「お父さん、湿布貼ってくれない?」  
ここのところ、ずっと肩が重いし背中も筋張ってる。   
お風呂上がりに、普段お父さんが使っている湿布を試してみたくなった。  
ちょうどお父さんがそこにいたので、私はお願いしてみた。  
 
「お、どうしたんだ、肩でも凝るのか?」  
「んー、何か背中全体がずっと不快な感じ」  
「で、どこに貼ればいいんだ」  
「とりあえず、肩にお願い」  
「……それはいいんだが」   
「ん?」  
 
……あっ!  
湿布貼ってもらうには、お父さんに背中見せないといけないじゃん。  
何で私、こんな当たり前のことに気づかないんだろう。  
どうしよう……。  
 
……ま、いいか。  
「あ、そっか。ごめん、ちょっと待っててね」  
私は、着ていたシャツを脱いだ。  
お父さんに背中を向けているから、どんな表情かはわからない。びっくりさせちゃったかな?  
そして、ブラジャーも外した。上半身裸だ。  
 
お父さんには背中を向けているけど、胸は隠していない。  
お父さんの手が私の肩に触れる。お父さんの手、久しぶりだな。あったかい……。  
ぺたぺた……。  
 
そういえば、お父さんに私の裸を見せるのって、随分久しぶりな気がする。   
いくら親子でも、性別が違えば気を遣わないといけないことが多い。  
でも、せっかく親子なんだから、私としてはそんなところで気を遣いあったりはしたくない。  
だから、お父さんに裸を見られている今も、全然恥ずかしくない。  
多分私が、お父さんと仲が良いからだと思う。  
それに……。  
 
「よし、終わったぞ」  
湿布が両方の肩に貼られた。  
こんなチャンスは、滅多にない。  
「うん、ありがとうお父さん!」  
私は、お父さんの方にしっかりと身体を向けた。  
 
「おっぱい」をお父さんに見せたのは、初めてかな?   
「おっぱい」は他人にも見せてはいけないから、やっぱり色々と気を遣うけど、   
やっぱり仲が良いお父さんに対しては、私は「裸で」接したいんだ。  
性欲や露出嗜好じゃない。信頼している人の前では、「裸」になりたいんだ。  
そりゃ自分の身体に女としての自信はあるけれど、それをお父さんに誉めてもらいたいわけでもない。  
ただ、「裸」でいたい。  
だから、お父さんに身体を向けて……見せちゃった。  
 
「私、久しぶりにお父さんの前で裸になったかも」  
「大人になると、なかなか裸ってわけにはいかないさ。たとえ家族でもな」  
「私、お父さんだったら裸でも全然恥ずかしくないのになあ」  
「まあ、裸になるとしたら、たまに程度にしとけ」  
「……うん」  
 
でも、もうしばらくいいよね?  
「お返し。今度は私がお父さんをマッサージしてあげる」  
俯せにしたお父さんの腰に馬乗りになり、軽い私の全体重を乗せてマッサージ。   
私はまだ裸でいた。子供の頃みたいに、裸でお父さんにじゃれているみたいで懐かしかった。  
 
終わり  
 

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