クリトリス。
好きで好きでものすごく好きで、正直おまんこなんかよりもよっぽどそそられる。
あの小さな突起を弄り倒せるのならば、挿入なんてなくてもいい。自分の快楽などどうでもいい。
それよりもクリトリスだ。
だから新入社員の歓迎会の帰り。上司にソープに誘われた俺は新入社員の中で一人だけ「彼女いるんで」と断って、
身持ちの固い奴だ。いや、彼女がよっぽど怖いんだよ、とかいう笑い声を背中に聞きながら、行き着けのヘルスへと向かった。
「あれーいらっしゃいー。今日は歓迎会でこれないんじゃなかったのー?」
いつもの子を。と予約して店の中に入ると、いつもの笑顔でお気に入りのアミちゃんが出迎えてくれた。
この子は正直顔はいまいちだけど、スタイルは物凄くいい。
はちきれんばかりのバスト。くびれた腰。でも何よりもいいのはその小さな突起。クリトリス。
いつも俺がしている事を思い出したのだろう。彼女の目はもうとろん、と熱を帯びていた。
「ねえ…来週まで、会えないと思ってたからあ、嬉しい…」
「アミのクリ、くりくりしてえ…ちゅって吸ってえ…そっと噛んでえ…」
シャワーを浴びるとすぐにアミはベッドに身を投げ出した。
この子が奉仕することはない。俺が断るのを知っているからだ。
奉仕するのは俺だけの仕事。
アミの仕事は感じる事。
そっ、と脚を開かせる。
期待しているのか、もう太股にまで透明な液が滴っていた。
「あ、ん…」
指で掬い取り、まずはゆっくりとクリトリスを撫でる。
つんつん突付いたり。そっと摘んだり。軽く皮の上から爪で引っ掻いたりしていれば、やがて皮を持ち上げるようにぷくりと勃ちあがってきた。
でもまだ皮を剥く事はしない。すぐに皮を剥いてしまうのは俺にとって邪道だからだ。
限界まで皮を持ち上げるくらいに勃起しているクリトリスの、なんと愛らしいことか。
それを知らずにせっかちに皮を剥いてしまうのは、勿体無い事この上ないと俺は思うんだ。
焦らしプレイにもなるしね。
直接的な刺激もいいけど、こういう責め方があるのを世の中の男は忘れがちだ。
良くない事だと思うよ。うん。
ぬるぬるの指でクリトリスを撫でれば、やがてクリの先端がひょっこりと顔を覗かせる。
皮を持ち上げ頭を覗かせるその光景は、まるでヒヨコが卵から孵化したかのようで、可愛い。
まだ完全には皮から剥かないまま、唇でちゅっとクリトリスに吸い付く。
あう、っとアミがびくんっと身を仰け反らせた。
「あっ、あ。…い、いやあ…」
「なにが?」
クリトリスに吸い付く。
ひくん。ひくっ。と身を震わせながら、アミの目が俺を見る。
「い、いじわる。わかってる、くせに、っ」
「いやあ、言わなきゃわかんないよ?どうしたの?気持ちよくないの?」
かりっ。とクリトリスを噛んでみる。勿論皮の上からだ。
皮を剥いてからクリは噛んじゃいけない。あくまで噛むのは皮を被っている時だけ。
でないと刺激が強すぎるからね。
だって。ほら。
アミも皮の上からでも、きゃああ、と叫んで。腰を浮かせちゃってるから。
「あ、あ。そ、それえ。それもっとぉ。おねがあい…」
「噛んで欲しいの?クリを噛んで欲しいだなんて。アミは本当えっちだなあ」
「だ、だって、クリ好きなのぉ。クリ噛んでもらうの、好きなのお…!!」
「しょうがないなー。じゃ、いくよ?」
クリの根元を指で押さえて。もう一度、そっと噛む。
噛み過ぎると痛いから本当に歯で挟む程度。それでもびくんっと大きく震えて、あああー!とアミは叫んだ。
そう。俺が気に入ってるのは、アミのこのクリトリスの感度だ。
少し触っただけで、少し舐めただけで。少しの刺激だけで敏感に反応する。しかもそれを隠さない。
ちゅううっと強く吸い付けば、それだけで全身を震わせて、アミは達した。
はあはあと荒い息を繰り返し、アミが肩で息を繰り返している。
達した事でどろりと奥から愛液が溢れ、ベッドの上に敷かれているタオルに染みを作った。
とろとろ、とろとろ溢れる愛液。ひくひくとクリトリスは震え、おまんこは開閉を繰り返している。
汗ばむ肌に纏わりつくように、アミの髪の毛が額や頬。肩に張り付いていた。
「可愛い」
ちゅ。ともう一度クリトリスにと吸い付く。んあ。と弱弱しく、アミが腰を揺らめかせる。
ちゅっ。ちゅ。と強弱をつけてクリトリスに吸い付いていると、くしゃりと髪の毛を掻き混ぜられた。
「…なに?」
「だ、だめえ。い、いったばかり、だから。ちょっと、きゅうけ…」
「だめ」
だってここからが本番だ。きゅっとクリの皮を剥く。
イった事でこの上なくクリはビンビンに勃起している。剥けばぷるん。と存在感のあるクリトリスがその姿を見せた。
ピンク色で。程よい大きさで。とても俺好みだ。怯えたような、でも期待しているような、アミの目が俺を見ている。
どうしようかな。と思案する。期待に応えてあげてもいいし。ちょっと焦らしてみてもいい。
ふ。と息を吹きかけると、ひっ。とアミが息を飲んだ。
「あ、あ!あー…」
掠れた声。
イったばかりだもんね。敏感なアミにはこれだけでもかなりの刺激だよね。
でも、もちろんこれだけじゃない。俺は舌の先端を尖らせ、おまんこの中にそれを突き入れた。
当然おまんこの愛撫なんて考えてはいない。俺の目的はただ一つ。アミの愛液だ。
「んんっ」
ぬるつく愛液を掬い取り、それをクリに塗りつけていく。
唾液でぬるぬるにするのもいいんだけれど、こっちの方がぬめりがいいように思える。
時折尿道口も舌先で擽ると面白いように体が跳ねた。
「じゃ、ちょっとつねってあげる」
きゅう。とクリの先端だけを指で摘みあげる。
じたばたと脚がもがくのも構わす、先端だけを扱くように、指で押し潰すように刺激した。
アミのクリはちょっと大きめだからこんな事も出来る。
つまみながら、潰し(勿論凄く手加減している)ながら、チロチロと舌でクリの根元をねぶっていく。
クリの根元は女の子が凄く感じる所なんだよ。尿道口に近い位置ね。
クリの上の方ばかりついつい弄りがちだけど、ここはかなりいい反応が返って来るから、クリ好きとしては押さえて置きたいポイントだ。
上の、俺には見えない位置で、アミが頭を激しく左右に振っていた。あー。あー。と弱弱しく叫んでいる。頭に置かれたままの手ももう力が入っていない。
ただ、頭の上に置いてある、というだけだ。
舌をねっとりと押し付けるようにクリにと絡ませる。
舌の上にまでクリの感じている痙攣が伝わってきて、俺の顔は知らず緩んでいた。
てらてらとした愛液に塗れたクリトリスが、薄暗い個室の中、数少ない照明にその身を照らしている。
限界まで絞った明るさの中、それはとても卑猥な光景に見えた。
有線の響く部屋の中でもはっきりと聞こえる、荒い呼吸で満たされた室内。汗ばむ肌。独特の雌の匂い。
あの後俺は執拗にクリだけで何度もアミをイかせた。
唇で。指で。舌で。手を変え、品を変え、何度も何度も。
その度にびくびくとアミは跳ね、汗を流し、愛液を流して。涙で目を潤ませて、声を上げて絶頂を迎えた。
今は体力をほぼ使い果たして横たわっているアミを、俺が上で覆い被さるようにして眺めている状態だ。
アミがグッタリとしているのをいい事に、ぐいっと両手で太股を押し開き、限界まで脚を開かせて、真ん中の柔らかい肉を割る。
ぐちゅりと濡れた音をさせて指がそこを暴けば、すっかり初めの頃の面影の残らないアミの秘所があった。
自分の快感の証に塗れ、ふるふると震えながら充血して天を向くクリトリス。
その光景は俺の心の中をゾクゾクと高揚させた。
「ぐっちゃぐちゃだね」
そう言ってアミの顔を見つめると、相手が一瞬絶句した。
ばしん、と赤い顔で一度腰をはたかれるけど、痛みなんか全然感じない。
ついっと仕返しのように爪でクリの根元を撫で上げる。ただそれだけで、びくっとアミが硬直する。
そろり。そろりと弱く弱く。とても丁寧に。小さな刺激でクリの裏側。根元から先端までを指先で撫で上げていく。
何度も何度も根気よく繰り返しやっていれば、やがて甘い吐息がアミの唇から漏れ始めた。
「ん、っ。んんっ、うー、っ…!」
本来なら愛撫にもならないような刺激だ。
それでもイキまくっていた体には充分な愛撫になる。
イった後しばらくしんどいのは男も女も同じだ。
イカせて、それでも激しく責め続けるやり方もあるのを俺も知っているけど、そういうクリ責めは俺は好きじゃなかった。
刺激は強すぎればそれは快感ではなく本当にただの「刺激」になるからだ。
せっかくの一番女の感じる器官なんだ。
強すぎて快感なのかそうでないのかわからなくなってしまう刺激より、あくまで愛撫の範囲内で刺激を与えるのが俺の好きなやり方だった。
イカせてイカせてイカせて。時には少しだけ休憩を挟んで。
一定の範囲は超える事はせずに。気持ちがいい。の範囲のままで。
アミの体を後ろから抱え上げ、背中から抱くような形で腕を回す。
すっかりクリトリスから感じる快感に夢中になって蕩けていた顔が、え…?と自分の方を向いた。
ヘルスの部屋には鏡が置いてある所が多い。
ある場所とない場所とあるが、ここは置いてあるヘルスだった。
ベッドの横に身支度を整える為のものだろう。姿見が一つ置いてあった。そちらにと向け、アミの体をずらす。
何をされるのかを察したのだろう。じたばたと腕の中に居るアミがもがきはじめた。
「こら。なんで暴れるの」
「い、いやっ。だって、見えちゃうっ…!」
脚に脚を絡ませる。大きく開かせて固定する。
アミの右手を取って、そっと、アミの中心にと導いた。
濡れたままのおまんこ。その上でひくつくクリトリス。
ちょうど俺達が居るのは照明の真下の位置で。
鏡にはまるでスポットライトを当てられているかのように照らされ、光り輝くクリトリスの姿が映し出されていた。
ひくっ。と自分のあまりの光景に、アミの喉が鳴る。
「何すればいいか、わかるよね?」
耳元でそっと囁く。
これは何度もしてきた行為だ。アミもちゃんと解っている。
それでも執着心が邪魔をするのだろう。おまんこに宛がわせた手は何もしようとしないまま、ただそこで小さく震えているだけだ。
あ。あ。と小さな小さな、アミの震える声が、下半身にずぐんと来る。
もうすっかり化粧も汗に塗れて落ちて。髪の毛も暴れたせいてとんでもなくぐしゃぐしゃで。
それでも今のアミの顔は、他のどんな女の子よりも俺の目に可愛らしく映った。
「クリの根元。好きでしょ?」
ぴくんと肩が揺れる。おそるおそる、アミの指がくっ、とクリの裏側から、まるでクリトリスを持ち上げるようにして動き出した。
クリトリスの裏筋。クリトリスの裏側。繋がっている部分。付け根。女の子の一番感じる器官の、一番感じてしまう場所。
指の腹でこしゅこしゅと愛液を塗りつけるように、整えられた爪が上下にとゆっくりと動いていく。
桜色の爪先が、自分の爪の色よりも赤い色のクリトリスを弄っていく。
「あ、あ、あ」
アミは気付いているだろうか。今自分が笑っていることに。
羞恥に顔を赤くして、涙まで目に浮かび上がらせて。汗の玉を体に浮かび上がらせて。
男に背中から抱きかかえられながら大きく脚を開いて、自ら指で割り広げて弄りやすくして突起を捏ねながら。
この上なく幸せそうに笑っていることに。
「気持ちいい?アミ」
耳の後ろにしゃぶりつく。背中を震わせて、背中が一瞬俺の胸から浮いた。
触れてもいないのにアミの乳首もクリトリスに負けないくらいに勃起していて胸の上で揺れている。
こくこく頷く相手のその素直さが可愛くて、俺は自慰を続けるアミの体をぎゅっと後ろから抱きしめた。
―――そこで、ベルが鳴った。
いつの間にか随分と時間が経過していたらしい。
一番長いコースを選んだつもりだったのに、もうこんな時間か。
夢中になってクリを弄っていたアミの指が、我に返ったようにぴくりと指の動きを止めた。
「あ…」
プルルル。とベルは鳴り続けている。
これから俺達はシャワーを浴びて。二人で身支度を整えて。
そして俺はアミに見送られ、アミはまた誰かを迎え入れる為に準備をしなくてはならない。
指は止まったままだ。ずっと弄られ、弄ばれ続け、今、最高に感度が高まった状態で、
自分のツボを最もよく知っている人間に弄られてこの上なく感じていただろう赤い突起が、唐突な快感の消失に戸惑うようにぴくぴくと震えている。
太股はもう汗なのか愛液なのかわからない何かでドロドロで。
興奮と快感で赤味を増した白い肌は納まる気配すらない。
何度も達し続けて途中もうだめえ、もう無理なのお、と叫んでいたアミが、今はどうしようもなく泣きそうな顔で俺を見ていた。
「時間だね」
「……」
「シャワー、行く?」
「……」
アミは答えない。ただ眉を下げて俺を見ている。
多分延長をしたいんだろう。あれだけクリトリスを弄られて、泣きながら善がって喘いで叫んで。
それでも、まだまだその快感を貪欲に求めているのは、手に取るように解った。
俺の財布にはまだ余裕はある。延長をしてもいいのだけれど――
俺は、そっとアミの柔らかな体から身を離した。
「さ、行こう?」
優しく手を伸ばす。アミはやっぱり眉を下げたまま、俺の手を取り、ベッドから身を起した。
アミは優しい性格なので、延長を自分から強請る事はしない。あくまで客の意思に任せる。
浅ましく見られるのがいやだという気持ちもあるのだろうし、金をあまり使わせるのは悪い。というのもあるのだろう。
ともあれ、こうしてプレイの時間は終わった。
「ねえ――」
そっと背中に声がかけられる。
とん。と甘えるように、アミが俺の背中に体を寄せていた。
「…ん?」
「今度は、いつ来てくれるの…?」
甘えた声。
たっぷりと快感を与えられた癖に、それでももっともっと。と貪欲に強請る声。欲しがる声。
「アミね…。……さんにクリを弄ってもらうのが、本当に一番気持ちがいいの…」
アミの声はおそらくは真実なのだろう。おそらくは今もクリトリスは快感を思い出し、先程の名残もあって疼いているのだろう。
声はまだ熱を帯びていて、本当は今からでも延長を申し出たいくらいなのだけど。
「じゃあ、来週ね」
「…本当?」
「うん。週末に」
そう告げるとアミは本当に嬉しそうに笑んだ。
そう。快感をひたすら与えるだけでなく。快感と快感の「間の時間」も、クリ責めには必要だから。
だから、これは必要期間。
俺は胸の内の欲望を押し殺す。アミを我慢させるのと同じで、自分自身にも我慢をさせる。
「次はシャワー室でクリ弄ろうね。泡でぬるぬるにしてさ。シャワーの水圧をクリにあててもいいよね」
「ああ…。うん。たのしみに、してるぅ…」
うん。楽しみにしてる。
アミがその時どんな反応をするか。どんな声を出すのか。
クリトリスはどうなるのか。
色々考えて来るから。また一緒に色々遊ぼう。
とろんと溶けた目をするアミに、俺はそっとキスを落とした。
完。