今日は電車に20分も揺られて、1人で、遠くの銭湯まで行ってしまったんです。
お父さんが先に入ってるんです──そう言うと、すんなり通してもらえました。
何年も前に買ってもらった、フリルつきの可愛らしいワンピース姿が、脱衣所の男の人たちの視線をざぁっと集めます。
わたし、9歳だから、男湯に入ってもおかしくないよね?
ウソです。
自分のしてることに興奮し過ぎて震える手で、なんとかボタンを外します。
するっと落ちたワンピース。裸の背中にいくつもの視線を浴びせられてそれだけで身体の芯が熔けそうにおののいてケイレンします。
わたし、本当は、14歳なんです。
ほとんどふくらみのない胸。こどものままのからだ。
でも、同級生でも、エッチしたことのある子が何人もいる。
飾り気のないパンツをするっと脱ぎ、ロッカーに何もかもしまって、カギをかける。
脱衣所に何人もいる男の人たち。ねぇ、こどもに見える? ただのこどものはだかに見える。
からだはこどもでも、歳はもっと上なんだよ。エッチできる歳なんだよ。
ロッカーを背にすると、さっと目をそらしたり、ちらっちらっとこちらに目をやる男の人もいる。
わたし、見られてる。女として、意識されてる。そう思うと、たまらなくなる。こどものからだなのに、頭の中はエロエロになっちゃう。
脱衣中の男の人たちの中で、目を丸くしてるおじさんの真ん前で、すっぱだかのままベンチみたいなイスに座って、
う〜んって、いかにもこどもじみた無邪気そうな態度で、背をそらして、ブリッジするみたいに大きくおなかと腰を持ち上げたんです。
息を呑む気配がする。
なんだか妙に静か。
男の人たちの視線。きっと一か所に集中してる。
まだこどもにしか見えないわたしの、でも性的な。おちんちん突っ込むための穴まで見えてるかもしれない。奥の奥まで。
熱くて。灼けてしまいそうで。男の人たちの視線に炙られて。熱くて熱くて死んじゃいそうになにもかもぐちゃぐちゃになって。
そんなすべて見せすぎの体勢のまま、わたし、びくん……びくんっ……って腰を震わせてなんだかよくわからなくなっちゃったんです。
生まれて初めての体験でした。
きっと、イッちゃったんです。知らない男の人たちに見られながら。初めて。クセになりそうな、最高の、天国を味わったんです。
(未完)