一方、ナオミさんとアキさんに前後から体を洗われていたイーシャさんでしたが、焦らすような手つきに  
小さく喘ぎながらも、途中から生唾を飲み込む勢いでクロエさん達の痴態に目が釘付けでした。  
 いいえ、イーシャさんだけではありません。  
 前後の侍女さん達もまた、イーシャさんを責めながら、激しくも可愛らしい幼侍女達の絡みと、  
それをオカズに自らを慰める姫様の様子をじっと見つめておりました。  
 もっとも、この二人にとっては割と良くある光景でしたので、目を見開いてと言うより  
生温かく見守る様な半眼でしたけれど。  
「まったく、シーリオもクロエちゃんもドュリエス様も、淫らで仕方ないなぁ。くふふふふ……」  
 そう笑うアキさんですが、あなたも人の事言えませんよね。  
「それにしてもドュリエス様? ここにはあなたを慕うあなた好みの美少女が五人も揃っておりますのに、  
勝手にお一人でおっ始めなさるなんて。まったく、どれだけ節操がないんですの?」  
「はあっ、はあっ……やぁっ、ナオミっ、そんな言い方、しては、嫌よっ……あっ、あっ、んああ……っ!」  
 ドュリエス様を優しく蔑むナオミさん。  
 その台詞を受け、嫌と言いながらも、公女殿下のお顔は被虐の悦びに歪みます。  
 指使いは次第に早くなり、快楽を訴える声も逼迫したものになっていきます。  
「あっあっ、わたくしっ、イっ、イクわっ! あっ、いっ、イクっ、イクぅっ! イクとこ、見てぇっ!  
あっ、今っ! 今よっ! ああっ、きゃあああーーっ!!」  
 
 大きく足を開いたまま、悲鳴のような嬌声と共に仰向けに倒れ込み、背中をのけ反らせるドュリエス様。  
 腰を高々と上げ、ぐぐっと硬直します。  
 そのままの体勢でしばらく固まり、やがて糸が切れたように力が抜け、床に横たわりました。  
 手足がだらんと投げ出されますが、右手だけは物足りなげにやわやわとお股をまさぐり続けています。  
「はあっ、はあっ、はあっ……はふぅ……はう……んう……ん、んぅ……」  
「ふふふ、仕方のないお姫様ですこと……。イーシャ様、少々失礼致しますわね」  
「あ……」  
 ナオミさんはイーシャさんの耳元にそっと囁くと、体を離し、ドュリエス様に近づきました。  
 そして傍らに腰を下ろすと、たおやかなおみ足に口付け、ゆっくりと上に向かって這わせます。  
「んんっ、ナオミ……焦らさないで……」  
 ドュリエス様は腰を突き出し、発情してぷっくりとふくらんだそこを、  
人差し指と薬指でくっと拡げて口唇愛撫を待ちわびます。  
 待ちきれず、剥き出しの突起を中指で擦ってしまいます。  
「ふうぅ……っ! はっ早くぅ、早くぅ……っ!」  
 
「まあ、今イッたばかりなのに、もうおねだりですの? 『令名高きドゥカーノの娘』が  
聞いてあきれる浅ましさですわね」  
「そうなのぉっ! 浅かったのぉっ! だから、深いの、欲しいのぉっ!」  
「おほほほ。浅いって、そういう意味で言ったのではありませんわよー?」  
「そんなのどっちでもいいからぁっ! ナオミぃ、はっ、早く、なさいっ!」  
 そのお言葉を受けて、しかしナオミさんは、這わせる方向を足元に変えてしまいました。  
「ああっ!? おっお待ちなさいっ! ナオミぃっ! 待ってっ! こっ、こっちぃっ! こっちよぉっ!」  
 ドュリエス様は拡げたそこを小刻みに震わせて要求なさいましたが、  
ナオミさんはそれを無視して唇を進め、膝、ふくらはぎを通り、指までたどり着くと、  
親指をぱくっと咥え、ちゅばちゅばと音を立てて丹念に口唇愛撫を施します。  
 唇や舌のみならず、絶妙な加減での吸引や甘噛みも交えたお姉さん侍女さんの巧みな口技に、  
ドュリエス様は気持ち良いやらもどかしいやらで、なんとも切なく追い詰められていきます。  
「やあぁナオミぃっ! そこじゃないのぉっ! こっちぃっ! それこっちにしてぇっ!」  
 公女殿下の、おさねをひくつかせながらの懇願をよそに、  
ナオミさんは他の指にも順番におしゃぶりのご奉仕をしていきます。  
 
 ――人差し指。  
「なっ、ナオ、ミぃ……っ! わっ、わたくしの言うことが、きっ、聞けないのっ!?」  
 ――中指。  
「んふぅ……っ! ねぇ、ナオミ、お願い、だからぁ……っ!」  
 ――薬指。  
「ふあっ……ふああっ……こ、これ以上焦らされたら……おかしくなってしまうわ……。  
ああっ、ま、また、自分でイッてしまいそう……っ!」  
 ――小指。  
「はーー……はーー……も、もう、だめぇ……はひっ、はひっ……ひあああーっ!」  
 ナオミさんが小指に吸い付く品のない水音が響き渡る中、ドュリエス様は再びご自分の指で達してしまいました。  
 公女殿下のお手々の動きが止まり、体がこわばる所を見計らって、ナオミさんはちゅぽんと口を離します。  
 そして涎にまみれたおみ足の先を愛おしそうに胸に抱くと、自分の足を絡め、  
濡れそぼったお股を高貴なるすべすべの太ももに擦り付けます。  
「んっ、んっ……ふふふ、ドュリエス様、ご満足されまして?」  
 しかし、ナオミさんに焦らされながらの自慰は、またしても浅い絶頂しかもたらしてくれませんでした。  
 その上、太ももの内側をナオミさんのお大事にぬるぬると愛撫されて、くすぶった情欲に  
油を注がれたドュリエス様は、すぐにまた次を求めて弱々しく空腰を使い始めてしまいます。  
 
「ああ……ナオミぃ……お願いだからイカせてぇ……」  
「ん……あん……。ふふ、あらあら。何をおっしゃるかと思えば。  
たった今、イカれたばかりではっ、んっ、ありませんのっ……んふぅっ!」  
「そっそんなぁっ! ナオミばっかり、気持ち良くなって、ずっ、ずるいぃ……っ!」  
「おほほほほ。ずるくなんか、んっ、ありませんわ。先程申し上げたじゃ、んあぁっ、あ、ありませんの。  
『後でお返しさせていただきます』って……あは、ドュリエス様の、太もも、気持ち良いですわぁ……」  
「やあっ! さっきのお返しならイカせてぇっ! いっぱいイカせてぇっ! いっぱいイカせて、あげたでしょおっ!  
お返ししてぇっ! あなたにイカせて欲しいのぉっ! 自分でするのはもういいのぉっ!」  
 身も世もなく懇願する公女殿下でしたが、ナオミさんは構わず自分の快楽を貪り続けました。  
「んふっ、あっ、んんーっ! もう、いっ、イキますわっ! ドュリエス様の太ももでっ、イッちゃいますわぁっ!」  
「ああっ! おっお待ちなさいっ! わたっ、わたくしもぉっ! わたくしもイカせて頂戴ぃっ!」  
「ふあっ、あっ、だっダメですわぁっ! おっ、お先にっ、失礼っ、いたしますぅっ! ふぁっあああぁぁぁぁっ!」  
 
 お仕えする公女殿下を置き去りに、一人で絶頂を迎えるナオミさん。  
 淫らな前後運動を続けていた腰が止まると、ドュリエス様のおみ足を抱きしめたまま  
首筋を大きくのけ反らせ、しばし硬直します。  
 押し付けられた、すでにぐちゅぐちゅに湿っている侍女頭さんの秘所から、さらにじゅわっと  
温かい粘液が溢れ出すのを太ももに感じて、ドュリエス様はさらなる焦燥感にさいなまれておしまいになります。  
「やあっ! ナオミぃっ! わたくしもぉっ! わたくしもぉっ!」  
 ドュリエス様は自分のそこへ擦り付けようと、ナオミさんの足を掴み、引っ張ろうとしましたが、  
しっかりぎゅっとしがみついているので、姫君の細腕ではどうにもなりません。  
「あーっ、うーっ! もおー、ばかあっ! ナオミのばかあっ!」  
 じたばたじたばた。  
 切なさのあまり、言動が幼児退行してしまうドュリエス様。  
 そのまま子供がするように、相手に不満をぶつけました。  
 ナオミさんの足を思いっ切りつねったのです。  
 
「痛あああっ!? どっ、ドュリエス様っ! 痛いっ! 痛いですわあっ!」  
 せっかく快楽の余韻に浸っていたナオミさんでしたが、痛みでそれも台なしです。  
「知らないもん! ナオミのばかあー……ううー……ナオミのばかあー……」  
 そう涙ながらに駄々をこねるドュリエス様からは、もはや日頃の楚々とした立ち居振る舞いは微塵も感じられません。  
「ん……し、しかたありませんわね! 公女様とは思えない程みっともないおねだりが出来たご褒美に、  
思う存分、して差し上げますわ……っ!」  
 口ではそんな事を言うナオミさんでしたが、そわそわと息も荒く、自分の方もしたくて堪らないのは一目瞭然です。  
 中途半端に快楽を散らされて、かえって欲求不満になってしまったのです。  
 ナオミさんはドュリエス様の足首を掴んだまま腰を進め、雫のしたたるお大事同士をくちゅりと重ね合わせました。  
「ふあぁっ! ナオミっ! ナオミっ! ナオミぃーっ!」  
 ドュリエス様は嬉しそうに叫びながら、ナオミさんの足を引き寄せ、お股を強く押し付けると、勢いよくうねらせます。  
「ふうぅ……っ!」  
 お預けをくらっていたそこは、それだけですぐに達してしまいました。  
 口付けを交わす下のお口の隙間から、ぷちゅっぷちゅっと断続的にドュリエス様のお潮が吹き出します。  
 しかし、ドュリエス様にとっては一区切りの絶頂でも、何度か達した後で余裕のあるナオミさんにとっては、まだまだ手始めに過ぎません。  
 
 密着から逃げられないよう公女殿下のふくらはぎとお膝を抱え込んだ青灰髪の侍女さんは、  
激しく腰を振り動かしました。  
 にちにちにちにちにち……と浴室に恥ずかしい粘性の水音が響き渡ります。  
「あっ! 待ってナオミっ! ひあっ! おっお待ち、なさいっ! ああーっ!」  
「おほほほほっ! ごっ、ご無体なことをっ! この状態で、や、止めろだなんて、んっ、むっ、無理ですわぁ!」  
 ナオミさんの腰は、軸のズレた石臼のような複雑で卑猥な円運動を繰り返し、間断なく淫楽を味わいます。  
 おイキあそばされたばかりで感じすぎてしまう公女殿下は、官能的な悲鳴を上げて逃げようとなさいますが、  
ナオミさんにがっちりと捕まえられてしまっては、それもかないません。  
 上半身を悩ましげにくねらせるのが精一杯です。  
「はっ、ひぃっ! おおっ! お願いぃ、ちょっ、ちょっとで良いからぁ、あひんっ! や、休ませなさい!」  
「い・や、ですわ。さっきご自分で仰っしゃってたじゃありませんの。『お返しなら、いっぱいイカせて』と」  
「なっナオミぃっ! あっ、後で、ひっ、非道いわよっ! あっ! あっ! あひっ! ひああああ……っ!!」  
 
 アキさんを抱きしめながら、そんなドュリエス様達の様子をご覧になっていたイーシャさんは、  
少し不満そうな顔をなさいました。  
「あれ、イーシャ様、どうしました? もしかして、あんまり気持ち良くないですか……?」  
 ナオミさんが外れた分、背中に回した両腕でよりしっかりと抱きしめて体を擦り付けていたアキさんは、  
そんなイーシャさんの表情に不安そうな声を上げました。  
「あ、い、いえ、そんなことは、ない、です……。その、き、気持ち、良いです……。そうじゃなくて、その……」  
 イーシャさんはアキさんに向き直り、恥じらいながらそう言うと、  
もう一度ドュリエス様の方に目を遣って、ぼそっとつぶやきます。  
「ドュリエス様こそ、ずるいです。私の時は、あんなにあんなにおねだりさせて、あんなにあんなに焦らしたくせに……  
自分はちょっとおねだりしただけで、すぐにいっぱいしてもらえるなんて……」  
 その台詞と、ちょっと悔しそうに尖らせた唇に、アキさんの大きなお胸はもうきゅんきゅんです。  
「やあんもお! イーシャ様ってば、かーわーいーいー♪」  
 言いながらイーシャさんのお顔に頬擦りすると、耳元にそっと囁きます。  
「そういえば、クロエちゃんがシーリオに責められてた時も、イーシャ様ガン見でしたよねー。  
――もしかしてイーシャ様、またあんな風に責められたいの?」  
 
「えっ!? ち、違っ……そ、そういう、訳では……」  
「ありますよね? だって、あんなに羨ましそうにご覧になってたんですもん」  
 イーシャさんの目元に舌を這わせるアキさん。  
「んっ、あ、アキぃ……」  
「えへへ、大丈夫ですよぉ。イーシャ様がお望みの通り、あたしがお体を洗いながら、  
クロエちゃんやドュリエス様以上に気持ち良く狂わせて差し上げますからねー」  
「んんっ、だっ、だから、違いますってば!」  
「またまたぁ。心配しないでイーシャ様。たとえ感じすぎて堪らなくなっちゃっても、泣き叫んで許しを請われても、  
お体の隅々はもちろん、頭の中まで快楽で綺麗に真っ白になるまで、決して洗う手を止めたりしませんからねーふひひ」  
「ふ、ふえぇ……」  
 アキさんの言葉に、イーシャさんは涙目です。  
 唇を震わせながら、いやいやと首を小さく左右に振ると、横を向いて抗議しました。  
「くっ、クロエの、うそつきぃ……優しくするって、言ったのにぃ……っ!」  
「あんっ、シーリオ、大好きぃ……んっ、んぅ……って、えっ、ぼっ、ボクっ?」  
 シーリオさんとの愛のこもった後戯に夢中ですっかり盛り上がってしまい、二人の会話が  
耳に入っていなかったクロエさんは、何故いきなり嘘つき呼ばわりされたのかわかりませんでしたが、  
イーシャさんの怯えた表情と、アキさんの嗜虐に歪んだ笑みを見て、なんとなく理解しました。  
 
「ああ……もう、アキ! イーシャ様を脅かしたらダメでしょ!  
イーシャ様、安心して。もうさっき程すごい責め方はしないから。  
……アキ、言っておくけど、これ、振りじゃないからね? しちゃダメだからね?  
ダメだよ……ああ、ダメ……シーリオ、そこはダメだよぉ……んっ、ふふふ、もおシーリオったらぁ……」  
 シーリオさんといちゃつきながらもアキさんに釘を刺すクロエさんでしたが。  
「ふえ……? あ……そ、そう、ですか……し、しませんか……」  
「あれぇ? イーシャ様、なんだか残念そうですねー?」  
「い、いえ、そんなことはなひゅあっ!?」  
 言い終わる前に、アキさんの手が伸び、イーシャさんの少し上付きのお大事をそっとなぞりました。  
「ほら、やっぱりぬるぬる! イーシャ様、はしたない期待汁をこんなにだらだら垂れ流しておいて、  
今更それはないんじゃないですかぁ?」  
 アキさんは、そのまま指を前後に滑らせます。  
「あっあっ……んぅっ! ダ、メぇ……」  
「んー? 何がダメなんですかぁ? こうやって気持ち良くして差し上げるのが、ですかぁ?」  
「んっ、んんっ……あっ! あっあっ! やあっ!」  
「それとも……」  
 指を離すアキさん。  
「こうして止めちゃうのが、ですかぁ?」  
 
「ふああ……ああ、うう……」  
「ちゃんと言わないと、またずっと焦らしちゃいますよ?」  
「んっ、や、止めちゃうの……です……」  
「止めてほしいの?」  
「やぁっ! ちっ違うのぉっ! 止めちゃやなのぉっ! 止めるのがダメぇっ! してぇっ! してぇっ!」  
「いーですけど、そしたら、イッても止めてあげませんよ?」  
「それで良いっ! それで良いからっ!」  
 それを聞いたアキさんは、にいっと笑みを浮かべると、勢い良く指を動かし始めました。  
「んんぅーっ!」  
 まるで泡を立てるような激しい、しかもツボを心得た茶髪侍女さんの指遣いに、  
性感に目覚めたばかりの少女騎士は一気に高みへと昇らされてしまいます。  
「あっあっいっイクっ! イクぅーっ!」  
 程なく、イーシャさんは背中をのけ反らせて達してしまいました。  
 それを片手で支えながらも、アキさんは指を休めません。  
 達した証の、さらさらのおつゆが流れ出しているそこを、少しの休みも挟まずに責め続けます。  
「あーっ! やあーっ! だっダメぇっ!」  
「分かってますよぉ〜。『止めちゃダメ』、でしょう?」  
「止めて良いっ! 止めて良いからっ! お願い止めてぇ……っ!」  
「止めませーん♪ もう、だから言ったじゃないですか。イッても止めてあげませんって」  
「あふっ……あおぉ……っ!」  
 
 イーシャさんは、つらさを紛らわすようにアキさんにしがみつきます。  
 一瞬、アキさんの腕が拘束された形になりましたが、それでもアキさんは巧みに体をずらし、  
イーシャさんの腕から逃れると、指の動きを続けました。  
「ひいぃっひあああーっ!」  
「イーシャ様、またイキますかー? イッちゃいますかー? それでも止めませんよー?」  
「やあぁぁっ! そんなあっ! そんなあぁぁっ! はひぃっ! ああっ、またあっ!」  
「イッちゃえイッちゃえー、ほらほらほらほらー、にゃははははぶぼっ!?」  
 突然、アキさんの動きが止まりました。  
 そして次の瞬間、頭を押さえて床を転がり回ります。  
「おごごがーっ!? いったぁっ! なっ、何ぃーっ!? ぐぼぉっ!」  
 そんなアキさんのお腹を足で踏み付け止めたのは、仁王立ちしたクロエさんでした。  
 黒髪侍女さんは、たった今アキさんの脳天に叩き込んだ手刀をゆっくり下ろすと、にっこり笑って言いました。  
「アーキー? ボク、ダメって言ったよねー?」  
 顔は笑っていても、目は笑ってません。  
「あうう……ごめんクロエちゃん……。イーシャ様可愛すぎて、つい……。で、でも、一言言わせてもらえれば……」  
「何? 弁解があれば聞かせてもらおうか。一言言わせてもらえれば?」  
「一言言わせてもらえれば……クロエちゃんの濡れ濡れ子供まんこ丸見えですごくやらしぶべっ!」  
 クロエさんは、今度は無言でアキさんの顔を踏み付けました。  
 
「ふっ、ふおえひゃんっ、いひゃい」  
「ごめん、イーシャ様。許してやって。これ、馬鹿だから」  
 アキさんの抗議を無視して、クロエさんはイーシャさんの頭をそっと抱きしめ、アキさんの代わりに謝罪します。  
「うう……くっ、クロエぇ……」  
「うん」  
「クロエの……クロエの……」  
「うん?」  
「クロエの、いじわる……っ!」  
「うん…………へっ!?」  
「もうすぐっ、もうすぐっ、だったのに……っ! 何であそこで邪魔するのぉっ!? クロエの、馬鹿ぁ……っ!」  
「あ、あれ……? えと、ご、ごめん……」  
 どうやらクロエさんがアキさんを止めたのは、イーシャさんが再び絶頂を迎える寸前だったようですね。  
 なんとも間の悪い事です。  
「ね、ねえ……せ、責任、取って……っ! く、クロエが続き、してくれなきゃ、ダメ、ですからね……っ!」  
「イーシャ様……。うん、わかった……して、あげる」  
 クロエさんは抱えていたイーシャさんの頭を離し、床に膝を着くと、イーシャさんの足の間に顔を埋めました。  
 そして、唇でおさねを剥き出し、ちゅっと吸い付くと、舌先で掃くように扱きます。  
 寸止め状態だったイーシャさんは、それだけで達してしまいました。  
「ふあぁぁぁ……っ!」  
 
 両足をぴんと伸ばし、両手でクロエさんの頭を押さえたまま、大きく背中をのけ反らせるイーシャさん。  
「おっと」  
 そのまま倒れてしまいそうになりましたが、後ろに回ったシーリオさんがそれを支えました。  
 そのまま、先程までのナオミさんの様に体を密着させると、背中に残った石鹸を塗り広げていきます。  
 クロエさんは体を少しずり上げて、イーシャさんのお腹に頭を乗せ、肌の質感を確かめるように頬擦りをしています。  
「にゅふぅ……」  
 イーシャさんは妙に気の抜けた、幸せそうな溜息を吐きました。  
「ああ……。激しく愛された後に、こうやって優しく愛してもらうのは……はぁ……とても、良いですね……。  
何と言うか……空に浮かんでいるような感覚です……」  
「イーシャ様、気持ち良いですか?」  
 後ろから耳元で囁くシーリオさん。  
「ええ……気持ち、良いです……。あんまり激し過ぎるのより、こういう穏やかな方が、私、好きみたいです……。  
あ、で、でもぉ……」  
 イーシャさんは両手の指を合わせてもじもじとくねらせながら、  
「と、時々は、激しくされたいかも……です……」  
 今度はシーリオさんがのけ反る番でした。  
「うっはあっ! い、イーシャ様、クロエちゃん並の天然誘い受け……っ!」  
「シーリオ! ぼっ、ボクは、別に、そんなんじゃっ!」  
「……激しくって、あんな風に、ですかぁ?」  
 
 クロエさんの抗議を「何を今更」という目で一瞥すると、その目を、絡み合う公女殿下と貧乳侍女さんに向けます。  
 すると……。  
 
「ああんっ、ナオミぃ! もっとぉ! もっとぉ!」  
「ふひっ! ちょっ、どっ、ドュリエス様っ! もっ、もうっ、ダメっ! もうダメれしゅっ!  
ひいっ! はひぃっ! はふおおっ! んおぉっ! ふひぃぃっ! うひいぃぃーー……っ!」  
 
 ……攻守が逆転していました。  
 必死に逃れようとするナオミさんの足をドュリエス様が抱え込み、お大事を重ねたまま、  
腰を更に押し付ける様にぐりんぐりんと激しくうねらせています。  
「まったく、ドュリエス様もナオミも、二人で盛り上がっちゃって……。今日はイーシャ様の歓迎会なのに」  
 
「あれぇ? クロエちゃんがそれを言うのぉ? 自分だって、さっきまでシーリオと二人で盛り上がっちゃってたくせにぃ」  
 クロエさんの呟きに、足元からアキさんの突っ込みが入ります。  
「あっあれは、シーリオが勝手に……っ!」  
「アキさん、許してあげましょう。クロエちゃんの体は恥ずかしい程の淫乱なんですから。きっと本人も反省してますよ」  
「んなっ、なっ……ぼっ、ボクのせい!? 違うよね!? きっ、君のせいだよねっ!?」  
 シーリオさんのあまりの言い草に、今度はクロエさんがのけ反りました。  
 が、シーリオさんもアキさんもしれっと無視します。  
「アキさん、年増組の二人はもう仕方がないので放っておいて、私達でイーシャ様を洗って差し上げましょう」  
「だねー。さ、イーシャ様。お背中とお腹はこの位にして、次はお腕とおみ足をきれいきれいしましょうねー」  
 
 
続く  
 
 

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