 
 レースのカーテンから差し込む光で薄暗い部屋の中はいつも以上に散らかっていた。  
 本棚に収まっていた本もいくらか引っ張り出されていて、足の踏み場もないほどだった。  
 
 奥のベッドに目を遣ると、その上で布団に丸まったハル姉の姿が見えた。  
 顔はうつ伏せ気味にこちらを向いていたけど、髪が掛かっていて良く見えない。  
 枕元にもいくらか本があるのを見るに、気を紛らわせるのに読んでいたのかもしれない。  
 
 俺は本をよけながらベッドの傍まで近づいた。  
 そしてハル姉の顔に掛かっていた髪をそっとよけて顔を見る。  
 
 ハル姉は眉を寄せた難しい顔で眠っていて、いくつもの涙の跡があった。  
 ちょっぴり鼻水も出ていて呼吸に合わせてすぴすぴと音がする。  
 
「……アキ君……行かないでよぉ……」  
 
 寝言でそう言うと、ハル姉の目から涙がにじみだしてくる。  
 ごめん、ハル姉。  
 俺はこころの中で詫びながら、その涙を指でぬぐった。  
 
「ん……」  
 
 俺が触れたことで眠りから覚めたのか、ハル姉は少し身じろぎするとゆっくりと目を開けた。  
 
「……アキ君?」  
「ハル姉……」  
 
 俺とハル姉の視線が絡み合い、俺は金縛りにあったように動けなくなった。  
 何と言って良いのか、次の言葉を頭の中で探していると、ハル姉の顔がくしゃりと歪んだ。  
 
「アキ君だぁ……」  
 
 ハル姉の目から涙がボロボロとこぼれ落ちる。  
 
「は、ハル姉、泣くなよ。」  
「だってぇ……私……アキくんに嫌われたって思ったから……もう絶対来てくれないって思った  
 からぁ……もう絶対お酒飲まないから……嫌いにならないで……」  
 
 わんわん声を上げて泣き出したハル姉をどうしたらいいのか軽くパニックになりながらも、  
とっさにハル姉の頭を撫でてやった。  
 
「アキ君……」  
「俺がハル姉の事嫌いになるなんて無いから……だから泣かないでくれよ。」  
 
 そう言って俺が頭を撫で続けて慰めるとハル姉は少し泣き止んだ。  
 そしてハル姉はしゃくりあげながらしゃべり始めた。  
 
「この間……お酒飲んで……良く憶えてないけど、アキ君に無理やりキスして……その後は  
 記憶がぐちゃぐちゃで……無理やり押し倒したような気もするし……エッチなことしてた  
 気もするし……でも朝起きたらパジャマ着てるし……アキ君居ないし……でも全然何も  
 言って来ないし……今日だって全然来てくれなかったし……怒ってるんじゃ無いかって  
 思って……でもこっちから電話する勇気も出なくって……ごめんなさい……」  
「謝んないでよ……俺が悪かったんだ……説明するから、泣かないでよ。」  
 
 必死に弁解しようとするハル姉を押しとどめてなんとか宥める。  
 ハル姉の体を抱きしめて背中をさすってやると、すこしずつ泣き止んで嗚咽も収まっていった。  
 
「もう大丈夫?」  
「うん……」  
 
 ハル姉が泣き止んだのを確認すると、俺は一歩下がって床の上で正座で座ってベッドの上のハル姉を見上げた。  
 
「ど、どうしたの……?」  
「あの日……確かに酔っ払ったハル姉は俺を押し倒したけど……ハル姉の誘惑にのって逆に  
 押し倒して……その……強姦みたいな結構むちゃくちゃなことしちゃって……  
 それで顔合わせづらくって、色々証拠隠滅して逃げちゃったんだ……その、本当にごめん。  
 不安に思わせて、ごめん。」  
 
 俺は全てを白状してそのまま土下座した。  
 たぶんハル姉は俺に怒らないだろうけど、でもこんなに不安な気持ちにさせて泣かせてしまった  
ことはきっちりと謝らないと。  
 
「……証拠隠滅って?」  
 
 顔を上げてみるとハル姉はきょとんとしていて、俺が何を隠そうとしたのか、わかっていない  
ようだった。  
 
「……その、ハル姉の体中なめまわして、その挙句にハル姉のアソコに挿入しようとして……  
 失敗して暴発したって言うか……その、ハル姉の体にぶっかけた、というか。  
 そういうのを綺麗に拭いてパジャマ着せて……」  
「……ぷっ。」  
 
 やっぱり……笑われた。  
 
「アキ君カッコ悪い。」  
「おっしゃるとおりです。」  
「ねぇ、アキ君……2人で謝ろうか。」  
「え?」  
 
 俺がぽかんとしているとハル姉はベッドを降りて俺の前に正座した。  
 
「あたしもアキ君も、両方悪かったんだから、お互いに謝ってちゃらにしよ。」  
「あ、うん。」  
「じゃあ……」  
 
 そう言って、ハル姉は床に手をついた。俺もそれに習って前傾姿勢になる。  
 
「せーの「「ごめんなさい」」」  
 
 二人でお互いに土下座してそして顔を上げたところで吹き出した。  
 
「あははは、これでお互い負い目は無しだからね。」  
「了解。」  
「じゃ、仲直りしたところで……あの夜のこと、やり直ししない? 今度は素面で。」  
「え?」  
 
 そう言ったハル姉の顔は真っ赤になっていて、ちょっと視線も泳いでいた。  
 
「あの夜言ったことは覚えてるの。あの言葉は嘘じゃないから。アキ君の事……好きだから。」  
「ハル姉……」  
 
 俺は答えの代わりにハル姉の体を抱きしめて、そして自分から唇を重ねた。  
 あの夜とは逆に、俺の方からハル姉の唇をついばむ。  
 
「ん……んふっ、うん……」  
 
 俺とハル姉の唇の間から言葉にならない吐息が漏れる。  
 腕の中のハル姉が愛しくなって、そのままベッドに上半身を押し倒した。  
 
「ま、まって、アキ君ちょっとタンマ。」  
「ハル姉?」  
「しゃ、シャワー浴びさせて。あたしずっと不貞寝してたし、汗臭いし、髪もぐちゃぐちゃだし、」  
「俺は気にしない。」  
「あたしは気にするの! アタシとアキ君の初めてなんだから、大切にしたいの。  
 アキ君は先にシャワー浴びて少し頭冷やしてきなさい!」  
 
 どこから絞り出してるのか、恐ろしい力で押し戻されて俺はそのまま部屋から放り出された。  
 どうも部屋には入れてもらえそうも無い……仕方ない、シャワー浴びてくるか。  
 
                   ◇  
 
 部屋に夕陽が差し込んで何もかも赤く染め上げていた。  
 俺はバスタオルを腰に1枚巻いただけの姿でベッドに腰掛けて、ハル姉が帰ってくるのを  
待っていた。  
 
 ハル姉は俺と入れ替わりにシャワーを浴びに行って、すでに30分ほど過ぎている。  
 シャワーだけにしては長すぎだ。  
 
 いい加減待ちくたびれたところで、ドアの向こうからペタペタと言う足音が聞こえてきて  
ドアが開いた。  
 
「おまたせ……」  
「待ちくたびれた……」  
「ご、ごめん。だって……ほら、いろんなところが気になってさぁ、念入りに念入りに、って  
 洗ってたらものすごく時間かかっちゃって。」  
 
 そう言いながら、ハル姉は俺の隣に腰をおろした。石鹸のいい匂いがする。  
 
「じゃ……その、しよっか。」  
 
 ……恥ずかしそうに目線をそらしたままそう言うハル姉が可愛い。  
 
「初めてだから……優しくしてよね。」  
「ええっ!」  
「ええっ、てなによぅ! あたしが初めてってそんなに変?」  
「いや、この間押し倒されたときは、なんか経験豊富そうって言うか、エロエロな感じだったし。」  
「そ、そんなに変だったのかあたし……ううう、やっぱりもうお酒飲まない……」  
 
 ドヨーンとした表情で凹むハル姉をなんとか慰めようと試みる。  
 ネガティブな気持ちでしたくないし……  
 
「まぁまぁ、俺と一緒の時なら別にいいじゃん。」  
「うん……今度からお酒飲むのはアキ君とだけにする。」  
「じゃ、気を取り直して……」  
「ん……」  
 
 俺は顔を寄せて唇を重ねた。  
 気が急いて暴走しそうになるのを必死にこらえながら、キス。  
 そしてたっぷりとハル姉の唇を味わったあとで、ゆっくりとベッドに押し倒した。  
 
「バスタオル、開くよ。」  
「う、うん。」  
 
 緊張した面持ちのハル姉が頷くのを確認したあとで、胸の前のタオルの合わせ目を解いた。  
 タオルに押さえ込まれていた胸が開放されてぷるんと転げ出る。  
 
 夕日の残り陽に浮かび上がったハル姉の裸身を見下ろして、この間欲に駆られて力任せに  
押し倒したときにはわからなかった美しさにため息を漏らした。  
 
 化粧っ気がなくていつもより幼い感じの顔つき。  
 白くてなめらかな肌はシャワーで濡れ熱ってうっすらと色づいていて、十分な量感を持った  
二つの乳房は仰向けでも高さを失わずに上を向いていた。  
 白くて引き締まったお腹に余計な肉は殆どなく、程よくくびれていて、それとは対照的に  
女らしい曲線を持った肉付きの腰は俺を興奮させた。  
 腰から続く脚は細すぎず、メリハリある肉付きながらスラリと長くまっすぐでとても綺麗だった。  
 
「あんまりジロジロ見られると恥ずかしい……」  
「でもハル姉、綺麗だし、スゲー色っぽい。」  
「みたいだね……アキ君のソレ……」  
 
 ハル姉に言われて見下ろすと、腰に巻いたバスタオルの前が大きく盛り上がっていて、  
いつの間にか痛いぐらいに勃起していた。  
 バスタオルを巻いていてもしょうがないので剥ぎとってベッドの横へと落とす。  
 
「わ、結構グロくておっきい……」  
「そうでもない、と思うけど。」  
「だって……昔一緒にお風呂入ってたときはそんなんじゃなかったし。」  
「いつの話だよ……」  
 
 そしてお互い全てをさらけ出した状態で唇を重ねる。  
 今度は舌を絡めるディープなキス。涎液が混じり合って、その甘さに夢中になる。  
 
「んんっ。」  
 
 舌を絡め合いながら、ハル姉が苦しそうに吐息を漏らす。  
 俺は舌先の感触に夢中になりながらも、体に感じるハル姉の柔らかい胸やお腹、絡みあう脚の  
感触に興奮の度合いが一層高まる。  
 
 たっぷりとハル姉の口内を舐ったあとで顔を離してみると、ぼうっとした表情で俺を見ていた。  
 
「酸素足りない……息するの忘れてた。」  
 
 ……ハル姉、可愛すぎ。  
 俺はハル姉の右の耳に唇を寄せて耳の裏にキスした。  
 ハル姉の体がピクン、と震える  
 首筋に舌を這わせて鎖骨にキス。そしてまだ湿ってピンクに火照ったままのハル姉のおっぱいに  
手を載せた。  
 
「ふゃ……あ、アキ君……」  
 
 ハル姉の口から声が漏れた。  
 ハル姉の反応を確かめながら、ヤワヤワとおっぱいを握ってみる。  
 しっとりとした肌が手に吸い付いてくる。弾力がありながらふわふわした感触と相まって、  
素晴らしく気持ち良い。  
 
「はっ、あ……アキくぅん……なんか、変な気分……先っぽ、ダメ……」  
 
 ハル姉がイヤイヤと首をふるのを無視して、右胸の乳首を口に含んだ。  
 乳輪を舌先で刺激して、起ち上がってきた乳首を甘噛みするとハル姉の背中が一瞬反り返る。  
 
「そこぉ……敏感だから……噛んだらダメ……」  
 
 でも懇願なんて聞いてやらない。  
 たっぷりと乳首をいじめたあとで、腋の下から体側につーと舌を這わせた。  
 
「ひやぁ!」  
 
 くすぐったがりのハル姉が弱い部分を攻められて悲鳴をあげながらぴくぴくと体を痙攣させた。  
 もう一度舌を這わせると再びビクビクと体を震わせる。  
 
 体側部を両手で刺激しながら今度はお臍に舌を這わせた。ここはこの間も弱かった部分だ。  
 
「あぅっ!」  
 
 腹筋がピクンと反応して、ハル姉が奇声を上げた。  
 
「や、そこ、あたしくすぐったいのダメって知ってるでしょ。そこすごく弱いの!」  
「でもゾクゾクするんじゃない? この間も結構良い反応してたけど。」  
 
 そう答えながらおヘソの周りをぺろぺろとなめると、ハル姉の体がベットの上で激しく跳ねた。  
 
「はぁうん、や、やんっ! あっ、アキ君、ゆ、許して!」  
「じゃ、こっち。」  
「あ、そんなとこに顔近づけちゃ……は、恥ずかしいってば。」  
「この間だって、同じことしたのに。」  
「ええっ!? シャワーとか浴びずに?」  
「別に……ハル姉の体だったら、俺は気にしないけど。」  
「あっ、あたしは気にするの! ううう……最悪……」  
 
 俺はハル姉の脚を割って、股間へと顔を近づけた。  
 すべすべした白い内腿にキスしながら、ハル姉の一番敏感な部分へと近づいていく。  
 
「ず、ずるい……アキ君ばっかり。」  
 
 見上げると、赤い顔で涙目になりながらハル姉が睨んでいた。  
 
「あっ、あたしもする。」  
「どうすりゃいいのさ。」  
「……アキ君の……おっ、おちんちん、こっちに向けなさいよ。」  
 
 ハル姉の口から飛び出した「おちんちん」の言葉にちょっとだけフリーズして、それから徐に  
俺の股間がハル姉の顔の前に来るようにベッドに横たわった。横向きのシックスナインの体勢だ。  
 
「これがアキ君の……」  
 
 呟きながら、ハル姉は俺のをおっかなびっくり掴んだ。  
 ……うわ、こわごわ触るハル姉の手の感触がヤバイ。  
 
「ん……ぴちゃ……これが男の子の味なんだ……」  
 
 ハル姉が先っぽをペロンとなめた。  
 だから、ヤバいって。  
 
 俺も反撃に転ずるべく、ハル姉の股間に顔を寄せた。  
 薄い陰毛の向こう。ぷっくりとした割れ目の間から覗く肉芽に舌先を這わせる。  
 
「あんっ。」  
 
 俺のイチモツを含もうとしていたハル姉の口から嬌声が漏れた。  
 間髪を入れずに続けてぺろぺろと刺激する。  
 
「はんっ……はもっ……ふぅん……」  
 
 抱え込んでいるハル姉の腰が刺激に合わせてがくがくと震える。  
 鼻声で喘ぎ声をあげながらも口に含んだ先っぽへの刺激の手を緩めない。  
 うわ……やべ、メチャクチャ気持ちいい。  
 
 さらなる刺激を加えるために、俺はハル姉の割れ目を指で押し開いて舌を割り込ませた。  
 そして指も使って刺激し、深い部分まで舐め上げる。  
 
「ふんっ、うううん……ううっ、うん!」  
 
 ハル姉も負けじと尖端を舌で刺激しつつ、胴の部分を指でしごいてくる。  
 なんだか妙な意地の張り合いになってきた。  
 ……やばい、大分こみ上げてきてる。  
 
「はっ、ハル姉……くちっ、口離して、で、出そう。」  
 
 ハル姉はなぜかイヤイヤと首を振って、そのまま吸い付いて離れようとしない。  
 ……あ、やべ、もう出るっ!  
 
 強い射精感で背中がざわり、と快感が登ってくる。  
 そして次の瞬間、下腹の奥底が痙攣してハル姉の口内へと精液を勢い良く放出した。  
 頭が真っ白になるのと同時に、抱え込んでいたハル姉の腰がガクガクと震えて、腹筋がぴくぴくと  
緊張するのが見えた。  
 
「ふむっ、ふっ、ううっ。」  
 
 ハル姉が達するのに合わせて鼻にかかった呻きが聞こえる。  
 射精感が収まってから、脱力感を感じながら股間の方を見下ろした。  
 ハル姉も達したようで、ぼうっとした顔でまだ俺のを銜えていた。  
 ややあって、先っぽが少し吸われる感覚があって、その後ハル姉が口を離した。  
 
「う……んくっ……変な味。」  
「の、飲んだの?」  
「だって、アキ君のだもん。好きな人のなら平気だよ。」  
 
 うわ、そんなこと言いながら笑ってみせるなんて……反則だろ。  
 
「ハル姉、可愛すぎ。」  
「何? アキ君? えっ!?」  
 
 早く、ハル姉を俺だけの物にしたい。  
 素早く体勢を入れ替えながらハル姉の脚の間に体を滑り込ませて……気がついた。  
 
「あ、コンドームとか用意してない……」  
「……そのまま、無しでいい。」  
「えっ、でも……」  
「たぶん大丈夫……だと思う。」  
「本当かよ……」  
「だって、最初は中に欲しいから。」  
「ハル姉……」  
「それに、アキ君はもう私から逃げないよね?」  
 
 ハル姉は、じっと俺を見ていた。  
 そのどこか試すようなような眼差しに俺は少し躊躇して、それから改めて先っぽをハル姉の  
膣口にあてがった。  
 さっき放出したばかりだというのに、俺のペニスはもう硬さを取り戻していた。  
 
「じゃ、そのまましちゃうぞ。」  
「うん……あたしを、アキくんの物に、して。」  
 
 この間のように失敗しないよう、手で支えながらおっかなびっくり、腰を突き出す。  
 ハル姉の膣口は一瞬俺のペニスの太さを拒絶して耐えた。  
 だけど次の瞬間、粘液でヌメっていた膣口につるりと尖端が潜り込む。  
 
「ひっ、」  
「は、ハル姉、大丈夫か!?」  
「だ、大丈夫だけど……痛いの……」  
 
 ハル姉の目から涙がボロボロとこぼれた。  
 
「泣くほど痛いなら一度抜いて、」  
「抜いちゃダメ……」  
 
 俺が腰を引こうとしたら、ハル姉は足で俺の腰を押さえ込んだ。  
 
「い、痛い方が、思い出になるから、いいのっ。」  
「そ、そうなの?」  
「だから、全部入れて。まだ先っぽだけなんでしょ。」  
 
 ハル姉が俺とつながっている部分を見て確かめると、挿入の続きを要求してきた。  
 確かに、ハル姉の中に1/3ほど入っただけで、胴の部分はまだまだ残っている。  
 
「じゃ、ゆっくり入れると辛いかもしれないから、一気に行くぞ。」  
「うん。」  
 
 ハル姉が頷くのを確認して、腰に力を込めた。  
 すでに一番太さのある先端部分は入っていたので一気にずるんと潜り込んで、一番奥に尖端が  
当たるのを感じた。  
 痛みのせいか、ハル姉の膣はただひたすらぎちぎちと俺を締め上げていたけど、俺はそれだけでも  
かなり気持ちが良い。  
 
「少し待って。少し慣らせば、平気になると思うから。」  
「うん。今のままでも、かなり気持ちいいし。」  
「ねえ……キスして。」  
「うん。」  
 
 俺たちはつながったまま、顔を寄せて唇を重ねた。  
 
「もっといっぱいして。これからずっとずっと、数えきれないくらいいっぱいキスして。」  
「わかってる。」  
「他の娘に浮気とか許さないからね。」  
「しないよ。」  
「ほ、本当に許さないん……んっ。」  
 
 最後まで言う前にもう一度唇を重ねてディープキス。  
 同時に形の良いボリュームのあるハル姉のおっぱいを揉みしだく。  
 指の沈み込む感触をたっぷりと楽しんだあとで、硬くコリコリとした乳首を親指でくりくりと  
弄んだ。  
 
「うんっ……あんまり弄っちゃダメだってば。」  
「だって、ハル姉が恥ずかしそうにしてる顔、スゴク可愛いから。」  
「ばか。今日のアキ君、意地悪。」  
 
 上目遣いで睨むハル姉が可愛くてまた唇を奪う。  
 
「ん……んあ……」  
「ハル姉、好きだ……」  
「アキ君……」  
 
 またハル姉の目から涙がこぼれた。  
 
「えっ? な、なんかマズイことした?」  
「違うよ。アキ君があたしを好きだって、初めて言ってくれたから。スゴク嬉しい。  
 もう、さっきから涙腺が緩みっぱなし。」  
 
 そう言って笑いながら、ハル姉の目からは涙がポロポロと零れた。  
 ……どうやら、飲み屋で言ったことは忘れられているらしい。  
 笑顔で涙を流すハル姉を見て、愛しさがこみ上げてまた唇を重ねる。  
 
「んっ……アキ君……もう、大丈夫だと思うから、動いて良いよ。その方が気持ちいいんでしょ?」  
 
 言われて俺は、ハル姉の締め付けが先程よりも緩んでいるのに気がついた。  
 代わりに中がヌルヌルと蠢いて、俺のモノを刺激し始めている。  
 ヤバイ、思いっきりハル姉の中をかき回したくてたまらない。  
 
「じゃ、動くけど……途中で歯止め効かなくなりそうなんだけど、大丈夫?」  
「うん……アキ君のしたいようにして。」  
 
 俺は上半身を少し起こすと、ハル姉の腰に手をかけて押さえ込んだ。  
 少し腰を引いて、ハル姉の中に挿入していたペニスを引きぬいてみる。  
 胴の部分がハル姉の膣からあふれた粘液と血で、かなりスプラッターな状態になっていた。  
 
「結構血が出てるけど、本当に痛く無い?」  
「ん? ちょっとジンジンするけど……もう痛みはそれほどでもないから気にしなくても良いよ。」  
「わかった。行くぞ。」  
 
 カリ首が見えるくらいまで引き抜いていたペニスを、また根元近くまで挿入する。  
 
「あん……」  
 
 ハル姉の口から嬌声が漏れた。  
 
 最初は乱暴にしないように、ゆっくり優しく、と思っていたのに、繰り返して行くうちに快感で  
思考が塗りつぶされた。無意識に、乱暴にハル姉を突き上げてしまっていた。  
 
「うっ、ふっ、はっ、ふっ、」  
「あっ、あん、は、あん、はあっ、アキ君、はっ、はげしっ、」  
 
 俺が突き上げる度にハル姉が甘い声を漏らす。  
 一突きごとにハル姉は体をくねらせ、突き上げに合わせてボリュームのあるおっぱいがゆさゆさと  
揺れる。それを見て俺の興奮はさらに高まり、さらに力強く、何度も突き上げる。  
 
「あっ、あんまり、奥っ、突かないで。なんか、変なの、奥っ、ジンジンするの!」  
「無理だよっ、ハル姉の中、気持ち良いんだ。」  
 
 ハル姉の最奥の部分にペニスの尖端があたるとそれに呼応してきゅっと膣が締まる感触に  
俺は夢中になった。  
 乱暴に腰を打ち付け、ハル姉と俺の呼吸音と肉がぶつかり合う音で部屋の中が満たされる。  
 
 でもそんな状態も長くは続かない。  
 限界は突然やってきた。  
 
「うっ、イキそう。出そう。」  
「出してっ、あたしの中に、全部、全部、ちょうだいっ。」  
「ハル姉、ハル姉っ。」  
「うんっ、あん、はん、あっ、」  
 
 ペニスの根元が痛くなるような強烈な射精感がこみ上げてきて、俺はペニスの根元までハル姉の  
中に突き入れた。  
 尖端が奥の壁に触れる感触を感じながら、俺は最後の枷を解き放った。  
 精液が尿道を駆け上り、勢い良く射精する快感で頭がくらくらする。  
 少し遅れて、ハル姉の体がブルブルと痙攣して俺のペニスをぐいぐいと締め上げた。  
 
「あっ、はっ、はっ、はぁ……」  
 
 長い絶頂感に酔った後、襲ってくる脱力感に負けてハル姉にのしかからないように両腕で体を  
支えた。見下ろすとハル姉もぐったりとしていて、ぼうっと放心した表情で俺を見上げている。  
 放心して薄く開いたままのハル姉の唇に、俺は自分の唇を重ねて貪った。  
 
「んっ、んっ……はぁっ、アキくぅん……好き……」  
 
                   ◇  
 
 顔にあたる陽の光のまぶしさで俺は目を覚ました。  
 
 目を覚ますと見慣れない天井で、自分の体に抱きつく暖かな体温を感じた。  
 目をやると俺の腕枕でハル姉が眠っていて、俺の体に腕を回して抱き枕のように抱きついて  
いたのを見て、昨夜の記憶が蘇った。  
 
 
 
 あの後、火の付いた俺たちはそれこそ精魂尽き果てるまでセックスをして、そして力尽きて  
眠りに付いたのだった。  
 
「腹減ったな……」  
 
 よくよく考えれば昨日夕方にここに来てからハル姉も俺も夕食もとらずにひたすら貪りあって  
いた訳で、おまけに窓から見える日の高さを見るに、朝にしては遅い時間なんだろうと思う。  
 
「……ご飯たべよっか。」  
「あ、ハル姉。起きたんだ。」  
「んー、体いたぁい……」  
 
 ハル姉が上半身を起こしてうーんと背筋を伸ばすと、パキポキと体中の関節が鳴った。  
 その後でイテテ、と言いながら腰をさする。  
 当然ながら、その間ハル姉は裸なわけで、その光景は昨日あれだけ絞り出したというのに  
下半身にズシンと来る物があった。  
 
「アキ君は体痛く無いの?」  
「ん〜、特には。」  
「うう、やっぱり年の差なのかなぁ……」  
 
 ハル姉はボヤきながら床に落ちていたバスタオルを拾い上げると体に巻いて立ち上がった。  
 ……裾がきわどくて色々見えるんですけど。  
 
「アキ君、目がエッチ。」  
「……気のせいだよ。」  
「ふーん、まあ良いけど。じゃ、先にシャワー浴びるから。アキ君はその後でね。」  
 
 そう言って、ハル姉は部屋を出て行った。  
 後にはベッドの上に俺ひとり。  
 昨日、あんなことがあった割にはあまりに普通でそっけない受け答えだった気がする。  
 まあ、裸で会話とか、前は考えられなかったことだけど。  
 
 少しの間そんな益体もない事を考えつつ、ゴロゴロとしてからベッドを出た。  
 ハル姉がバスルームから出る音が聞こえたからだ。  
 
 服は昨日バスルームで脱いでそのままなので、床の上に落ちていたバスタオルを腰に巻いた  
格好でバスルームへと向かった。  
 
 まだ湿気とハル姉の残り香の残るバスルームに入って温めのシャワーを浴びてスッキリする。  
 すっきりしたところで服を着てリビングに向かうと、部屋の中にはいい匂いが漂っていた。  
 
「あ、テーブルで待ってて。」  
 
 キッチンではハル姉がなにやら腕を振るっているようで、俺は言われた通りテーブルについて  
待つことにした。  
 
「はい、おまたせ〜」  
 
 ハル姉が俺の前に置いた皿には生野菜とトーストが添えられた黄色いオムレツが載っていた。  
 いつも俺が作っているやつとまるっきり同じ。  
 
「二人で朝ごはんって、夢だったのよね。」  
「いつもは俺に作らせてるじゃん。」  
「んー、自分で作るのは二人で食べるときって決めてたから。」  
 
 そう言えばいつも俺は家で朝飯を食ってから来ていたから、いつも俺が作ってハル姉が一人で  
食べるのを見ていただけだった。  
 
「いつかこういう関係になれたらいいなーと思って、ちょっと願掛けしてたんだ。  
 はい、コーヒー。」  
 
 差し出されたコーヒーカップを受け取ると、ハル姉も向かいの席に付いた。  
 そしてハル姉は自分の皿のオムレツをフォークで少し切り取って、それを俺の前に差し出した。  
 
「はい、あーん。」  
「……自分で食えるよ。」  
「えーっ、可愛い彼女のあーんが気に入らないの?」  
「こっぱずかしいって。」  
「ここにはあたしたち以外だれもいないんだから良いでしょ。はい、あーん。」  
 
 ニコニコとオムレツを差し出すハル姉の圧力に負けて、俺は口を開けた。  
 そのままぱくりとオムレツに食いつく。  
 
「甘い……」  
「当然。あたしのあまーい愛情がたっぷりこもってるんだから。」  
 
 そう言って笑うハル姉の笑顔は晴れやかで、悪戯っ子のようで、そして今までで最高の笑顔だった。  
 
 

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