私は双葉澄香(ふたばすみか)、高校2年生です。
部活は女子バレー部に所属してます。
女子バレー部の部員は毎年少なく、卒業や入学等で部員の入れ替わりはあるけど、毎年1チーム分の6人丁度しかいません。
だから、私も1年からレギュラーでした。
人数が少ないから、弱小と思われるかもですが、インターハイまで後少しのところまで行くぐらいなんですよ。
その理由は、うちの顧問です。
福本大(ふくもとだい)先生と言って、今時珍しい、絵に描いたような熱血タイプのスパルタコーチで、指導は本当に厳しいんです。
へとへとになって倒れこんでいたら、手にした竹刀で、かなり強くお尻を叩かれたりします。
限界まで疲れ果てている時でも手加減なしにお尻を叩かれるんで、苦しくて悔しくて、何度も泣きそう…実際、泣いた事も何度もありましたけど、その痛みで自分を奮い立たせて、何度も疲労の限界を越えて練習を続けてきました。
みんなもそうだと思います。
人数が少ないながらも実力を付けられたのは、福本先生の厳しい指導のお陰だと、感謝してもしきれません。
そんな先生は、普段は決して笑顔を見せません。
インターハイ出場を惜しくも逃した時、初めて「よく頑張ったな」と笑顔を見せて誉めて下さいました。
その後も、対外試合の最終戦を終えたその時だけ、最高の笑顔で、私たちを労って下さいました。
厳しい先生ですが、「このバレー部を何とかしてやろう!」という必死さや情熱が伝わってきます。
多分、部員全員が先生の事は好きです。
私も好きです。
先生の心からの笑顔を見たいから、頑張って練習に励んでます。
今日は夏休み直前の日曜日、他校との親善試合がありました。
この高校とは、毎年この時期に親善試合をしていて、私達バレー部より弱いんですが、それがどういう訳か、ボロボロに負けてしまいました。
自分の高校の体育館に戻った私達は、福本先生の前に、横一列で整列、いつもの反省会です。
でも、今回は、格下の高校に惨敗してしまったので、先生の抑えきれない怒りが爆発しました…
「何だ、あの様は!気合いが入っているのか!」
その怒り様は、この広い体育館の中で、怒声をわんわん響かせる程。
私達6人は、その怒声に身を縮めて耐えてました。
「今日のお前達からは気合いが感じん!相手のボールに飛び付く意欲も、攻撃を叩き込む意欲もない!連携も最低だ!」
叱り付ける先生を見て、私達は子犬のように怯えていました。
そのまま先生は、今日の試合での、1人1人の至らなかったポイントを指摘し始めました。
「三輪!何故、あそこでスパイクを決めなかった?大チャンスだったじゃないか!」
三輪芹奈(みわせりな)ちゃん――私の1コ後輩で、入部したての1年生。
芹奈ちゃんの動きの固さは、私も確かに気になってました。
「あ、あの…スパイクで手を挙げたら…お腹が見えちゃうのが気になって…」
芹奈ちゃんのユニフォームは、サイズを間違えたのか丈が小さく、スパイクを打つ時は、確かにおへそが見えてました。
応援には、少なからず男子が来てたから、恥ずかしいのは分からなくはないけど…
「集中力が足りないからだ!試合中は試合の事だけ考えろ!例え服が脱げてもボールに食らい付け!」
福本先生は、ユニフォーム越しに芹奈ちゃんのお腹を、竹刀で軽くぐりぐりと押しました。
「双葉!お前は三輪の後ろにいただろ!何故、ボールを拾えなかった?ちゃんと援護しろ!連携がなってないぞ!」
今度は、私の左肩に竹刀が押し付けられ…
はっきり言って、生きた心地がしません…
「お前達には集中力と連携が足らん!今から特訓だ!」
そこで、福本先生が提案した特訓内容は…
「お前達、今からここで服を脱げ」
先生の言葉に私達は驚きの声を上げました。
「裸でも気にならないくらいに集中出来れば、試合で少々服が捲れても気にならないよなぁ?」
「で…でも…」
「お前達の団結力を高める意味もある。裸の付き合いってやつだ」
「脱ぐって言ってもどこまで…」
「全部だ!上も下も下着も全部!シューズとソックス以外は全部脱いで裸になれ!」
「そんな…裸なんて…」
バァーン!!
先生が近くの鉄戸を、竹刀で思い切り叩く…耳鳴りがするぐらいの大きな音が響きました。
「早くやれ!お前達に恥ずかしがってる暇はないぞ!」
私は、隣の芹奈ちゃんと、もう片方の隣にいた斎川先輩と、それぞれ顔を見合わせました。
斎川先輩の目は、決意の固まった目…私はその目を見て頷きました…先生の命令は絶対だから…
私はユニフォームの裾に手を掛けました。でも、恥ずかしさもあって、一気には捲り上げられない…
周りを見ると、みんなもゆっくりとユニフォームを脱ごうとしてます。
最初にユニフォームを脱いだのは斎川先輩…私もそれに続きました。
芹奈ちゃんも、顔を真っ赤にしながら脱いでます…恥ずかしがっていたおへそどころか、ブラが丸見えになりながら…
次はブルマです。
斎川先輩を見ると、さすがの先輩も、ブルマに手を掛けたまま、動きが止まってました…それに続く形の私達も…
それを見た先生は
「さっさとしろ!裸になれと言ってるんだ!」
と、声を上げました。
さっきまでは、恐怖と恥ずかしさに支配されてましたが、先生の一言で、私の何かが吹っ切れました…
私は一気にブルマを下げると、足から抜く。
次は…ブラ…
私は先生を見据える…先生からは、いやらしさを微塵も感じない…この特訓は、バレー部の為…私達の為なんだ…
一気にブラを頭から抜き、さっき脱いだユニフォームの上に落とす。
私は目を瞑り、ふぅっと息を吐くと、パンツに手を掛け、一気に脱ぎ捨て…とうとう私は、先生の前で全裸になってしまいました…
自分なりに固い決意をしたはずなのに、顔が熱い…
先生は私を見ると、こくっと頷かれました。
私が脱ぎ終わって、しばらくしてから全員が脱ぎ終わりました。
「よーし!整列しろ!体は隠すな!」
私は、先生を見据えたままなので周りは見えませんが、啜り泣く声が聞こえます。
「一度見せてしまえば、どうって事ないだろ!お前達は特訓の間、ボールにだけ集中するんだ!それじゃあ3対3に分かれろ!」
それぞれのコートに向かい、駆け足で走っていきます。
走れば胸が揺れる…固い決意をしたはずなのに、裸でいる事を意識させられます…
ピッ!
先生の笛を合図に、斎川先輩のサーブから練習が始まります…しかし、そのサーブはネットを越えませんでした。
斎川先輩は決意が揺らいでしまったのか半泣きで、とても全裸での練習には集中出来てないようです…あんな顔見せられたら、私の決意も揺らいじゃう…
「斎川ぁ!」
野太い怒鳴り声が響き渡りました。
斎川先輩は、続けざまに二打目を放ちました。
今度はネットを越え…私の方へ飛んできました。
私はボールだけを見た…つもりでした。
でも、視界に入るみんなが全裸なので、自分の姿を思い知らされたような気がして…
それに、こちらを見てる先生まで視界に入ったから、意識がそれてしまい…普段は取れる軌道のボール…それを取りそこなってしまいました。
「双葉ぁ!気合いを入れんかぁ!」
…ダメだ…泣きそう…
今度は私のサーブから。
ボールを放り投げ、助走をつけて飛び上がり、インパクトの直前に体を思い切り反らし、戻る反動を利用して打ち込みます。
でも、揺らいでしまった私には、それが出来ません…一瞬とは言え反らすと言う事は、腰を突き出すと言う事…
さっきまでは、先生に向かって前屈みだから、下半身は見られづらかったけど、今度は大事な所を、自ら晒さなきゃいけないと思うと、とてもじゃないけど、うまく反らせられません…
そんな私の打ったボールは、へろへろとネットに向かい…
でも、それはみんなも同じみたい…昼休みに友達同士でやってる、お遊びのバレーより、球威は劣ってる…それすら取れない、今の私達…
「体を気にするな!ボールに集中しろ!」
頭では分かってる…だけど…
「双葉ぁ!何やってる!…ちょっとこっちこい!」
私は、恐る恐る先生の前に立ちました。
「お前、さっきは一番に脱いで、俺も「双葉は違うな」って思ったけど、見事に裏切られたよ」
そう言いながら、竹刀を私の胸に当てると、竹刀をぐりぐりとされました。
狙ってるのかたまたまなのか分からないけど、そこ…乳首…
胸からじわじわやってくる刺激に、さらに顔が赤くなってるのが分かる…みんなが見てる前でこんな…
「体が気になるか?まだ体が気になるようなら、今以上に恥ずかしい事になるけどいいのか?分かったなら気合い入れろ!」
刺激から解放された私は、大粒の涙を流していました…
その後、夜7時まで特訓は続きました。
「今日はここまで!夏休みに入ってすぐ合宿があるが、合宿中は、今の格好でするからな!」
みんな整列して先生の話を聞きます…でも、全員泣いてて、まともには聞けてなかったと思います…
ここまで異常な特訓に、誰も文句を言わず、誰も根を上げなかったのかは分かりません。
先生からは、私達を見て楽しもうとか、そういういやらしさは全くありませんでしたから、みんな、強くなるためだって思い込んで頑張ったのだと思います。
その証拠か分かりませんが、今日の合宿には、全員が集まりました。
合宿は山奥の自然学校の離れのペンションで、5日間行われます。
ここの体育館と宿泊施設だけで生活します。
私達は、制服のまま先生の前に整列しました。
「これから5日間、辛いかもしれないがみんな頑張るように!それでは「特訓」開始!」
私達は制服を脱いで全裸になると、もう一度整列しました。
まずは準備体操です。
腕を伸ばしたり、屈伸運動をするたびに、無防備な胸やアソコが晒されます。
跳躍運動をすれば、胸がぷるぷる揺さ振られます。
次は2人1組での柔軟体操で、芹奈ちゃんとペアです。
まずは座った姿勢で脚を閉じ、前に回った芹奈ちゃんに背中を押されます。
次は開脚して…
先生が前に立ってるから、みんなで先生に、中まで見せ付ける感じに…
「…っ、いや…」
思わず声が出ちゃったけど、私だけじゃなかったようです。
押されながら顔を上げると、芹奈ちゃんのアソコが目に飛び込んできます。
次は私が芹奈ちゃんを押さえる番…芹奈ちゃんも、私のアソコ、見てるんだろうな…
この異様な準備体操も、無事、終わりに近付きました。
最後は体育館の中をランニングです。
みんなで2列になって走ります。私は最後尾にいます。
後ろからだとみんなが見えるんですが、みんな一様に胸がぷるぷる…お尻がぷるぷる…
最初は恥ずかしさがあったんですが、2〜3周走ると、その揺れる様が面白くなってきました。
みんな、表情は恥ずかしさや苦しさが出てるんですが、胸やお尻はそんな事関係なく、むしろ楽しそうにぷるぷる弾むギャップが可笑しくて…
たぶん、顔がほころんでたんでしょうね、先生が「双葉!恥ずかしくなくなってきたか?いい表情だぞ!」と仰いました。
私はつい「ありがとうございます!」と叫んでしまいました…
隣にいた芹奈ちゃんが「どうしたんですか?」と小声で聞いてきたんで、状況を説明したら「くっ…ホントだ…」と顔をほころばせました。
特訓が始まって以来、初めて見る芹奈ちゃんの笑顔です。
ランニングが終わる頃には、全裸でいる違和感が消えてました…むしろ、自然と言うか、楽しくなってきました。
「レシーブ練習するぞ!斎川、スパイク打ってくれ。あとはコートに入れ!」
ネット横の台に上がり、ボールを構える斎川先輩。
斎川先輩が強烈なスパイクを叩き込んできます。
私も、それに思いっきり飛び付きます。
だんだんみんな固さが抜けて、本来の動きが出来るようになりました。
みんな、全裸に慣れてきたんだと思います。
私がスパイクを打つ番になりました。
下のみんなから…もちろん先生からも、アソコが丸見えなんだろうな…
この時、変な感覚が…もっと見てほしいって…
私は肩幅までガッと足を開き構えます。
みんなボールを見てるんでしょうが、何か、私が注目を浴びてるようで気持ち良い…
先に打ってた斎川先輩や他のみんなも、こんな気持ちだったんだろうか…
食事は、備え付けのテーブルをみんなで囲んで食べます。
食事は先生が運んできて下さいましたが、食事中は、席を外してらっしゃいました。
「この特訓で、私達、ホントに強くなれるのかなぁ…」
同じ2年の三船(みふね)ちゃんがぼそっと言いました。
「それは福本先生を信じるしかないけど、チームワークは凄く良くなってると思うよ。先生も言ってたけど「裸の付き合い」って凄いね」
私がそう言うと、みんなこくこく頷いてました。
その後は、練習→夕食→練習ときて、お風呂に入って就寝です。
タオルだけ持ってお風呂行って、またタオルだけ持って部屋に…凄い楽…
2日目以降も、朝食を取ったらひたすら練習です。
もうみんな、全裸でいる事に抵抗はなく、全力で練習に打ち込んでます。
私も全力だから、汗まみれで疲れ切って、四つん這いの姿勢で息を切らせてしまいます。
アソコが丸見えなんて気にしてません。
だって、スパイク台の上にいる芹奈ちゃんアソコや、振り返って私を見てる三船ちゃんの引き締まったお尻から覗くアソコが、みんな丸見えなんですもん。
「双葉ぁ!バテるにゃ早いぞ!」
先生の竹刀が、私のお尻をぴしゃり!…でも、少し休ませて…
「ひゃうぅ!?」
先生が、竹刀をアソコに擦り付けてきて、クリにかすったから、変な声が…
「澄香、何て声出してるのよ」
斎川先輩がふふっと笑いながら言います。
「だって…当たったんですもん…」
私は、息を切らせながら、笑顔で答えます。
その受け答えで、周りのみんなも吹き出してます。
「はいはい!笑ってる余裕あるなら、ちゃんと練習しろ!」
先生の竹刀が、また私のお尻をぴしゃり!
「はい…すいませーん!」
この特訓が功を奏したのか、秋には念願のインターハイ出場!
その時、先生は滅多に見せない満面の笑みで、私達を労ってくれました。
「お前達は大きく成長した!本当によく頑張ったな!」
その後、私達バレー部はインターハイの常連になりました。
そして斎川先輩のように、卒業後、プロ選手になる人も出ました。
私は卒業後、バレーボールは辞めて、大学に入学しました。
学費は自分で出してます…授業とバイトの両立は難しいけど、根性と気合いで頑張ってます。
こんな私になれたのも、一重に福本先生のお陰だと思ってます。
でも、その恩師が逮捕されたそうです…
友達の佐々木(ささき)ちゃんから連絡があった時、めまいがして倒れそうでした。
まだ、あの「特訓」をしていて、誰かから文句が出て明るみになったのでしょう…女子部員に対する強制猥褻だそうです…
凄いショックです…今まで信じてたものが、がらがらと崩れていくような…
「…香!澄香ってば!」
「あ!?ああ…ごめん…」
「で、澄香…アンタも裸にされちゃったの?」
「…うん、されたよ…」
「ええ!?え!?されちゃったの!?」
「で、でも、あれは特訓だったんだよ!私達、強くなれたんだよ!」
「いや!?でも!?」
「それに…裸にされても、楽しかったんだよ…」
「もしかして、絵のモデルのバイトしてるって言ってたけど…まさか…」
「うん!そのまさか」
受話器の向こうで、佐々木さんの大きな溜め息が聞こえた。
終わり