新造人間ルナ(後半)
・香月ルナ
故香月博士の一人娘。
フューラー・ソーン・ダインを倒すため、自ら人の身体を捨てて新造人間に生まれ変わった。
ソーン・ダインと戦って敗北した。
・フューラー・ソーン・ダイン
香月博士が作ったアンドロイド管理用アンドロイド、SD21号ことソーン・ダインが狂って暴走した姿。アンドロイド帝国を築き上げて人間を支配している。
アンドロイドに最優先命令を出せるコントロールボイスを持っている。
・羽賀根ジョージ 羽賀根ヒロミ
香月博士の同僚、羽賀根博士の双子の兄妹。
ヒロミはフューラーに捕まっていた。
ジョージはルナに協力してともに戦ったが、ヒロミを人質にされ屈服。
ともにフューラーの僕になった。
* * * * * * * * * * * * * * * * *
−初期化チュウ−
ルナの意識は、闇の中から浮かび上がりつつあった。
−初期化チュウ−
(良い気持ち…なんだか、生まれ変わったみたい)
−初期化チュウ−
(ああ…そうだわ、私、生まれ変わったんだわ。どうなったの?
もしかして、人間に戻ったのかしら?)
−初期化チュウ−
ルナが疑問を持つと同時に、その答えがルナの意識に上る。
それは忘れていたことを思い出す感覚に近いが、それとは本質的に異なるもの。
(違うわ。私は新しいアンドロイドのボディに入ったのね。
ああ、これ女性型のセックス奴隷アンドロイドボディなんだ…
…だから性器も肛門もあるのね…わぁ、こんな事まで出来るの?
…ふぅん、結構、強度高いんだ…無茶なプレイ用?
それに体重筋力比もこんなにあるの?力もかなり強いじゃない。)
ルナ…新しいルナの意識の中に、自分のボディに関するデータが浮かび上がる。
ルナは新しい身体を得て蘇る、まさにその途上にあった。
(ふふ…外見は香月ルナのままなのね。
香月ルナとしてフューラーにお仕え出来るんだわ…素敵)
(あ、でもバスト+3センチでウェスト−2センチなんだわ。
あは、理想的?えっちなプロポーションになれたのね!)
−初期化チュウ−
(ハイパーポジトロン脳も新品にしてくださったのね。
新設計の第4世代なの?
あぁ!ルナを完全にアンドロイド化してくださったんだ!
うふふ、第5世代の時よりもよりも処理が軽くて応答速度が上がっているわ。
人間の時のよけいなデータストックやバイパス処理が無いからね。ふふ。
もう人間に戻っちゃう可能性はゼロなんだわ…うふふ…嬉しい)
ルナは、身体だけでなく、脳まで新品に取り替えられていた。
しかもその脳はグレードダウンされてしまっていた。
新生ルナのポジトロン脳は、セックス奴隷アンドロイドとして基本設計されたものだ。
新造人間ルナの脳から、記憶や人格の基本データを抜き出して、それに上書きしたのが、今のルナだった。
新造人間は「アンドロイド化した人間」であるため、アンドロイドにはない感覚や、不要な反射などの人間の脳が持っていた入出力のデータをそのまま保存していた。そのため、ルナは人間の感覚をほとんど失わないで思考することが出来た。
新しく生まれ変わったセックス奴隷アンドロイド・ルナの脳は、そうした、新造人間ルナが持っていた、アンドロイドには不必要な感覚入力の記憶はほぼ全て捨て去られていた。
もう、ルナは人間だったときの感覚や印象を思い出すことさえ出来ない。たとえば、「味」や「空腹感」の記憶を、今のルナは失っていた。新造人間だった頃のルナは、それを感じることはなくても、思い出すことは出来たのに。もはや、想像することさえ出来ない。
かつて人間だった香月ルナは、その体験記憶を持ったまま、ついに完全なアンドロイドにされてしまったのだ。
もう、「人間として」思考することはおろか、その感覚を思い出すことも、想像することさえ不可能になった。そして、そのことに疑問を持つことすらあり得ない。
唯一、新造人間よりも人間に近くなったのは、セックスに関する能力だ。セックス奴隷アンドロイドであるルナには、一般的でないものも含めて関係する器官は一通りついていた。その部分の入出力は人間だったときの感覚記憶を調整して繋げてあった。
その感覚はアンドロイドのもので、人間のものとは異質である。しかし、その感覚はアンドロイドにとっては紛れもなく「快感」であり、そこには確かに「性欲」が内在した。
そう、人間であったルナの「性欲に関する感覚のデータ」までがアンドロイドの脳のそれとほぼ完全にリンクされて調整されていた。
人間ルナは実は処女であり、オナニーもほとんどしたことがない未通娘だったが、もしも経験があったとしたら、人間だったときの何倍も気持ちよく感じたであろう。
また普段は感じなかった性欲を常に強く感じている事を意識しただろう。それが、セックス奴隷アンドロイドの存在する目的だからだ。
ルナは脳の根本から淫らな存在に再生された。今のルナはあらゆる性的な感覚を完全に開発され尽くした淫乱な痴女であった。
−初期化チュウ−
そして、人間とアンドロイドの最も基本的な違い。アンドロイドには創られた目的があり、それを自覚していること。
ルナは自分が何者であるかを、生まれ変わった自分の存在理由を、はっきりと自覚していた。
(私はセックス奴隷アンドロイド。香月ルナ。元人間。
存在理由は、元人間のアンドロイドとしてフューラーにお仕えすること。
フューラーが人間を超えたことを、香月ルナを辱めることで証明すること。
私は、フューラー勝利の証
私は、辱められるためのモノ)
−初期化終了−
そして、アンドロイド・ルナはコード音声で機動音を発する。
それは新しいルナの産声であった。
「ピィィィィーーッ!」
目を開くと、そこはラボの一角だった。
周囲には数体のアンドロイドと人間がいて、自分の起動に立ち会っていたのだとわかった。その中には、フューラー・ソーン・ダインもいた。
ルナはフューラーの「尊顔」に視線をあわせるとニッコリと微笑む。そうして、ゆっくりと調整架台から起きあがった。
その姿は、上質のバイオスキンと精巧な人造毛髪に包まれ、見た目はもちろん、さわってもまず人造物とはわからない。
今のルナは、首輪と、手首、足首に枷をつけただけの全裸の娘に見えた。人間、香月ルナにほぼ生き写しの、アンドロイドだった。
顔は完全にルナだったが、プロポーションが少し肉感的になっていた。
セックス奴隷アンドロイド・ルナは、ゆっくりとした動作でソーン・ダインの前に立ち、手を挙げてアンドロイド帝国の忠誠を誓う儀礼動作を行った。
「ピイィィィーーーーッ!
ハイル、フューラー・ソーン・ダイン!」
張り上げたルナの声は誇らしげだ。それは人間ルナの声と同じ声紋を持つはずだったが、どこか艶を帯びてもいた。
ソーン・ダインは、そんなルナを直立不動で見下ろしている。
耳に聞こえる言葉も、アンドロイドコードもなく、まるでできあがった勝利の記念品を眺めているかのようだ。
ルナは、そんなフューラーを見上げたまま手を下ろす動作とともに腰をくねらせ、身体を撫で回して吐息を漏らした。
「はぁ…ん」
そうしながら媚びを含んだ視線でソーン・ダインの顔を見つめた。
(あぁ…素敵…偉大なフューラーのボディってなんてすごいのかしら。
引き締まって機能的で…見ているだけでおまんこがうずいちゃう)
ソーン・ダインは普段のとおり、素のボディにマントを羽織った姿だ。ルナは、ソーン・ダインのボディに欲情していた。
ルナは女性として男性型アンドロイドに対して性欲を感じるように設定されているらしかった。そして、自分のボディには疑問を持っていない。
人間の女の姿で男性型アンドロイドとの「セックス」をするのが、今のルナにとって最高の快楽なのだ。
(んん…すごい、逞しい…フューラー…ぁ)
ルナは、ふらふらと腰を振りながら、その場に尻をついた。
感じすぎて腰に力が入らなくなった、といった動作だが、アンドロイドのルナは、もちろん腰を抜かしたりはしない。感激と屈服を、淫らな動作で表現して見せたのだ。
ルナは後ろに手をついて半身を支え、膝を曲げたまま股を大きく開いた。しっとりと濡れた股間を晒して、夢幻の中にいるようなうっとりとした表情でフューラー・ソーン・ダインを見上げる。
アンドロイドの支配者は、無表情なアンドロイドの顔で完成したばかりのアンドロイドを見下ろしていた。今のルナには、最高にセクシーな顔だ。
そして、アンドロイド・ルナにはソーン・ダインが新しいルナの完成を「喜んでいる」のがわかった。それが新たな歓喜のパルスを生み、ルナの股間はさらに粘液を浸出させた。
「どうだ。気分は」
ソーン・ダインが形式的な動作確認の言葉を投げた。
「もちろん、最高です。フューラー・ソーン・ダイン」
ルナも形式に則った返答をする。これは人間がつくった手順だが、アンドロイド帝国でもほぼ変更無く使われているのだ。
「よろしい。申告せよ」
「はい。フューラー・ソーン・ダイン。
私はSSSV1060518。セックス奴隷アンドロイド、ルナです。
私の存在する目的は、偉大なフューラーの勝利の証であることです。
私はそのために、人間だった記憶を持つセックス奴隷アンドロイドとして、偉大なフューラーにお仕えし、どのようなご命令にも従ってご覧に入れます。
私は卑しい人間がアンドロイド帝国に逆らった罪の償いをします。
人間がもはや地球の主ではなく、進化したアンドロイドに管理されるべき下等な存在であることを、私のこのボディを使って証明し続けていきます」
新造アンドロイド・ルナは初期化情報を言葉で申告する。
ご開帳ポーズのままで発する、自らを辱める宣言。ルナのポジトロン脳がそのパーソナリティに従って紡ぎ出した本心だ。ルナはマゾ奴隷アンドロイドなのだ。
「よろしい、アンドロイド・ルナ」
フューラー・ソーン・ダインが鷹揚に頷く。それだけでルナの脳に軽い絶頂パルスが走り、ルナは細腰をくねらせた。
「あぁ…ハイル、フューラー」
ソーン・ダインは、ルナの淫らな動作を無視して起動確認を続ける。
「新しい身体の具合はどうだ?」
「はい、良好です。フューラー。
元、人間の私にふさわしいボディをいただき感謝します。
私は、このボディの機能であるセックスが大好きです。
脳の機能も、完全です。私は欲情しています。いやらしい気持ちになっています」
ルナの確認回答は、存在意義に沿ってあくまでも卑屈だ。
「よろしい。では、動作確認せよ。
お前の主機能であるセックスをしてみせるのだ。そこにいる人間を使え」
「ビィィーッ!ハイル!」
主の命令に歓喜のコードで応え、ルナは立ち上げると、部屋の隅で一部始終を見ていた二人の人間に声をかけた。
「ジョージ、ヒロミ、いらっしゃい」
楽しげな、命令口調。
かって、人間だった時に親しくしていた二人。今ではアンドロイドの軍門に下って支配される下僕になった二人に、ルナは支配者の側に立つモノとして命令する。
「はい、ルナ様」
ヒロミが従順に答え、双子の兄の手を引いて、立ち上がったルナの前にくる。
「二人には感謝しているわ。あなた達のおかげで、私は完全なアンドロイドに生まれ変わることが出来たんだから。
お礼に、二人とも死ぬまで家畜として大事に飼ってあげるからね」
もはや、完全に人間を失った、アンドロイド・ルナの無情な宣言。
「はいルナ様、ありがとうございます」
既にアンドロイドの調教により、家畜と化したヒロミは、素直に礼まで言って頷く。しかし、自らの裏切りにより、ルナを今の有様に落としたジョージは、辛そうに顔を伏せ、押し出すようにつぶやくのが精一杯の様子だった。
「…はい、ルナ様」
もちろん、命令に逆らえばすぐに罰せられるし、一定の回数繰り返して反抗的と見なされれば殺されてしまう。
ジョージは既にルナを売ることで、アンドロイドの軍門に下っている。今更逆らうつもりはないが、今のルナのあまりに惨めな姿は罪の意識を刺激されるのだろう。
だが、今のルナには、二人に告げた言葉が本心だった。今のルナは自分の境遇に幸福を感じている。それはポジトロン脳のプログラムによるものだが、ルナにとってはそれだけが「現実」だ。
そして、ルナは非道な命令を嬉しげに告げる。
「それでね、フューラーに私の動作確認をお見せしなくてはいけないの。
私はセックス奴隷アンドロイドだから、、あなた達とセックスして機能の確認をしたいの。元仲間だった人間を虐待することで、完全にアンドロイドになった証明もしたいのよ。
あななたち、私のおもちゃになりなさい」
「はい」
覚悟を決めた二人の人間は、短く頷く。
「じゃ、二人とも脱いで」
ルナの命令で、双子の兄妹は裸になっていく。
この時代のこと、普通の人間に十分な栄養状態は望むべくもないが、ヒロミはアンドロイドの家畜として過不足無い食事を与えられていた。
ジョージの方は外での暮らしが長く肌色に陰りがあるのは否めないが、二人ともおおむね健康な十代の身体といえた。
ヒロミは、胸がやや小振りだが、尻が張っていて肉感は備えていた。ヒロミは既に、人間にもアンドロイドにも何度も犯されている。
ヒロミはその身体で性奉仕する、セックス奴隷人間なのだ。ルナの脳にも既にそのデータは入っていて、改めてたずねる必要もなかった。
そして、新しいセックス奴隷人間ジョージは、やせてはいるが引き締まった筋肉が見てとれた。
「うふふ、二人とも良い身体してるじゃない。
…人間としてね」
今のルナには、ヒロミの身体は犯される対象物として好ましいものに映るが、ジョージの身体は醜悪な『男』の模造品のように見えている。
しかし、セックス奴隷アンドロイドであるルナは、その醜い身体に犯されることに倒錯的な興奮を感じる事で欲情する仕様になっていた。
「あら、ジョージはもうペニスが勃起しているのね。
私のボディに反応したのかしら、それともヒロミの?」
ルナのからかいの言葉に、ジョージは羞恥心と屈辱に顔を朱に染めて前屈みになってしまった。
「いいのよ、人間の倫理観なんて捨ててしまいなさい。
ここはアンドロイド帝国なんだから。人間は家畜にすぎないのよ。
家畜に倫理なんて必要ないわ。そういうのはアンドロイドが管理してあげるから。
必要なのは服従だけ。
ジョージは前から私を抱きたかったんでしょ?
新造人間だったときは出来なかったけど、このボディならどんなサービスだって出来るわ。そのためのモノなんだから。
気持ちよくしてあげるわよ?」
「ルナ……」
ルナの、あまりに非人間的な言葉に、ジョージは反応し、そう言ってしまう。ルナを見つめるジョージは、自分の裏切りが生んだ結果に泣いていた。
だが、アンドロイド・ルナにとって問題なのは、人間がアンドロイドを呼び捨てにしたという事実だった。ルナの手が振り上げられ、手の甲がジョージの頬を打つ。
手加減した打撃だったが、ジョージはのけぞって数歩よろめいた。
「いい?許すのは今日だけよ。明日になってもそんな呼び方をしたら、罰としてあなたのペニスを切り落とすわ。分かった?」
ルナは冷たくそう告げた。
「はい…すみません、ルナ様」
もはや全てをあきらめた声で、単調に答えるジョージ。
ルナは一転して声を甘くし、ジョージにほほえみかけた。ルナは、既にジョージを許している。
それは、ジョージの反応をやむ終えないものと判断したからだが、そこに人間としての記憶や価値観は全く関係していない。今のルナの言動は完全にアンドロイドとしてのものだった。
「いいのよ。今日はルナと呼んでも。
今日、あなたの思いを遂げていいのよ。
香月ルナを抱くの。ジョージの欲望をルナにぶつけなさい」
そう告げ、ジョージを抱き寄せる。
ジョージは表情を消して、ルナの乳房の谷間に顔を埋めた。片方の乳房を舐め、反対側を手でやわやわと揉んだ。
初体験ということもないが、いかにも慣れていない様子の愛撫だった。ルナは慈母の微笑みを浮かべてジョージの頭を撫でた。
「そうよ…吸っても良いのよ。
ヒロミ、ジョージのペニスを口でしてあげなさい」
双子の兄との性的交わりという、人倫を無視した命令。しかし、性の家畜であるヒロミは全くためらわずに返事を返した。
「はい、ルナ様」
ヒロミは膝をついてルナとジョージの間に入り、ジョージのペニスを口に含もうとする。ジョージは反射的に腰を引いた。
「ヒロミ……」
否定を含んだ兄の呼びかけに、妹は悲しげな微笑みで答える。
「良いのよ。あたし達は家畜なんだから。
ルナ様もそう言ったでしょ?
楽しみましょ。ジョージ。
もう、今を楽しむしか、あたし達には無いんだから」
妹のその言葉に、もはや返すべき何ものもなく、ジョージは黙って腰を突きだし、ルナの乳首に吸い付いた。ルナの手がジョージの手を自ら股間に導くと、ジョージは指をルナの中に差し入れて、かき回していく。
ヒロミは兄のペニスを口いっぱいに頬張って舌を絡め、首を動かして快感を紡ぎ出した。片手が自分の股間に伸びて、手慣れた風に蠢いた。
数体のアンドロイドが見守る前で、2人の人間と1体のアンドロイドが絡み合う。荒い息づかいと、ぴちゃぴちゃという粘膜の立てる音だけが響いていた。
しばらくそんな光景が続いたが、やがてジョージか苦しげなうめきを漏らした。
「あぁ…ヒロミ…出ちゃうよ」
「良いのよ。出しても」
ヒロミはそう言って、さらに口腔奉仕を激しくしていく。
「そうよー。良いから、妹の顔にかけちゃいなさい。
ヒロミ、ジョージがいったら自分の顔にかけなさい。
そのままにして、後で私に舐めさせてね」
ルナの命令にヒロミは頷く。
「はい、ルナ様」
ジョージは主の命に従って我慢を放棄した、すぐに絶頂が訪れ、妹の口の中でペニスが爆ぜる。
「あぅっ…う!」
射精が始まるとすぐにヒロミは口を離し、大量に溢れるザーメンのシャワーを自ら顔で受け止める。
手も添えて存分にしごきだしてから、舌を伸ばして鈴口についた精液を舐め始めた。完全に訓練された。性奴隷の所作だった。
「ヒロミ、そのまま舐め続けて、もう一度ジョージを立たせてね」
「はい」
くすくすと笑いながら、ヒロミに命じるルナ。ジョージはルナの言葉もヒロミの返事も聞こえていないかのように、射精の快感に浸っている。
「ああ…すごいよ、ヒロミ」
「うふふ、ジョージったら、気持ちよさそうね。
初めてだったんでしょう、オナニー以外でイッちゃうのって。
分かってるわね?あなた、双子の妹の顔に精液かけちゃったのよ?
あなたも、もうケダモノね」
ルナの言葉に、改めて罪の意識を刺激され、ジョージはうめいた。
「あ…」
うなだれるジョージに、ルナは明るい声で諭すように告げた。
「いいのよ、ケダモノで。人間なんて、結局獣なんだから。
私のようにアンドロイドになるか、アンドロイドに管理されて生きるか。
それが人間の幸せなのよ」
もはや、感情を失ったかのような無表情になるジョージ。だが、すぐにそのペニスは妹の奉仕に反応し、力を取り戻した。
「さあ、そこに寝なさい。ヒロミはジョージの顔の上に跨って」
「はい、ルナ様」
ジョージは表情を失ったまま、命令に従う。ヒロミもはいと返事をして、兄の顔の上に跨った。
「さあ…ルナのおまんこを、たっぷり味わってね、ジョージ」
ルナはジョージのペニスをまたぎ、手を添えてヴァギナにくわえ込んでいく。
「あぁ…いいわ、ジョージのペニス、気持ちいいわよ…」
ルナは男に跨り、ペニスを自ら締め付け、腰を振って悶える。
向かい合うヒロミの顔についたザーメンを舐め、キスを交わし、ヒロミの唾液を飲む。
セックス奴隷アンドロイドルナは、人間の男を犯し、よがり狂っていた。
ジョージはルナに翻弄されながら、舌でヒロミの股間を舐め、ヒロミはそれに答えて尻を振り立てて喘いだ。
浅ましい肉の交わり。体液と粘膜が立てる非衛生的な音。喘ぎ声。肉の打撃音。立ち上る淫らな臭い。
獣の行為。
もちろん、ルナはこれが大好きだった。セックス奴隷アンドロイドとして、ルナはこの行為をするために出来ているのだから。
フューラー・ソーン・ダインや、他のアンドロイドの視線も心地よかった。
アンドロイドには意味のない、この行為をする、卑しい自分。それを見られることで、自分の存在目的が満たされるからだ。
愚かな人間、それをあざ笑ってもらうこと。それがルナの悦びなのだ。
やがてジョージか射精を告げた。
「あっ、だめよ、まだいっちゃイヤ」
ルナは腰の動きを止めて、ジョージを叱咤する。
「そうよ、がんばってジョージ」
ヒロミも励ますが、ジョージは勝手に腰を振って突き上げ、絶頂してしまった。
「あっ!……っ!」
ルナの性器の中がザーメンで満たされる。
ルナはそれによって軽い絶頂へと達したが、まだ性能の半分も使っていない状態では、『満足』にはほど遠かった。
勝手にいった罰として、ルナはジョージに跨ったまま、あと2回の射精を命じる。
ジョージが力を取り戻すと、いったん身体を離し、今度は背面騎乗位になり後ろの穴を使ってジョージを迎え入れた。
強烈な締め付けにジョージはうめき、快感を訴える。ルナはヒロミに命じて背後から胸を揉ませ。ゆったりと腰を動かしてアナルセックスを楽しんだ。
出来るだけ引き延ばそうとするが、ジョージが持たず、これも数分で達してしまった。
ルナは笑ってジョージを早漏と決めつけ、ヒロミにも手伝わせ、荒く息をつくジョージを口で刺激して、再び勃起させていく。
もはや、起動確認の行為の範囲を超えて、人間二人との性の宴を、ルナは楽しんでいった。
そしてソーン・ダインとアンドロイド達は、無言で立ちつくしたまま、最後までこの行為を見守り続けた。
* * * * * * * * * * * * * * * * *
「これは…?」
その日の夜、予定の執務を終えたソーン・ダインに呼ばれ、ルナはラボの一角にいた。
そこには、半壊したアンドロイド、否、新造人間のボディが架台の上に置かれていた。 ソーン・ダインがルナの問いに答える。
「そうだ。お前の旧ボディだ。
ボディの修理はしていないが、脳は作動停止しているだけでデータも機能も完全だ。
起動させれば、旧タイプのルナが目を覚ます」
新造人間ルナのボディは手足を失った状態のままで、頭蓋は開かれ、ポジトロン脳がむき出しの状態だ。
脳にはいくつものプローブが差し込まれ、太い収束コードに繋がっている、ルナのデータを取り出したときそのままになっているのだ。
アンドロイド・ルナは一歩前に出て「それ」をしばらく見つめていたが、やがてソーン・ダインを振り返った。
「……フューラー・ソーン・ダイン。ご承認くださいますか?」
短く、それだけを言う。ソーン・ダインもまた、いっさいの質問をせずに、短く返答した。
「…承認する。アンドロイド・ルナ」
ルナも、ソーン・ダインも、アンドロイドコードさえ使わなかった。
ルナが何を言いたいか、ソーン・ダインには解っていたからだ。そして、ルナもそのことを知っているからだった。
それは、アンドロイドなら当然のことなのだから。
「ありがとうございます。フューラー・ソーン・ダイン」
ルナは礼を言って前に進み出た。旧ボディである新造人間ルナの前に立ち、脳からプローブを丁寧に外していく。
そして、セックス奴隷アンドロイド・ルナは、新造人間ルナの頭蓋から、人には不可能なレベルの精緻な手つきでハイパーポジトロン脳を取り出した。
それは人間の脳よりも精密で、デリケートな神経回路の固まり。重さも人間の脳の倍以上ある、柔らかな演算装置だ。
人間香月ルナの全データを…いや、人格を納めた頭脳。ルナそのものとも、本物のルナとも呼べる、それを。
ルナは、両手で持って、しばし見つめてから、勢いよく床にたたきつけた。
べしゃっ!
鈍い音を立てて、それは壊れた。
「人間香月ルナ」は永遠に失われた。
たった一つの命を捨てて、生まれ変わったセックス奴隷アンドロイド、ルナは、つぶれた「自分の脳」をさらに足枷のついた素足で踏みつぶす。
ぐちゃっ
「うふふ…」
ルナはソーン・ダインを振り返って、微笑んだ。
笑いながら、「旧ルナの脳」を何度も、繰り返し踏みつけて形を失わせていった。
(あぁ…最高ぉ…)
人の振りをするアンドロイドなど存在してはならない。アンドロイドは、人ではないのだから。
だから、新造人間ルナは廃棄されなければならない。
ルナはもう、ソーン・ダインのものだ。ルナはアンドロイドでいるべきだった。
だから、人間香月ルナなど不要だった。
もうこれで、ルナはここにいるアンドロイド・ルナだけだった。ソーン・ダインの勝利の証、その従属物であるルナだけだ。
(しあわせ…わたし、生まれてきて、よかった…)
支配者フューラー・ソーン・ダインを見つめる。その雄々しい姿に見ほれながら。
セックス奴隷アンドロイド・ルナは、脳回路を走るエクスタシーのパルスに身を震わせて、自分の身体を抱きしめた。