陸上の大半が触手の海に飲み込まれてしまった、とある世界のとある村。
その村の外れに存在する広場の中央では、天を焦がすほどの大きな炎がごうごうと燃え上がっていた。
猛る炎を囲むのは、いずれも10歳程度の少女が十数名。
それはこの世界では恒例になった、冬の終わりの風物詩だった。
触手狩り、それは春の訪れを前に芽吹いた触手を一掃するための一大イベントだ。
参加できるのは8歳以上でかつ初潮前の少女のみ。
掛け値なしに村の存亡をかけたその仕事をまだ若い、というより幼いと表現すべき少女のみに任せるのには無論理由がある。
それは触手の放つ淫気のせいだった。
長時間淫気を浴び続ければ男は触手に同化され、女は精神を侵され色情狂と化してしまう。
それ故、まだしも影響を受けにくい初潮前の少女のみが触手狩りの大任を任されるのだった。
燃え上がる炎から万一触手の欠片だけでも舞い上がり、再び根付けば夏を待たずに村は滅ぶ。
そのため全員で炎を囲み監視しているわけなのだが、にもかかわらず彼女達の表情は到底緊迫したそれとは言い難かった。
頬を紅潮させ、生唾を飲み込むようにせわしなく喉を上下させて炎を見守る少女達。
それは目の前の炎から来る熱によるものだけではなかった。
その証拠に、口元からは悩ましげな吐息が零れ落ち、皆一様に内股を擦り合わせている。
うっとりと蕩けた顔は年にそぐわない扇情的なものだった。
成人に比べれば影響は少ないとはいえ、それでも女である以上淫気の影響は皆無とはいかないのだ。
しかも生存本能によるものなのか、触手は燃やされると放つ淫気が一層強くなる傾向がある。
早朝から何時間もかけて村中の触手を探し回り、いわば遠火でじりじりとあぶられ続けた幼い性感がここに来て一気に開花しようとしていた。
いつしか半ば無意識のうちに何人かが自らの股間に手を伸ばし、一心不乱に秘所をこね回し始める。
最初は止めようとしていた周囲の者たちも一際大きくなった彼女達の喘ぎと、今も浴びせかけられ続ける淫気にのまれて1人、また1人と陥落していく。
と、その時だった。
ボン、というくぐもった破裂音と共に炎の一部が膨れ上がり赤い火の粉が舞い上がる。
瞬間、一際強く吹き付けた淫気に、数人が一気に絶頂へと打ち上げられた。
ビクビクと全身を震わせ、大きく開いた口からは盛大な喘ぎとよだれをこぼしながらへたり込んでいく少女達。
異常なまでに分泌された愛液と、たまらず漏らした小水で地面に水溜りを作る彼女達を、かろうじて踏みとどまった者達が助け起こそうとする。
だが、ボンボンボンと立て続けに鳴った3度の破裂音がそれを許さなかった。
悲鳴とも嬌声ともつかない大合唱と共に、1人残らず法悦に導かれてしまう幼い少女達。
そうなってしまえば、もう終わりだった。
あとは炎が燃え尽きるまで、まるで打ち上げられた魚のように未成熟な肢体を地に投げ出し繰り返し押し寄せる絶頂の波に翻弄される続けるしかない。
そしてようやく炎が消えわずかに理性を取り戻した後も、今度は禊ぎ場と呼ばれる建物に3日3晩篭り完全に淫気を抜くための大乱交へと突入するのだが、それはまた、別の話である。