智花は尿口付近を丁寧に消毒され、蒸しタオルで無毛の女性器を丁寧に拭き清められ、ようやく本来  
の年相応な下着を穿くことが許された。  
と、言っても、研修医が持って来たパンティは真っ白な木綿製で、若干思春期の少女が好む下着ではな  
かった。パンティにはたくさんのフリルとリボンがついた可愛らしい意匠であった。木綿の少し厚めの  
生地はお臍まで隠すタイプであった。  
(智花が小学生のときに穿いていたパンティみたい……)  
 中学生になって周りの級友に合わせて腰パンになった少女にとって、お臍まで隠すパンティには少し  
屈辱感もあったが、他人に淫らに見せてはいけない秘密の場所を晒す恥ずかしさから少し解放された。  
「さすがに小児科のパンティだな。お毛々の生えていない小学生にぴったりだな」  
「…………」  
 蛭間の感想に智花は細い首を項垂れた。あまり下を向きすぎると首輪が食い込んで違和感があったが、  
頭をあげて羞恥にまみれた表情を大人たちに見られる敗北感より数倍ましであった。  
「君、パンティだけ持って来たら駄目じゃないか。オムツ姿ならともかく、病院内をパンティ一枚で歩  
かれたら患者様が吃驚するだろう。そういうところが君の気が回らないところなんだ」  
「すみません」  
 蛭間はパンティを持ってきた研修医をやんわりと叱りつけた。研修医も中年医師が本気で怒っていない  
ことを悟っており、口調を合わす程度の心のない謝罪であった。こんな安っぽい茶番劇にも気が高ぶって  
動転している智花にはわからなかった。蛭間が自分のことを心配しているのか?とさえ、好意的な解釈を  
してしまう。  
 
「それに君は、パンティを借りてくる時になんと言って借りてきたんだ?」  
「サイズは? って、深夜のナースに聞かれたのですが、サイズがわからなかったので、身長は150セン  
チより少し低めで小学5年生になる女子児童ですって答えました」  
「だからか……一応、智花は、これでも元は中学2年生だったんだから、小学5年生のサイズよりは大き  
いのはわかるだろう。君の説明だと小児科の看護婦は一般的な小学5年生を思い描いてパンティサイズを  
選んだみたいだぞ。見てみなさい。剃毛したこととパンティサイズが小さいことでくっきりと恥ずかしい  
縦筋ができているじゃないか」  
 蛭間の説明で一同の視線が智花の穿き替えたばかりの下着に注がれた。俯いた彼女の視線にも木綿の生  
地に一本筋が縦に入っていることが確認できた。パイパンされたことによって陰毛がなくなり、パンティ  
の生地と皮膚がダイレクトに密着するようになり、女性器の膨らみや亀裂がパンティ上からも窺い知るこ  
とができるようになっていた。  
(……は、恥ずかしいよぉ……もう、見ないでよぉ……お、お願いだから、もう見ないでぇ……)  
 智花は視線が集中する股間に視線を落とし、首に食い込んだ首輪の所為で息を詰まらせる感覚に襲われ  
た。慌てて男たちの視線から逃れるように診察台の上で見を小さく折り曲げ、両手で白い下着を覆い隠し  
た。  
 それでも、全ての下着を覆い隠せるわけはなく、肌理細やかな乳白色の細く長い脚や紅葉のような手の  
平からのぞく白い生地には、完全に露出されるより隠されたエロスがあった。悔しそうにそれでいて、「見  
ないで」と弱々しく訴えるような少女の瞳の色や、羞恥の炎で染め上げた頬肉などはよりいっそうと少女  
美を高めていた。  
 
 彼女は男たちの視線によって足の爪先から頭の天辺までを舐めるように見回され気持ちが悪かった。  
 どの男たちの瞳にも医療者としての真摯な眼光ではなく、何処か邪で不純な色が含まれていた。しかし、  
もっとも早く智花から視線を外したのはもっとも好色そうな蛭間であった。中年男は少女から視線を外す  
とそのままデスクに向かい内線で電話をおこなった。  
*      *      *      *      *  
 内線で呼び出されたのは、智花の病棟ナースたちで深夜勤務の人員が少ない時に仕事を増やされて、不  
機嫌な表情を浮かべていた。  
 二人のナースに左右を囲まれて病棟まで連行された智花は、スカートを与えられた。  
「えっ、こ、これを……穿くのですか?」  
 ナースステーションの戸棚から取り出したものは、真っ赤なフレアの超ミニのスカートであった。異常  
な物を見るようにそれを凝視した。  
 顔を赤らめ、スカートを持って来たナースから一歩後退いてしまう。  
「穿きたくなかったら、穿かなくても良いわ。部屋にあるオムツカバーをあてておいたら」  
 投げやりな口調で不機嫌なナースが言葉を吐くと、智花は躊躇しながらもおずおずとスカートに手を伸  
ばした。  
 ――パティーン!  
「いたぁ!……」  
「無言でスカートを取ろうとする人がありますか、本来奉仕特待生は病棟内ではオムツ姿なのを蛭間先生  
の計らいでスカートを貸して頂けるのよ。感謝の言葉を言うのが人としての常識よ」  
 手の甲を叩かれ驚いた少女は、ナースの剣幕に怯えながら口から震えた声を絞り出した。  
「す、スカートをか、貸してくださり……あ、ありがとうございます……」  
 
「まあ、良いわ」  
 ナースはスカートを少女に手渡すと、智花は他のナース達にも見られながら、慌てて素早く超ミニを穿  
いた。  
「短いでしょう、そのスカート。幼稚園の女の子が穿いているスカートみたいよ」  
「こ、こんなの。いやー!……」  
 智花は実際に穿いてみて超ミニスカートの短さにスカートの裾を押さえ、身体を揺すって駄々をこねた。  
ナースが言うようにスカート丈は大腿の付け根ギリギリの高さで、少しでも膝を落としたり上半身を屈曲  
するとパンティが容易に露出することが想像についた。  
「智花ちゃんは小学生になったんでしょう。小学生の女の子は服から乳首の形が見えたり、パンティもす  
ぐ見えたりに、馴れっこにならないといけないわ」  
「そ、そんな……」  
 別の看護婦の言葉に智花はうろたえた。さっとミニの裾の辺りを手で押さえる仕草を見せているが、朝  
顔の花のように広がったフレアスカートから、太腿の綺麗な丸みが付け根近くまで見えているのは隠しよ  
うがなかった。  
 ナースが言うことも一理あったが、最近では高学年の小学生はブラジャーもすれば、羞恥心が発達して  
おりこんな短いスカートは、本当に幼稚園児か小学生の低学年だけしか穿かないような代物であった。そ  
の分、本来は中学生の第二次性徴真っ只中の少女が穿く超ミニは、扇情的でしかも卑猥な感じさえして異  
様に目立った。  
 
「まあ、いつまでパンティで生活できるか見ものね」  
「オムツに超ミニのスカートも可愛いかもね」  
「お、オムツなんてもう穿きませんから……」  
「フフフ、そうなると良いわね」  
 看護婦たちの話に智花は誓いを立てるように訴えた。しかし、少女の悲痛な叫びはナースたちの嘲笑を  
かうだけで、まったく相手にされなかった。まるで幼稚園児がサンタの存在することを力説するのを、サ  
ンタの存在が両親であったことを知ったばかりの小学生が嘲るような感じであった。一方は答えを知って  
いるが、片方は盲目的に空想を信じているという図式であった。  
 智花に当てはめると、看護婦たちは少女がいずれオムツ生活に戻ることを暗示しているようであった。  
「そろそろ、採血の時間になるわ。奉仕特待生を部屋に戻して各自は自分の業務に戻って」  
 少女を好奇心から見詰めていたナースたちは、年配の深夜帯のリーダーからの言葉で各自の業務に戻る  
ために散り散りになった。一人残った若いナースが智花のもとに近づいて来て「お部屋に戻ろうね」と声  
を掛けてくれた。  
「智花ちゃんのお部屋にはポータブルトイレを用意してあげたから、これをこれから利用してね。あと、  
今朝の検温はなしにするように蛭間先生から言われているからなしよ」  
「わかりました……」  
 部屋の隅にはポータブルトイレが置かれていた。はじめてそれを見る智花は、洋式トイレみたいだなっ  
と素直な感想を抱いた。室内で排泄を行うには抵抗感があった。本当ならトイレに行かせて貰いたかった  
が、そこまでの贅沢は病院側が聞いてくれそうになかった。そして、何よりオムツにお漏らしをする屈辱  
に比べたら、室内のトイレで排泄をするなど許容範囲内であった。  
 
(オムツも片付けてくれないかなぁ……)  
 部屋の隅のダンボールにいっぱいに入った紙オムツの山を見詰めながら智花は朧げに思った。その少女  
の視線に気がついた若いナースは智花と同じ目線にまで腰を屈(かご)めた。  
「智花ちゃん、紙オムツはまたいつ必要になるかわからないからお部屋に置かせておいてね」  
「も、もう必要にならないよぉ……」  
 智花は頬を染めて口を尖らせて優しいナースに不平を口にした。しかし、ナースは笑みを絶やすことな  
く少女を驚かせるようなことを語りかけてきた。  
「検査とか学校以外で、お部屋にいる時にポータブルトイレに排泄がすることを50回失敗したら、残念  
だけど智花ちゃんはパンティ禁止でオムツ着用生活に戻って貰うわよ」  
(50回も失敗なんてしないよ。1回だって失敗しないもん)  
「そ、そんなこと絶対にありませんから……」  
「そうだったら良いわね。後ね。奉仕特待生が粗相をパンティにした時は、自分が粗相をしたことがよく  
わかるようにパンティは乾かすだけで洗濯して貰えませんからね。智花ちゃんのパンティは今穿いている  
をあわせて、3枚だけ支給されるから大切に使ってね。もちろん、粗相をしなかったら毎日洗濯をして貰  
えるからね。3枚あれば充分でしょう。その3枚も月ごとに新品と交換してあげるからね」  
「粗相なんて絶対にしませんから! パンティも3枚あれば充分です!」  
 若いナースの対応に智花は口調を少し荒げた。さっきからこのナースだけでなくどのナース達も智花が  
赤ちゃんのようにお漏らしすることを決め付けているように話すことに我慢の限界を越えたのだ。しかし、  
少女の威嚇などどこ風吹くかの如くのようにナースは余裕の笑顔を浮かべている。  
「今日は、午後から永久脱毛の治療があるからそれまでは寝ていなさい。一晩中逃げようとして起きてい  
たのでしょうけど、目が真っ赤になっているわよ」  
 と、ナースが告げると部屋から出て行った。  
 
 部屋の扉が閉まると、智花はポータブルトイレに近づいた。扉を開けるとすぐに見えるような位置に置  
いてある。しかも、監視カメラも角度的にポータブルトイレをレンズに捉えていた。ポータブルトイレを  
動かそうにも捻子で留められており、動かすことはできなかった。  
(寝る前にはいつもおしっこするけど、さっき、オムツにお漏らししたから、おしっこしたくないよね?  
うん、大丈夫っぽいわ。カメラもあるしギリギリまで我慢してすれば良いわよね)  
 智花は自問自答をして排尿感がほとんど皆無なために、そのまま寝ることにした。スカートを穿いたま  
ま睡眠をするような躾を受けてこなかった少女は、超ミニのスカートを脱ぐとさっとたたみ、ベッドの中  
に駆け込んだ。  
 ベッドは程好い柔らかさと温かさであった。室内は逃亡を決行した時の暗闇ではなく、朝日が薄っすら  
と差してはじめていた。彼女はシーツを頭まで被り目を閉じるとそのまま深い眠りの世界に誘われた。  
*      *      *      *      *  
 智花は中学校の就学旅行で沖縄に来ていた。  
 中学校の最大のイベントである。夏休み後なのに沖縄の太陽は燦々と蜜柑色に輝いている。  
 双子の兄と智花は中学校1年生の冬頃から楽しみにしていた。その所為か、冬にも関わらず両親に我が  
ままを言って、ペアの水着を買って貰っていた。  
 兄や級友たちと沖縄の海を買って貰ったお洒落な水着で遊びまわった。あまり泳ぎが得意でない智花で  
も、浮き輪とともに透き通るほど美しい海面を泳ぐことができた。しかし、突然に兄が智花の隣から海の  
中に消えてしまった。透き通っていた筈の海水はいつのまにか淀んでいる。  
 
 智花は恐ろしさに震えたが、消えてしまった兄を救うために海の中に潜った。すぐに、浮き輪さえ見え  
なくなるほど淀んだ透明度を持つ海は彼女の視界を奪ってしまった。少女は一点の光もない闇に支配され  
た。感覚であるのは首もとを締め付けるような息苦しさと下半身を追おう水の感覚だけであった。  
 智花は泣き叫ぶように声をあげようにも声がでなかった。水が口の中に入ってこなかったのは不思議で  
あった。  
*      *      *      *      *  
「……もかち……、ん、とも……ん、智花ちゃん」  
「う、うぅ……あ、あっ、萩原さん」  
「智花ちゃん、怖い夢でも見たの? うなされていたわよ」  
 智花は肩を手荒く揺すられて夢から覚醒した。覗き込むようにして少女を見ているのは、智花の受け持  
ち看護学生の萩原織江(はぎわらおりえ)であった。20歳の正看護コース3年の織江は西洋人とのハーフか  
クオーターを思わせるはっきりした顔立ちの美しい女の人であった。切れ長の瞳には好奇心を探求する強  
い意志が宿っている。  
 同性の智花でさえ、長身で美人の織江には心惹かれるものがあったが、昨日の受け持ち挨拶時には少女  
の福与かな胸を生意気と穿き捨てたり、身体検査時にはまるで人形に接するように愛着の欠片もない扱い  
をされていたため、智花は織江のことを苦手だった。  
 智花は楽しみだった修学旅行が夢であったことに気がついた。そして、自分の皮膚を通して感じる違和  
感にベッドから上半身を跳ね起こした。  
「智花ちゃんは、どうやらおねしょしちゃったみたいね」  
「ど、どうして……」  
 
 織江に指摘されるまでもなく、清潔感のある白いシーツには黄色の染みが広がっている。シーツをどか  
してベッドやパンティを確認するまでもなく、まだ温かい小水の感触は股間だけでなく臀部や大腿部の広  
範囲まで知覚できた。  
「どうしてなの……」  
「どうしてって言われてもねぇ……こっちが聞きたいわ。今日、病院に来たら智花ちゃんが中学生から小  
学生に落第したことを聞かされて、カルテから情報収集をしてきてみたらおねしょですもの。どういうこ  
となの?」  
「…………」  
 逆に織江に質問されてしまい智花は言葉を発することができなかった。現実として下半身に知覚するお  
しめりは失禁の結果であることは少女にもわかっていた。しかし、お漏らしをすると半ば決め付けていた  
病院スタッフたちにお漏らししないと啖呵(たんか)を切ったばかりであった。まさに智花は舌の根も乾かぬ  
うちに誓いを反故してしまったのだ。  
 昨晩のオムツへの失禁だけでなく、今回はおねしょと言う拭い去れない事実は、少女の大人の階段を上  
がっていた思春期の自信をかなり崩されていた。  
「まあ、おねしょしたものはしょうがないわよね。新しいパンティを看護婦から預かってるから穿き替え  
ようね。ちょっと待ってね。蒸しタオルを持ってきてあげるから。あっ、その前に濡れちゃったパンティ  
を脱いでちょうだい。お漏らししたら汚れたまま乾かすように言われてるから」  
「…………」  
 織江は強引に彼女のシーツを剥ぐと、上から彼女を冷淡な目で見下ろした。口調は優しいが抑揚はない。  
眼下に晒された染み付きのパンティから漂うアンモニア臭を嫌がるように眉に皺を寄せて見せる。智花は  
視線を合わせることができなかった。  
 
「や、やだぁ」  
「お漏らししたパンティのままでいるの?」  
「……」  
 フルフルと織江の問いに頭を横に振る。  
「じゃあ、脱がしてあげるわ」  
 屈辱に打ち震えている智花に辛抱の限界を越えたのか、織江は智花のパンティを引きづり降ろした。水  
分を大量に吸収した木綿の生地は、柔らかそうな太腿に絡まりながら乳白色の皮膚に黄色の水滴を残して  
足首から取り除かれた。  
 織江はパンティを汚そうに摘み上げ汚れたシーツとともに室内から退出した。  
(どうして? どうしてこんなことになっちゃったの? おねしょなんてしたことなかったのに……昨日の  
晩にオムツにお漏らししたから癖がついたの?……ぜ、絶対にそんなことないわ……)  
 織江が部屋から退出しても智花は取り返しのつかない大失態の呪縛から逃れなかった。さらに、すぐに  
蒸しタオルを持って来た看護学生によって、おねしょの呪縛はより鮮明なものとなった。織江は蒸しタオ  
ル以外に他の代物も携えて戻ってきた。  
 
「ここに干しておくわね。乾いたらローテンションでこのお漏らしパンティも穿くのよ」  
「そ、そんな……」  
 智花の愕然とした声を無視した織江は室内中に汚れて悪臭を放つパンティを干した。智花にとってそれ  
は自室にいる限りおねしょをした事実を忘れることのできない所業であった。  
「それじゃあ、汚れておしっこ臭いところを拭いてあげるからね。この後は永久脱毛の準備ができている  
そうだから、美容整形外科外来に行きましょうね」  
*      *      *      *      *  
 智花は頬を真っ赤に染め泣きそうになりながら、織江の背中に隠れるように美容整形外科外来の一室に  
立ち竦んでいた。  
 少女はこれからはじまる恥ずかしいことに対する恐怖も強かったが、それ以前に行われた辱めも頬を染  
め挙げる一因を担っていた。  
 織江が恥ずかしい染み付きのパンティを干し終わった後、智花は自分で拭けるにも関わらず蒸しタオル  
を与えられることがなかった。蒸しタオルは看護学生の手によって恥ずかしい秘密の場所まで押し開いて  
丁寧に拭かれた。白いタオルが黄色く汚れたのを見た。「いっぱいお漏らししたのね」という織江の無配慮  
な言葉に傷つけられた。  
 さらに排尿をポータブルトイレで促された。排尿感はなかったし何より同性の前とは言え、親族の前で  
も排泄姿は晒したくなかった。だが、奉仕特待生の悲しい身分と『おねしょ』をしてしまった前科を責め  
立てられると観念してポータブルトイレに腰を下ろすしかなかった。  
 もちろん、織江や監視カメラの前では緊張してしまい排尿感が高まることなく「今はでない」という智  
花の訴えを聞き入れて貰えた。そして、ようやくパンティを許された智花は超ミニのスカートを穿いて、  
外来に来ている患者たちに奇異と好色の目で見送られながら、美容整形外来にまで辿り付いたのであった。  
 
「今日は、これから永久脱毛の実習を行います。学用患者として被検体になってくれるのは奉仕特待生の  
白石智花さんです」  
 ――パチパチパチ!  
 一室に拍手喝采が鳴り響いた。智花は織江の看護学生用のナース服をギュッと握り締めて怯えた。室内  
には30人ほどの男女が待ち構えていたのだ。全員が白衣を着た医大生であり、妙齢な美容整形外科医の  
女性の説明に反応した。  
「智花さんがどうして永久脱毛をするにいたったかを、ご自身の口に説明してください」  
「…………」  
 女医の言葉に智花は益々と織江の後ろに隠れた。だが、織江は智花を医大生で囲む円の中心に押し出し  
て、小さな声で囁いた。  
「智花ちゃん、しっかりと説明するのよ」  
「あ、ああ……あうう……」  
 智花の口からは空気を掻くような意味をなさない音がこぼれるだけであった。「駄目ね」と言った感じ  
に頭を左右に揺らした女医は、少女を一瞥すると織江に向かって質問をした。  
「自分の口から罪を認めたら痛くないように全部レーザー脱毛をしてあげようと思ったのに、自分のした  
ことの罪をしっかりと身体で覚えさせないといけないようね……あなたは智花さんの受け持ち看護学生さ  
んね。ここにいる医大生に理由を説明してあげてちょうだい」  
「はい。わかりました」  
 指名を受けた織江は背筋を伸ばしてはきはきと答えた。普段は「智花ちゃん」と呼ぶのに皆の前では  
「白石さん」とまるで患者を紹介するような対応であった。  
 
「白石さんは、今日の明朝に順健大学附属病院から脱走しようとしました。脱走しようとした愚かしい行  
為に白石さん自身深く反省をしましたが、担当医の蛭間医師との人間関係に破綻がきたしてしまい修復期  
間として3年間のペナルティを自ら受け、本来なら中学2年生のところを小学5年生に落第することで贖  
罪をするつもりです。これから、小学5年生として生活するために小学生らしい幼い身体を得るために、  
今日は永久脱毛を受けにきました」  
「そういうことよ。皆さんわかりましたか?」  
『はい。わかりました』  
 医学生の歯切れの良い声が響いた。智花は逃げてはいけないと思いながらもまた逃げ出したかった。し  
かし、周囲を医大生に囲まれ、細い手首は織江によって捕まえられていた。  
「それでは智花さん、永久脱毛をはじめたいので衣服を全て脱いでください」  
「こ、ここでですか?……」  
「そうよ。ここでないとできないでしょう?」  
「でも、男の人もいる……」  
 泣きそうな顔で智花は女医に訴えたが、当の女医にとっては柳に風でまったく気に留めた雰囲気さえな  
く再度、服を脱ぐことを促すだけであった。  
「服が脱げないって言うのなら、罰として蛭間先生にこれからまたオムツ生活に戻るように進言しましょ  
うか?」  
「お、オムツはいやです……」  
「それじゃあ、後1分以内に素っ裸になってね。それができなかったら無理やり学生に脱がして貰って、  
永久脱毛が終わったあとはオムツをあててあげるわよ。それじゃー、用意スタート!」  
「ま、待ってください……や、やぁ……」  
 
 女医は腕時計を見つめている姿に智花は取り乱した。しかし、オムツと言われると逆らえなかった。青  
い顔をしてさっさと上半身の洋服を脱ぐと、幼稚園児が穿くような超ミニを転げそうになりながら脱ぎ捨  
てた。幼い意匠の白い木綿パンティ一枚の裸になった。  
 智花はパンティ1枚になって間誤付(まごつ)いてしまった。手の動きが胸を覆い隠して止まってしまう。  
医学生達の視線が恥ずかしかったのだ。特に男子学生の視線は胸や股間に集中しているような気がした。  
智花は意外に大きなモッコリした恥丘の輪郭が浮き出ていた。その下の膨らみは脚を完全に閉じ合わせて  
いたため、内腿に挟まれて尖った三角形になって見えた。  
「後、10秒……8、7、6、5……」  
「み、見ないでくださいぃ!……」  
 女医がカウントダウンをはじめると停止していた智花は弾かれたようにパンティの横ゴムに手を差し込  
むと、一気に足首まで引き下ろした。  
「1、0と……ぎりぎりセーフってことね」  
 女医の言葉に智花は胸を撫で下ろす余裕さえなかった。両手で恥ずかしい場所を隠しているが、お尻は  
丸出しである。人の円の中心にいるためどちらを向いてもお尻を曝すことを隠すことができなかった。  
「じゃあ、器具を持ってきて」  
 女医の言葉によって数人の学生が散り散りになった。しかし、それでも半数以上は智花を興味深そうに  
眺めている。  
「智花さんは、特製の診察台に上がりましょうか」  
 智花は細い手首を女医に掴まれた。股間を隠していた方の手で抵抗をしたが、非力な少女の力はあっさ  
りと大人の力の前に屈してしまい。ツルツルの女性器を曝したまま学生の輪の一部に近づいていった。輪  
が自然に左右に開かれると目の前に現れた診察台に少女は悲鳴をあげた。  
「や、やだーー!!」  
「こ、こら、暴れたら駄目よ。手の空いてる人は抑制の手伝いをして」  
『はい』  
 
 女医の言葉に突き動かされたのは男子学生ばかりであった。暴れる智花を取り押さえる名目で陥没した  
乳首の乳輪や、双臀、太腿、お腹、乳房、頬、割れ目といたるところを触られながら、特製の診察台の上  
に抑制されてしまった。  
「いやっ、やだぁ!」  
「煩いわね。外来の患者様が何事かと思って心配するでしょうが」  
「先生、任せてください」  
 女医が渋い顔をして悲鳴をあげる智花を見詰めていたら、織江が人の壁を掻き分けて近づいて来た。女  
医は彼女が手に持っているものを見てニヤリと笑った。看護学生が考えていることが女医に以心伝心でき  
たのだ。  
「わかったわ。あなたに任せて、私はバックアップするわ」  
「や、やへてぇ……ふごっ……ふほぉ、ふぅ……」  
 女医は智花の頬を両手で押し開くと、開いた花びらのような唇のピンク色の間に真っ白い生地を押し込  
んだ。それは智花が先ほどまで穿いていた真新しいパンティであり、全部、入りきらなかったパンティは  
口からはみ出していた。気を聞かした女の医大生も医療テープを持ってくると口の周りを取れないように  
固定した。  
 智花に施された猿轡は両手ですぐに取れるものであったが、彼女の両手は万歳をするように診察台に括  
りつけられている。脚もM字開脚で赤ちゃんがオシメを変えてもらうような姿勢で抑制できる特製の診察  
台であった。  
「それでは授業をはじめます」  
 猿轡から意味をなさない言葉を弱々しく発する智花を尻目に女医は、物品が用意されたことを確認する  
と授業の開始を合図した。  
 
「まず、今回はレーザー脱毛以外にももう一つの脱毛方法を紹介します。皆さんも最近は主流となってき  
たレーザー脱毛の利点を挙げてください」  
「あまる痛くない」  
「そうですね。ゴムで弾く程度の痛みといわれていますね。それ以外はありませんか?」  
「毛を生やさなくてもできる」  
「そうね。レーザー脱毛は毛を生やさなくてもできるから、今回は智花さんの剃毛された恥丘や女性器周  
辺はレーザー脱毛で行います」  
 女医は奉仕特待生を囲むように円を再度形成している学生に向かって、授業プランを公開した。  
「そして、もう一つの方法は電気針による脱毛を行います。智花さんの逃亡に対する懲罰という意味もあ  
りますが、最近ではほとんど使われなくなった電気針による永久脱毛を授業で体験してみましょう。幸い  
智花さんは腋下(えきか:脇の下のこと)のお手入れができていないから、腋下の永久脱毛は電気針で行い  
ます」  
『はい』  
 学生達が元気よく返事をするのを智花は啜り泣きながら聞いていた。どこを向いても注がれる視線に逃  
れる唯一の手段は瞼を閉じることのみであった。それでも、ガラガラとなにやら器具が近づいてくる音を  
聞くと視線はそっちの方に向いてしまう。  
 ボタンやコードのついた少し汚れた器械が学生によって運ばれてきた。  
「これが以前は主流だった永久脱毛に使う脱毛針です。智花さん、これが刺さったら凄く痛いんだから。  
逃亡した愚かな行いを悔いなさい」  
 女医は用意された器械を智花の傍に置いて、コードに付いたペンシルの先端の差し込みに針を取り付け  
た。細くて長い針で不気味な輝きを帯びえている。皮膚に針を刺して電流で毛根を焼いて永遠に脱毛する  
器械であった。  
 
「あげひぇ、ひょんはひょのひゃひひゃら、ひゃへぇ(やめてぇ、そんなもの刺したら、だめー)」  
「何を言ってるかわからないわよ。では、先生が手本を見せますから、変わりばんこに皆さん針を刺して  
見て下さい」  
 口に入れられたパンティによって智花の悲鳴をくぐもって小さく弱々しい。女医は意味がわからないと  
苦笑をすると、女医は電量調節の回転スイッチを回して目盛りを最大に合わせ、智花の腋下に生えた細い  
腋毛を掴むと鋭い電気針を無造作に刺した。  
「ひぎゃああああああ!」  
 智花は抑制されているにも関わらず上半身が跳ねそうになった。可愛らしい幼い表情は凄い形相になっ  
た。針が皮膚から抜けると脱毛針を涙で潤んだ瞳に恐怖の色を宿していた。そして、女医には哀切を含ん  
だ媚びるような視線で意味が判別できない訴えをしていた。  
「ひょ、ひょう、ひゃへへくひゃひゃい……(も、もう、やめてください)」  
 女医はそんな智花の哀願を無視して気の弱そうな女の医大生に電気針を渡した。智花の訴えは女医には  
届かなかったが、優しそうな女子学生は電気針を刺して良いものか戸惑っている。智花は1人でも自分の  
ことを心配してくれる学生に嬉しくなった。しかし、その思いも長くは続かなかった。  
「可愛い顔に騙されたら駄目よ。奉仕特待生なんだから、確りここで練習をしておかないと本番で患者様  
に痛い思いをさせることになるのよ。小児でも泣いているからあなたは注射を刺さないの? 小児の権利  
が治療を行わないことで脅かされることがわかる? 奉仕特待生は練習台だからここで練習して、痛い治  
療をすぐに終わらせる技能を身に付けることが必要だと思わない?」  
 
「わ、わかりました……ご、ごめんね。ちょっと痛いよ」  
「ひぎゃああああああああぁ!……」  
 気の弱そうな学生は女医の言葉を受けて、智花に謝ると意を決したように脱毛針を脇に深く突き刺した。  
泣き声を絞り上げて、少女の抑制された身体が捩れる。ショックで尿道口からおしっこがピュッと飛んだ。  
「まあ、失禁だなんて……智花さんの受け持ち学生さんどうするの?」  
「ポータブルトイレ以外の排泄は禁止されているので、汚した床は後で智花ちゃんのパンティで綺麗に拭き  
取ります」  
「そうしてちょうだいね」  
 智花は女医と織江の言葉を聞きながら2枚目のパンティも汚れてしまうことに震えた。そして、腋下には  
新しい学生が持った脱毛針が近づいて来て、3度目の悲鳴を絞りだされた。  
 激しい疼痛に意識を失うことも許されない智花はその後、30人の学生だけでなく、織江にも脱毛針を刺さ  
れた。頬には枯れることのない涙が溢れていた。  
 
 
 
……続く  
 

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