血が染みたようなスカーフを纏った売人から、メモリを買った。
何の能力かはわからないが、『S』の字が怪しく光っている。
これで俺も超人の仲間入り!早く使いたくってウズウズする。でも、やっぱりちょいと不安。
はやる気持ちを抑えて、帰宅。
散らかった自室の鏡の前。
ずっと握りしめていたメモリを見つめる。
「しっかし、『S』って何のSだよ」
Smilodon…だろうか?それとも、Skullとか。
「何でもいいや。やってみりゃあわかるだろ」
深呼吸をして、いざ、コネクタへ接続。
瞬間。
-Sister!
…。
…。
…えーと、外見に変化がないのはどういう事だろうか。不良品を掴まされた?
いや、確かに起動音はした。立木さんボイスで『Sister!』って声が…。ん?
Sister?
…。
『…、部屋…か……け……さい』
あれ…何だか声が聞こえる。頭に直接。えーと。
『>>728ちゃん!聞いてるの?きちんと部屋を片付けなさい!』
…。
「えーっと、誰?」
すると声の主は、
『何を言ってるの?それに、お姉ちゃんに向かって、誰とは失礼な!』
…。