「ね、もしも、だけど……」
普段はクールな表情と態度で、同級生はおろか先生までたじろがせる妹の声に甘くとろ
ける成分を感じて、市ノ瀬ユキははっとする。
「な、なに?」
「ゆーたくん、が、ね……戻ってくる前に他の誰かに見つかっちゃったら……どうなる
のかな?って」
「ど、どうって……事情を説明するだけじゃないの?それで?」
「ユキちゃんったら……ぜんぜん分かってないね」茶道部室の畳に横座りの妹……市ノ
瀬アキ……ふんわりと微笑を浮かべて首を振る。ポニーテールのうなじがわずかに汗ばん
でいた。「いまのあたし『たち』、どんな格好なのか」
「で、でも、声出したらいいじゃない。も、もしもだよ、なにかされそうになったら」
双子のくせに妹よりたっぷり8センチは長身の彼女は妹の言葉を軽くいなし、しかし同時
に自身の両手首を拘束する手錠にちらりと視線を落とす。さらにきゅっと締まった足首に
もかかっているそれに。
「ここ、別棟にあるから……なにかあっても……誰も気づかないと思う」アキは背後を
振り返る。姉よりもワンサイズ以上の胸の膨らみがブレザーを窮屈に持ち上げて、ボタン
がいまにも外れそうだった。
「私も……ユキちゃんも……抵抗できない……よ」
彼女の背中に回った両手もまた、手錠で拘束されていた。
◆◆◆◆◆◆◆
マジックには仕掛けがある。
仕掛けがなければそれはマジックではない。
演劇部の友人が出演する学外公演のリハーサルをのぞきに行ったユキが芝居終了後に強
引に借りてきた手錠、それは見た目のごつさとうらはらにちょっとした操作で簡単にロッ
クを解除できるものだった。
劇中でヒロイン……「美少女怪盗」というなにやら怪しげな設定だった……にかけられ
たいくつもの手錠が彼女の一挙動によって鮮やかに地面へ転がるさまを目にしたアキは、
打ち上げの場でそのトリックを教えてもらうと大はしゃぎで芝居用の手錠を数個借りてき
たのだった。
そしてその「プリンセスてんこー」もびっくりな技をまず最初に披露したのが一卵性双
生児の妹で、巨乳で優等生で茶道部所属の市ノ瀬アキだった。
畳の上に投げ出されたいくつもの手錠に呆れる妹の目の前で、スポーツ万能な長身少女
は「華麗なる脱出劇」を見せつけた。
好奇心旺盛な妹が自身にそれを試すようになるまでほんの数分もかからなかった。
「すごい……これ、普通ならぜんぜん外れないのに、こう捻るだけで……どうなってる
んだろ……」
「でしょ、アキなら絶対こういうの好きだと思って見せに来たんだ」
すっかりコツを掴んだ妹に姉は得意顔だった。
さらに自身のすらりと伸びた脚に手錠をかけ、これも一瞬で解除するさまを妹に披露し
た。
「ユキちゃん、パンツ見えてる」妹の非難の言葉も視線もユキは気にする様子はない。
ぷっとふくれるアキ。
姉に負けじと妹は後ろ手にかけた手錠をこれまた一瞬で解錠してみせる。
だが、数分後にそれは起きた。
「ちょ、ちょっとコレ、外れなくない?!」
「うそ、うそうそうそ!ユキちゃん、これさっきと違う!」
二人の切羽詰まった声が茶道部の部室内に響いた。
そう、そうなのだ。
さっきまで簡単に外せたはずの手錠に双子姉妹は拘束されてしまったのだ。
姉のユキは両手だけでなく両脚首にも手錠がかかっていた。
妹のアキは後ろ手のまま動けなくなってしまった。
青ざめたユキが携帯をもぞもぞ取り出して事態の収拾を図る。
「そ、そうよ。悠太っ!キミはとにかく演劇部の部室に行って、戸棚の中から鍵を借り
て茶道部のところにくればいいの。だーっ!だってしょうがないじゃない!演劇部は打ち
上げの二次会に行っちゃって、もういないんだから。大丈夫!ちゃんとあのコたちに許可
とったから!ああもう電池切れちゃう!とにかく早く!大急ぎ!大至急で!」
ぶちっと電話を切る。大きく溜息をつく。
すらりとしたスタイルと、男子ともやり合える運動能力から女子生徒によるファンクラ
ブさえ存在するユキがけっして人前では見せない表情だった。
「ゆーたくん、来てくれるよね?」
不安げな妹に姉は断言する。
「来るに決まってるから。だって悠太だよ。あたしが呼んだんだから来るに決まってる
じゃない」
そう、そうなのだった。
手錠のロック機構を誤作動させると「本物の鍵」が必要なことを下校した友人に電話で
聞き出した市ノ瀬ユキは即座に星野悠太に電話をかけたのだった。
「お隣の年下の幼なじみ」である悠太に。
「ままごとの『旦那さま』」役を幼い頃になんどもやらせ、小学生の夏休みは妹ととも
につねに三人で過ごし、そのおかげで校内でもいまだに弟のように家来のように扱ってし
まい、その口調を態度をアキに本気で怒られる「どんなことでも頼める下級生」である悠
太に。
◆◆◆◆◆◆◆
……おそらく彼は大急ぎでこっちに向かっているはずだ。
電話をしたときには家にいたから、まずは学校に来なくちゃいけないし、そのあとは演
劇部の部室で鍵探しをしなくてはいけない。
彼がやってくるのはそのあとだ。
……だから、二人の拘束が解けるのは最短でも一時間はたっぷりかかる。
ふたりとも理解していた。
けれどもだんだん不安になってくるのだ。
そして、悪い考えが浮かんでくるのだ。
「ゆーたくん、が、ね……戻ってくる前に他の誰かに見つかっちゃったら……どうなる
のかな?」
さっきの不安をアキが再び口にする。
「笑われるよね、きっと」きっぱりとした口調のつもりがいつもと違って震えているこ
とをユキは自覚していた。
「い、いたずら、されちゃわないかな……だって、ときどき……ううん……いつも男子
ってアキを『そういう』目でみてるんだよ」
きっちり生真面目にボタンを締めたブレザー姿でも、清潔で健康的なトレーニングウェ
ア姿でも、男子生徒はおろか男性教員の視線を集めてしまう少女は泣き出しそうだった。
伊達眼鏡越しの冷ややかな表情で彼らの不埒な妄想を霧散させていた市ノ瀬アキはそこ
にはいなかった。
たわわで柔らかなふたつの果実が男性の欲望を妄想をかきたてる存在であることを、そ
れから身を守るための怜悧な態度も彼らにとっては欲望のスパイスになってしまうことを
十分理解している女子校生がそこにいた。
「だ、大丈夫だって。そんなこと、あり得ないって」
「ほんと?ほんとにそう思う?ユキちゃん?」くすりとアキは笑った。「茶道室って、
男子が結構のぞきに来るんだよ。『正座で挨拶してるおしりがえろい』んだって。ほんと
男子ったらいやらしいよね」
「そ、そんな、そんなのウソでしょ?」
「ウソじゃないもん、それにね、先生も見に来るの……もちろんオトコの」
何気ないふりをして現れる中年教師たちは少女たちの前でどっかとあぐらを組み、彼女
たちにセクハラまがいの台詞をねちねち浴びせつつ「お手前」を強制してお茶をすするの
だという。
「ちょ、ちょっとまずいよ。そんなのに見つかったら、見つかったら……」ユキは青ざ
めた。
「ユキちゃん、いつもは先生たちをイジめてるもんね。聞いててはらはらするくらい、
キツい言葉投げつけてるものね……ふふっ、先生たちからすると……チャンスだね」アキ
はうっとりと笑う。
「ば、ばかぁ、なに言ってるのよ!」ユキは無意識のうちに長身を縮める。
ユキは分かっていなかった。
体育座りのそのポーズでは、スポーツで鍛えられ、健康美にあふれた太腿をさらに強調
してしまっていることも、お洒落なショーツが完全に覗いてしまっているどころか、太腿
の付け根の「ふくらみ」まで露わにしていることも。
「そ、そんなこと、できるもんか。あいつらが、あのエロ教師たちがそんなコト、でき
るわけないじゃない……」
市ノ瀬ユキは思う。
……大丈夫。絶対大丈夫。
厳しい表情で睨みつけ、強い言葉をぶつけてやれば、彼らはいつも腰砕けになってしま
うのだから。
階段の下の方からあたしのスカートを見上げてにやにやするくらいしかできない卑怯者
(それもあたしに睨みつけられたらすぐに目を逸らしちゃうような臆病者!)が、実際に
行為に及ぶことなんてない。
う、動けなくっても大丈夫なんだから。
かんたんに、かんたんにふりほどけるにきまってる!
あ……でも……一人じゃなくって、二人なら?いや、三人だったら?
その可能性にたどり着いた瞬間、ユキは圧倒的なイメージに溺れてしまう。
ノックも無しに扉を開けた教師たち三人……体育の木下、化学の森、古典の林……は、
身動きできない市ノ瀬姉妹を発見すると一瞬驚いた表情を浮かべた。
けれどもそれはすぐに卑劣なにやにや笑いに変わる。
事情を説明して牽制しようという考えはまったく甘かった。
むしろ彼らはこれからしばらくのあいだ、抵抗できない美人双子姉妹を玩具にできるこ
とを知ってしまったのだから。
カチリ、と茶道部の扉に鍵がかけられた。小さく悲鳴を上げる姉妹。
彼らはまずアキが逃げ出せないように彼女の両脚首を拘束した。
乱暴に畳に横倒しにされた妹が悲痛な声を上げた。
けれども彼らの狙いは巨乳の妹ではなかった。
彼らが卑劣な悪戯の標的にしたのは美脚の美人女子校生だった。
すらりとしたスタイルと溌剌とした仕草で同性から圧倒的な人気を誇る少女だった。
異性の年長教師たちの密かな淫らな思念に敏感で、それを情け容赦なく指弾する生意気
な乙女、市ノ瀬ユキだった。
なんとかもがいて逃れようとする努力はまったく報われなかった。
立ち上がろうとする彼女はたちまちのうち囲まれ、軽く押されるだけでバランスを崩し
た。
不自由な脚でキックをお見舞いしようとしても、体育教師と化学教師に足首を掴まれて
畳に投げ出された。
這って逃げようとする。細い肩を古典の林が畳に押しつけた。
罵倒の言葉とともに必然的に突きだし暴れるう逆ハート型のヒップ、乱れる短い制服ス
カートの裾、そこから覗くすらりとした太腿。
そのすべてが彼女をとても魅力的な存在にしていることに市ノ瀬アキは気づかない。
体育の木下がにやりと笑う。
ユキの美尻に力任せに叩きつけられた掌の衝撃。悲鳴とともに動きを止める少女。
木下は容赦しない。
「やめろぉ!やめろッ!」
ふわふわしたショートカットを振り乱して彼女は叫ぶ。
ばーん!
「ばかぁッ!痛いじゃないかっ!こ、このバカ教師ッ!」
ばちーん!
「やめろぉ!やめてぇ!もうやだぁ!」
少女の装っているブラジャー……細めのブルー……のレース地がはっきり分かるほど、
ブラウスは彼女の全身から噴き出した汗で透けていた。
だが、体育教師は容赦しない。
さらにティーンズ少女のぷりぷりとしたお尻にスパンキングを施す。
十度目の「鉄槌」を下そうと手を振り上げたとき、彼女の全身から力が抜けた。
「ゆ、ゆるして……もう、ゆるして……おねがい……もう、もう……」
ぽろぽろと涙を流してユキは抵抗を放棄してしまった。
体育教師がにんまりと笑い、彼女のヒップを馴れ馴れしくもいやらしい手つきでスカー
トの上から撫で回す。
一瞬少女の全身がこわばった。けれどもユキの唇からは拒否の言葉も、罵倒の台詞も出
てこない。 その代わりに漏れ出たのは「ああ……」という切ない吐息。
畳の上でもがき、あがいていた紺のハイソックスに包まれたつま先も、ふるふる震えて
力なく投げ出されていた。
「やっと素直になれたね。市ノ瀬」
化学教師にショートカットを撫でられても、彼女はそれを拒絶できない。
「市ノ瀬はほんとにいいケツしてるなぁ。これはもう犯罪的だなぁ」
「いやいや、この太腿が素晴らしい。張りといい、手触りといい……」
「お願い……お願い……お願い……もうゆるして……」
「なにを言ってるんだい。ユキくん」化学教師が微笑する。「キミにはいまから補習を
受けてもらうよ。『尊敬すべき教師に対する振る舞い』について、身体で覚えて貰わなき
ゃ」
化学教師の指が市ノ瀬ユキの真っ白な内股をつつっっと撫で、そのまま膝裏をくすぐっ
た。紺のハイソックスに包まれたつま先がきゅっと縮まり、全身が弓なりになる。
「くすぐったがり屋だな。市ノ瀬は」体育教師は笑うとユキへの悪戯をさらにエスカレ
ートさせる。
少女は青いショーツとハイソックス、手枷、足枷しか身につけることを許されていなか
った。
部屋の片隅には制服スカートと引きちぎられたブラジャーが投げ出されていた。
白のブラウスはすっかり脱がされ、手枷とともに彼女の細い手首にまとわりついている
。
その姿でユキは教師たちの玩具になっていた。
畳の上で胡座をかいた体育教師の膝の上に長身をうつぶせにされて、素敵なヒップを悪
戯されていた。
すべすべしたブルーのショーツの手触りと、それを押し上げるむちむちの反発を楽しま
れていた。
無理矢理にTバックにされて覗く日焼けしたことのない真っ白な餅肌と、体育教師の「
躾」によって赤く腫れ上がった部分のコントラストを笑われ、つつっとその境界を指で撫
でられていた。
さらに卑猥に曲げた指で双つの丘の谷間をそろりそろりと刺激され、ついには後ろのす
ぼまりを探り当てられていた。
だが、ユキはもう逆らえなかった。
「あ、あ……あ……だ、だめ、だめ……」と甘え声で拒絶するのがやっとだった。
身体をねじることも、脚をばたつかせることもなかった。
それどころかヒップをくりくりくねらせて、男たちの獣欲を無意識のうちに昂ぶらせて
いたのだった。
それは新たな「躾」を施されることに対する恐怖によるものではなかった。
スパンキングの苦痛が彼女の肉体的な自由を奪ったからではなかった。
「おい、アキ、見えるか?」体育教師がユキのショーツのクロッチに中指を押しつけた。
「ほら、また染みが大きくなってきたぞ」
「やめ……てぇ」ユキは涙をこぼして懇願する。けれども体育教師に命ぜられたとおり
のポーズ……下着のクロッチの部分が妹によく見えるようなぶざまながに股開脚姿勢……
を崩すことはなかった。
だから妹のアキにははっきり知られてしまったのだ。
長身の凛々しい姉は「大嫌いな教師にお尻をぶたれて『大事なトコロ』をぬるぬるにし
てしまう」ヘンタイだということを。
スパンキングで抵抗心を打ち砕かれたユキを剥いた教師たちは、彼女の下着の「染み」
を発見すると驚喜した。
「おやぁ、市ノ瀬ユキは実はマゾっ気の持ち主だったとは」
「なるほどねぇ、我々に絡んでくるのは『こうして』ほしかったからですか」
「ほら、妹にも知ってもらおうな『市ノ瀬ユキはケツを叩かれて、感じてしまいました
』ってことをな」
薄青のショーツのクロッチに浮かび上がった楕円形の染みを「証拠」として突きつけら
れた姉はもう、反論も反撃もできなかった。
妹に対して絶対に隠しておきたかった性癖を知られた姉は、完全に屈服してしまったの
だから。
「じゃあそろそろ脱がしちゃいますか」化学教師が宣言すると、ユキの可愛らしいショ
ーツをくるりと剥いた。
急激なカーブで細い腰から盛り上がる水蜜桃のようなヒップが披露され、そのままする
すると濡れそぼった布地はむっちりした太腿を膝をくぐって足首に無様にからみつく。
そのあいだも市ノ瀬ユキは抵抗しなかった。
そのあいだも市ノ瀬アキは姉から目を逸らすことができなかった。
「ぬるぬるになってるね」化学教師が嬉しそうに言った。
「ほら、妹に見てもらえ。お前の下の『おくち』が涎をこぼしているのを」
体育教師の言葉が投げつけられたとたん、そろそろと閉じようとしていた市ノ瀬ユキの
太腿がだらしないガニ股になった。
くすくす笑う古典教師。泣き声を漏らす妹。
「ユキはおっぱいもすっかり気持ち良くなってきたみたいだな」
おのれの膝の上にうつぶせにされた市ノ瀬ユキを見下ろして体育教師は笑う。
彼は少女の処女花を後ろからちくちくと悪戯しつつ、もう一方の手でユキの発達途上の
バストをやわやわ持ち上げて、その先端の尖りと絹肌を楽しんでいた。
ほんの数時間前まで、彼ら教師を汚物でも見るような表情で対していた美少女はもうそ
こにはいない。
そこにいるのは自身の被虐性に気づいてしまった美しい人形だった。
異性への冷ややかな態度は「彼らにかまってほしい、いじめてほしい」という無意識の
サインに過ぎないことを知ってしまった満開直前の美花だった。
すらりとした身体を悪戯され、弄られ、デジタルカメラのフラッシュを浴びるたびに発
情しきった甘え声を上げるまでに、市ノ瀬ユキは素直になっていた。
「それにしても、悪かったな。ユキ」八二センチのBカップバストの先端をかちんかち
んに尖らせるまで指でしごき上げ、「あぁ、いい、おっぱいきもちいいよぉ。さきのほう
がびりびりしてすごくしあわせになっちゃうよ……」と泣き出すほど執拗な愛撫を与えた
体育教師は打って変わって穏やかな口調になった。
「お前の本当の気持ちに気づいてやれなくて……本当は構ってほしかったんだろ?本当
は年の離れた男に強引に愛されたかったんだろ?生意気な態度は躾なおしてほしいってサ
インだったんだろ?」
「あ、ああ……ち、ちが……う……ほんとに……そんなわけ……ない……あ、ああ、や
だ、やだ、やだぁ……きもちいいよぉ。おっぱいじんじんきもちいいよぉ。く、くり、く
りとりすもきもちいいよぉ……」
「分かってる分かってる」支離滅裂になったユキの悲鳴に古典教師は微笑む。「ユキは
無理矢理されちゃいたいのだろ?抵抗できないようにされて、頭の中がどろどろになるく
らい気持ち良くされたいんだろ?」
「あ、ああ……わかんない……わかんない……よぉ」
「『分かりません』だろ?」化学教師が口元をゆがめた。「分かってるよ。ユキは『と
らわれのお姫様』になりたいんだろ?悪い奴らに捕まって、ほんとうは嫌で仕方ないこと
をむりやりされちゃう『お姫様』になりたいんだよね?」
「あ、ああ……そんな……ことぉ……ああ、ゆ、指が入ってくるぅ……ぴ、ぴすとんし
ないでぇ、おかしくなる、アタマまっしろになるっ……ああ、あたし、あたしまだばーじ
んなのにぃ」
教師たちは笑みを交わす。
市ノ瀬ユキはもはやその溌剌とした精神をけして切れない鎖で拘束されているのだ。
自分自身の施した鎖によって。
体育教師は宣言する。
「いまからお前の大嫌いな教師が、お前にオトコの素晴らしさを教育してやるからな」
「それも三人がかりで教えてくれるんですよ。市ノ瀬クンは本当に幸運な生徒ですね」
古典教師がユキの髪を撫でた。
「いままでバージンでいたことを天に感謝したくなるほど素敵な開通式にしてあげるか
らね」くすくす笑う化学教師。
涎をとろとろこぼしている艶やかなユキの唇からああ、と甘い声が漏れた。
妹のアキのあげる制止の声も彼女の耳には届かない。
同時に妹が姉の痴態から目を逸らすことができないことも気づいていない。
とても素直になった市ノ瀬ユキに、教師たちはとても寛大にそして尊大に接する。
並べた座布団の上にこんどは仰向けに横たえられたユキは、教師たちの与えてくれる快
楽に溺れた。
六本の手、六〇本の指、三枚の舌、唇。
いままで触れられたこともない場所を、いままで経験もない刺激を与えられて市ノ瀬ユ
キは妹の目の前で淫らに蕩けた。
誰にも与えたことのないファーストキスは古典教師のものになった。
ねろねろとなぶられ吸われ、言われたとおりに舌を絡めて唾液の交換に胸をときめかす。
体育教師に十分に刺激されたニプルを味わったのは化学教師。
ふたつの尖りを唾液でべたべたにされ、音をたてて吸われ、甘噛みされ、舌で転がされ
るとアキは古典教師とのキスを中断して「いや、いい、だめ、すてき!むねがいいの、だ
めぇ」と涙をこぼしてあえぎ痙攣する。
引き締まった全身を撫で回されてびくびくと痙攣し、脂汗で張りのある肌を淫らに滑ら
せた。
拘束された長い脚を高々と持ち上げられ、太腿を古典教師に舐められるとバージンホー
ルから白濁した愛液がこぼれることを教師たちにじっくり観察された。
未通の孔の灼けるような熱さと、信じられない締め付け具合を彼らの指で確かめられた
。人差し指がようやくねじ込めるほどの狭い肉孔はしかし、彼らが慎重に指をピストンさ
せると物欲しげに痙攣するのだった。
拘束された足首が茶色がかったショートカットよりも上になるような「二つ折り」の姿
勢で、天井の明かりにてらてらぬめ光る淫花とココア色の排泄孔を舌で悪戯したのは化学
教師。
つたない自慰で得た快楽しか知らないクリトリスを音をたてて吸われ、甘噛みされた市
ノ瀬アキは「あ、ああ、おお、く、ふぁぁあああああぁ……」と言葉にならない感謝の悲
鳴とともに初アクメを迎えてしまった。
入り口を指先で軽くノックされただけで全身から冷や汗を吹き出させていた菊門を化学
教師の舌に蹂躙されると嫌悪の感情と悦楽のギャップに翻弄されていっそう彼女の被虐心
を昂ぶらせた。
いままで不遜な言葉を投げつけていた桜色の少女の唇をまず最初にペニスで犯したのは
体育教師。
抜き身の刀身を目の前に突きつけられたユキは恐怖と嫌悪でこどものように泣きじゃく
る。
けれどもその残酷なまでに張った鰓のかたちに、黒ずんだ先端からにじみ出る透明な液
体に、そしてその凶暴な太さに心奪われて視線が釘付けになっていることを簡単に見破ら
れてしまった。
「市ノ瀬ユキを『おんな』にしてくださるモノにおくちで奉仕せよ」体育教師に命ぜら
れても彼女はそれにすぐに従うことができない。
「だ、だめ……できない……そんなの、そんなの、くちでするなんて……むり……です
……」
もちろん教師は分かっている。そのような甘えは許されないことを。
ショートカットを乱暴に掴むとユキの整った顔にペニスを押しつける。異臭にゆがむ表
情を楽しんでからもう一度「キスをし、先端をたっぷり舐め回したあと、唾をたっぷりた
めた口の中全体で奉仕しろ」と命令する。
「おらぁッ!ユキ!これからお前を犯すチ○ポにご挨拶もできないのか?ええ?」髪の
毛を掴んでぐいぐい揺すると少女の栗色の瞳がどんよりと曇る。
鼻をつまんでやる必要はなかった。
ノーメイクの素肌に先走り汁を塗りたくってやると、ユキはうっすらと唇を開き、それ
を尖らせて男の凶器についに口づけた。思わず歓声を上げる古典教師に体育教師は鷹揚に
うなずく。
そうなるとあとは簡単だった。
化学教師のしつこいクンニリングスのあいだずっと、ユキは体育教師と古典教師の肉茎
に奉仕を強いられた。
小さなお口いっぱいに男性器を頬張り、柔らかな唇で作った輪で太い剛直を前後しなが
らあたたかで柔らかな舌で亀頭を舐め回し、さらに命ぜられると卑猥で間抜けな音ととも
に吸引テクまで披露するのだ。
拘束された手で毛むくじゃらの袋を愛撫することも、「いっぽん」に奉仕しているあい
だその細い指を「もういっぽん」にからめて刺激することもマゾ開花した彼女は覚えてし
まう。
もちろん、ほとばしる樹液の熱さとその味も。
教師たちはもちろん、それを吐き出すことを許さなかった。
喉を鳴らして「美味しくいただく」ことを強いた。
小一時間にわたって化学教師に秘花を菊門を肉芽を舐め回されてとろとろにされている
あいだ、市ノ瀬ユキはペニスへの奉仕の方法と、その結果いただける「ごほうび」がどん
なに美味であるかをしっかり学習していたのだった。
そして市ノ瀬ユキは男性教諭たちの所有物にされる。
「あ、ああ、見てる?アキちゃん、見てる?あ、あたしっ……い、いま、あ、あ、あた
しっ……のぉ……なか……にッ、き、きのした、きのしたせんせいのモノがは、入ってる
……んだよ……ッ」
足首に手錠と青いショーツを絡ませ、すらりとした脚をぶざまながに股開脚にした市ノ
瀬ユキの淫唇をばっつんばっつんに拡張させて体育教師の凶器がにちにちと少しずつ埋め
込まれていく。
雄の肉棒に姉の分泌した愛液と処女の証がこびりついているさまから、妹は視線を外す
ことができない。
「あ、ああああ……アキちゃん、これ、これすごいのせっくすってすごいの」うわごと
のようにユキはつぶやいていた。「いたいけどすてきなの、この、このひろげられて、お
くまではいってこられるのがすごいの、ああ、ああ、これがおとなのせっくすなんだよ。
あ、あたし、あたしのココ、きのしたせんせいのカタチにされてるよぉ、ああ、ああ、ご
りごりされるとあたまのなかまでまっしろにされちゃうよぉ」
三人がかりでたっぷりと時間をかけた、前戯と呼ぶのは残酷すぎる快楽責めのおかげで
、市ノ瀬ユキは成人男性の極太ペニ○をなんとか飲み込むことができていた。
同時にそれの圧倒的な存在感に簡単に支配されていた。
「やっぱり正常位だな、最初は」体育教師は笑いながら腰を繰り出し、ひと突きごとに
ユキを追い詰めてゆく。「ナニされるかがよーく見えるからなぁ」
「あ、おおっ、あ、ああッ!あ、あたし、こんな風に『はじめて』、なくしちゃうなん
てぇッ……」感極まった表情で、彼女は不自然な両手で男に、本来なら呪い、罵倒すべき
陵辱者にひしとしがみついて涙をこぼすのだ。
これがいかに素晴らしいことかを切れ切れの甘え声で妹に説明するユキの表情は、もは
や数時間前の少女のものではなかった。
淫らに開花し、卑劣な教師のセックスペットになることを選んだ牝の表情だった。
ガマンできなくなった化学教師ががちがちに勃起した性器をユキの口元に近づける。
バラのような唇が卑猥な「オー」のカタチになると、うっとりと瞳を閉じてにゅうるり
とそれを吸い込んだ。
ああ、と感極まった声を上げる化学教師。
さっきよりもさらに締め付けが強くなったと指摘する体育教師。
串刺しセックスを楽しむユキに古典教師の操作するデジカメが強烈な閃光を浴びせかけ
る。
そのときの姉は、とても綺麗で、とても素敵に妹の瞳に映るに違いない……。
◆◆◆◆◆◆◆
……きっと、きっと、「こんな感じで」あたしはあの教師たちに犯されちゃうんだ。
……あのバカ……悠太が最初に来てくれなければ。
全身が熱くなっていることを自覚しつつ、市ノ瀬ユキはうっとりと想像する。
彼女のすぐ隣には「ゆーたくん、ゆーたくん、はやく、はやくきてよ……」といつもの
口調とはまったく違う幼なじみの星野悠太しか知らない甘え声で彼の名を呼ぶ妹がいた。
……木下に正常位で犯されたあと、二番目は……きっと古典の林だ。
……あの、あたしのお尻を舐めるように見ているヘンタイは、きっと「ばっく」からあ
たしをずぶっと犯すんだ。
……反り返ったお○ん○んで、さっきとは違ったところを擦られて、きっとあたし、す
ごい声で「きもちいいです!」って泣いちゃうの。
……先にあたしの中にたっぷり「出した」木下先生のモノをおくちでお清めしてるのに
、腰を掴んでがんがん突いてこられたら、あたし、きっと木下先生に叱られちゃうよ。
……そのあとは森の玩具にされるのね。
……オトナのクセしてあたしよりチビのアイツは、きっとあたしを「立ちバック」で犯
すに違いない。
……それも、それもアキのすぐ目の前で、あたしは化学教師に後ろから犯される。
……たっぷり中出しされたザーメンを脚の付け根からぽたぽたこぼして、その雫でアキ
を汚しているのに、あたしはすっかり気持ち良くされて、感謝の言葉を叫ばされるの。
……そして、そして……妹の前で誓わされちゃうんだ。
……市ノ瀬アキは生まれ変わりました。生意気なアキはもういません。
……市ノ瀬アキは先生たちのドレイですって。
……市ノ瀬アキは素直でえっちなペットになりますって。
最悪の予想にすっかり溺れてしまった早熟少女は虚ろに、けれども幸福そうに呟いてい
た。
「ゆーた、ゆーた、はやく来てよ、はやく来ないとユキは先生たちのペットになっちゃ
うんだから。
ううん、だめ。そんなのじゃだめ。来てくれるだけじゃだめ、助けてくれるだけじゃだ
め。
あたしの『記憶』を塗りつぶしちゃうくらいのコト、してくれないとだめ。
そうじゃないと……きっと明日あの教師たちにセクハラされても、絶対確実に逆らえな
い。それどころか、ひょっとしたら……ううん、そのままなし崩しにきっとユキは『せっ
くすぺっとのご挨拶』を始めちゃうよ。だって、だってあたしの心のどこかに「それ」が
いるのが分かっちゃったんだから。
もし、もし……そうなっちゃったら……市ノ瀬ユキはキミのモノにはなれなくなっちゃ
うんだよ……。
だから、だから……はやく……来て。
はやくユキを……犯し……て」
市ノ瀬ユキは気づいていない。
ショーツのクロッチの「染み」がもはや彼女の処女花の構造が分かるくらいの量となっ
ていることに。
それを妹であるアキに気づかれていることに。
もちろん星野悠太を待ち焦がれているユキは妹のつぶやきも耳に入らない。
「ゆーたくん、ゆーたくん、お願い、お願いだからはやく来て。アキのえっちな予想が
ウソだと証明して……私、私は違うの。私は『クラス男子の性欲処理人形』になんてなり
たくないの。だけどだけどだけど、その考えが消えないの……。
ゆーたくんのオンナに『すぐに』してもらえないとだめなの。
そうじゃないと……きっと明日の私は男子のえっちな視線に発情してしまうわ。
もちろんすぐに気づかれて、次の休み時間には男子トイレに連れ込まれてレイプされち
ゃうの。もちろん私、逆らえないわ。
『休み時間にひとり、お昼休みはふたり、放課後四人』のペースで男子に犯されて、一
週間経たないうちにあたしはクラス全員のおち○ち○のを知ることになるの。
ああ、ああ、私で童貞を卒業する男子って……どれくらいになるのかしら……。
だから、だから……はやく……来て。
すぐにでもアキに……ゆーたくんの○ニスのカタチを覚え込ませ……て」
もちろん市ノ瀬アキのナイロンショーツのクロッチにも、姉のそれと負けず劣らずの恥
ずかしい染みがあることを、姉のユキは知らないのだ。