……それは地球によく似た、魔がほんの少し共存する星での出来事。  
 
 
その村には鎮守の神がおわしました。  
神様は清いものと穢れた者を見分ける力を持っていて、穢れた者を地獄に堕としました。  
 
 
 
「はい、今年16になる者は並んで」  
成人の儀式が始まる。  
清らかな者だけが大人として認められ、穢れた者はそれは恐ろしい地獄に堕とされる  
その儀式は、子供が寝静まった真夜中、里山の中腹にある本殿で行われる。  
今年16歳になる娘達は、裸になって、神の選別を受けるのだ。  
 
「ちょっと怖いな」  
ランタンの灯に照らされた狭い社務所で、まだ子供と大人の端境期の裸の娘達が  
身を寄せ合い、かしましく雑談を交わしている。  
楽しいのではない。  
一体何が神の裁きの基準か解らぬ不安、疑心暗鬼を打ち消そうとしているのだ。  
「あたしは悪いことなんか何もしてないわ」  
そんな中、腰まで伸びた金の髪をかきあげ、皆より一際豊かな胸を張ってカレンは言い放った。  
カレンは勝ち気な娘だった。  
大柄でスタイルもよく、頭もいい。  
カレンは少女達の憧れであり、リーダー役でもあった。  
「カレンは怖くないの?」  
「そんなもの、怖いと思うから怖くなるのよ」  
 
儀式が始まった。  
目隠しをした村長が、穢れた者が出ないことを祈ります、と言葉少なに挨拶をし、  
社殿の中に奉られた本尊、小さな社が恭しく運び出されてきた。  
この中におわす神が選別をするのだという。  
中にはショックで倒れる者もいる、ということで、社務所に仕える  
教母と巫女達が救護のために傍らに侍っている。  
神聖な籤引きで1をひいた娘が社の前に立った。  
緊張に硬く目を閉じ、身体を強張らせて、直立不動の姿勢をとる。  
階をはいずり下りる神の姿にカレンは目を丸くした。  
なに……あれ……  
神の姿の意外さに、不安げな表情で娘がこちらを振り返っているのも気付けなかった。  
あれは………ペニス……?  
それはまさに魔羅とよぶに相応しい堂々とグロテスクな巨根だった。  
社を殻に見立てた蝸牛とでもいおうか。  
扉からにゅうと首を突き出し、社の前でガタガタ震えて立ちすくむ娘の頬、うなじ、乳房と体中を嗅いでなめ回している。  
 
まさか穢れって……。  
青ざめるのがわかった。  
それでも雌の本能が疼き、生唾を飲みこんでいた。  
カレンはとっくに処女を捨てていたからだ。  
 
時々、森の小路で行き会う行商が相手だった。  
男は言葉巧みにカレンの服と羞恥を剥ぎ取り、女の悦びを教え込んだ。  
今日の昼間も落ち合って、口で育てた陰茎を自分から咥え込むという  
場末の娼婦でもやらないような恥知らずな行為を愉しんだばかりだった。  
 
最初の娘の脚の付け根を神が開いた。  
「ふ……うひ……」  
拒む事も出来ぬまま、異形に大事な場所を見聞される娘。  
淡い茂みに神が吸い付いた。  
娘の身体がびくりと強張った。  
目尻がわなわな震えて、喉を引き攣らせ、うめき声をあげる。  
「いあ……あ……」  
何かを堪えるように五指が宙を掻く。  
裁きを待つ少女達がどよめく中、カレンだけは娘が何をされたのか悟った。  
あのペニスに犯されたんだ……。  
神に純潔を捧げる、それが裁きの正体なんだ。  
じゃああたしは……。  
神が娘から離れた。  
腿に一筋鮮血を垂らした娘がくず折れる。  
「わた、わた……」  
焦点のあわぬ目で虚空を見つめる娘に、教母と巫女が駆け寄り  
「よく頑張ったわね」と励まし、白いシーツで包んで社務所に連れていく。  
それからも二人、三人と鮮血を散らし、痛みと恐怖にブルブル震え、  
顔をくしゃくしゃにして泣いて社務所に向かっていった。  
「カレン、貴女の番よ」  
司祭がカレンを手招きする。  
少し厚めの、形のいい唇を噛み締め、拳をギュッと握る。  
負けない、あたしは悪いことなんかしてない。  
化け物なんかのいいなりなんて、まっぴらゴメンよ。  
カレンは社の前で仁王立ちになった。  
扉が開いて、神が整った鼻梁に鈴口を近づけてきた。  
―――牡の臭いだ  
頭の中に直接響く声。  
―――牡の臭いがする  
社の扉から大量の細い触手が一斉に飛び出してきた。  
腕に、すらりとした脚に絡み付き、カレンの全身をまさぐり始める。  
――試そうぞ、主を試そうぞ  
行商の男に開発された敏感な乳首に吸い付かれる瞬間、カレンは見てしまった。  
触手の先端が小さな口状になっていて、小さな鋸のような歯と舌がついているのを。  
 
なにそれっ……!  
振りほどこうとしても手足を捕らえた戒めは緩まず、ちゅぱちゅぱと  
リズミカルに乳首を吸われ、舌で捏ねくりまわされ、甘噛みされる。  
「ふぅっ……ひっ…いっ……い、あ…あぁあんっ」  
堪えようとしても堪え切れず、甘い声をあげ、濡れた腰をくねらせてしまう。  
化け物に凌辱されているのにっ……悔しい!  
熱い息を吐き、苦し紛れに悪態をついた。  
「うう、いやあ……このっ…化け物チンポのくせにいいっ」  
―――わしがナニがわかっておるか、それこそ穢れている証よ、ほれ、ここがよいか  
滴る愛液で滑りのよくなった溝を擦られ、クリトリスが剥かれた。  
「やっ、やあっやめてえっ」  
花弁を触手の先端に食いつかれ、肉芽を突かれただけで身体に鋭い電流が走った。  
「うあっうあああ……っ」  
性器に与えられた刺激はカレンを高みに押し上げ、出口を求めて体内を疾駆する。  
抗うことが出来ぬ衝動に身をよじり、神に自ら乳房を  
差し出す屈辱的な恰好で果てるカレン。  
イカされた……こんな化け物に……っ。  
与えられた快楽の深さに溺れた事を恥じ、耳まで真っ赤にして悔し涙を零す。  
――まだまだこれからぞ  
絶頂の余韻にわななく緋裂を何かが圧した。  
いけないっ。  
ズルリ。  
避けるより早く、数多の純潔の証を啜ってきた凶々しい  
逸物がカレンの膣を押し開き入り込んだ。  
「ひいぃっ」  
太い……っ!  
それだけでまた達するカレン。  
最奥を人間のモノでは不可能な動きでぐりぐりと小突かれ、また絶頂に放り投げられる。  
やぁっ、そんなゴンゴンしたら何も考えられなくなっちゃうっ、だめ、  
流されちゃラメよカリェンあらひわっやあひょこ違うぅ……  
そ、そこ……っき…ひっ……い…ぃくいくいくうううううぅぅぅぅ  
白いのくるううぅうううっっ!  
「ああああああああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙」  
……カレンが覚えているのはそこまでだった  
 
気が付くと、ボロボロの物置小屋に横たわっていた。  
明かり取りの窓から差し込む光は薄暗く、中を確認する事も難しい。  
ここは……。  
儀式はどうなったの?あたしどうなっちゃったの?  
「地獄にようこそ、お嬢ちゃん」  
暗闇から声がした。  
「今年のは上玉だぇ」  
「何日持つかな」  
誰かがカレンの腿に触れる。  
カレンは恐怖に凍り付いた。  
質感はあるのに、熱を感じるのに、確かに触れられているのに、そこには実体はなく。  
「あんたたちなんなのぉっ」  
泣き叫ぶカレンの鼻先で誰かがゲラゲラ笑った。  
「何って、淫魔さね」  
「昔、村で悪さをして閉じ込められてるんだ」  
「でもオイラ達人間の女とやらなきゃ死んじまう」  
「だから退魔と称して村に棲みついた慈悲深い色神さま、もとい鎮守様が年に一度  
いけにえを寄越すんだ……子供のうちに助平の味を覚えたいけない女の子をね」  
「馬鹿だねぇ、儀式まで我慢すりゃ死ぬまで俺らに犯されずにすんだのに」  
そんな……あたし死ぬまでここで淫魔に犯され続けるの?  
そんなの嘘でしょ?なんかの冗談でしょ?  
絶句するカレンの乳房がひしゃげ、緋裂が見えぬ手にめくられる。  
「さあ愉しもうか、死ぬまで不眠不休のセックス三昧を」  
「いやああああぁぁぁぁぁぁっ」  
 
 
 
村には鎮守の神がおわしました。  
神様は乙女とそうでない者を見分ける力を持っていて、  
処女を捨てた娘を地獄に堕としました。  
封じられた淫魔の元………無限色地獄に。  
 
 
 
終  
 

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