「ん……んっ、くっ…あぁ」  
 
 
クチュクチュと指が水音を生む  
ぬるりと滑り良く膨らんだ其処の表面を指の腹が撫でてゆく度、身体がビクリと硬直して震える  
 
 
「おに……ぃ、ちゃん、んんっ」  
 
 
彼女の此処を、おにいちゃんは同じように撫でるんだろうか?  
そんな想像をしただけで、身体の奥がキュッと収縮する  
 
 
「おにい、ちゃん……おにいちゃ、千佳のも……千佳の此処もさ、わってぇ……」  
 
 
小さく呟いてみても、部屋を間に挟んだ兄の部屋には届きはしない  
切なさが惨めな快感を煽り、兄が触れているのだ──と、馬鹿な想像をするだけで  
動かす指がズルりと奥に入り込みそうな程に濡れていった  
 
 
「おにぃちゃん、す、きぃ、くっ、あぁ──」  
 
 
椅子に座り大きく足を広げたまま、机に膝を押し付けながら小刻みにクリトリスを擦り上げた  
足の爪先まで走る快感を追う様に、彼女との厭らしい声が耳に蘇る  
 
『も、っと……ぐちゅぐちゅって、してぇ……』  
 
覗く事は流石に出来なかった、兄の部屋  
 
『麻美は、ほんっとイヤらしいね』  
『好き……ぃ、だ、から、もっと、して、ぇ……』  
 
兄の声が嬉しそうに苦しそうに応えて、ベットの軋む音が廊下に響いていた  
 
 
下半身が熱く火照った  
自分の指で弄るだけでは足りないほどに  
 
 
「千佳も……おにぃちゃん、千佳も、ぐちゅぐちゅして……此処いっぱい触って!」  
 
──千佳はイヤらしいねぇ? 此処がいいの?  
 
 
そう自分に微笑む兄の顔が頭に浮かんだ瞬間、大きく背中が仰け反り  
強い快楽の波が身体を飲み込んだ  
 
 
初めて──その声に気が付いたのは、自分の部屋に向かう途中だった  
息苦しそうなくぐもった声と楽しそうに笑う声、階段を上るにつれハッキリと聞こえてきた  
 
 
「……妹さん、そろそろ帰ってくるんじゃないの?」  
「んー、もう少し遅いからダイジョーブ」  
「や……でもっ、ん……っ、ああっ……」  
「それに帰って来たって、オマエが大きな声出さなきゃ平気だろ」  
「そ……んな、無理だか、んんっ、や、っ」  
 
 
小さい声だとしても聞こえる、ドアが僅かに開いたまま  
胸に湧き上がった苦い感情が部屋の前を通過する足音を大きくさせると  
 
途端に、ピタリと止まる声  
それを素早く確認して、部屋のドアを強めに閉めた  
 
 
 
 
 
数ヶ月前から、兄の彼女が家にくるようになった  
綺麗……まぁ綺麗だと言われる部類に属す人  
 
両親が留守がちだったからなのか  
ブラコンだと言われる程、おにーちゃん子な私に  
『すごく仲がいいんだってね? あたしとも仲良くしてね』  
なんって割り込んできたのが彼女だった  
 
何かにつけ、やってくる彼女が嫌いだ  
兄の隣に座り当たり前の顔で割り込む無神経さがイライラする  
 
私がおかしいのかもしれない  
おにーちゃんを好き──その気持ちが既に  
 
兄は私にやさしい、昔からずっと  
彼女の前でも変わらず接してくれる、でもそれは彼女に対しても同じ事  
 
 
優しく髪に触れる指、ふとした瞬間漂わせる睦事の香り  
 
想像だけなら我慢が出来た、仕方の無い事なのも判っているのに  
もはや女の嫉妬に変わった感情はどうにもならなかった  
 
自然と耳を澄ましてしまう  
 
聞こえる微かな物音の半分は、思い込みなのだと思う  
彼女の漏らす声など、聞きたくもないのに  
兄の手が、指が、そうさせているのだと思うと身体の奥が熱くなり  
指は無意識のまま太腿の隙間に伸びていった  
 
 
「くふっ、ん、はぁ……」  
 
 
情けない程に下着が濡れ、吸い込みきれず布の表面までヌルヌルとした蜜が染み出して指を汚す  
上下に擦り上げながら、上擦った声を抑えるように口元に掌を押し付ける  
 
こうやって後ろから兄に触れてもらえたら  
少し強引でもいい、耳元で自分の今の姿を言葉にされたら  
 
そんな倒錯じみた想像が瞼の裏に描かれると、もう我慢など出来なくなって──  
 
 
「ふあ……ぁ、ぅ……」  
 
 
人差し指が強い刺激を求めながら、ショーツの隙間に忍び込み  
泥濘のように蜜が留まった窪みを掻き混ぜてゆく  
 
二人の声を聞くために澄ました耳に流れ込むのは  
自分の秘部からのクチャクチャと溢れる水音だけになっていた  
 
 
──千佳は、此処が気持ちいいの?  
 
「う、ん……そこ、そこっ……おにぃちゃ……そこ、っ」  
 
 
兄の指に開かれてゆく淫らな妄想は、意識を現実と空想の狭間に追いやった  
ふらつく腰は崩れ、その場にペタリと座り込んだ途端、ハの字に崩れ大きく開かれるソコ  
這わせた指が、腫上がり僅かに飛び出た突起へと強く触れた  
 
 
「あ、あっ、ん……くぅぅ……ふ、ぁ」  
 
 
再び耳元に囁かれる兄の声  
 
 
──強くされるのが気持ちいいの?  
 
「すっ、ごい……きもっ、き、気持ちい……」  
 
 
──そう、じゃぁもっと擦ってあげる  
 
「っ! あ……あ、あ、んーっ、うぅ、ぅ……やっ、ら、め!」  
 
 
ぶるりと震える内腿、ショーツに差し込まれた指と手の平がテラテラと光る  
 
 
「おにぃ、ちゃ……ん、大好、き……」  
 
 
ふらふらと立ち上がり、下着の不快感を感じたのは  
身体の奥で繰り返し継続した痙攣が治まった頃  
 
 
「うわ、ベタベタ……お風呂入りたい……」  
 
 
自分のした行為への後ろめたさが、事に及んだこの部屋の居心地を悪くし  
ベタベタと張り付くような不快感に耐え切れず着替えを抱え部屋を後にした  
 
 
 
 
 
「千ぃー佳ちゃん」  
 
 
キッチンの横を通過して、バスルームに向かおうとした途中  
聞きたくも無い声に呼び止められた  
 
 
「……はい?」  
「ひっさしぶりだよね、こうやってちゃんと顔あわせるの」  
 
 
──合わせないようにしてたんだから当然でしょ  
 
 
そんな本音が口から飛び出そうになりながら、作り笑いを返す  
 
 
「最近、部活とか忙しいんですよ」  
「ふーん、そっか」  
「あの、おにーちゃんは……?」  
「ん? 今、寝てる寝てる。 グッタリと……」  
 
 
困った表情を浮かべ、かき上げる髪からほのかに兄と同じ香りが漂う  
カッと込み上げた感情が思わず口から飛び出した  
 
 
「麻美さん、意外と声……大きいんですね?」  
 
 
切り出した言葉に面食らったよう、彼女は目を大きく見開いた  
でも恥ずかしがる事もなく、クスクスと笑う  
 
 
「や……マジで? そんな大きかった? ごっめーん……」  
「麻美さん来てるって判ってる時は、おにーちゃんの部屋の前通るのにドキドキですよ」  
 
 
ただの嫌味の心算だった  
少し恥ずかしがればいい──そんな意地悪で言った心算が  
 
 
「いつも足音忍ばせて通ってたから、てっきり千佳ちゃんが聞きたいのかと思ってたんだけど?」  
 
 
恥ずかしくなったのは私の方だった  
全てを見透かされている気がして、言葉が継げない  
そんな私に彼女はニッと笑い  
 
 
「興味ある年頃だもんね? 恥ずかしい事じゃないし……って、今からお風呂?」  
「そうです、けど……」  
「そっか、じゃねー?」  
 
 
鼻歌交じりに階段を上がっていく足音  
心臓が握りつぶされる位の苦しさを我慢して脱衣場の鏡を見れば  
顔を真っ赤にした自分の顔が映っていた  
 
 
 
シャワーの熱さが、騒ぐ胸の内を落ち着かせていく  
 
どうしてあの女なんだろう……いや彼女が兄の隣に居なければ  
こんな感情を持つ程、酷い相手ではないと判ってはいる  
 
女同士にしか判らない  
さっき向けられた表情は、勝ち誇った者の顔だ  
 
噛み締めた唇が痛い  
好きな気持ちは、彼女のソレとなんら変わりはしない  
 
 
「私のほうが、こん、な……好きなのに……」  
 
 
そう呟いたと同時、浴室のドアが開いた  
 
 
「千ぃ佳ぁちゃん、アタシもシャワー使いたいんだけど……いい?」  
「はっ?! ちょ、まっ……、勝手に──」  
「おにぃちゃんに、ちゃーんと断ったわよ? そしたら入ってきていいって」  
「だからってっ!」  
「なんでー? 女同士だもん、いいじゃない、ね?」  
 
 
この人の神経を疑った、どこまで図々しいのか……  
こちらが呆然と見つめる目の前、彼女は私の手からシャワーを奪い我が物顔でお湯を浴びていく  
 
 
「千佳ちゃん、ちょっとそっち詰めて詰めて」  
 
 
此方の様子などお構い無しで浴槽に身体を沈めてくる彼女  
顔を見るのも嫌だという胸の内は、自然と彼女に対し背中を向ける結果になった  
 
 
「ねー千佳ちゃん、彼氏いないの?」  
「……なんでですか?」  
「なんで、って……気になったから聞いてみただけ。 好きな人とかはー?」  
「別に、居ないわけじゃ……」  
 
 
此方の返事など、まったく気にしていない様子が背後から伝わってくる  
 
 
──なにが哀しくて、この人とお風呂になんか……  
 
 
脳内一人ボヤいた所で、この状況はどうにも我慢できるものではない  
ぐるぐると巡るやり場の無い怒りも頂点に達しそうなところで、さっさと出てしまう事にした  
 
 
「じゃ私、先に出ま──っ?!」  
 
 
浴槽から出ようとする身体が、グイと引き戻された  
バシャンと肌を打つ水面の衝撃  
 
 
「なっ──」  
「ねぇ、千佳ちゃんさ……さっき、何してた?」  
「はい?!」  
「さっき帰ってきてから部屋でなにしてたのか……って聞いたの」  
 
 
振り返れないまま、もう一度聞き返した  
 
 
「な、なにが……ですか……?」  
「アタシ何度か聞いた事あるんだよねー」  
「な、に……」  
「おにぃちゃん、千佳にも触ってぇ……って、カッワイイ声」  
「…………」  
 
 
頭が真っ白になっていく  
 
 
「ねぇ、おにいちゃんが好きなの?」  
「ち、が……」  
「だから、聞き耳たてて一人でオナってたんだな? カワイイー」  
「ち、違う……してない!」  
「してないのか……でも、すっごい下着濡れてたわよ?」  
「!」  
「ねぇ……おにぃちゃんがするのと同じ事、アタシしてあげよっか?」  
「はっ──」  
 
 
背後から白い手が伸び、片方の胸を包み込んだ  
その感触に驚き後ろを振り返れば、目の前に彼女の笑う顔があった  
 
 
「自分で触っても、楽しくないでしょう?」  
「やめっ、離してっ!」  
「いいから、いいから、オネーサンに任せてみなさいって」  
「やだっ! 女同士、とか……ちょ、ヘンタイっ!」  
「そんな酷い事いわないのー! アタシがヘンタイなら、大好きなおにぃちゃんドヘンタイよ?」  
 
 
暴れる私の首筋に舌が這う、女同士という気持ちの悪さに  
嫌だ嫌だと、もがきながらもさっきの言葉が頭に浮かんだ  
 
『おにぃちゃんがするのと同じ事』  
 
その言葉が数回頭を巡ると、硬く強張らせた身体から力が抜けていった  
 
 
「お、観念したか。 イイコだねぇ、アタシそーゆー子、大好き」  
 
 
 
身体がビクりと痙攣する  
 
 
「あさっ、みさ……も、う……やっ、やめっ……お願、い、だからっ……」  
 
 
絡みつく彼女の足は、刺激から逃げようと足を閉じることを許さなかった  
後ろから下半身にまわされる腕が、両手の自由も奪う  
僅か身体を捻る抗いは、湯船のお湯をチャプチャプと揺らす程度にしかならず  
一点をグリグリと押し込まれる刺激は、いつの間にかゆるゆると指を滑らせるような刺激に変わっていった  
 
 
「凄いよね、お湯の中でもヌルッヌルとか……どんだけ濡れてんだか」  
「や、あっ、そん、な……ぬれ、てな……」  
「濡れてる濡れてるジューブン濡れてる、自分でわかる? すっごい此処膨れてんの、千佳ちゃんエッチー」  
 
 
軽く交わされる会話は彼女からの一方通行、指の動きが会話さえまともに出来ない刺激を与える  
細い二本の指が、膨らんでいると言われたソコを挟みながら小刻みに揺らした  
 
息が止まりそうだった、身体の奥がビクッと跳ね上がる感覚  
受け止めきれない刺激に腰が揺れ、痛みにも近い刺激から逃れようともがく  
 
 
「いやっ、うぁ、らめ! それ、だめっ! ひんじゃうっ!」  
「ダーメだって、さっきから腰がガツンガツン動いてて……アタシのアソコに当たってるっての、気持ちイイからいいけどね」  
「や、らメ!も、うほんと! うぁっ、イっ、ぅッ」  
「あれ……? まーたイった? もーこのっ、ス・ケ・ベ・さ・んっ」  
 
 

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