夜の路地裏。鎖鎌を構える不良達を前に少女は窮地に立たされていた。
ヒュンヒュンと鎌が回転する音は、心が切り裂かれるような恐怖だった。
しかし、少女の瞳は脅えの奥に戦う決意を宿していた。
(は、恥ずかしいけどやるしかないよ……!!)
そしてプリーツスカートの中に両手を突っ込むと、パンツを擦り下ろす!!
ふくらはぎの辺りでピンと張った木綿のパンツに不良達の目は釘付けだった。
さもありなん。彼らはカツアゲ専門で、性的な犯罪は一切しない集団だったのだ。
「ちょっ、まっ、」
真っ赤になって静止の声をかけようと上ずった声を出すモヒカンの不良達。
振り回していた鎖鎌が制御を乱し、わたわたとチェーンが絡まる。
そして、同じく羞恥に真っ赤になっている少女は、涙目をカッと開いた。
「ほにゃあああああああああ!!」
まっすぐ体側に降ろした両腕の先で、手だけ広げて小さな羽根を形作る。
そしてそのまま、パンツによって中途半端に縛られた脚でちょこちょこ歩き出した。
パンツが緩み、ピンと張り、また緩み、ピンと張りながら、不審な動作で小刻みに近づく少女。
「あわわわわわわわわわわわわわ!?」
「今だっ! ラブ・ミー・ドゥー!!」
わけがわからず困惑する不良たちに、少女は渾身のパンチを叩きこんだ。
ごばっしゃーんと吹っ飛んで頭から落下する不良たち。
ぜえぜえと肩で息をすると、少女は緊張の糸が切れてその場にへたりこんだ。
スカートがふわりと広がって、涼しい風が露出した下生えをするりとそよがせる。
「こ、怖かったよぉ、恥ずかしかったよぉ……」
えぐえぐと泣く少女は、よろよろと立ち上がってパンツを上げようとする。
しかし歩く時に酷使したパンツは、ゴムが伸びきりくったりとその生涯に幕を下ろしていた。
「ふえええっ! こんなのってないよーーー!!」
ノーパン少女の情けない声が路地裏にこだました。おしまい。