「悪魔、悪魔って忌み嫌われるあたしの気持ちが  
あんたに分かるかよう!」  
「うーん…それは、僕も天使以外のものに  
なったことないんで…」  
「いっつも全身黒ずくめだしさあ!  
あたしも人間の女の子みたいに  
ピンクのワンピとか着てみたいよう!」  
「はあ」  
「あんたなんか男のくせに  
そんなフワフワした羽生やしちゃってさあ!  
そういうのは物凄く可愛い美少女の  
このあたしにこそ相応しいっての!」  
「自分で言うとは…困った悪魔さんだ」  
「うっうっうえぇ~っ、もうヤダぁ~悪魔なんてぇ~」  
「はいはい泣かないでくださいよ頼むから」  
「飲みがたんないわ! 飲みが!酒持ってこーい!!」  
「ああ、もう…ほら、鼻水たれてますよ。  
せっかくの美少女とやらが台無しですよ」  
「……」  
「どうしました?」  
「……て」  
「え?」  
「慰めてえぇ~っ」  
「わ! ちょっと! まっ(以下略  
 
 
 
「ねえ、ねえ、そういえばさあ、この天使の輪っかって  
 一体あんたたちにとってなんなの?」  
「う……い、言えるわけないじゃないですか、そんなこと」  
「あれぇー? 動揺してる? 天使、もしかして動揺してるー?」  
「いいから、どいてくださいよ。重いし暑いし、酒くさい」  
「ふん、そんなこと言って……顔真っ赤にして、心臓ばくばくいわせながら  
 吐くセリフじゃないわよ」  
「顔が赤いのも動悸が激しいのも酒を飲んだからで…あっ!?」  
「んふふふぅ~天使の輪っか、奪っちゃったあ~」  
「やめてください! 返して!」  
「へえ~こんなふうになってんだあ。ちょっと暖かいのね…ふふっ、震えてる」  
「ああっ、胸の間なんかに挟まないでくださいよ! か、感触が……」  
「え? 感触伝わるんだ~。うふふふ、ねえ、これってもしかしてあんたたちの…」  
「……っあ!」  
「んふ……ちゅ…んむ……はあ……ねえ…もしかして、きもち、いい?」  
「~っっ!!」  
「うふふ……そんなに身を捩じらせちゃって。あんたのそんな顔、初めて見た」  
「かっ、返して下さい!! 頼みますから、悪魔さん! ほんとに、もう、限界です!!」  
「限界って、何の限界なのぉ? これがないと理性が保てない、とか…?」  
「それがないと僕たちは…」  
「輪っかがないと天使は?」  
「おなかが下るんです…っ……あぁぅっ、もう…げんかいだっ…」  
「早く言え」   
 
 

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