その街では最近奇怪な事件が頻発していた。  
「連続少女失踪事件」  
この言葉一つで片付けるには奇怪な事件。  
 
初めは街の門のそばのパン屋の娘だった。  
年の頃は10代半ば。  
数年前まで看板娘というよりは店のマスコットのような存在で、  
近所の人々皆にかわいがられていた少女。  
思春期をむかえ体に女性的な特徴が色濃く出始めたその少女が突然姿を消したのは  
ある暑い夏の日だった。  
大きな事件などめったに無い平和な街で起きた不可解な事件。  
街の中はもちろん子どもたちは入ることが許されていない門外の森も捜索された。  
川に流された可能性が疑われた。  
街の中心を流れる川を隅から隅まで探しても見つからなかった。  
山で滑落した可能性は?  
否定された。山に行くには森を越えねばならない。大人でも数日かかる。  
捜索には街の大人たち50人以上が動員された。  
手がかりは見つからなかった。  
 
誰かに誘拐、監禁、あるいは殺害された可能性。  
それが残された最も、そして信じたくない可能性だった。  
パン屋の夫婦は一人娘を失った悲しみにくれた。  
 
人々が絶望に打ちひしがれようとしていた時、少女は帰ってきた。  
服装はいつもの普段着のまま、汚れてもいなかった。  
体にはどこも怪我が無かった。また空腹でもなかった。  
しかし失踪していた間のことは何一つ覚えていなかった。  
気づいたら家に帰ってきていたのだという。  
記憶喪失以外は何も変わったところは無かった。  
無いように見えた。  
 
二人目は少女の母親、パン屋の妻だった。  
早朝、隣に寝ているはずの妻の姿が見えないことに主人は得体の知れない不安感に襲われた。  
不安は的中した。  
少女が帰ってきて三日目のことだった。  
再び捜索隊が組まれ、少女の時と同じように街の中、外あらゆる場所を探した。  
結果も少女の時と同じだった。  
彼女は見つからず、やはり突然帰ってきた。  
そしてやはり記憶が無い以外はそれまで通りだった。  
それまで通りに見えた。  
 
それからは歯止めがなくなった。  
一人で花屋を営む一人暮らしの女性。木こりの妻。  
街の中心のレストランの双子の姉妹は同時に消えた。  
学校ではパン屋の娘と同じクラスの教師が消え、  
次に生徒が一人ずつ三日連続で消えた。  
そして全員がしばらくすると戻ってきた。  
町の役場では対策会議が毎日のように開かれた。  
対策は見つからなかった。家に閉じこもっても学校を閉鎖しても無駄だった。  
そうこうしている内に書記の女性も消えた。  
その姉も。その友人も。その娘も。その同級生も。その母親も消えた。  
あと一週間もすれば暑さも過ぎるだろうという頃、パン屋の娘がまた消えた。  
もうすぐ収穫の時期だった。  
 
ぐじゅり…  
娘が目を覚ますと全身がとても心地良いことに気がついた。  
腕は動かせなかった。脚も動かせなかった。声も出せなかった。  
朦朧とした視界の中、見ることだけができた。  
視線を上に向けると何かに包まれた自分の腕が見えた。  
視線を下に向けると何かに包まれた自分の脚が見えた。  
いや、それよりももっと手前に何かあった。  
自分の口に何か長いものが入り込んでいた。  
ぶちゅり  
口を動かすとその何かからとても甘い液体がしみだした。  
(おいし…)  
少し粘つくその液体をコクリと飲み込むと心地よさが一段と増した。  
手を包んでいるのはナマコを巨大にしたような触手だった。  
脚を包んでいるのも触手だった。  
かすかに蠕動するそれはしびれるような快感を娘に与えていた。  
(気持ちいい…)  
娘の胸にはなにもとりついてはいなかったが、  
乳首はこれ以上ないというほど尖りきっていた。  
(あっ、もっと…おっぱいも…)  
そんなことを少女が考えたとき、ごぽっと音を立てて口から触手が抜けた。  
「ぷはっ!はぁ…はぁ…あん…あっ、おねがい…お、おっぱい…も、ちっちくびも、いじってぇ…」  
娘はなぜか触手に話しかけていた。  
自分でもなぜそんなことをしたのか分からなかったが、桃色に塗りつぶされた頭には欲望しか無かった。  
シュルシュルと音を立てて複数の触手が伸びてくると、娘の希望通り胸を弄りだした。  
まずロープのような触手が∞を描くように胸に巻き付き、きゅっと絞り上げる。  
戻ってきてからなぜか急に膨らみだした少女の胸は触手に締め上げられたことによりさらに二回りほど大きくなった。  
「ああっ!もっ、もっとおっ!いじめてぇ!!」  
 
そそり立った乳首を舌のような触手がチロチロと舐める。  
乳首に粘液がまぶされ、ヌルヌルとした感触が娘の乳首に襲いかかる。  
「はああぁんっ!それっ!そっそれいいっ!ああん!」  
背中を思い切りそらせ、胸を突き出して娘が快感を貪る。  
両胸に巻き付いた触手は断続的に締め上げたり緩ませたりを繰り返し、  
そのたびに少女の胸は赤みを増す。  
充血した胸の先端にはピンク色の乳首。  
粘液に包まれ舌で弾かれるそれは凄まじい快感を少女の脳に送り込む。  
娘の口からは涎が垂れ、股間は透明な粘液でびしょびしょになっていた。  
締め上げと乳首を舐める速度が次第に早くなってくると、快感は加速度的に増していった。  
「あっ!あんっ!!いいっ!きもちいいいぃっ!はぁん!…んっ!んんんんんんっ!!」  
絶頂。  
触手に包まれた両手、両足にぎゅっと力が入った。  
背骨が折れそうなくらい上体を反らせ、股間からはぴしゅっと潮を噴いた。  
頭は真っ白になり、ぎゅっと閉じた瞼の裏では目がぴくぴくと動いた。  
娘はそれが10分は続いたように思えたが、実際には数秒だった。  
「…っ!…っはぁっ…はぁっ…はぁ……はぁ……ああんッ!?」  
ちゅるっ!  
先程まで舌に舐めしゃぶられていた乳首が生暖かい感触に包まれた。  
口、いや吸盤のような触手が娘の乳首に吸いついている。  
「ま、まっ、はぅっ!」  
娘が止めるまもなく触手が乳首を吸い上げる。  
吸盤状の触手の内側にはモウセンゴケのような細かな触手が無数に生えており、  
それが娘の乳首を一斉にしごきあげた。  
「はああああああぁぁん!!」  
絶頂したばかりにも関わらず、娘は再び快感に包まれた。  
両胸に巻き付いた触手も再び動き始める。  
今度は締め上げるのではなく胸全体をしごくように、  
先端に向かってゆっくりとその半径を狭めていく。  
まるで何かを搾り出そうとするように。  
 
「あんっ!ああっ!?おっ、おっぱいが、ああん!なっ、なにか…」  
娘は胸を登ってくる未知の感覚に戸惑う。それが快感であることにも。  
ちゅうぅっ!ちゅばっ!ちゅうっ!!  
「あんっ!だっだめっ!あんっ!すわないでぇ…!なにかが…はぁん!でちゃうよぉ…」  
触手には娘の願いは通じない。それどころか吸盤はより強く吸付き、触手は胸をしごく速度を上げる。  
「ももう…だ、だめぇ…くっ、くるっ!くるのぉ!!あああん!!」  
ちゅううううっ!…ぱっ  
吸盤が絶妙なタイミングで乳首を開放し、それにあわせて触手が思い切り両胸を締め上げた。  
「っ!!…あああああああああああああっっ!!」  
ぴゅるっ!ぴゅるるっ!  
絶頂を迎えた瞬間、娘の乳首から母乳がほとばしった。  
吸盤から開放された余韻で揺れる乳首からの射乳は娘を取り囲む触手群を白く染め上げる。  
母乳をかけられた触手はまるで踊るかのようにゆらゆらと揺らめく。  
娘はというと母乳が乳首を内部からすりあげる快感に前回を超える絶頂を迎えていた。  
 
絶頂を迎えながら娘は思った。変えられていたんだ、と。  
戻ってきてから変わったのは胸の大きさだけでは無かった。  
胸の感度がまるで性器になったかのように敏感になっていた。  
娘は戻ってきたその日の夜から毎日自分の胸で自慰をしていた。  
乳房をぎゅっと握り締めるだけで快感が走った。  
乳首をつまんで扱けば声が出そうなくらいの刺激を生んだ。  
何食わぬ顔で店の手伝いをしていたが、エプロンの下ではいつも乳首を尖らせていた。  
二時間に一回はトイレに駆け込んで乳房を揉み、乳首をしごいた。服をはだけるのももどかしかった。  
タオルを思い切り噛んで声を殺しながら自慰をした。下着は替えが足りなくなるほどだった。  
自分はおかしくなったと思った。でも誰にも言えなかった。言えないようにされていたんだろう。  
そしてやめられなかった。快感の虜になっていた。それなしでは生きられないほどに。  
たぶん母親も同じだっただろう。先生も。友達も。消えて戻ってきた女性は皆変えられていたんだ。  
ここでこうして母乳を搾られるために。  
 
そして少女は思い出した。  
 
いつの間にか乳首にはまたあの吸盤が吸いついていた。  
母乳の出は先程よりは弱まっていた。  
「あん、ねぇ、あれ…ちょうだい…そしたらまた…はぅ……おっぱいでるとおもうから…」  
娘は触手が言葉を解することを知っていた。  
そして触手ができることも。  
娘の顔の前に、最初に口に入っていた触手が現れた。娘は躊躇なくそれをくわえ込む。  
「あむっ!…はっ…むぐっ」  
最初の時とは違い娘は触手を貪るようにくわえ、舐め、しゃぶった。  
いや、正確には「二回目」ではなかった。  
少女はもう数えきれないほどその触手にしゃぶりついたことがあった。  
「っ!…んぐっ、ぐっ、んぐっ!」  
触手からはあの甘い液体が溢れでていた。娘はそれをごくごくと喉を鳴らして飲み干していく。  
液体が喉を通り抜ける度に娘の快感はさらに増した。  
娘はその液体が快感を高め、空腹を満たし、体力も回復させることを知っていた。  
母乳の出も先程より強まった。乳管からの快感も液体と増えた母乳の相乗効果で更に増した。  
股間にはイソギンチャクのような触手が蠢いていた。  
スパゲティほどの太さの触手の群れが娘の股間を犯し尽くしていた。  
細い触手は処女膜を傷つけないまま膣内を埋め尽くした。  
戻ってきた時、もちろん強姦の可能性も考えられたが、人外に犯されていた事までは分からなかった。  
いつの間にか両手を開放された娘は、背中を触手に預けながら自分の乳房を揉み、あるいはあぶれた触手をしごいた。  
「きもちいい…きもちいいよぉ…ああん…」  
娘にはもはや快感しか無かった。  
 

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