「今日も暑いわねぇ」  
 
母親は口癖のように毎朝同じ言葉を繰り返していた。  
夏も終わりかけたというのに、照りつける日差しは夏そのものだ。  
 
美夏は創立記念日で休校であるにも関わらず、制服に着替え身支度を整えている。  
 
「じゃあ、いってくるね。帰りは少し遅くなるかも」  
 
「こんな日に大変ね。気をつけていってらっしゃい」  
 
母親は何も気づかずにいつもと変わらない様子で玄関を出て行く美夏を見送ってくれた。  
 
いつもと違うのはスカート下には何も着けていない事だけだ。  
外から見たら美夏が下着をつけず外出している事などわかりはしない。  
 
今日しかないと前から計画していた事だった。  
股間を撫でる生暖かい風が、いつもより心細く感じたとしてもここで引き返すつもりはなかった。  
 

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