キーン、コーン、カーン、コーン…  
 
「はい、じゃあ今日はここまでな」  
 
「起立…礼」  
 
俺は、この高校で教師をしている。  
今は、ホームルームが終わったところ…職員室帰って、明日の小テストの準備でもするかな…  
 
…ん?  
また、あいつか…  
「おい、吉川」  
「…何?先生」  
「前から言ってるけど、お前、スカート直してこいよ!」  
この吉川という生徒、他の女子生徒と比べて、かなりスカートが短い。  
「うるさいなぁ…」  
「うるさいなぁ…って、誰に言ってるんだ?」  
「だってダサいじゃん」  
「ダサいも何も、校則で決まってるだろ!」  
「何でもかんでも"校則だ"とか言って…そんなに生徒縛って楽しいの!?」  
「縛ってるんじゃない!校則を守るのも意味があってだな…」  
「あー!もう!分かったわよ!」  
そう言うと、吉川は腰の辺りをごそごそし始めた。  
 
すとん…  
 
吉川はスカートのホックを外し、スカートを落としてしまった。  
まだ残っていた数名の生徒達が、驚愕と好奇の眼差しで吉川を見る。  
「先生!これで良いんでしょ!?」  
「何やってんだよ!」  
「校則違反だから、脱いでやったんで…しょ!」  
俺にスカートを投げつける吉川。  
みるみる顔が真っ赤になり、涙目になる。  
「こら!とにかくスカートを履け!」  
吉川は、俺を無視して鞄を持ち、踵を返して帰ろうとする。  
「おい!ちょっとまてよ!」  
俺は後を追うが間に合わず、吉川は廊下に出てしまった。  
「ちょ!?何だよあれ!?」  
「吉川さん!?どうしたの!?」  
廊下に残っていた生徒達が、驚きの声を上げる。  
吉川は強ばったまま歩き出した。  
「こら!そんな格好でどこ行くんだ!」  
吉川は振り返ってこちらを睨み付けると、走って行ってしまった。  
…見た目の割に、エロいパンツ履いてたな…  
いかんいかん!  
俺はスカートを持ったまま、吉川の後を追い掛けた。  

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