「ねぇ、委員長。ちょっといいかな?」  
 
怖ず怖ずといった様子でかけられた声に、夏樹はぴくりと眉を動かした。  
本に落としていた視線をあげれば、どこか媚びるような笑みを浮かべた少年と目が合った。  
 
「あら、中西くんじゃない。何か用?」  
 
「あ、あの……さっきの携帯のことなんだけど」  
 
彼の言葉すべてを聞く前に、夏樹は中西が言わんとしていることを理解した。  
つい先程、中西の携帯を没収したのだ。それを返して欲しいと言いたいのだろう。  
 
「だめよ。授業中に携帯を出したら没収っていつも言ってるじゃない」  
 
きっぱりとそう一言で言い切ると、夏樹は再び小説に目を落とした。  
交渉の余地などない。校内への携帯電話の持ち込みは、校則でしっかりと禁止されているはずなのだ。  
実際にその校則を守っている生徒などほとんどいないのだが、それでも目の前で堂々といじる者を、夏樹は学級委員として見過ごす訳にはいかないのだ。  
 
「困るよぉ。俺、携帯がないと生きていけないんだ」  
 
取り付く島もない態度に焦ったのか、中西はなおも食い下がる。そんなに携帯が大切なら、取り上げられないようにすればいいものを。  
夏樹は半ば飽きれながら中西を睨みつける。  
 
「自業自得よ、諦めなさい。それにもう先生に渡したわ。返してもらいたければ先生に直接言いなさい」  
 
そうきっぱり言い切るとさすがに機嫌を損ねたのだろう、中西は表情を険しくした。  
当たり前だ。担任の教師は生活指導の担当をしており、校則違反には特に厳しいのだ。軽く見積もっても三日は携帯は返って来ないだろう。  
 
「……それならさ、委員長に責任を取ってもらうしかないよね」  
 
唐突に、中西がぽつりと呟いた。その目はどこか興奮を称えたように、爛々と輝いている。  
 
「どういうこと?」  
 
中西がまとう薄気味悪い雰囲気に気付いたのだろう、夏樹の顔に警戒の色が浮かんだ。  
気がつけば下校時間も迫り、教室には夏樹と中西以外は誰もいなかった。そのことが、更に夏樹に不安を与える。  
 
「代わりに委員長が俺の携帯になってね」  
 
そう言うが早いが、中西はポケットから取り出したアンテナを夏樹の頭に突き刺した。アンテナはまるで実体がないかのように、抵抗なく夏樹の頭に沈んでゆく。  
逃げる間もなかった。  
 
「っ!?ああぅっ!!」  
 
夏樹は短い声をあげると、びくんと身体を大きく震わした。椅子に座ったままの体が一瞬だけ飛び上がり、机がガタンと音を立てる。  
足はピンと突き出されたまま硬直し、力を失った腕がブラブラと揺れる。  
そんなただならぬ様子を意に解した風もなく、中西は夏樹の様子を見つめていた。  
 
ガクリと俯いて痙攣している夏樹の顎をくいっと持ち上げ、その表情をどこか楽しげに覗き込む。  
驚きで大きく見開かれた目は、瞳をひくひくと痙攣させていた。何が起こったのか未だに理解出来ないのだろう、何か言いたげに口をぱくぱくと開いている。もっともそれは言葉にならず、「あ、あぁ」という小さな呻き声として漏れるだけだった。  
 
「このアンテナはね、刺した対象を携帯に変えることが出来るんだよ。……人間に使うことになるとは思ってなかったけど」  
 
夏樹の頬を無遠慮に撫でながら、中西はニヤニヤと笑みを浮かべる。その声は、恐らく夏樹の意識には届いていないだろう。  
既に思考力を失ったのか、力を失った目がぼんやりと虚ろな視線を投げ掛けてきた。人形にも似たその弛緩しきった表情からは、普段の夏樹の持つ知的さや快活さを窺い知ることは出来ない。  
 
「立て」  
 
ようやく痙攣が収まったころ、ふいに中西が命令した。すぐさま夏樹がバネ仕掛けの玩具のように立ち上がる。  
気をつけの姿勢をとった夏樹は、そのまま時を止められたかのように動かない。つやつやとしたセミロングだけが、窓から入る風でさらりと揺れている。  
 
命令を待つことしか出来ない、永遠の受動。先程の高圧的な態度からは考えられない従順さである。  
虚ろな表情が物語る無機質さとは対照的に、膝丈のスカートから伸びるスラリとした足がどこかなまめかしい。  
生唾をごくりと飲み込んで、中西は夏樹に顔を近づけた。ぷっくりとした唇を、伸ばした舌ですぅっとなぞる。柔らかなその感触に気を良くし、そのまま唇を押し開いて咥内へと侵入する。  
夏樹は無抵抗のまま、一方的な愛撫を受け入れている。当然だ。携帯電話は自らの意志で動くこともなければ喋ることもないのだから。  
たっぷり5分は咥内を味わっただろうか。情欲を抑えきれないといった様子で、中西は半ば押し倒す様に夏樹を床に寝かせた。  
乱暴にブラウスを押し開きブラジャーを取りはらうと、程よい大きさの胸がふるりと揺れた。  
 
「今から所有者登録を行う」  
 
スカートをまくしあげ、ショーツをずらしながら中西は宣言する。  
足をM字に開くと、顔を覗かせた秘所に中西は自分のソレを宛がった。  
 
「登録認識は精液だ。今後はこれが電池代わりにもなるんだから、しっかり味わってくれよ」  
 
そう言うと、中西は容赦なく一気に夏樹を穿つ。ミチミチと肉を押し開く音が室内に響いた。  
流れでた一筋の鮮血は未経験の証だろう。それを潤滑油に、中西はピストンを早めて行く。  
腰の動きに合わせて、夏樹の胸もふるふると柔らかそうに揺れる。痛みも快楽も感じぬまま横たわる夏樹は、しかしどこか陶然とした様子で虚空を見つめていた。  
 
 
 
「所有者 中西タロウ様 登録しました」  
 
精を放ち自身を引き抜くと同時に、抑揚のない声で夏樹が言った。どうやら音声案内機能がついているらしい。  
相変わらずの無表情のまま、夏樹は携帯電話になりきっている。裸の恥じらいも犯された屈辱も、今の彼女は理解することは出来ないのだ。  
剥き出しの乳首をつまむと、夏樹は生真面目な声で音声案内を続けてくれる。  
 
「一件の未読メールがあります。読み上げますか」  
 
キュッキュッと乳首をつまむたびに同じメッセージを繰り返す夏樹は、滑稽ながらにどこか哀れだ。  
 
「これからは携帯としてよろしくな、委員長」  
 
全裸に近い姿で痴態を曝す携帯電話に話し掛けながら、中西は満面の笑みを浮かべるのだった。  
 

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