「え……こんなの穿くの?」  
「そうだぞ。記念すべき中学の入学式じゃないか。それ相応の格好というのが  
あるだろ?」  
「なにそれ……意味わかんないよぉ」  
 今日はあたしの中学生生活第一日目──お兄ちゃんの言った通り、入学式。  
 新しい学校生活が始まるのに、そんな朝にお兄ちゃんがあたしに見せたのは、  
とんでもないパンツだった。  
 パンツって言って良いのか判らないぐらいの、ほとんどただの紐。  
 申し訳程度に、前の部分が三角形だけど──それだって、一番幅があるとこでも  
3センチぐらいしかない。  
 こんなの穿いて入学式に出るだなんて──  
 ほとんど、ノーパンと同じだよ。  
 恥ずかしすぎる──  
 制服のスカート短いのに、もし捲れちゃったりしたら、見られちゃったら、あたし、  
恥ずかしくて死んじゃいそう。  
 中学生になったとたんに、変態だって思われちゃう。  
 そんなの──  
「ドキドキしてきただろ? お前は顔に出やすいからな〜」  
「うぅ……」  
 お兄ちゃんは意地悪だ。  
 意地悪だけど──そんなお兄ちゃんが大好きだから、あたしは──  
 
 

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