光流ロボ・エクセリオンズ  
 
永礼美奈子 エクセル・ヴィーナス  
江留華   エクセル・ラクシュ  
流石ルナ  エクセル・アルテミス  
実相寺朱鷺美  
 
 ドクター・グランドル率いる侵略ロボット軍団に敢然と立ち向かう、正義の少女達。  
 永礼美奈子 エクセル・ヴィーナス  
 江留華   エクセル・ラクシュ  
 流石ルナ  エクセル・アルテミス  
 彼女たちは超エネルギー・光流力で動くロボットチーム、エクセリオンズとして、地球の平和のために日々勇敢に戦っていた。  
 しかし、敵の新幹部、プロフェッサー・タオの出現により、戦局は一変した。  
 タオの操る新型ロボと、巧妙な情報戦略によって、エクセリオンズはピンチに陥る。  
 タオのコンピュータウィルス作戦により、エクセリオンズの秘密基地が壊滅一歩手前のダメージを受け、ヴィーナスとラクシュの2体のロボが行動不能に陥ってしまった。  
 
「町に超重ロボの襲撃?」  
「よりによってこんなタイミングで?!  
 とにかく、姉様達は今は動けない!あたしが時間を稼がなきゃ!」  
「ルナちゃん!」  
「無茶よ!引き返して!」  
 美奈子と留華が止めるのも聞かず、ルナは単機 エクセル・アルテミスで出撃する。  
「大丈夫!ここはあたしが時間を稼ぎます!姉様達は一旦逃げて!」  
 3号メカのアルテミスは軽量級の支援ロボだ。スピードはあるが決定力には元々欠ける。それに、3体そろったときの必殺技も使えない状態では、最初から勝ち目はないと知った上での出撃だった。  
「いくわよ!アルテミス!ニードル・シャワー!」  
 案の定、アルテミスの攻撃は敵の装甲に阻まれてしまう。  
「くっ!」  
 
 タオの超重ロボも、軽快に動くアルテミスに攻撃を当てられないでいたが、一瞬の隙からついにアルテミスを捕まえる。  
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」  
 片腕を肘から引きちぎられ、吹き飛ぶアルテミス。  
「ルナーっ!」  
 仲間達の叫びもむなしく、今度は片足をミサイルハンマーで砕かれ、膝から下をつぶされてしまう。  
「こいつ…今までの敵と違う!」  
 とうとう、顔を伏せてしまう美奈子達。  
 アルテミスのコクピットでも、ルナが同じように頭(こうべ)を垂れていた。  
(あぁ…強すぎる…だめっ!)  
 残った片足を捕まれて逆さまに持ち上げられる正義の美少女型ロボ。もはや反撃する気力もなく、蹂躙されるがままだ。  
 超重ロボの目からビームが発せられ、アルテミスの膝を焼いていく。  
「あぁぁぅっ!」  
 ルナはなすすべもなく、コクピットで身もだえる。  
 そのまま地面に放り出され、熱戦でぐずぐずになった膝を踏み砕かれる。アルテミスはとうとう両膝から下を失い、地べたを這いずるしか無くなってしまった。  
「あぁぁ…」  
 うめくルナ。敗北の屈辱に涙がこぼれる。  
 残った片手だけで這い逃げるアルテミス。超重ロボはその背中を踏みつけて動きを封じると、取り出した巨大な斧で、最後に残った腕も、肘から切り落としてしまった。  
「あぁ…っ!」  
 美奈子と留華は、言葉もなく落涙するだけだった。  
 勝者たる超重ロボは、足先でアルテミスをひっくり返すと、とどめとばかりにコクピットのある腹部を蹴りつけた。  
「ぎゃんっ!」  
 ルナは完全に意識を失い、美少女ロボアルテミスは無惨な姿で沈黙する。  
「さて…」  
 タオはつぶやくと、超重ロボでアルテミスを担ぎ上げ、回収してしまった。  
 エクセリオンズの2人は、この敗北の前になすすべ無く立ちつくすのみだった。  
 
 アルテミスとルナがタオに連れ去られてから数週間、超重ロボの襲撃はなく、エクセリオンズはメカと基地の修理を終えることができた。しかし、3体目のロボも、大切な仲間も帰っては来なかった。  
 そんなある日、とうとう町に再び超重ロボが現れた。  
「…!」  
 美奈子達は、モニタに映るその映像を見た瞬間、心臓が止まるほどの衝撃を受け、立ちつくした。  
 超重ロボはサポートロボを伴っていた。そのロボは、確かにエクセル・アルテミスだった。いや、アルテミスだったモノだ。  
 アルテミスの四肢は、肘と膝の先は失われたまま無かった。それぞれ接地部にパーツを取り付けた状態で、アルテミスは這っていた。メス犬のように這いつくばっているのだ。  
 更に、アルテミスの頭部には2つのパーツが取り付けられていた。何らかの武器のようであったが、その外観は犬の耳を模していた。止めとばかりに、その首には巨大なメカの首輪まで装着されていた。  
 正義の美少女型ロボアルテミスは、敵に捕らわれメス犬ロボに改造されていたのだ。  
「さあ、アルテミス、町を破壊するのだ」  
 超重ロボから命令が発せられると、アルテミスは軽快に頷いて見せた。  
「はぁぃ、ご主人様!このメス犬ロボ・アルテミスに任せてください」  
 アルテミスのマイクから発せられた声。少女の明るい声は紛れもなくルナのものだった。  
「この世界は、ドクター・グランドル様と超重軍団のものよっ!覚悟しなさい!」  
 そして、かつて町を守った正義のロボ、アルテミスは、這いつくばった格好のまま正に犬のように走り回り、頭部の耳型兵器からビームを発射して町を破壊し始めた。  
 
 
 超重ロボ再襲来の数日前の夕刻。  
 実相寺朱鷺美は帰宅の途上にあった。彼女は光流エネルギーの発見者であり、エクセリオンズの開発者でもある実相寺博士の実の娘であり、自らも24才の若さで3つの博士号を持つ天才である。  
 エクセリオンズのメカニック担当を務め、父親の死後ほとんど1人で秘密基地とロボのメンテから改良まで手がけてきた。おかっぱにした童顔に丸眼鏡と、2つ年下の美奈子よりも幼く頼りなげな外見ながら、実質的なチームの責任者である。  
 ここ1ヶ月近くも秘密基地に泊まり込んで、サイバーウィルスなどによる基地とロボの復旧修理を続けてきた。それがようやくほぼ終了という段階になったので、一旦帰宅して休養を取ることにしたのだ。  
 朱鷺美が繁華街で日用品の買い出しをすませ、車をつかまえようとしたとき、視界の端によく知っている少女の姿が映った。ルナである。  
 敵に捕まったまま行方不明のルナが何故?朱鷺美は眼鏡を押さえ、そちらを向いてルナの姿を追う。と、ちょうどルナらしき人影が表通りから路地に入っていくのが見えた。  
 思わず駆けだし、人影を追って路地に飛び込む。目当ての人影はちょうど角を曲がっていくところだ。  
(間違いない!ルナだわ!)  
 朱鷺美は疲労も忘れ、全力で走った。曲がり角を曲がると、路地の先にルナが立っていた。捕らわれたときに身につけていた、パイロットスーツ姿だ。  
「ルナ!無事だったのね!」  
 
 朱鷺美は心配していた仲間に再び会えた事で夢中になり、冷静さを失っていた。普段なら感じる疑問も、周囲への警戒も、一時全て忘れてしまっていたのだ。  
(まって?何故パイロットスーツのまま?それにどうやって逃げて?)  
 一瞬後、そうした疑問が頭に浮かぶが、そのときは既に手遅れであった。首筋に衝撃が走り、朱鷺美は意識を失った。  
「やれやれ、他愛のないことです」  
 背後から忍び寄り、朱鷺美の首筋にスタンガンを当てて気絶させたプロフェッサー・タオが嘆息する。  
「朱鷺美さん、疲れてたっぽくないですか。きっと基地とメカの修理で徹夜続きだったんですよ」  
 フォローするルナの声は、やや平板であった。瞳にも霞がかかっており、普段の彼女ではないことが伺える。  
「そうですね。  
 さて帰りましょう、ルナ。時間切れになる前にね」  
「はい」  
 頷くルナを伴い、気絶したままの朱鷺美を抱きかかえて、タオは転送装置のスイッチを入れた。  
 
 
 朱鷺美が意識を取り戻したのは、タオの秘密のアジトに連れ込まれてから12時間後であった。彼女はその間意識を失ったまままであったため、完全に時間の感覚を失っていた。  
 目を覚ました朱鷺美は、自分が洗脳装置に拘束されている事を知った。  
(落ち着いて!この洗脳装置には欠陥があるわ。たとえ洗脳処理をされても完全に支配されはしない!)  
 朱鷺美はパニックに陥りかける自分を叱咤して意識を保つ。目を上げると、タオが朱鷺美を見下ろしていた。視界の端には拘束されたルナがいる。ルナは眠っているのか身じろぎもしない。  
「ご気分はいかがかな?ドクター実相寺。お疲れの様子だったので、タンクベッドで強制睡眠処置をさせてもらいましたよ?体力は回復しているはずです」  
「お礼を言えとでも?  
 ルナと私を放しなさい。この卑怯者」  
 
 朱鷺美の罵りにも、タオは意に介さないふうで話し続ける。  
「なんとでも。もう勝ち目がないのは聡明な朱鷺美ならばもう分かっているでしょう。  
 これから貴方を洗脳します。  
 知っていると思いますが、この洗脳装置には欠陥がありましてね。女性に対する洗脳が固定できないのですよ。意志の強さにもよりますが、24時間もすると暗示が解けてしまうのです。  
 貴方に、その欠陥を修正していただこうと思いましてね」  
「誰が!」  
 朱鷺美は短く吐き捨てる。しかし、本当はタオの言葉を聞きながら、胸に冷たいものが降りてくるのを感じていた。  
 以前にこの洗脳装置を使った作戦を阻止したとき、朱鷺美はこの装置を調べ、その欠陥を自力で突き止めていた。それを利用した洗脳解除装置も作ったことがある。  
「朱鷺美にならできるはずです。自分でも分かっているでしょう?  
 そして私は、貴方にそれをさせることができると分かっています」  
(そう。私はこの装置の欠陥を知っている。それを利用して洗脳を解除方法も知っている。そして…その欠陥を修正する方法も見当が付いている)  
 口をつぐんだ朱鷺美に、タオが頷きかける。  
「ふふ、貴方は正直だ。  
 私も素直に認めますが、貴方は本物の天才だ。私よりも能力は上でしょう。  
 しかし、私も私なりにこの装置に改良を加えています。24時間なら、どんなに意志の強い人間でも、この装置の暗示に逆らうことはできませんよ。  
 ルナがおとりになって貴方を捉えたのも、その成果です」  
 朱鷺美は目を閉じた。敗北感と絶望に血の気が引いていく。  
(…だめ。最後まで、あきらめちゃ。抵抗するの。きっと…)  
「始めますよ。洗脳プロセスをよく意識してください。  
 …きっと改良に役立ちます」  
 朱鷺美は目を閉じたまま身を固くしていた。タオは無言で洗脳装置のスイッチを入れた。  
 
 2時間後、朱鷺美は目を開ける。拘束は解かれ、自由に動けるようになっていた。  
 朱鷺美の前にはタオが立っている。  
「どうです、気分は?」  
 タオの問いに、朱鷺美は口を笑みの形に丸めた。  
「悪くはありません。…ご主人様」  
 朱鷺美は装置から降りると、タオの足下の床に膝をついて頭を垂れる。美人と言うよりは可愛いといった方が似合う、正義の天才女流科学者は、洗脳装置に屈し、土下座して敵の幹部に服従の意志を示していた。  
「すぐに洗脳装置の改良に取りかかれますか?」  
 タオの言葉に、朱鷺美は頷く。  
「はい、ご主人様。私の洗脳寺の脳波記録を見せてくだされば、改良箇所が分かると思います。  
 でも…その前に、洗脳が成功した事を証明するプログラムを実行させてくださいませんか?」  
 朱鷺美のもの言いに、タオは唇の端をつり上げる。  
「ほう、そのプログラムとはなんですか?」  
 朱鷺美は顔を赤らめて、知っているくせに…と口の中でつぶやく。しかし顔を上げて、はっきりと告げた。  
「ご主人様のおみ足にキスして、舐めさせてください。お願いします」  
 いいでしょう、とタオが頷と、朱鷺美はすぐに顔をタオの足に寄せ、高く音をたてて、靴先に口づけをするのだった。  
 
 ルナが目覚めたとき、部屋には誰もいなかった。  
(ふみゃあ…なんだか、たっぷり眠ったって感じかなぁ。  
 すっきりして、良い気分!)  
 手足を見ると、拘束は解かれている。傍らのコンソールの上に、革製の首輪が置かれているのを見つけ、ルナは顔を赤らめた。  
(やっぱり、つけろって事よね…)  
 胸に妖しいざわめきを感じながら、ルナは躊躇いなく首輪に手を伸ばし、自ら首輪を装着していく。  
 2時間前、洗脳装置にかけられる前に交わした会話がよみがえる。  
「朱鷺美さん…お願い、正気に戻って!」  
「無理よ。もう私の洗脳は解けないわ。  
 私の調整した洗脳装置は完璧よ。もう、女性でも、どんなに意志が強くても、この装置に植え付けられた価値観には逆らえない。ううん、逆らうなんて事すら思いつかないのよ。人格そのものを再構成してしまうんですからね」  
「ふふ、実相寺朱鷺美博士特製の人格再構成装置だそうですよ。  
 最初の被験者である朱鷺美自身が太鼓判を押すのだから、間違いないでしょうね」  
「もちろんです、ご主人様。  
 私はもう、タオ様の忠実な僕です。どんなご命令にも逆らうことはありません。  
 ご心配なら、もう一度私を洗脳してください。どんな変態に調整していただいても良いんですよ?」  
「ふ、朱鷺美には私の補佐をしてもらわなければいけないですからね。  
 あまり極端な調整はできませんよ。  
 ルナには、私の忠実なメス犬になってもらいます。ルナにもやってもらうことがたくさんありますからね」  
「いや…いゃぁぁぁ!」  
 タオと変わり果てた朱鷺美の会話。そして自分に告げられたメス犬化の宣告に、ルナは耐えきれず悲鳴を漏らした。  
「泣かないで。処理が終われば、ルナはとっても良い気分で目が覚めるわ。  
 なんの不安も、疑問もない。最高の気分でね」  
 
 記憶を反すうして、ルナは一人頷いていた。  
(…うん、ホントに、不安も疑問も、なんにもないなぁ。   
 わたし、ちゃんと、メス犬だ。  
 もう、わたし、人間じゃないんだな…不思議。  
 すっごく気持ちが軽い…ふわふわして…最高!) メス犬となった美少女、流石ルナは、飼い主の姿を求めて洗脳装置を離れる。秘密基地内を一人で探索すること数分、ルナは主人をメンテルームで見つけた。  
「あら、ルナ!処理が終わったのね。気分はどう?」  
 タオよりも先に、打ち合わせをしていた朱鷺美がルナを見つけた。  
「うんっ、最高!朱鷺美さん、ありがとう。  
 朱鷺美さんの洗脳、すっごく良いよ。わたし、もう完璧にメス犬だよ!」  
 朱鷺美に礼を言いながら首輪に手をやるルナ。その微笑みは、ほとんど以前のルナそのものだ。ただ、以前は無かった艶が加味されていて、天真爛漫な少女がメスになったことをうかがわせる。  
「そうか。自分で首輪もつけたのだね。どうやら洗脳はうまくいったようだ」  
 タオもルナに頷いてみせる。主人に認められ、喜びにルナの顔がほころぶ。  
「それで…ぁの、ご主人様?」  
「なんだね」  
「あの、たし、経験、無いから。  
 どういうふうにすれば良いのか分からないんですけど…  
 ご主人様のメス犬になった証に、私の、その…からだでご奉仕したいんです」  
 ルナの申し出に、タオは思わず朱鷺美の顔を見る。朱鷺美はタオの視線をそらすように、ルナに笑いかけた。  
「ルナは若くて綺麗なんだから、やり方なんてこれから覚えればいいのよ。  
 まずはね、そこで裸になったら?  
 それからメス犬らしく四つんばいになって、ご主人様にじゃれついてご覧なさい。  
 ご主人様の方から、いろいろ命令してくれるわよ!」  
「はぁい!ご主人様、ルナの身体見てください。あんまり胸とかおっきくないけど、そんなにスタイル悪くないと思いますからぁ」  
 いっそ快活と言える動作で、いそいそと服を脱ぎ出すルナ。明るい元気少女だったルナは、その快活さをほとんど失わないまま、洗脳によって被虐を求めるメス犬としての性も獲得していた。  
 そして、全裸になったメス犬は、支配者の足下に這いつくばって服従を誓い、その男性器にファーストキスを捧げていくのだった。  
 
「ご主人様。私、エクセリオン3号、エクセル・アルテミスのパイロット流石ルナは…  
 人権も人格も全て捨てて、タオ様のメス犬奴隷になります…。  
 永遠の、絶対の忠誠を誓います。どんなご命令にも絶対に逆らいません。  
 一生懸命ご奉仕します。お仕えしますから…ですから。  
 ご主人様、どうかルナをずっと可愛がってください。メス犬としてそばにいさせてください。お願いします」  
 首輪だけの全裸でプロフェッサー・タオの足下に這いつくばったルナは、メス犬の宣誓と共に、額を床につけて平伏した。  
「良いでしょう。ルナ。私のメス犬として、私に仕えることを許します」  
 悪の幹部タオは、美少女の自らを貶める誓いに尊大に頷き、服従の許可を与える。  
「あっ、ぁりがとうございます!」  
 ウェーブのかかったショート気味の髪を揺らし、ルナは顔を上げて満面の笑みを浮かべる。それは飼い主の寵愛を受けるペットそのものの態度だった。  
「それじゃぁ、その、誓いの印に…  
 ご主人様の、あの、オチンチンにご奉仕させて、くださぁい。」  
 顔を真っ赤にして自ら口唇奉仕をねだるルナ。傍らではルナにメス犬としての振る舞いを指導をしている朱鷺美が、にっこりと頷いている。  
 
「ふふ、良いですが、ルナ。おまえは男とキスしたことも無いというのは本当ですか?」「ぁ、はぃ…ルナは男の人とちゃんとつきあったこと無いんです。  
 キスも、手をつないでデートしたことも、ありません。」  
「だから、これからするのがルナのファーストキスなのよね?」  
 朱鷺美のからかいに、顔を手に染めて頷くルナだ。  
「そぅです。ルナのファーストキス、ご主人様のオチンチンに捧げさせてください…」  
 恥ずかしさにか細くなる声で、それでもルナは笑顔でタオを見上げる。その表情はむしろ誇らしげでさえあった。男女営みの全ての行為について、その初めてを支配者に捧げられることが、家畜となったルナには嬉しくてたまらないのだ。  
 タオはルナを見下ろしながら無言で頷き、ズボンのベルトをはずして下半身をむき出しにしていく。ルナは、眼前に現れた男性器に息をのむ。既に半ば勃起したそれは猛々しく、逞しく、偉大に見えた。  
(すごぉい…わたし、これから、これにキスするんだ…あぁ)  
 敵に屈服した哀れなメス犬は、牡の器官に畏怖と崇拝の念を持って手を伸ばす。恭しく、それを両手で捧げ持つと、自ら顔を上げて目を閉じた。  
 敬虔な信者が神器にするように。ルナはタオのペニスにファーストキスを捧げた。  
 ちゅっ!と高く音を立てて。愛おしげに。  
 
(あはっ!また、思い出したら濡れてきちゃったぁ。ご主人様に初ご奉仕したときのこと、何度思い出しても感じちゃうぅ)  
 ルナは、メス犬ロボアルテミスの中で身をくねらせた。  
「だめだめ!今は任務に集中しないと」  
 声に出さずにつぶやくと、ルナはアルテミスの新装備、犬の耳に備えたビーム砲を発射する。いくつかの建物が炊き飛び、新たな火災が発生する。しかし、タオに仕えることが全てと化したメス犬のルナは、なんの罪悪感も感じない。  
 タオの超重ロボに伴われて町に出撃したアルテミスは、肘と膝から先の四肢を失ったままの姿で改造を受けた。エクセル・アルテミスは本来女性型のロボなのだが、今や移動は必然的に獣のように這いつくばったままで行うようになっていた。  
また、首輪や犬耳まで装着されて、「ヒト犬」「メス犬」としか言いようのない、屈辱的な姿と機能を持たされていた。  
 しかし、自らも人を捨てメス犬と化したルナにとっては、自分にぴったりの愛機なのだった。  
「わぅんっ!そらっ!」  
 メス犬ロボ・アルテミスは軽快な動きで廃墟を飛び越え、新たな目標を攻撃していく。超重ロボは出現以来全く動いていない。町を破壊しているのは、変わり果てた『元』正義の美少女ロボ、エクセル・アルテミスなのだ。  
「わんっ!耳ビーム!  
 世界の支配者はぁ、超重軍団なのよ!  
 タオ様に逆らうものは、許さないんだから!」  
 
「ルナちゃん…!」  
「ルナ!」  
 美奈子と留華は、秘密基地のコントロールルームで顔を青ざめさせ、身体を震わせていた。身を寄せ合い、二人とも泣いていた。  
 大切な仲間が敵に家畜のように仕え、今まで守っていた町を破壊しているという事実を受け止めることができない。ともすれば、これは夢なのではないかと、自分に問いかけそうになる。それほどに、モニターに映る事実の衝撃は大きかった。  
 だが、二人とも、眼前の光景を否定したり、拒否したりする言葉は一言も発しなかった。  
 これは嘘などではないし、信じたくない事であっても、起こってしまった事実なのだと、自分を叱咤して行動につなげようとし続けていたのだ。  
「二人とも!泣いてる場合じゃ無いでしょ」  
 部屋に入ってきたのは朱鷺美だ。丸2日間の休暇の後、基地に泊まり込んで前にもまして精力的にメカの調整・整備に取り組んでいた。  
「出撃準備はできているわ。  
 出るの?それとももう少し泣いている?」  
 普段の朱鷺美らしからぬきつい言い方だが、美奈子は朱鷺美の言葉に頷いた。ポニーテールにした栗色の髪が揺れる。  
「朱鷺美さん、ありがとう。もう大丈夫よ。  
 留華さんも、いけるわね?」  
 編み上げた黒髪を美奈子の肩に寄せていた留華も、背筋を伸ばした。涙を指でぬぐうと、肩一つ身長の低い美奈子に頷く。  
「ウン。もう大丈夫。やろう、美奈子。ルナをアタシたちで止めるんだ」  
 朱鷺美は二人に頷き、出撃前のいつもの仕草で送る。親指を立てて拳を作る、サムズアップだ。  
「いってらっしゃい」  
 眼前に親指を立てて朱鷺美が頷くと、丸眼鏡がきらりと光った。美奈子と留華もサムズアップで応え、出撃のため部屋から走り去っていった。  
「行ってらっしゃい…二人とも」  
 その二人の背中を見送り、振り返ってモニタを見上げながら、朱鷺美は唇を丸くする。それはこの場に似合わない、笑顔の形を作った。  
 
「それ以上町を壊すのは止めて!」  
「正気に戻って、ルナ!」  
 美奈子のエクセル・ヴィーナスは射撃戦主体の遠距離攻撃型ロボ、留華のエクセル・ラクシュは格闘戦主体の近接戦闘型ロボだ。  
 美奈子は弓道の段位を持ち、留華は幼い頃から鍛えた中国拳法の技を持つという、二人の特技を生かした戦いができるようになっている。  
 しかし、今その2体は攻撃をすることができず、立ちつくすだけだった。   
 ルナのアルテミスが超重ロボとエクセリオンズの間に立ちふさがり、盾になっているためだ。  
 もちろん美奈子の射撃の腕ならアルテミスよりも大きい超重ロボを狙うことなどたやすいが、ルナの声で攻撃を止めるように呼びかけられ、どうしてもためらってしまうのだ。  
「美奈子姉様、あたしが撃てる?撃てないでしょ。  
 無理しないで、武器を捨てて?」  
「ルナちゃん!そんな…お願い、元のルナちゃんに戻って。悪に負けちゃだめよ…」  
 美奈子は必死にルナに呼びかけるが、その叫びもむなしく響く。心の優しい美奈子には、結局自分を慕っていたルナを攻撃することはできない。構えていた武器も下ろしてしまった。  
「無理よぉ。姉様、ううん、美奈子さん?あたしはもう、タオ様のメス犬なの」  
 アルテミスは這ったまま超重ロボの傍らに寄り添い、犬がするように超重ロボの腰に頬を擦りつけて甘える仕草までして見せた。  
「美奈子さんも、留華さんも、二人とも、あたしと同じになるの。タオ様のメス犬になるのよ」  
 ルナはそう決めつける。美奈子が言葉を失った隙をついて、アルテミスの首輪から光線が発射され、エクセル・ヴィーナスを襲った。  
「ああっ!」  
 とっさによけることもできず、攻撃を受けてしまう美奈子。その攻撃は、外見上は特に深刻なダメージを与えていないように見えたのだが。  
 
「あっ!なにっ!」  
 アルテミスのビームを受け、コクピットに一瞬火花が散った。その直後、ヴィーナスのコクピットはシステムダウンをおこしてしまう。全ての表示がオフになり、赤い非常灯だけが虚しく灯る。  
「これは…何が起こったの?」  
 エクセル・ヴィーナスはコントロール不能に陥った。カメラアイからも光が消え、地響きを立ててその場に膝をつく。続いて美少女ロボの尻が地に落ち、呆けて座り込むようなポーズでくずおれた。  
「ぁはぁ!まずはヴィーナスの負けよぉ。次はラクシュの番だから」  
「ルナ!何をした!」  
 叫ぶ留華。ルナは笑って答えず、いきなりさっきの首輪光線を放つ。しかし油断無く構えていた留華はこれをかわした。  
「くっ!やるしか無い…か!」  
 決然とまなじりを上げ、留華はアルテミスに突っ込んでいった。  
 
 エクセル・アルテミスは支援用のロボで、自らの武装は多装ニードルガン位しかない代わりに、高速機動を生かして戦闘中の仲間に武器などの補給ができる様に作られていた。  
 一方エクセル・ラクシュは剣などの格闘武器を使った戦闘に特化し、動きの素早さや関節の可動範囲はもっとも優れている代わりに、飛び道具を一切持たない。そして、直線的な動きの早さではアルテミスに一歩を譲っていた。  
 このため、ラクシュはアルテミスの首輪光線を易々とかわすことができる代わりに、アルテミスとの間合いを詰めて剣の届く距離に近づくことができない。  
 アルテミスは、パイロットである美奈子の優しさの隙をつき、飛び道具を持ったヴィーナスをまず封じることに成功していたのだ。  
「くっ!まずい。このままじゃらちが明かない」  
 留華は、アルテミスの謎の首輪光線に当たってしまうわけにいかないため思い切った突進ができずにいた。ルナの方は、ラクシュに捕まらないように逃げ回りながらの攻撃になるため、なかなか光線を命中させられないという状態が続いていた。  
 
 エクセリオンズの秘密基地。コントロールルームでは、朱鷺美がモニタで状況を見ていた。  
 ヴィーナスが頓挫し、ラクシュがアルテミスと交戦を始めたのを見ながら、朱鷺美はなんの行動も起こさずに、ただモニタを眺めているだけだった。  
 朱鷺美の脇で通信機が呼び出し音を立てる。応答する朱鷺美の耳に飛び込んできたのは、この基地に通信できるはずのない男の声だ。  
「タオだ。朱鷺美。上手くいったようだな」  
 朱鷺美は驚く様子もなく呼びかけに答える。  
「はいご主人様。最終調整は完璧です。ごらんの通り、ヴィーナスもラクシュも、アルテミスの停止信号を受ければ完全に操作不能になります。その後ご主人様が端子を接続していただければ」  
「ふふ。彼女たちの愛機は私の奴隷ロボと化すのだね。コネクタの位置は予定通りかい」  
「はい。首の後ろです。どうぞ、エクセリオンズに首輪をはめて、メス奴隷ロボにしてあげてください」  
「よくやった。褒美を上げるのはしばらく後になるが、必ずそこに行く。待っていなさい」  
「ありがとうございますご主人様。褒めて頂いて光栄です。  
 ご主人様がいらっしゃるまでに、必ずここをご主人様に相応しい基地に仕上げておきます。ですから、きっといらしてくださいね。朱鷺美はご主人様をお待ちしています。」  
 朱鷺美は頬を紅潮させ、タオとの再会を誓う。洗脳により、タオの忠実な下僕となったままの朱鷺美は、密かにロボを改造して、美奈子達を罠にかけていたのだった。  
 
「動かない…どうして?何が起こっているの?」  
 ヴィーナスのコクピットでは、何も知らない美奈子が必死になって再起動を試みていた。しかしどのスイッチをどう操作しても、なんの手応えも無い。  
 焦る美奈子。手で額の汗をぬぐう。と、突然ヴィーナスを軽いショックが襲った。  
「なに?」  
 軽く揺すられるような動きが数回あった後、突然正面の外部モニタ数個だけが回復する。  
「!」  
 正面のモニタに映っていたのは超重ロボだった。ロボは手にロボサイズの鎖のようなものを持っていた。その鎖は、ヴィーナスの方に伸びている。位置関係からすると、ヴィーナスの首のあたりに繋がっている様に見えた。  
「嘘…まさか?」  
 ルナの言葉を思い出し、最悪の予感に震える美奈子。次の瞬間、その当たって欲しくない予想が肯定される。  
「這いつくばれ。エクセル・ヴィーナス」  
 言葉と共に超重ロボが鎖を引くと、ヴィーナスの機体はそれに従って動いた。モニタの視界が動き、座り込んでいた時よりも低くなる。モニタの中で鎖が揺れ、はっきりと首に繋がっていることを示す。  
 コクピットの表示が次々と復活し始めた。だが美奈子の操作は一切受け付けないままだ。  
「そんな!乗っ取られたの?」  
 
「ああっ!ヴィーナス!」  
 戦いながら、ヴィーナスの方を見た留華は驚きの叫びを上げた。  
 いつの間にか。超重ロボがヴィーナスのところに移動し、その首にアルテミスと同じ首輪型メカを装着して、鎖までつないでいたのだ。  
 超重ロボに鎖を引かれたエクセル・ヴィーナスは、従順にその場に四つん這いになり、主に従うペットのように鎖の引かれた方向に這い進んだ。  
(メス犬…ヴィーナスまで、メス犬に)  
 留華はルナの宣告を思い出し、屈辱と恐怖に身を震わせる。そして、その一瞬は、決定的な一瞬になった  
「うああっ?!」  
 ラクシュの動きが止まった一瞬を逃さず、アルテミスの首輪からの停止光線が命中したのだ。  
 ヴィーナスと同様、一瞬でシステムを封じられ、その場に倒れ伏すラクシュ。  
「ぁはっ!姉様達に、初めて勝ったなぁ。これもご主人様のおかげだねっ」  
 コクピットでガッツポーズなど取りながら、ルナは気楽に笑う。  
「よくやったね。お手柄です、ルナ」  
 タオが、ヴィーナスを従えてラクシュの傍らに移動する。  
 正義のために戦った仲間を裏切り、倒したことをかつて敵だった支配者に褒められたルナは、身もだえして喜んだ。  
「あぁん!うれしいです、光栄ですぅご主人様」  
 そして、ラクシュにも首輪型メカが装着されてしまう。  
 2体の美少女ロボは、もはやコクピットからの操作は一切受け付けず、タオの命令通りに動く奴隷ロボと化してしまった。  
 
「さて、せっかくだから、少し遊ぶことにしようか。  
 ヴィーナス、ラクシュ。立て。」  
 2体の奴隷ロボは立ち上がった。コクピット内では、二人の美少女が絶望に落涙しながら、虚しくコンソールをたたき続けている。  
 タオは、2体のロボに町の破壊を命じた。ヴィーナスのアーチェリービームが市役所を木っ端微塵に破壊し、ラクシュは剣で消防署を切り裂いた。  
「いや!いやぁぁぁ!」  
「止まって!止まりなさい!朱鷺美!朱鷺美!聞こえないの!何とかならないの!」  
 二人は自ら町を破壊するという行為をさせられ、ついに泣き叫んだ。  
 だが、二人の祈りも虚しく、正義の美少女ロボは悪の手先となりはてて、破壊活動を続けるのだ。  
 泣き叫ぶのに疲れ果てた頃、ヴィーナスは命令されて大地に仰向けに横たわった。  
 ラクシュが剣を振りかざし、命令のままにヴィーナスの膝を切断する。  
「美奈子…ごめん…ごめん…」  
「留華さん…ああ…」  
 衝撃音が何度も走り、そのたびに美奈子は、留華は悲しみにうめいた。  
 下肢を切り取られたヴィーナスは、アルテミスに支えられて身を起こし、今度は武器でラクシュの下肢を破壊するのだった。  
 全てが終わる頃には、美奈子も留華も涙も枯れ果て、意志も感情を失ったかのように呆然とするだけだった。  
「さあ、いきますよ」  
 タオの呼びかけに、並んで這いつくばった3体のメス犬ロボ、エクセリオンズは頷いて従った。それぞれ首輪を鎖に繋がれ、タオの超重ロボの手に握られている。  
 正義の美少女ロボチームの、完全な敗北を示す姿だった。  
   
タオの超重ロボは、高性能の縮退炉を備えた特別性である。その高出力によってドクター・グランドル発明の転送装置を作動させ、タオは4体のロボを一気にアジト内の格納庫に瞬間移動させた。  
 帰還したタオはエクセル・ヴィーナスとエクセル・ラクシュに装着した首輪メカから催眠ガスをコクピット内に満たし、美奈子と留華の意識を失わせてしまった。  
 タオはそこまでの処置を自ら行った後、ルナに見張りと点検整備を命じて洗脳の準備のためにその場を離れた。  
 ルナは一旦格納庫に付随するメンテルームに移動し、コンソールから整備用ロボットに作業の手順を命令していった。整備ロボット達はまず超重ロボにとりつき、点検とメンテナンスを始める。  
 このアジトには、ルナが捕らわれた頃には10数人の部下がいたのだが、ここ数日で全員がどこかに移動したらしく、今ではルナとタオしかいない。日常の作業などは全て自動化されているので、ここは基本的にはタオ一人でも稼働できるようになっていた。  
 作業が始まると、ルナはアルテミスのコックピットに戻る。何か事故やアクシデントに対して、例えば美奈子達が目覚めて暴れだそうとしたときなどに、もっとも安全で強力な対応ができるからだ。  
 とはいえ、モニタの情報を見る限り美奈子達は意識を失ったままのようだし、整備ロボットが事故を起こす可能性はほとんど無い。  
   
やがてルナは、捕らえた美奈子達がどのように洗脳されるかに思いを巡らし始めた。  
(ルナ、今日は活躍したなぁ。えへぇ、タオ様ご褒美くれないかな?  
 例えば、美奈子姉様を…あたしのモノにしてくれるとか?)  
 かつては姉のように慕った美奈子を洗脳し、自分のペットにして服従させるという考えに、ルナはすっかり興奮してしまう。  
 もはやルナにとって愛を捧げるべき存在はタオ以外にない。美奈子に抱いていた愛情は、洗脳によってゆがんだルナの思考のなかで、自らが彼女をペットにして辱める、という発想に結びつく。  
(そぉ…美奈子姉様…ううん…美奈子を、あたしのペットにするの!)  
 今のルナの脳の中では、ペットにされて支配され、辱められることは最高の幸せとイコールで結ばれているので、これは美奈子を自らの手で愛しみ、幸せにしてやる行為そのものである。  
 もっとも、ルナは美奈子が自分より遙かに美しいと思っているので、タオが美奈子をペットにすると美奈子に惹かれてしまって自分が寵愛を失うのではないかという思考が裏で働いているかもしれない。  
 周囲の人間から見れば、美奈子はしとやかな中に芯の強さを秘めた美女といった風情なのに対して、ルナはやや幼げながら気だてが良く元気はつらつとした美少女であり、どちらを取るかは好みの問題と言えた。  
 身体に関しては、確かに美奈子の方が胸も尻も豊かで、その発育度は年齢による差以上に開いているが、ルナも可憐さと健康美を兼ね備えた、十分以上に美しい肢体を持っている。  
 
(ん、ふ…美奈子を、あたしが自分で洗脳しちゃうのぉ…)  
 ルナはいつの間にか手を胸と股間に這わせていた。服の上からやわやわと刺激しながら、美奈子を洗脳した後のことに想像の羽を広げ始めている。  
(美奈子が目を覚ましたら…)  
 想像の中で、ルナは美奈子に声をかける。目を閉じ、美奈子の答えを想像する。  
「気分はどう?美奈子」  
「はい、ルナ様。最高の気分です」  
 もはやルナは見張りの役目を放棄し、妄想オナニーにのめり込んでいく。パイロットスーツのファスナーを開けて手を中に入れ、敏感な部分を直接刺激し始めていた。  
(あたしは立って…美奈子を見下ろすの。美奈子は洗脳装置の上に寝ていて…)  
「ふうん?自分がどうなっちゃったか、分かってるんでしょ?」  
「はい。美奈子はルナ様の所有物になりました。ルナ様のペットとして精一杯お仕えします。どうぞ美奈子に何なりとご命令なさってください」  
 ルナの想像の中で、美奈子は完全に洗脳されルナの家畜になり果てている。  
「あは!そうなの。美奈子はルナのペットになったのよねぇ。  
 でね、ルナはタオ様のメス犬、家畜なのよね。  
 だから美奈子は家畜のそのまた家畜なの!  
 凄いわよね、今の美奈子って。メス犬よりも下等なイキモノだなんて」  
「はい、美奈子は家畜の家畜、下等で卑しい獣以下のメスです。  
 美奈子に相応しい身分ですわ。」  
 
(美奈子は…答えにながらうっとりして…とっても嬉しそうで…)  
 ルナの妄想世界で、美奈子は洗脳装置を降り、床に這いつくばる。その表情は本当に幸福そうで、それまでの美奈子には常にどこかに感じられた憂いが完全に消え去っている。  
「ぁはは。ねぇ、美奈子、人間だったときよりもずっと幸せそうな顔してるよ?」  
「はい。美奈子はこんなに幸せな気分になったのは生まれて初めてです。  
 今までの自分が偽者だった事がはっきり分かりました。今の美奈子が本物の永礼美奈子なんです。  
 美奈子はメスです。下等で、淫らで、卑しいメスですわ」  
 美奈子は答えながら身体をくねらせ、尻を振る。這ったままの顔はまっすぐにルナを見つめていた。  
「んふふぅ、本物の美奈子は淫乱なんだぁ」  
 ルナのわざとらしいからかいにも、美奈子は素直に頷いてにっこりと笑った。その顔は上気して、とびきりの美酒に酔ったようにほころんでいる。  
「はい、美奈子は淫乱です。こうしてルナ様の前に這っているだけで、いやらしく感じちゃって、お股が熱くなっているんですよ。  
 乳首もぴんって立っちゃって、スーツにこすれて気持ち良いんです」  
「うんうん、乳首立っちゃうとスーツに当たって良い感じよねぇ。  
 でも、美奈子は下等生物なんだから。服なんか着る資格はないでしょ?全部脱いじゃいなさい」  
「はい、ルナ様。申し訳ありませんでした。美奈子は下等生物らしく裸になります」  
 美奈子はルナの命令にいそいそと従い、服を脱ぎ捨てていく。その動作には全くためらいも恥じらいもない。  
 むしろ喜々として全裸になると、再びルナの前に膝を屈した。  
 
「これでよろしいでしょうか?ルナ様」  
 美奈子は、どちらかといえば小柄だが、小顔で胸も尻も十二分に張っているので、全体のプロポーションはむしろグラマラスだ。4分の1東欧系の血が入っているためか、目鼻立ちがはっきりしていて軽いウェーブがかかった栗色の髪をしている。  
 他人から見れば贅沢な悩みだが、本人は大和撫子が理想なので、顔立ちはともかく髪にはコンプレックスがあった。  
 ルナはこれも取りなさい、と美奈子のポニーテールにしていた髪からゴムバンドを取ってしまう。艶のある栗色の髪がふわりと広がって肩まで垂れた。  
「うん、やっぱりこっちの方が美奈子は綺麗よぉ。なんか、いやらしい感じで」  
 ルナが褒めながら揶揄する。美奈子はしどけなく垂らした髪を揺らして嬉しげに笑った。  
「はい。ありがとうございますルナ様。  
 うふ、おっしゃるとおり美奈子はいやらしいメスです。  
 ご覧ください。ほら、もうこんなにお股が濡れています」  
 美奈子はかかとを上げてしゃがみ、手を後ろについて膝をがばっと割り開く。そのまま腰を持ち上げて、愛液できらきらと光る股間を余すところ無く晒して見せた。  
 ルナを見上げる瞳まで色欲に濡れて光り、眉根も、頬も、口元もうっとりとゆるんで、嬉しげな笑いを浮かべている。それは、知性も理性も放棄した、真にメスの表情だった。  
「うわぁ、美奈子ったらもうこんなに濡らしちゃって…ホントにドスケベだったのね」  
 美奈子を見下ろすルナもまた、満面に淫らな微笑みを浮かべていた。  
「はい、美奈子はどすけべです。いやらしいことしか考えられないんです」  
 ルナが笑って靴先で美奈子の股間をつつくと、美奈子は真性の色情狂に相応しく、嬉しげに身をくねらせた。さらに自分からクリトリスを靴先に擦りつけようと腰を振り立てることまでするのだ。  
「ぁはは、こら。美奈子ったらぁ。誰が気持ちよくなって良いって言ったの?勝手な事をする子にはお仕置きよ!」  
 
 ルナは美奈子に尻を高く掲げるように命令する。即座に従う美奈子。ルナは差し出された美奈子の豊かな美尻に向かって、掌を振り下ろしていく。  
「そらっ!勝手にいたずらする悪い子には、おしりペンペンの刑よぉ。20回たたくから、数えていなさい」  
「あっはいっ!ああっ、申し訳ありません!  
 いちっ!あう、あ、にっ!う、さんっ!」  
 ルナの手が振り下ろされるたびに、小気味良い音が美奈子の桃のような尻の上で響く。美奈子は全く逆らうことなく、ルナの仕置きを受けていた。  
 数を数える合間に尻を叩かれる事に感謝し、ルナに礼まで言う。  
「あっ!、きゅうっ、あ、ありがとうございますっ。じゅうっ、お、お仕置きいただいてうれしいですっ」  
(素直!美奈子ってば可愛いよぉ!この後どんなことさせて遊ぼうかなぁ…  
 あたしのお股舐めてもらおうかな?ううん、それは後のお楽しみでぇ。  
 お手とか、ちんちんとか、犬の芸を仕込もうかな?ただのお手じゃつまんないから、ちんちんをいやらしくさせちゃうとか。  
 あ!言葉をもっと下品にさせちゃおう。今までの美奈子だったら絶対に言わないようなコトを言わせて。うふぅ、楽しみぃ)  
 妄想はふくらんでいき、ルナの閉じた瞼の裏で、美奈子はルナの命じるままに、正気すら投げ出した痴態を晒す。  
 いつの間にかルナも全裸になり、美奈子に命じた卑語を自分でも口走りながら、絶頂へと駆け上がっていった。  
「あはぁぁ、おまんこ、おまんこきもちいいいのぉ!  
 あぁ、おまんこいくのっ!  
 いくぅぅ!おまんこいっくぅぅぅ!!!」  
 ルナはあごを上げ、びくびくと跳ねるように身を反り返して達した。  
「…ぁふ…おまん、こぉ…」  
 胸も股間も丸出しのままシートにぐったりと身を沈め、至福の笑みを浮かべるルナ。絶頂の余韻に浸るその顔は、想像の中の美奈子と同じ、メスの顔だった。  
 
 江留華は洗脳装置の上で目覚めた。目を開け、周囲を確認すると次に自分の身体をチェックする。  
 パイロットスーツを着たままだ。意識を失っている間にはぎ取られたり、陵辱を受けた様子はないし、そういう記憶もない。拘束はされていないので、自由に動ける。  
 身体を起こして、傍らに立っている人物を見やる。永礼美奈子だ。  
 美奈子もパイロットスーツ姿で立っている。首には一部機械が取り付けられたような皮の首輪をつけていた。  
 美奈子が声をかけてくる。  
「大丈夫ですか、留華さん。気分が悪い様なことはないですか?」  
 留華は美奈子に頷く。留華は美奈子より少し背が高く、すらりとした印象のプロポーションだが、実は胸のサイズも一番大きい。  
 美奈子を安心させるように大きく頷くと、パイロットスーツの胸の部分もわずかに揺れた。  
「大丈夫。やるべき事は分かっている」  
 美奈子は頷き返すと、自分がしているのと同じ首輪を留華に差し出す。  
「これは、エクセリオンズのコクピットのキーになっています。これをつけていれば、エクセリオンズのプロテクトが外れて、操縦できるようになります」  
 美奈子の説明を聞き、留華はまた頷いて、美奈子に告げる。  
「じゃ、つけて」  
美奈子ははい、と返事して首輪を留華の首に回していく。かちりと音を立てて、留華にも首輪が装着された。  
 留華は洗脳装置を降りて、再び周囲を見回す。目的のものは部屋の隅にあった。  
 壁に取り付けられたエマージェンシーセットのケース。留華は大股でケースに歩み寄ると、気合いと共に蹴りを繰り出した。  
「やっ!」  
 中国拳法の蹴りでケースのカバーを打ち割ると。中から斧と、レーザー切断機を取り出す。レーザー切断機を美奈子に投げ渡して、自分は斧を構えた。  
「ァイヤー!」  
 留華は気合いと共に斧を振り下ろす。振り下ろした先には洗脳装置と制御用コンピュータをつなぐケーブルがある。ケーブルはかるい火花を散らして、一撃で切断された。  
 
「美奈子、制御装置をレーザーで壊して」  
「はい」  
 美奈子が留華の指示をうけて、レーザー切断機を制御用コンピュータに向ける。中枢部に見当をつけて、レーザーで機械本体ごと切断していった。  
 留華はその間に、洗脳装置本体のヘッドセットを斧で破壊していく。デリケートな電子機器は斧の一撃で簡単に使用不能になった。  
「メモリが分かるなら焼いてしまうんだ」  
「はい、この辺だと思います」  
 美奈子はレーザー切断機で制御装置の内部を焼いていく。ハンディタイプのため、バッテリーはものの2、3分で上がってしまったが、煙を上げる制御装置は明らかに使い物にならないほど壊れていた。  
 留華は更に止めとばかりに電源部に斧を叩きつける。火花が散り、一瞬で発火した。留華は感電を避けて飛びすさり、美奈子をかばって待避する。  
「よし、行こう。ルナはどこ?」  
「格納庫です。こっちです」  
「うん、案内して」  
 美奈子が先導し、二人は格納庫へ移動した。  
「こっちよ!二人とも  
 エクセリオンズは動かせるよぉ」  
 二人を出迎えたルナはそう言って背後を指し示した。ルナもまた、二人と同じような首輪をつけていた。  
 二人に話しかけるルナの声は普段と変わらない軽いものだが、表情は真剣と言っていいほど真面目だ。  
「アルテミスには転送装置がつけてあるの。もう座標も入力してあるから、3体で脱出して基地に帰れるよ。  
 ただ、アルテミスの光流機関だけじゃ3体分の転送にはちょっと足りないから、ヴィーナスとラクシュのも接続しないと。  
 必殺技を使うのと同じにすれば余裕で大丈夫」  
 ルナの説明に頷く二人。流華が口を開く。  
「転送前に威力を押さえたレインボー・ストリームを使う。美奈子は両方成功させる出力を割り出して。ルナ、メインデータバンクのある司令室の位置は分かる?」  
 流華の言葉に美奈子ははい、と頷く。ルナも頷いて肩越しに斜め上の方を指さした。  
「アルテミスのメモリに配置図が入ってるから、見れば分かるよ。でもたしかあっちの方だったと思う。縮退炉は1キロ地下だから影響は出ないはず」  
 流華は二人を見ながら頷き返すと、エクセリオンズを振り返りながら告げた。  
「よし、じゃ始めよう。ここを破壊して脱出するんだ」  
 
 転送装置は完璧に作動した。  
 エクセリオンズの3体のロボは、抱き合うような格好でエクセリオンズ秘密基地内の整備場に転移を完了する。  
3体のロボのパワーを集めて使う必殺技「レインボーストリーム」を使うには、本来は手をつなぐのだが、アルテミスには両手がないので、他の2体が手をつなぎ、アルテミスを抱くような格好になっていた。  
このポーズで、3体はタオのアジトの指令中枢を破壊し、転移装置を作動させて瞬間移動を成功させた。  
 
「転送完了!帰還プログラム終了。  
 美奈子、流華、ベースプログラムに戻って。  
 格納姿勢はエロいポーズにしなきゃ駄目よ!」  
 転送装置の作動確認を終えたルナがそう宣言すると、美奈子と流華の表情が変わった。美奈子はふわり、と淫靡な微笑みを浮かべ、流華は表情を失って人形のような顔になる。   
 美奈子も、流華も、タオのアジトで眠らされた後に洗脳装置にかけられ、完全に洗脳された。2人には洗脳処置だけでなく、後催眠暗示も埋め込まれていた。  
 タオは、洗脳処置を2人に施した後、秘密の計画のためにアジトを離れていた。アジトの破壊もその計画の一部であった。後催眠暗示によって、美奈子と流華はアジトの破壊を実行したのだ。  
 ルナの言葉は、特に流華の、帰還作戦中の自立的な人格を消去するためのものだった。  
 
「帰還プログラム終了、ベースプログラム了解。」  
 流華がルナの言葉を復唱すると、その瞳から意志の光が消えた。やや呆けたような、人形の様な表情になる。  
 流華は、帰還作戦で主導的な役割を果たす必要があったため、ルナではなく朱鷺美に従属するよう洗脳されていた。  
「はい、ルナ様。美奈子は下等生物に戻ります。」  
 美奈子はルナの言葉に喜々として頷いた。結局美奈子はルナの希望通り、ルナに従属するマゾ家畜に洗脳されていた。  
 これらは、洗脳後タオがすぐに命令を与えるなど新しい人格を強化する行動を取らせることができないための暫定的処置でもあった。  
 ルナがこうしてことさらに惨めな行動を取ったり取らせたりしているのも洗脳強化プログラムの一環である。  
 朱鷺美の改良した洗脳装置であっても、以前の自分を脳内から完全に消し去ることはできない。そこで、支配されているという事実を常に確認して、以前の自分とは違う人格を定着させる必要があった。  
 それによって洗脳が解けないようにするというもので、朱鷺美が加えた改良点の一つだった。  
 
 重なり合った3体のロボは、格納姿勢を取るために離れる。  
 アルテミスは短い四肢で這いつくばり、顔と尻を上げたメス犬のポーズ。  
 ヴィーナスは尻を床について股をVの字に開き、手を後ろについて身体を支えるご開帳ポーズを取った。  
 ラクシュは股を開いて尻を床につき、ヴィーナスとは逆に身体を前に倒す土下座のポーズだ。  
 それぞれに惨めな格好で停止したロボから、3人は降りてコントロールルームに向かう。そこで朱鷺美が美奈を迎えた。  
「お帰りなさい」  
「ぁはっ、ただいまぁ、朱鷺美さん!」  
「ただいま戻りました…朱鷺美様」  
「戻りました。朱鷺美様」  
「ねぇ朱鷺美さん、洗脳装置はもうできてる?」  
 軽く言ってくるルナ。朱鷺美は手を振ってたしなめる。  
「無茶言うんじゃないわよ。いくら何でもそんなすぐにできるわけないでしょ!」  
「そうだけどぉ、早く美奈子を再調整したかったのにぃ。  
 ねぇ、美奈子」  
「はぃルナ様、美奈子も早く調整していただいて、もっともっと卑しくなりたいです」  
 ルナは美奈子まで巻き込んで急かす。美奈子が異を唱えるはずもない。  
「はいはい、分かってるわよ。でもホントは流華の方を先にしたいんだけどね」  
 朱鷺美は嘆息する。実際流華の洗脳は不安定なもので、再調整を急ぐ必要はあるのだ。流華もそれを裏付ける申告をする。  
「はい朱鷺美様、アタシも早く調整してもらいたいです。今の感じはちょっと、中途半端で」  
 
「うん、急いで完成させるから、みんな手伝ってね。  
 その前に、現状を説明するわ」  
 朱鷺美は3人に椅子に座るように促すが、美奈子がためらいを見せた。  
「……ん。美奈子、どうしたの?」  
「あの、服を脱ぎたくて……ルナ様、お許しいただけますか?」  
「あはぁ、いいよ。素っ裸になって、おしりを朱鷺美さんの方に向けて這いつくばりなさい」  
 美奈子の洗脳調整は、ルナの趣味が入った結果、相当な深度で家畜化が進んでいるようだった。朱鷺美はそんな美奈子を見て、胸に妖しいものがざわめくのを感じる。  
「はい。ありがとうございます。」  
 美奈子は嬉しそうにパイロットスーツを脱いだ。首輪だけの全裸になると、朱鷺美に背を向けてルナの足下に這いつくばり、尻を掲げて股間を晒す。  
 ルナが軽く頭を踏んでやると、美奈子は嬉しそうに鼻を鳴らした。  
「じゃ、現状を確認するわね。  
 私たちは、完全に敗北しました。  
 私たちはタプロフェッサー・タオ様の洗脳を受けて…というか、最終的には私自身がやったんだけど、とにかく洗脳によってタオ様にお仕えする忠実な下僕になりました」  
「今はこの基地も、光流力エネルギーの秘密も全て、当然タオ様のモノです。エクセリオンズもタオ様のご支配の元にあります、もう世界の平和を守る正義のロボット軍団じゃないわね」  
「今はメス犬ロボ軍団エクセリオンズだもんねぇ」  
「そうね。で、ここで問題。  
 私たちはタオ様の僕。じゃ、エクセリオンズも超重ロボ軍団の所有物なのか?」  
 朱鷺美は講義口調で課題を与える。  
「あれっ?そうじゃないの?」  
「タオ様がドクターGの超重ロボ軍団の幹部なら、そうなのでは」  
 ルナが素で即答し、留華も支配者の問いに律儀に回答した。  
「そこよ……ってもったいつけても仕方ないわね。  
 実はそうじゃなくなるの」  
 朱鷺美はそこで言葉を切る。そう聞いて、美奈子もルナも、3人とも無言で頷いた。予め予測していたわけではないが、そう聞いても意外ではない。  
 タオという男について事前に知っていた情報からしても、洗脳前後に知った範囲の人となりも、他人の部下で終わることを良しとしない印象はあったからだ。  
 
「タオ様はドクター・グランドルを倒し、最終的にご自身が世界の支配者になることを望んでいるの。  
 私たちは、その目標の実現のためにタオ様にお仕えすることになります。分かった?」 3人は再度頷く。  
「じゃ、あたし達はまた超重ロボと戦うんだぁ」  
 ルナの言葉に頷くと、朱鷺美は掲げられた美奈子の尻を撫でながら、自らに告げるように言う。  
「そうよ、今度は正義のためじゃなく、世界征服のために、悪のためにね」  
 尻を撫でられた美奈子は、嬉しげに身体をくねらせた。  
「あぁ…美奈子は下等な家畜として、悪のために戦うのですね」  
「流華は…奴隷として、悪のために戦う」  
 流華は朱鷺美の言葉を反すうするようにつぶやく。ルナは、美奈子の頭を撫でてやりながら、それを繰り返した。  
「ぁはっ、ルナはメス犬として、悪のために戦うんだぁ」  
 4人は口々に自分の境遇を確認した。それだけで股間が熱くなるように、皆洗脳されている。そうして、雑談のように、彼女たちは自らを辱める言葉を紡いでいった。  
「ねぇねぇ、ロボの名前も変えちゃわない?もっとメス犬らしい名前に」  
「あー、それもいいかもね?うんと恥ずかしい名前にして、それを大声で叫ぶのって。  
 どう?美奈子。」  
「あぁ…はい、それ良いです。美奈子うんと恥ずかしいのにして叫びたいです」  
 そう言う美奈子の顔は上気し、瞳は潤んでいた。その顔を見る朱鷺美も、他の皆も、一様に淫らな熱を瞳に宿していた。  
 
 約半月がたった頃、エクセリオンズ基地の司令室にタオの姿があった。  
「指紋、声紋、網膜パターン登録完了。パスワードを入力してください……はい、完了しました。  
 これでこの基地のシステムはタオ様を管理者として認識しました。  
 エクセリオン基地は、タオ様のものです」  
「その名称は変更しましょう。今日からここは、タオベースです」  
「はい、では変更します。パスワードをここに……はい。名称変更しました。  
 ここは、タオベース。タオ様の城です。」  
 司令室は以前とだいぶ様変わりしていた。まず大きなテーブルが取り払われていた。椅子も一つしかない。  
 タオはその、専用の椅子に座っている。朱鷺美はタオの傍らに立ってコンソールを操作していた。  
 そして、エクセリオンズの3人、いや、3匹の家畜は床の上にひれ伏していた。3人とも首輪だけの裸であった。  
「エクセリオンという名前も後で変えることにしよう。ロボの名も」  
「あ、それなら私たちにもアイディアがありますので、後でご説明します。  
 まずは、私たちにお言葉をください。  
 正義の使者を気取ってタオ様に刃向かった身の程知らずのメス達に、どうぞ完全な勝利を宣言してください。その後私たちに改めて絶対服従を誓わせてください」  
「そうだね。全員そろって、改めて服従を誓ってもらうのも良いね」  
 タオの口調も、それまでの慇懃無礼なものからややぞんざいなものへと変わっていた。もはや朱鷺美達を己のものとして扱っている。  
 そして、ひれ伏すエクセリオンズを前に、タオは勝利の演説を始める。  
「改めて言っておくが、おまえ達は実によく戦ったよ。  
 結果は私の完全な勝利に終わったが、これは決しておまえ達が実力で劣っていたからではない。  
 光流力は夢のエネルギーだし、エクセリオンズはすばらしいロボだ。それをこの人数であれだけの運用をしたおまえ達の能力は、称賛に値するものだよ」  
 主からの賛辞に、下僕となった4人は頬を染めて感激した。  
 
「だが、ドクター・グランドルもまた、ほぼ独力で超重軍団を作り上げた天才だ。  
 特に縮退炉の実用化と物質転移装置の開発は歴史上で見ても偉業といえる。  
 科学者としての私の能力などは、とうてい足下にも及ばない。  
 だが、世界制服を成し遂げるための能力は別だ。  
 私はおまえ達を下し、我がものとした。  
 今や、光流力と実相寺博士が遺した全ての技術、そして超重軍団の科学力。私はそれら全てを使いこなせる。  
 おまえ達を私の手足として、私はグランドルを倒し、世界を征服する。  
 おまえ達はそのための道具だ。私に服従を誓い、私のために奉仕しなさい」   
 はい、と4人の声が合わさった。朱鷺美が立ち上がり、感激を示す様に、深々と一礼する。  
「では改めて…私からご挨拶します」  
 朱鷺美は改めてタオの前に跪く。  
「私実相寺朱鷺美は、タオ様の忠実な僕として絶対の忠誠を永遠に捧げることを誓います。   
 これからは光流力はもちろん、父と私の研究成果の全てがタオ様のものです。どうぞご存分に役立ててください。  
 そして、もちろん私自身も…タオ様の思いのままに使ってください。どんなご命令にも従います」  
 ルナは四つんばいで尻を振りながら宣言する。  
「ぁはっ!流石ルナは、人権も人格も放棄したメス犬として、タオ様に全てを捧げてご奉仕することを誓います。  
 これからは、メス犬ロボ・エクセリオンズのリーダーとして精一杯がんぱります」  
 美奈子はしゃがんで股を開く、ご開帳ポーズで宣言した。  
「あん…私、どすけべな下等生物の、永礼美奈子は、メス犬ルナ様に従属するペットです。  
 いつでもおまんこを濡らして発情している美奈子は、皆様のえっちなお楽しみにご奉仕すしたくてたまりません。どうか卑しいメスの美奈子を生きた性玩具として、お好きなように使ってください。お願いします」  
 流華は土下座して誓いを述べた。  
「流華はただの穴です。江留華は皆様の便器です。流華は、皆様のどんなご命令にも従います」  
「どうしたんだ?」  
 タオは、美奈子と流華の壊れぶりに目を見張った。  
「ちょっと、やりすぎちゃいまして」  
 朱鷺美はあっさりと答えてきた。タオはその表情の奥になにかを見た気がしたが、あえて深く追求するのは避けることにする。ただ、確認だけした。  
「作戦や戦闘には使えるのか」  
 
「それは大丈夫です。ちょっと性的嗜好の調整で…変態にしすぎたみたいですが、日常生活は可能ですし、作戦は支障なくできます。ご奉仕の方は申し分ないですよ」  
 朱鷺美の意図はおそらくタオへのサービスではなく、主の寵愛を受けるライバルを減らすことだろう。  
 胸の大きい2人がたまたま後からの調整になり、最下級の奴隷にできる機会を得たため、誘惑に抗わなかった、というのが真相と見えた。タオとしては、特に問題とすべき事はなかった。  
「では、せっかくだから早速変態2人を楽しむとしよう。美奈子、流華、きなさい。  
 私から朱鷺美への褒美は今夜にするよ。今は、ルナとしていなさい。  
 ルナ、朱鷺美に奉仕して、逝かせておやり」  
「はぁいっ!ご主人様、お任せください」  
 ルナが楽しそうに返事をして、朱鷺美の下半身にとりついた。  
 美奈子と流華は、それぞれタオの前後から股ぐらに顔を突っ込んでいく。タオは、ズボンを下着ごと脱いでしまい、仁王立ちになって下僕の口唇奉仕を楽しんだ。  
「これは、なかなか……凄いね。  
 性奴隷としてのレベルも高いよ、おまえ達は」  
 美奈子は心底嬉しそうに鼻を鳴らしながらタオのペニスをしゃぶり、流華はタオの尻穴に舌を入れてアナル舐めに没頭していた。  
「それはもう……全員で訓練しました…から」  
 ルナにクンニリングスされてあえぎながら、朱鷺美が律儀に説明する。  
「ご主人様に、たぁっぷりと楽しんでいただけるように、あたしたちセックス奴隷の特訓をしたんですよぉ。  
 どんな過激なプレイでも、お望みのままですからぁ、ご主人様。  
 あたしたちを、うんと、弄んで楽しんでくださいね!」  
 ルナが顔を上げて楽しそうに補足してくる。タオは思わず微苦笑を漏らした。  
 こうして自ら己を貶めて行くことで、彼女たちはより深くタオに支配されていくのだ。タオ自身も4匹のメス奴隷達を常に辱め続ける必要がある。  
 もちろんそれはタオにとっても望むところだった。  
 
 美奈子達の痴態と奉仕は極上の快楽を生み、タオはあっさり達してしまう。  
「む…出すぞ」  
 射精の瞬間、タオはペニスを美奈子の口から引き抜き、身体をよじって床にザーメンをまき散らした。美奈子が舌を伸ばして追いかけてくるのを、手で押しとどめる。  
「さあ、全員で舐めとりなさい」  
 タオの命令に、4匹のメスが群がり、床に飛び散った精液を舐め啜り出す。  
 嬌声を上げ、至福の表情を浮かべて這いつくばる女達を眺めながら。  
 タオは不意に、勝利を実感した。  
 
 
蛇足的 エピローグぽいもの  
 
「わぅんっ!耳ビーム!」  
 元はエクセル・アルテミスという名だったロボの犬耳から光線が発射され、巨大な敵ロボに命中する。しかし、敵の超重ロボの装甲は厚い上に何かの処理が施されているらしく、ビームは装甲表面で弾かれてしまう。  
 元は小柄な少女の姿を模していたロボは、今では肘と膝から先を切り取った姿で、頭には犬の耳をつけ、首輪と、尻に尻尾のような棒状メカまで装着したメス犬少女型ロボへと変貌していた。  
「ぁんっ!また装甲硬くなってるー!  
 硬いのはご主人様のおちんちん様だけでいいのっ!  
 美奈子、ビームクロスボウで足止め!留華、バックスタブ行くよっ!」  
 自称もメス犬美少女の流石ルナが叫ぶ。叫びながら這いつくばったメス犬の動きで機敏に敵の反撃をかわしていく。  
 ルナの声に、永礼美奈子と江留華、2人の美女がはい、と頷く。2人の操るロボも元は美女型のロボであったが、改造されて無惨な姿を晒している。  
 美奈子の元エクセル・ヴィーナスというロボは、膝から下を失っていた。射撃タイプのロボなので、腕は武器を操るために残された。そして、本来なだらかな美しいラインを持っていたボディにも恥辱改造が施されていた。  
 首輪はもちろんついている。胸の部分のふくらみがどぎつく飛び出す巨乳にされ、尻のボリュームも増やされて下品なボディラインにされた。股間の恥丘部に唇状のフレームがつけられてぽっこりと脹らみ、そのスリットの中に穴が開いて、武器の発射口になっている。  
口にも大きなコネクターが設けられていて開口する。そして乳首部にも武器の発射口が設置された。  
 かつて美の化身の名をつけられたロボは、今では安手のダッチワイフのような下品でいやらしいボディに堕しめられていた。  
「ラビア、ビームクロスボウ!」  
 美奈子が叫び、腕に取り付けられたクロスボウ状の武器から収束ビームが放たれる。超重ロボの足下に当たり、その動きを止める。  
「その調子!ラビアは連射!  
 アヌスはこっちへ!」  
 ルナは美奈子のロボをラビアと、留華のロボをアヌスと呼び、犬のダッシュでそのラビアの背後へ回る。  
「了解」  
 
 アヌスと呼ばれた、元はエクセル・ラクシュの名を持っていた留華のロボは格闘戦タイプだったため、手足全てがそのまま残った。一旦破壊された足も修復された。  
 プロポーションもほとんど変更されなかった。変更点は首輪と、股間にあった。  
 細身の女性型ロボのボディはそのままに、股間のペニスの位置に長く猛々しいドリルを装着されたのだ。  
 さらにペニスドリルの後ろ、尻穴の位置にコネクターの開口部が設けられていた。  
 留華の操るふたなりロボは俊敏に走り、ダッチワイフロボ・ラビアの後ろでルナのメス犬ロボと接触する。  
「いくよアヌス!敵の後ろ上方に!  
 Eパック接続!クリトリス、転送装置作動!」  
 ルナは自身のメス犬ロボをクリトリスと呼び、転送装置でアヌスを転移させる。  
 留華のアヌスは一瞬で超重ロボの背後、空中に出現する。  
「はいやぁっ!」  
 空中からのキックが敵ロボの後腰に炸裂する。さすがにたまらず、敵は大地に倒れ伏す。  
「ペニス・ドリル!」  
 アヌスの股間のドリルが回り、フレキシブルケーブルが伸びた。敵ロボの膝関節に裏側から突き刺さり、破壊していく。  
 一方ルナのクリトリスは、尻尾状のスティックをつかんでケーブルを引き出し、股間を通して前に出した。その前には、美奈子のラビアが這いつくばり、顔をクリトリスの股間に向けて突き出している。  
クリトリスは、伸ばしたスティックを、ラビアの口の部分に開いたコネクタに接続した。  
「美奈子、カントバスターいくよぉ!狙って!」  
「はい、ルナ様。おまんこ砲照準します」  
 美奈子は張って尻を高くかかげたポーズで、尻を敵ロボに向けて突き出す。  
「立ち上がりざまよ。  
 留華、離脱!」  
「了解」  
 留華のアヌスはドリルを引き、素早くその場を離れる。敵超重ロボが、壊れた片膝をついて身を起こす。  
「いまよぉ…カントバスターエネルギー注入!」  
「おまんこ砲発射準備完了。発射します」  
 
 クリトリスの尻尾からラビアの口へと、光流エネルギーがチャージされる。ラビアの内部でそれはラビア自身のものと合わせて増幅され、股間の発射装置へ流れていく。  
「ん…いきます!おまんこ、イックゥ!」  
 美奈子が叫んでトリガーボタンを押す。その瞬間、ラビアの突き出された女性器部分がまばゆく光り、収束した光の矢となって放たれた。  
 その光の束は、敵の超重ロボの腹部装甲を貫き、大穴を開けた。爆発には至らないものの、行きロボは完全に機動を停止する。  
「やったぁ!勝利!」  
「うふ、美奈子、今日も逝けましたぁ」  
「任務。完了しました」  
 はしゃぐルナ達。流華がタオベースの朱鷺美に連絡を入れる。  
「ご苦労様。今日も何とか勝てたわね。ご主人様もご満足よ。  
 帰っていらっしゃい。」  
 朱鷺美の声も明るい  
「でも、超重ロボ、どんどん硬くなってきてて、もうすぐあたし達の武器じゃ止めさせなくなりそうですよぉ。  
 今日だって、前のヤツなら真っ二つだったのに、穴だけだし」  
 帰投準備をしながらルナがぼやいた。  
「ええ、何とか間に合いそうよ。  
 来週にはご主人様の超重光流ロボ・エレクチオンが完成できそうなの」  
「ホント!やったぁ!  
 これであたし達も、正式にエレクチオンズ・スレイブズって名乗れるぅ」  
 ルナが手を叩き、美奈子達も嬉しげに頷き合う。  
 エレクチオンとは、タオの超重ロボに光流機関を追加し、元々備わっていた縮退炉と合わせて脅威のパワーを持った新ロボに強化改造するプランであり、タオ専用の新型ロボの名であった。  
 2つの超機関のマッチングに苦労していたのだが、どうやら目処が立ったのだ。  
「予想以上に、超強力なものに仕上がりそうだ。  
 みんなの手伝いがあれば、次の戦いは私も出られるだろう」  
 割り込んだタオの声に、3匹のメス奴隷達は、「はい、喜んでご主人様」と唱和した。  
 そして。  
 エレクト・クリトリス。エレクト・ラビア。エレクト・アヌス。  
 プロフェッサー・タオの3体の恥辱メス犬奴隷ロボは、肢体を淫らに絡ませあって、光流エネルギーを増幅させるモードに入った。  
 転送装置で、彼らの支配者の待つ基地へと帰還するために。  
 
 
 

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