イーシャさんはアキさんを抱えたまま、ゆっくりと湯船に浸かっていきます。
まるで赤ちゃんをお風呂に入れる様です。
――まあ赤ちゃんにしては、この茶髪美少女は少々肢体が煽情的過ぎますが。
そしてアキさんは斜め横向きに首まで沈められました。
大きなお胸が、浮力でぷかりとお顔を出しています。
その体勢のまま、右手でアキさんのおまたを、左手でお胸を愛撫し続けるイーシャさん。
虚ろな目から涙を、半開きのお口から涎を垂れ流すアキさんに、
呻きとも吐息ともつかない、弱々しい音を上げさせます。
その姿は、まるで繊細な楽器を爪弾く演奏家のようでもあります。
女体楽士と化したイーシャさんは、慈愛に満ちた微笑みを浮かべながら、
その楽器に優しく語りかけ、あやします。
「うふふ、アキー? 今は何も考えなくて、良いんですよー?
私に身を任せて、ただただ気持ち良くなっていれば良いんですからねー」
答える代わりに「ぇぁ......ぉ......」と小さく声を上げ、体をびくびくっと
小さく痙攣させるアキさんを見て、イーシャさんは、嬉しそうに笑っています。
隣に座ったクロエさんは、それを見て思いました。
(あ、れ……? ひょっとしてボク達、とんでもない人を覚醒めさせちゃったんじゃ……?)
しかし、
「クロエ、ちゅーしましょう」
「……うん」
イーシャさんに凛々しいお顔を寄せて囁かれ、濃厚なべろちゅーを施されたクロエさんは、
うっとりぼうっと、すっかり腰砕けにされ
(まあ、別にいっか)
と、思考を放棄してしまいました。
その間も、イーシャさんの指は休まずアキさんを奏で続けています。
……本当に、とんでもない人を覚醒めさせてしまったのかもしれませんね。
一通り幼侍女さんの唇を楽しみ、口付けだけで二度絶頂に導いてから、
イーシャさんは洗い場の方に目を向けました。
そこでは、責められ疲れた公女殿下が、責め疲れた前後の侍女さん二人と共に、
折り重なるように突っ伏していました。
しばらく見ていると、シーリオさんが気だるそうに上半身を持ち上げ、ゆっくりと腰を引いていきました。
ずるずるん……と、ドュリエス様のお尻の穴から張り型が抜けていきます。
ドュリエス様は横たわったまま
「んぉぉ……」
と小さく鳴いて、体をぶるっと震わせます。
シーリオさんはそのまま革紐を解き、自分の中からも引き抜くと、ドュリエス様の中に入っていた方に
顔を近づけ、くんかくんかと鼻を鳴らして艶かしい微笑みを浮かべました。
高貴な匂いを十分に堪能した後は、舌をぺろぺろと這わせ、そして小さなお口いっぱいに頬張って、
棒に纏わり付いた姫君の高貴な尻穴味を味わいます。
「クロエ、アキをお願いしますね」
それを見ていたイーシャさんはそう言って、まだぼうっとしたままのクロエさんにアキさんの体を
預けると、湯船から出て、絡まりあう三つの女体に近づいていきました。
「……あ、イーシャ様……ふぇっ!?」
そしてシーリオさんを、先ほどのアキさん同様にひょいっと抱え上げ、湯船に運ぶと、
クロエさんの隣に降ろし、腰掛けさせました。
お湯に浸かったシーリオさんは、温かさがじんわりと手足に染み入るのを感じて初めて、
自分の体が激しい行為で疲れていた事を実感しました。
「あ、ありがとうございます、イーシャ様……はふぅ……あー、良いお湯……」
そう溜息を吐きながら、アキさんを抱えたままのクロエさんの肩にもたれ掛かりました。
「ちょ……と、シーリオ、重い……」
「んー……重い……? それはぁ、アキさんを抱えているからだよぉ……。私は重くないもん……」
シーリオさんはアキさんが聞いたら怒りそうな事を言いましたが、そのアキさんはまだ意識が
朦朧としたままですので、事なきを得ました。
っていうか、先程の年増発言もそうですが、この銀髪少女、少々舌禍気質の様ですね。
……まあ、実はただの誘い受けなのかもしれませんけれど。
イーシャさんは続いてドュリエス様とナオミさんに近づくと、器用にお二人纏めて抱き上げました。
繋がったままで。
「きゅあ……」
「んふぅ……」
持ち上げられた勢いで張り型が中で擦れ、重なり合う公女殿下とその侍女頭さんは
弱々しくも悩ましい声を上げてしまいます。
それにしてもイーシャさん、中々の力持ちさんですね。
身じろぐお二人に、彼女はそっと囁きます。
「しっかり抱き合ってて下さいね。姿勢が安定しないと、運びづらいですから」
「ひ……ちょっと……い、イーシャ……っ」
「お、落とさないで下さいませぇ……」
力の入らない腕に必死に力を入れて、ぎゅーっとお互いを抱き締め合うお二人。
お大事にも思わず力が入り、中のモノを締め上げてしまいます。
そんな状態ですから、イーシャさんが歩く度に密着したお二人の体が揺れて擦れ合い、
締め上げられたままの張り型が膣内をぎしぎしと苛みます。
「あふっ、んっ……ひっ……ひうっ、い、イーシャぁ……っ!」
「ああ、も、もっと、ゆっくり、歩いて、ふぅぅ……くださ、い、ませ……ふああ……っ!」
「この速さでも大丈夫ですよ。愛しい愛しいお二人を落としたりなど、絶対にしませんから」
ドュリエス様とナオミさんの訴えにそう答えるイーシャさんは、真っ直ぐ湯船に向かわず、
浴室内をぐるっと巡る様に遠回りをします。
さらに、良く見ると腕を小刻みに動かし、抱えた二つの女体を意図的に揺らしているのが分かります。
その絶妙な動きによって、散々絶頂を迎えたお二人の肉体に、またもや快楽が蓄積していきます。
「あっ、あっ、あっ……だめよ……もう、もう……ううううううう……っ!!」
「いーしゃさまぁ……いーしゃさまぁ……あああああああああああ……っ!!」
ようやく湯船に到着する頃には、お二人とも強制的にイかされてしまうのでした。
抱き合いながらびくびくと痙攣するお二人を湯船の縁にそっと横たえると、イーシャさんは
お大事同士を繋ぐ男性器状の架け橋をそっと掴み、抽迭させ始めました。
「ふあおぉぉぉ……い、いーしゃぁ……ぁぁぁぁぁ……ゃぁぁぁぁ……っ!!」
「ぉぁぁ、もぉ……ゃ、ゃぁ、でしゅわぁ……ぁぁぁ……んぉぉぉ……っ!!」
イーシャさんの巧みな抽迭に、達している最中にもかかわらず無理矢理次の絶頂を押し付けられ、
お二人は抱き合ったまま白目をむいて仰け反り、全身をがくんがくんと震わせてしまいます。
ようやくイーシャさんが攻め手を休め、張り型を引き抜くと、お二人ともぷしゃっと小さく
お潮を吹き、今度こそ力を失って床に伸びてしまいました。
「ぁ……ぁ……ぉぉ……」
「はーー……はーー……」
湯船の中からその様子を見つめていたシーリオさんとクロエさんの目の前で、張り型の形を
覚えて大きくお口を開けたままだったドュリエス様のお大事が、戦慄きながら閉じていきます。
それを追う様に、やはりはしたなく開きっぱなしだったナオミさんのお大事も、
ひくひくと震えながらゆっくりゆっくりと塞がっていきました。
「ふふ、二人とも、凄くいやらしい穴だね」
「ドュリエス様、さっき私が抜いたばかりの時は、お尻の穴もこんな感じでしたよ?」
「そうなのですか? 両方が広がった所も、今度是非拝見したいですね」
シーリオさんの言葉を受け、イーシャさんはそう言って手元の張り型を、
ドュリエス様に見せ付ける様に目の前で官能的に舐めあげます。
「ねえ、ドュリエス様? うふふふ……」
「……ぁ……ぃ、ゃ……」
もう満足に声も出せないドュリエス様は、力なく首を横に振るのが精一杯です。
そんなドュリエス様をお姫様抱っこでもう一度持ち上げると、
イーシャさんはそのまま再び湯船に浸かりました。
「シーリオ、動けますか? ナオミの方をお願いしますね」
「あ、はい……ん、よい、しょ……」
言われたシーリオさんは、疲れた体を動かしてゆっくりと湯船から上がります。
その、四つん這いでのろのろと這い出るような動きが妙になまめかしく、
クロエさんは思わず彼女の濡れたお尻に目を奪われてしまいます。
「あ、シーリオ、色っぽい……」
「ふふ。クロエ、あなたも色っぽいですよ」
その呟きを聞いたイーシャさんは、ドュリエス様を抱えたまま、クロエさんの頬に口付けます。
「んぅ……」
「クロエは幼い中に妖艶さがあって、妙な背徳感を煽りますね。ぞくぞくしてしまいます」
「ん……えへへ、ありがとう、イーシャ様……」
シーリオさんはそんなやり取りを聞きながらナオミさんを持ち上げようとしたのですが、
ただでさえ疲れている上に普通の女の子の力しかない彼女では流石にイーシャさんのようにはいかず、
諦めてナオミさんを背後から羽交い絞めにすると、ずるずると湯船に引きずり込みました。
「ふぅ……まったく、貧乳のくせに重い年増ですねぇ」
――まったく、懲りない舌禍侍女さんですねぇ。
ナオミさん、今は特に反応しませんでしたが、後で体力が回復したら絶対何かされますよ?
まあそれはともかく、これでようやく全員湯船に浸かることが出来ました。
湯船の中で壁に寄りかかったイーシャさんは、ドュリエス様を自分の足の間に座らせると、
背中からそっと抱き締めました。
「ああ、お湯の中で温まりながらこうしてドュリエス様を感じられるというのは、
とても幸せで良い気分です。ドュリエス様は、私とこうしているのは、どうですか?」
耳元で囁く少女騎士に、公女殿下は荒く息を吐きながら、
自分を抱き締める腕にそっと手を重ね、答えます。
「はぁ……はぁ……ぁぁ……ええ、イーシャ……わたくしも、幸せよ……」
「ああ……ドュリエス様……愛しい方……」
「ん……イーシャ……か、可愛い子……って、ちょ、ちょっと……何を……っ!?」
イーシャさんは、ドュリエス様の前に回した右手をお大事へ、
左手をお胸へと伸ばしてまさぐり始めました。
「うあっ、も、もうっ、ね、ねえ、今は、もう、ダメよっ! お、おやめなさあひっ! ひぃぃっ!!」
「ああ、素敵です……もっとお声をお聞かせ下さい……」
「んひっあおぉ……っ!! こんなっ!! すごいぃぃっ!! んおぉぉぉぉぉっ!!」
習得したばかりの高度な性の技巧を全力で施し、ドュリエス様を
またもや快楽地獄に陥れるイーシャさん。
お仕えする麗しの姫君の鳴き声を堪能しながら、仰け反るその首筋に舌を這わせ、
高貴なお味を味わいます。
「んおぉぉぉぉぉ……っ!! おーーーーーっ!! お゛お゛お゛お゛……っ!!」
「ああ、ドュリエス様、大好き……」
「あ゛ーーーっ!! もぉやべてぇーーっ!! 今日は、も、もお……お゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」
その様子を隣で見ていたクロエさんは、今は自分が抱いているアキさんを見下ろし、
同じ様に愛撫し始めました。
イーシャさん程の脅威的な飲み込みの速さこそないものの、クロエさんだって毎日の様に
この面子で愛を交し合ってきた実績があります。
たとえ幼くとも、そこらの初心な行かず後家なんかより、よっぽどこの手の技には長けているのです。
――しかし。
「……ぅぇぇ……ぇぇ……」
イーシャさんに覚えたての舌技、指技を試すようにさんざん責め抜かれ、意識が朦朧とするまで
何度も何度も絶頂を強いられ、何度も何度も失神と覚醒を繰り返させられたアキさんは、
虚ろな目を半開きにしたまま、だらしなく開いた口から小さく音を出す程度で、
もうたいした反応を示してはくれませんでした。
「はぁ……そりゃ、そうだよねぇ。ほらアキ、もういいから、こうして少しお休みしてようね」
クロエさんは諦めて、アキさんの頭を梳く様に撫で、あやす事にしました。
(こうしていると、アキも可愛いもんだなぁ)
一方シーリオさんも、抱き抱えたナオミさんに指を這わせ喘がせようとしましたが。
「あひゃああっ!? な、ナオミさんっ!、もうっ!?」
既に復活していたその絶倫侍女頭さんによって、対面座位で正面から抱きしめ返されてしまいました。
さっきまで責め疲れてぐったりしていたシーリオさん自身、ちょっと弱っていましたしね。
そして背中に回した右手を下に伸ばし、侍女頭さんは舌禍侍女さんのお尻を撫で回します。
「うふふ、ダメよシーリオ、私をどうこうしようなんて十年早いわ」
「そ、そんな……じゅ、十年もたっちゃったら、ナオミさん本当に年増になっふあおーーっ!?」
ナオミさんは撫で回していた右手の指を、まだほぐれたままのシーリオさんのお尻の穴に
二本いっぺんに奥まで突っ込みました
「あらぁ、何かしらシーリオぉ? さっきも何か言っていたみたいだけどぉ?」
ナオミさんはそう言いながら、二本の指をぐいぐい押し込み交互に動かし、激しく責め立てます。
「にゃ、うひっ! にゃんでもないれしゅぅーーっ!! ふあっ! しゅごいぃぃっ!!
ふあおぉっ!! おひりぃっ!! もっろぉ!! もっろおひりいじめれくあしゃいぃーーっ!!」
……やはりシーリオさん、ただの誘い受けだったようですね。
それからどの位経ったでしょうか。
悩ましい嬌声が鳴り止まなかったお風呂場にも、ようやく静寂が戻って参りました。
皆さんすっかり満足なされて、ゆったりとした後戯のお時間を迎えたのです。
イーシャさんは、虚ろな目でぐったり弛緩しているドュリエス様を、クロエさんは、少し回復してきて
緩慢ながらも少しずつ反応を返すようになったアキさんを、後ろから優しく抱きしめ、頭を撫でたり、
耳朶をそっと甘噛んだりしてあげています。
ナオミさんとシーリオさんは、向かい合わせで抱き合い、お互いの唇を味わう様な
緩やかかつ濃厚な口付けを交わしながら、相手の背中を撫で、お胸同士をゆっくり擦り合わせています。
公女殿下や巨乳侍女さん程ではないものの、侍女頭さんの巧みな指使いにお尻を責め抜かれて、
銀髪侍女さんはやはり少々お疲れ気味のご様子ですが、先程とは違うこの慈しむ様な愛撫を受けながら
嬉しそうに微笑んでいます。
「んん、あむ……んぅ……ナオミしゃぁん……だいしゅきぃ……」
「んむぅ……ちゅぅ……ちゅば……ふぅ……あらぁシーリオぉ……
んちゅ……こんな年増貧乳の私にも、そう言って、んむっ……くれるの?」
シーリオさんの言葉に、拗ねた口調で返すナオミさん。
もちろん、そうでなければこんな風に体を重ねて求め合ったりはしない、
という事を踏まえた上での発言です。
シーリオさんもそこは分かっていますので、ナオミさんと目を合わせてそっと微笑むだけで
そのままねっとりとした接吻を続けました。
そこへ、ドュリエス様を抱えたイーシャさんと、アキさんを抱えたクロエさんが、
左右からずりずりとにじり寄って来ました。
そしてイーシャさんはシーリオさんの頬を、クロエさんはナオミさんの首筋を
横からぺろぺろと、猫が毛繕いするかのように舌で愛撫します。
ナオミさんとシーリオさんは糸を引かせながら唇を離すと、それに応えて横を向き、
舌を差し込む濃厚な接吻を交わして、口中に溜まって混じり合った二人の唾液を
相手の口中に流し込みます。
シーリオさんはイーシャさんへ。
ナオミさんはクロエさんへ。
イーシャさんはシーリオさんから与えられたその混合媚液で口の中をくちゅくちゅと漱ぎ、
味と香りを堪能すると、こくん……と可愛らしく喉を鳴らして飲み込みました。
「ああ……」
目の焦点の合ってない恍惚とした表情で艶かしく溜息を吐き、小さく体を震わせた少女騎士さんは、
銀髪侍女さんと唇を重ねながら、腕の中の公女殿下をさらに強くぎゅっと抱きしめます。
一方クロエさんは、同じ様にナオミさんから流し込んでもらったそれを、やはり口中にしばらく溜めて
いましたが、しっかり嗜んだ後は、自分の唾液をたっぷり混ぜ込んでから、右手でアキさんの顎を掴んで
お口を開かせ、そこへ舌伝いに流し込みました。
嬉しそうな顔で受け取ったアキさんもまた、三人分のお味をクロエさんと同じ様にお口の中に溜め、
転がし、漱ぎ、たっぷりと味わいます。
そしてそのまま気だるげにゆっくりと体を起こすと、横を向いてシーリオさんに抱き着き、
唇を重ねると、アキさんの味も加わったその媚粘液を中へ送ります。
シーリオさんもやはり飲み込まずに口中で溜め、自分のお味も追加してお隣のイーシャさんへ
彼女の唇にむしゃぶりつくように受け渡しました。
シーリオさんはさらに、イーシャさんの口中へ舌を挿入し、注ぎ込んだ甘露を攪拌します。
イーシャさんも、もう既に貫禄さえ感じさせる巧みな舌使いでそれに応えました。
侵入してきた味覚器官に、自らのそれを絡め、擦る少女騎士の絶妙な責めに、銀髪侍女さんは
それだけで今日何度目になるか分からない絶頂を迎えさせられます。
かくんと、腰が抜けたように崩れ落ち、離れる二つの唇の間に糸を引きながらアキさんの方へと
倒れこんだシーリオさん。
支えきれずに一緒に倒れそうになるアキさんを、クロエさんが支えます。
イーシャさんは自分の味も加わったそれ、二本の舌でかき混ぜられて粘度が上がったそれを、
今度は飲み込まずにドュリエス様に差し上げようと思いましたが、腕の中の公女殿下は未だ
絶頂疲れから回復されておらず、弛緩させた四肢を投げ出し、呆けた様な半眼で涎を垂れ流して
らっしゃいましたので、それはもうしばらく待つ事にして、代わりにナオミさんの方へと
顔を突き出しました。
ナオミさんもそれを迎えるように首を伸ばし、イーシャさんの口唇愛撫を受け入れます。
しかし、あまり本気で責め立ててナオミさんを絶頂させてしまうと、その拍子に飲み込んで
しまいかねません。
イーシャさんはナオミさんが達してしまわない様、抑え気味に舌を使いながら口中の芳しい液を
流し込み、そっと口を離しました。
体はひどく疲れているのに、イーシャさんによって無理矢理に高ぶらされ、しかも最後まで
与えてもらえず、ひどくもどかしい気分で放り出されたナオミさんは、一周して自分に戻ってきた
淫唾液をすぐに目の前のシーリオさんへと渡すと、またイーシャさんの方へと向き直り、
舌を突き出して、続きをはしたなくおねだりしました。
「ふふふ……」
イーシャさんは、ほんの数刻前まで性的な知識どころか自慰の仕方さえ満足に知らなかった少女とは
思えない程に淫蕩な笑みを浮かべると、ナオミさんの舌を咥える様に再び口中へと迎え入れ、今度こそ
本気で絶頂へと導きました。
「んう゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛……っ!!」
絶頂寸前の状態から勢いをつけたように一気に高みへと持ち上げられたナオミさんは、
涙を流しながら、口を塞がれたままのくぐもった呻き声を上げました。
脱力し、後ろへ倒れそうになるナオミさんの頭を、イーシャさんは片手で抱え込み、引き寄せると、
そのまま本気の口唇愛撫を続けました。
「んぐぅーっ!? う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ!? う゛ーーーっ!!」
強制的に舌絶頂を繰り返させられるナオミさん。
逃れようと体を捻りましたが、武術の達人たるイーシャさんに頭をがっちりと押さえられては、
それもかないません。
全身をびくんびくんと震わせながら、何度も何度も視界を白く染め上げられてしまうのでした。
お隣では、ナオミさんから受け取った粘っこい汁を、シーリオさん、アキさん、クロエさんの
三人がナオミさんの痴態を横目で見ながら渡し合っていました。
シーリオさんからアキさんへ、アキさんからクロエさんへ、クロエさんからシーリオさんへ、
シーリオさんからクロエさんへ、クロエさんからアキさんへ、アキさんからまたクロエさんへ、
クロエさんからシーリオさんへ、シーリオさんからアキさんへ、アキさんからまたシーリオさんへ……。
イーシャさんがナオミさんを解放する頃には、五人分の唾液はすっかり嵩を増していました。
侍女頭さんの体を銀髪侍女さんに預けると、少女騎士さんは頬を膨らませてそれを含む黒髪侍女さんに
向かって口を開き、促します。
クロエさんは、飲み込まない様に気を付けながら身を乗り出すと、イーシャさんのお口の中に
こぼさない様ゆっくりと流し入れていきました。
その頃にはドュリエス様も大分回復されていて、まだ少しぼうっとしてはいらっしゃいますが
意識もお戻りになり、今は弱々しくも微笑みを浮かべながらイーシャさんを見上げ、両の御手々で
自分を支える彼女の腕をきゅっとお掴みになられておいでです。
そして、自分の可愛い騎士さんがお口の中いっぱいに含んだものが何なのかに気が付いた公女殿下は、
上目遣いで口を開け、舌を突き出して催促なさいました。
その淫らな表情を見て、イーシャさんは唇の端をにぃっと持ち上げる昏い笑みを浮かべると、
溜まりに溜まった五人分の涎を、ドュリエス様の麗しい御尊顔めがけてばしゃばしゃと垂れこぼしました。
わざとお口を外して、です。
「ん……あぷ……ぷふぁ……」
お仕えする姫君のお顔全体を汚していくこの行為に、イーシャさんは背徳的な嗜虐の喜びを覚え、
ぞくぞくと背筋を震わせます。
被虐者たるドュリエス様もまた、頬や鼻を垂れ流れる愛しい少女達の口腔愛液を、舌を伸ばして
舐め取りながら、ぬらぬらと妖しく濡れた御尊顔を倒錯的な悦楽に歪めてらっしゃいます。
そんなドュリエス様に、イーシャさんは恍惚の表情を浮かべながら侮蔑の言葉を浴びせかけます。
「はぁ、はぁ……うふふ、ドュリエス様、とっても嬉しそうですね。お顔中べとべとにされるのが
そんなに良いのですか? 虐められて喜ぶなんて、変態ではありませんか。なんて恥ずかしいお姫様でしょう」
ドュリエス様はこの言葉責めにうっとりとしながら、愉悦にまみれた声で答えます。
「ああ……イーシャぁ……そうなのぉ……。好きな娘を虐めるのも、好きな娘に虐められるのも、
どっちも大好きぃ……。だから、お願ぁい……もっと虐めてぇ……。もっと、罵ってちょうだぁい……」
「うふ、ふふふ……。良いですよ。いっぱいいっぱい、虐めて差し上げます」
イーシャさんはドュリエス様のお顔に舌を這わせて唾液を拭い取り、囁きます。
「もちろん、後で私の事も虐めさせてあげますよ。嬉しいですか? 変態公女殿下」
「……ええっ! ええっ! 嬉しいのぉ! わたくしを、いっぱいいっぱい虐めてぇ……っ!
そして、あなたをいっぱいいっぱい、虐めさせて頂戴……ああっ!!」
その様子を見て、クロエさんはシーリオさんに言いました。
「……イーシャ様、なんか一足飛びにお上手になってない? もうあんな言葉責めを覚えて……。
それにさっきだって、ボクやナオミを口付けだけで、何度も何度も……」
「え? 別に良いじゃない。ほら、ドュリエス様もイーシャ様も、あんなに嬉しそうにしているし。
私達だって、もうイーシャ様にめろめろにされちゃってるでしょう?」
「うん、それは、そうなんだけど……。でも、だからこそ、ちょっと……怖い、かな……」
「怖い? なんで?」
「だって……」
クロエさんは、自分の体を抱き締め、体を震わせます。
「……ボク、この一年でドュリエス様や君達にしっかり躾けられちゃって、もう、一日でも気持ち良い事
してもらえないと、気が狂いそうになるくらいの淫乱にされちゃったっていうのに……。なのに、これで
さらにイーシャ様にも躾けられちゃって、イーシャ様無しではいられない体にされちゃったりしたら、
ボク、もう……もう……」
「もう?」
「もう……いやらしいこと以外考えられない、ただの色情狂の変態になっちゃうよ……」
そう言って、「はぁ……っ」と伏目がちに物憂く溜息を吐く幼い黒髪少女の、あまりにも切ない
色気を孕んだその様子に、彼女より少しお姉さんの銀髪少女は頭を見えない矢で射抜かれたような
衝撃を受け、一瞬固まってしまいます。
そして次の瞬間、その可愛い妹分を抱き締めていました。
「やぁんもうクロエちゃんったらぁ!」
「ふぇっ!?」
「まったく……まったくもう! 何なの!? 毎回毎回、クロエちゃんの誘い受けは威力大きすぎるよぉ!
本当に無意識にやってるのっ!? それともわざとっ!? わざとなのっ!? ねえっ! もう、私達こそ
クロエちゃん無しにはいられなくなっちゃってるってばぁ!」
すりすりすりすり。
抱き締めながら、思いっきり頬擦ります。
「うにゃあ……シーリオぉ……」
クロエさんも、シーリオさんにしっかりと抱き着きます。
「本当にそうね。私達も、もうすっかりクロエの虜にされてしまったわ」
ものすごい回復力でもう復活したナオミさんが、シーリオさんと同じ様にクロエさんに抱き着くと、
そう耳元で囁きました。
「ん……ナオミぃ……」
「それに、こんなに可愛いらしいのに、自覚無く周囲を誘ってしまうなんて、危なっかしくって
私達の手元から離す訳にはいかないでしょう? 安心なさい、クロエ。あなたの身は今後もずっと、
ドュリエス様と私達が責任を持って預かってあげる。言っている意味、分かるかしら? ねえ、クロエ……」
「ふあぁ……っ!」
ナオミさんはクロエさんの耳をぺろりと舐めると、笑みを浮かべ、蕩ける様な声で続けます。
「……構わないから、色情狂の変態になっておしまいなさい。私達が、一生飼ってあげる」
「〜〜っ!」
クロエさんは目をぎゅっとつむると、両足をぴんっと伸ばして硬直しました。
シーリオさんを抱く腕にも力が入り、体を小さく震わせながら仰け反ります。
ナオミさんの言葉だけで、軽く絶頂してしまったのです。
「あら、今のでイったの? うふふ、色情狂になるも何も、あなたもうとっくに淫乱発情女じゃない。
まだ子供だというのに、なんていやらしい体なのかしら。生まれついての好き者ね。だから、背も低くて顔も
幼いくせに、胸ばかりこんなに育っているのね。羨ましい」
本音が出ました。
「っていうかクロエちゃん、あたし達に初めて手ほどき受けた時、既に何度も何度もおねだりする、
快楽依存少女だったじゃない。今さら何言っちゃってるのさー」
ナオミさんに後ろから抱き着き、肩口から顔をのぞかせながらそう言ったのは、イーシャさんに導かれた
忘我の境地から先程ようやく帰還したアキさんでした。
赤髪の巨乳侍女さんは、侍女頭さんの前に手を回してその貧乳をさわさわと撫でつつ、大きなお胸を
厭味ったらしく背中へ押し付けます。
「ナオミさんも、その頃にはもう、おっぱいの成長止まってたよねー」
「な……なん……っ!?」
「あ、違うか」
アキさんは悪戯っぽい笑みを浮かべ、何か言おうとするナオミさんを遮って続けます。
「生まれてこの方、成長期だった事なんかなかったもんね! クロエちゃんが生まれついての淫乱なら、
ナオミさんは生まれついての絶壁胸!」
ナオミさんは、まだドュリエス様と見つめ合っているイーシャさんに声を掛けました。
「イーシャ様、アキってばまだまだ物足りないそうですわ。もっともっと、朝まで
快楽責めをしてやって下さいませんこと?」
「っ!? ちょ、ま……っ」
イーシャさんはゆっくりとナオミさんさんに目を向け、ついでアキさんに目を向けると、
ひどく優しげな笑みを浮かべました。
「アキ、そんな水くさい……。言ってくれれば朝までと言わず、私の体力が続く限り責め続けてあげますのに」
「ひ……っ!」
アキさんは顔を青くして怯えます。
さらにイーシャさんは小さく胸を張り、ちょっとした自慢をしました。
「私、体力には自信あるんです。丸二日間休まず戦闘した事もあるんですよ」
「二日っ!? し、死んじゃう! そんなにされたらあたし死んじゃいます!!」
「何を言ってるんですか。アキは死んだりしませんよ。私がアキを死なす訳がないでしょう?
死なない様に、逝かない様に注意しますから。達する寸前の状態で、二日間だらだらと過ごしましょうね」
アキさんはナオミさんにしがみつきながら、首をぶんぶんと振ります。
「は……はは……や、やだなあイーシャ様ってば、冗談、きっついですよぉ……」
頬を引き攣らせるアキさんに、イーシャさんはきょとんとした顔をします。
「冗談? 何のことですか?」
「え?」
「え?」
「……っ!」
アキさんはナオミさんを盾にする様にイーシャさんの方へ押し出し、自分はその後ろに隠れました。
「本当、無理ですから……っ!! あたし壊れちゃいますから……っ!!」
しかしナオミさんはそんなアキさんの腕を掴むと、イーシャさんの前へと突き出しました。
そもそもアキさんを責めるようイーシャさんを焚きつけたのはこの人なんですから、まあ当然ですよね。
「なななナオミさんっ!?」
「さ、お願い致しますわ」
「はい。喜んで」
「ああっ! やぁっ! ねえイーシャ様っ! お願いですから許しんむーーっ!!」
イーシャさんは左腕でドュリエス様を抱えたまま右腕でアキさんを素早く抱き寄せると、
唇で唇を塞ぎ、無理矢理黙らせました。
「んっんんっ、んふぅ……」
散々嫌がっていたアキさんでしたが、イーシャさんの巧みな唇使い、舌使いに、
すぐに両目をとろんとさせ、脱力してしまいました。
唇が離れた頃には、もうすっかり抵抗の意志を失ってしまっていたアキさん。
涙目で手足を投げ出し、「もうどうにでもして……」といった風情です。
そんなアキさんの耳に、イーシャさんは軽く歯を立てると、息を吹き掛けるように囁きます。
「冗談ですよ」
「ん……ふ、ふえ……?」
赤髪侍女さんの面食らった顔の前で、少女騎士さんはぺろっと舌を出してはにかんだ笑みを浮かべました。
「ふふ、アキは怯えた顔も可愛いですね」
「ええ、可愛いでしょう? 虐め甲斐がありますわ」
「アキさん可愛い変態だから、虐められて嬉しいんですよね」
ナオミさん、シーリオさんもアキさんを覗き込んで言います。
どうでも良いですが、シーリオさんにだけは変態って言われたくないですよね。
アキさんは、脱力した状態からさらにずるずると体を滑らせ、顔の半ばまでお湯に浸かって
ぶくぶくと口から泡を吐き出しました。
顔は真っ赤です。
「あら、アキったら、皆に可愛いと言われて照れてるのね。本当に可愛い子」
ドュリエス様も、イーシャさんにもたれ掛かってアキさんをからかいます。
イーシャさんはドュリエス様の方に向き直ると、再びそのお顔をぺろぺろと舐め回しました。
クロエさんも、アキさんを褒め弄ぼうと思い、ゆっくり起き上がりました。
が。
「……へくちっ」
と、歳相応な、なんともあどけないクシャミをしてしまいました。
鼻水が、少し出てしまいます。
「あ、やば」
クロエさんは慌てて手を伸ばし鼻を拭おうとしましたが、それより早くシーリオさんがその腕を掴んで
押さえ込むと、クロエさんの鼻に吸い付きました。
そして、ずずずずず……と音を立てて吸い上げます。
「んご……っ!?」
鼻の中身を抜き取られる異様な感覚に、黒髪幼女の背筋が震えます。
ずずっ、ずずっ。
ぢゅるるるる……。
変態銀髪少女は一気呵成に吸引すると、愛液とも唾液とも違うその塩気のある粘液を、くちゃくちゃと
音を立てて咀嚼し、口を開けて糸を引く様子を見せつけ、そしてごっくんと飲み込みました。
「ぷふぅ……えふっ」
小さく溜息と、それから可愛らしくゲップを吐くと、シーリオさんはクロエさんに向かって
満面の笑みを浮かべました。
「えへへー、クロエちゃんの鼻水、すっごく美味しいでぶっ!」
別にシーリオさんが語尾に特徴を付けようとした訳ではありません。
クロエさんが、顔面に拳を叩き込んだのです。
……何か既視感を覚えますね。
「ふっ、ふおえひゃんっ、いひゃい」
両手で赤くなった鼻を押さえ、やはり既視感のある台詞を吐くシーリオさん。
クロエさんもやはり鼻を押さえながら、怒りを露わにします。
「もう……鼻水吸うのはやめてって、いつも言ってるじゃないか……っ!」
いつもの事のようですね。
流石、変態侍女さんです。
「えー……何でなのー? 良いじゃない別にぃ……。おしっこや唾は、一緒に楽しんでくれるのにぃ……」
「何でって……なんとなく嫌だからだよ!」
「けど、鼻はすっきりしたでしょう?」
確かに、鼻水が除去され、クロエさんの鼻はすっかり通りが良くなっています。
「う……そ、それは、まあ……。で、でも、本当にもう、やめてよね! さもないと……」
「さ……さもないと?」
ちょっと凄んでみせるクロエさんに少し怯みながら、答えを促すシーリオさん。
「さもないと……もうシーリオにちゅーしてあげない」
シーリオさんは即座に湯船のお湯を口に含み、くちゅくちゅと口内を漱ぎました。
そして、それを湯船の外に吐き出すかと思いきや、ごくんと飲み込んでしまいます。
「うふふ、皆の煮汁、美味しいですぅ……。ほらクロエちゃん、お口の中、綺麗になったよ!
これでどう? これでちゅーしてくれる?」
「……いや、な、なんか違うんだけど……。けど、もう、他人の鼻、啜ったりしない?」
「ええー。良いでしょう啜ったってぇ。ちゃんと口濯ぐからぁ」
「啜られるのが嫌なんだよ!」
話が平行線です。
すると、ナオミさんがシーリオさんに近づくと、何かをそっと耳打ちしました。
変態少女は、青灰髪お姉さんの言葉を聞きながら、ちらっちらっと黒髪幼女に目をやります。
そして、にっこりと微笑みました。
「うん、わかったよ。もうクロエちゃんの鼻を無理矢理啜ったりしないって約束する。だからちゅーして」
「ナオミ、シーリオに何を吹き込んだの」
シーリオさんを無視して、クロエさんはナオミさんに尋ねました。
「別にたいした事ではないわ。クロエがダメなら、私やアキのを吸えばいいじゃないって言っただけよ。
ドュリエス様やイーシャ様も、吸わせて下さるでしょうし」
その言葉に、ドュリエス様は肯定の笑みを浮かべました。
イーシャさんも
「え? えっと……鼻、ですか……。ええ、そうですね。シーリオがそれを望むと言うなら……」
と、流石に少々躊躇いながらも、こくんと頷き承諾します。
クロエさんはちょっと疑わしく思いましたが、とりあえず言質は取ったので一先ず納得し、
ふぅっと溜息を一つ吐くと、シーリオさんにぎゅっと抱き着き、接吻を交わしました。
そして慣れた様子でシーリオさんの舌を舌でねっとりと絡め取り、巧みに愛撫します。
シーリオさんも負けじと舌を蠢かして応えます。
やがて達しやすい体質のクロエさんが体をぷるぷると震わせ始めました。
手足にぐぐーっと力が入ります。
そしてそのまましばらく震えながら硬直した後、かくんと脱力して後ろに倒れました。
ナオミさんがその背中に手を伸ばし、支えます。
「ああ、私、まだだよう……っ!」
一方、イきかけで解放されてしまったシーリオさんは足の間に指を這わせ、最後の一押しを
自らの手で行いました。
湯船の水面が、小刻みな激しい動きに揺れ、ばしゃばしゃと波打ちます。
「ああ、ああ……っ! イくっ! イくっ! イきますぅ……っ! ふぅぅぅぅっっ!!」
びくびくびく……。
瘧の様に体を震わせながら仰け反るシーリオさんを、こちらはイーシャさんが後ろから
肩を抱くように支えました。
「ふー……ふはぁ、はぁ……ああ、イーシャ様ぁ……」
イーシャさんは、絶頂したシーリオさんの肩をゆっくりゆっくりと撫で擦り、髪に口付けし、
快楽の下降線を穏やかに辿らせてやります。
もうそんな事まで出来るようになったのです。
本当に、末恐ろしい十四歳ですね。
ナオミさんも、腕の中で荒く息をするクロエさんをきゅっと抱き締め、あやすようにお腹を撫でてやります。
「はー、はー……」
「ふふふ、こうしていると本当に子供……いいえ、まるで赤ちゃんね。おーよしよし、クロエちゃーん、
かわいーでちゅねー。だっこでちゅよー」
「な、ナオミ……はー、はー……やめてよ……。ボク、もう、十二歳になるんだからね……。そ、それに、
そういう事言ってると……はー、はー……自分に、返ってくるからね」
「? どう言う意味かしら?」
意味を図りかね首を捻るナオミさんに、クロエさんは言いました。
「はー、はー……な、ナオミお母さん、ボクお母さんのおっぱい欲しいな」
「う、ぐ……」
年齢と貧乳へ同時に攻撃を受け、思わず絶句してしまうナオミさん。
自分で振った話の流れなので、何も言えません。
「……私が悪かったわ」
素直に負けを認める青灰髪のお母さんに、黒髪赤ちゃんは得意げに微笑みます。
「えへへへへ……はー、はー……はくちゅっ」
そしてもう一度クシャミをしました。
クロエさんは慌てて手で鼻を塞ぎましたが、さっき全部吸われたばかりでしたし、
もう鼻水が垂れてしまう事はありませんでした。
それにいくらシーリオさんと言えど、流石に約束を取り付けたばかりで襲い掛かってくる事はないでしょう。
……まあ、多分。
そんなクロエさんを、ドュリエス様が心配そうに見ます。
「あら、大丈夫? 湯冷めしてしまったのかしら。そろそろお風呂を上がった方が良い様ね」
「そうですわね。もう十分に温まりましたし」
「十分楽しみましたしね!」
「ええ、そうですね」
ナオミさんとシーリオさん、イーシャさんがそう応じると、クロエさん、アキさんも
「それに、そろそろ食事の時間」
「いやあ、お腹空いちゃいましたよー」
と同意します。
と言う訳で、もう一度お顔を洗い(特にドュリエス様)、体をお湯で流し、布で拭ってから
皆さんはようやくお風呂場を後にするのでした。
続く