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えっと、ひとまず整理してみると……。
僕は家族で海水浴に来て、そして波にのまれて溺れてしまった。
「ってことは、ココは天国?」
「天国みたいな楽園、という意味なら可ですわ。それ以外は不可ですわよ」
よく分からないが、なんとなく違うらしい。
「まだ分からないのですか? 貴方が海で溺れていたところを、この私が助け、自室に連れ帰った。
今度は分かったでしょう? Yes 以外の答えは認めませんわよ」
その女の人に、ずいと顔を寄せられる。
彼女の丸眼鏡に、僕の半ば怯んだ顔が映っていた。
「い……いえす」
「そう、それでいいんですわ。まったく、しつけの行き届いていないヒトが、
これほどまでに厄介なものだとは思いませんでしたわ……」
まるで自分が人間ではないかのような口調。
彼女の持つ、床までつくほどの長く赤い髪の毛と、それに負けないくらい紅く長い2本の触角。
彼女は、確かに人間ではないようだった。
実は、今僕が居る場所は、さっきまで僕が居た海水浴場でも、
休憩用に開放された海の家でも、僕が泊まっているホテルでもない。
言うなれば、中世の城の中を思わせるような豪華な趣き。
そして窓の外には、なんとすぐ目の前に魚が泳いでいた。
つまり、ここは海の中に佇む城の中だったのだ。
「コーヒー。飲みますわね。Yes 以外の答えは認めませんわ」
「い……いえす」
差し出されたマグカップを受け取る。
「い、頂きます」
一口含むと、温かく甘苦い味が口の中いっぱいに広がっていった。
彼女の方も、もう1つのマグカップを持ちながら、僕が座っているベッドのすぐ横に腰掛ける。
おそらく彼女の物だろう、いささか柔らか過ぎるそのベッドは、二人分の重みを受けて沈み込んだ。
「で、貴方のこれからだけど……私の下でドレイとして働いてもらいますわ。
Yes 以外の答えは認めませんわよ」
……ちょっとまて。
突然の切り返しに、危うくコーヒーを吹き出しそうになってしまった。
「勝手に吹き出す事など許しませんわ」
「ちょ……その前に、『ドレイ』って何ですか!?」
「ドレイですわ。文字通り『奴隷』」
訳がわからない。
「な、なんで僕がそんなこと……」
「……何故!? 貴方が私の触角を一本もぎ取ってしまったのでしょう!?
それなのに『何故』!? 理解できないのは私の方ですわ」
そう、確かに彼女の右の触角は、根元10センチ程度を残してその先がなくなっていた。
「意識が無かったとはいえ、貴方のせいであることにかわりはありませんわ。
ヒトには分からないでしょうけど、私たちにとって触角が無いというのは、
目が見えないのと同じくらい不便なんですわよ」
そう言って、彼女は何気なく僕の太ももに手を置いた。
そのままゆっくりとさする……すぐにその部分が疼いてきた。
その感覚に当惑する僕に、彼女は耳元から囁くように……いや、誘うようにつぶやいた。
「大丈夫。私ももう子供ではない……触角が無いとはいえ、身の回りの事は全て自分ひとりで出来ますわ。
貴方にしてもらいたいのは……そう、私の『夜の世話』」
ドン、と体を突き飛ばされた。
まだ中身の入っているマグカップが、絨毯の上に落ち、割れはしなかったものの中身が染みを作った。
僕の体はその勢いに負け、仰向けで絨毯の上に寝るような格好となってしまう。
そのまま、下半身を彼女の体で押さえつけられる。俗に言うマウントポジション。
押さえつけられている部分から、人間のそれとは違う、温かみのあるが冷たい彼女の体温が、
否応無しに叩き込まれてくる。
僕の体は、彼女の身体を感じているようだった。
「さっきの表情……コーヒーの中に入れた媚薬の効き目はまずまずのようですわね」
眼鏡を外して頬リ投げ、そのまま彼女は僕に唇を重ねてきた。
彼女の冷たい舌に、たっぷりと口の中を犯され、やっと解放されたときは僕は息切れ、
二人の口の間に唾液のアーチがかかっていた。
「エビの国、第3皇女、セシル・エルマレイに気に入られて……
光栄に思いなさい。Yes 以外の答えは認めませんわよ」
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「抵抗は許可しませんわ。じっとしていないと外へ放り出しますわよ」
そ、それは凄く困る。外は海の中だから、人間の僕は息も出来ない。
「……そんなに怯えなくとも、痛くはしませんわ」
そのまま、僕の水着のひもに手をかけて……そう、よく考えてみれば、
海で溺れていた僕にとって、海水パンツは最後の砦なわけで。
「あ、あのちょっと待っ……」
「抵抗は許さないと言ったはず……。脱がしにくいわねこの服は」
僕はあわてて水着を押えようとするが、それの一瞬前に勢いをつけて一気に脱がされてしまう。
盛られた薬のせいか、それとも今のこの状況に興奮してか、直上を向いた僕のモノが顔を出してしまった。
「あら、意外と」
っつ……と指で僕の竿を下から上へなぞり上げる。
その瞬間、不気味なほどの感覚が、僕の身体を駆け巡っていった。
「あ………く………ふぁッ……」
「感度良好ですわね。薬が効きすぎたのかしら」
ヒヤリとした両手で僕のそれを包み込みながら、上へ上へと内容物を搾り出すように扱いていく。
初めて他人に弄られるという快感、他人にされているという背徳感に、僕の頭は焦がされていった。
僕の両手は口を押えるのに精一杯。それでもスキマから否応無しに声は漏れ出て……
「この私が直々に奉仕しているんですわよ。声を押えるなんて許可しませんわ。存分に恥かしい声を上げなさい。」
「え、ちょ……そこはキタナ……っ!!」
僕の先っぽが、彼女の口の中に含まれる。そのまま動くことなく、舌で先っぽを嘗め回される。
特に鈴口の部分を重点的に攻められた。冷たい舌で執拗に突かれ、思わず腰が浮き上がってしまう。
その間も右手で胴を扱くのを止めない……。左手は袋を下から包み、揉み上げている。
「だ、だめ、、、このままだと、出しちゃ……ッ!!」
「イきそうなんですわね!? この私になぶられてイきそうなんですわね!?
良いですわ。この私の目の前で射精することを許可しますわ」
ギュッと袋を握り締められる。同時に口は目一杯身を含み、ストローの要領で僕のそれを吸い上げて……ッ!!?
「だ、で、出ちゃ……」
止めることは出来なかった。止めさせてもくれなかった。
音を立てて吸い上げている彼女の口内に、僕は自分の欲望を出してしまった。
放出感と背徳感に、体がふわふわ浮かんでいるような錯覚。
彼女は僅かに顔をしかめながらも、僕の汚物をそれでも受け止めてくれていた。
「ケホ……ケホ……。貴方の苦すぎですわよ」
彼女は白濁液を飲みきれず、いくらか吐き出してしまっていた。
「まあ良いですわ。さ、本番に移りますわよ」
彼女は、絶頂の余韻に浸っていた僕の顔の前に、自らの股間を突き出してきた。
「よく御覧なさい。今から、ココに貴方の穢れたものが入るんですのよ」
指で、パレオのビキニのような服を横にずらしている。
僕が一度も見たことの無い、女の人の秘められた部分は……餅のように滑らかで、しっとりと濡れていた。
「先ほどのコーヒー、実は私のほうにも薬が、ほんの少しだけ入っていたんですのよ」
そのまま位置を変え、ちょうど騎乗位の格好に……ああ、僕のモノが彼女のソコに当ってる。
目が離せない。
彼女はビキニをずらしながら、慎重に腰を沈めていく……亀頭の先端が彼女の中に入っていく!!
ねっとりと包み込まれる感覚と、きつく締め付けられる感覚を同時に感じる。
初めての経験に、これだけでも頭がおかしくなりそうだった。
「く……んッ!! 太っ……。う、嬉しく思いなさいよッ。私だって初めてなんだ……から」
まて、さっきから奥に当っている感触はもしかして……!!
「あ、あの、初めてって……!!」
「抵抗は許可しないと……んく……言ったハズですわッ!!」
僕の制止を無視して、彼女は一気に腰を押し込んだ。
僕のモノが根元まで飲み込まれる。
途中、肉を裂くような嫌な感触と……決して小さくない彼女の悲鳴が聞こえた。
「………!! あ、あああ……!!。痛い……イタイです……わ……」
結合部分に赤い血がにじんでいた。
「あの、大丈夫……?」
「く…………。そんな月並みな言葉など……要りませんわ。それと私が無知だとは……思わないように」
そう強がっても、彼女の汗から、彼女が痛みを感じている事は手に取るように判った。
「で、でも……」
「貴方は……私の快楽の“道具”でありさえすれば良いんですわ」
当惑する僕を、ゆっくりと彼女は見つめ直してくる。
言葉とは裏腹に、優しく、しかし無理した笑顔と、痛みと不安に潤んだひとみ。
「貴方は私が気持ち良くなるように。そして貴方自身も気持ち良くなるように」
…………。
「それだけを考えていれば良いんですわ。Yes 以外の答えは……一切認めませんわよ」
「……はい。努力しますから……気持ち良くなって下さい。セシル様……」
一瞬だけ、彼女は僕に、とびきりの笑顔を見せてくれた。
彼女をいたわりながら、ゆっくりと体勢を変えていく。
結合したまま、彼女の身体を横に寝かせ、相対的に自分の身体を起こして……。
「あの、大丈夫ですか?」
ゆっくりと肯くセシル様。痛みを我慢しているのか、それとも痛みが和らいできたのか……。
後者なら嬉しい。薬も痛みの緩和に一役買っていれば、もしかして……。
「……動きます、ね」
そう言って、ゆっくりと腰を前後に動かしていく。
根元まで引き抜き、そして最奥まで突き入れ……。
決して速くないスピードで、彼女の中を往復していった。
彼女の中は、ほんのり温かくて……まるで海の中みたいに僕を包み込んでくる。
「ん…………ん…………あッ…………ぅうん…………」
僕が一突きする度に、小さな声を上げるセシル様。
攻めているのは僕のはずなのに、彼女の中はぞわぞわとしていて、逆に僕を攻めたててくる。
まるで小さな口に食べられているような……そんな錯覚さえした。
「痛み……和らいできましたか?」
「え? そ……んっ…………、、ま、まだ痛いですわ。……もっと気持ちよく……」
その言葉に小さく肯き、僕は抽送のスピードを少しだけ速めることにした。
「あ……あ……ああッ……んぅん……」
彼女の肌が赤く染まってくる。一突きする度に身をよじっている。
セシル様が感じ始めてきたのが見て取れた。
「ふぁ……あぁん……あ……、胸、ムネさわらない……で……」
僕は手を伸ばし、彼女の胸を揉みしだいていた。やはり彼女から文句を言われたが、その言葉とは裏腹に、
彼女の着ている水着のような薄い服は、彼女の胸の頂を隠しきれていない。
そのポッチに人差し指を当てながら、形の良い胸を趣くままにこねていく。
「ああッ……アアッ……ふぁああッ……」
僕が叩きつけるタイミングに合わせるように、いつの間にか彼女自身も積極的に腰を振っていた。
ぱん、ぱんと何かが叩きつけられる音が、はっきりと部屋中にこだましていた。
「あ……な……んで……、。身体が、勝手に、動いて…………はぁああんッ!!」
気持ちよくなっている。
彼女の中も、最初の締め付けるような痛さではなく、今は僕を堪能するようにざわめいている。
彼女を満足させつつあることに、少し嬉しくなってくる。
「セシル様、もっと……もっと気持ちよくなってくださいッ」
意を決して、手を彼女の頭の上の方へと伸ばしていく。
「あ……!? 駄目……それに触ることは許さ……、、ひゃうッ!! だめぇッ!!」
僕は、彼女の触角に指をはわせた。
動き回る触角を、人差し指と親指で作った輪の中に閉じ込める。
逃げようと動けば、触角は輪の内側に触れ、その感覚に驚いて反対側に逃げれば、また触れて驚いて……。
彼女は、たった数センチの輪の中に、確実に捉えられてしまっていた。
「あ……ダメ……ダメ……ダメっッ!!」
彼女の触角が僕の手に触れるたびに彼女は悲鳴をあげ、
そして「きゅ、きゅ、きゅ」と、面白いようにリズミカルに僕を締め付けてくる。
何もしなくても、彼女は頂上への階段を勝手に駆け上がっていく。
感じていた。彼女は感じていた。
もっと感じてもらおうと、僕は触角を目の前に誘導する。
何よりも紅い一本の細い線を……僕はためらわずに、横からくわえ込んだ。
「な……何を……、、、!!??、ひゃ、ひゃああああああぁぁぁぁぁぁ!!!???」
僕に触角をくわえられた瞬間、彼女は触角から与えられた快楽電流に耐え切れずに絶頂を迎えてしまう。
四肢が痙攣し、股間から放たれた潮が僕の太股を汚していく。
僕のそれは、今までに無いくらいギュッと咥え込まれ、僕に射精を促してくる。
けど、もうちょっと、もうちょっとだけ……ガマン。
硬く、コリコリとした触角を……例えるなら、団子を食べた後の竹串を、名残惜しそうに嘗め回すように、
口の中、たっぷりと唾液の付いた舌で、セシル様の触角を犯していく。
「あああぁぁぁぁぁ!!?? ふぁ!?、なんれ?? おりられ、おりられな、おりられぁイイッッッッ!!!!!」
ビクビクと震えたまま、彼女は絶頂から下りてこられないでいる。
狂ったように絶叫し、僕の竿にその膣でしがみついてきた。
「た、たすけ……、飛ばされちゃ、ぁあぁああああッッッ!!」
僕自身、もう限界だった。
「セ、セシル様、出しますッッッ!!」
達する前に一度だけ、力の限り強く突き込み、そして一気に引き抜いた。
その膣壁を擦り上げる衝撃に、彼女は今までよりもさらに高みへと飛んでいく。
「ぁぁぁぁぁぁっぁああああぁああああああっッッッッッッッっっ!!!!!!!」
その嬌声を聞きながら、僕は彼女の身体の上に、大量の精液を放出していった。
彼女を満足させられたという、微妙に間違った達成感と共に……。
…………。
………。
……。
「だから落ちたばかりのヒトは面倒なんですわよ!!」
愚痴を呟きながら、自分の上に掛かった白濁液を濡れタオルで拭おうとしているようだが、なかなかうまく拭えない。
「しかも触角には触れるなと言ったハズなのに……。仮にこっちも折れた場合、その場で貴方を殺していたわよ!!」
「す、済みませんでしたッ!!」
「反省が足りないッ!! あと3時間はそうやって頭を垂れていなさいッ!!」
そう、今僕はセシル様の命令で絨毯の上に膝をついて土下座させられていた。
あと3時間か……腕がつらい。
「よく聞きなさい。貴方は私の『召使い』なの。召使いは主人の命令を守る……当たり前のことよ。
いい加減分かったわね。Yes 以外の答えは認めませんわよ」
「は、はいッ!!」
数秒の沈黙。彼女のため息が部屋に響いた。
「……理解していなければ放り出すところよ。感謝しなさい……ここは貴方の世界とは違う。
この城を出たら、貴方は行くあてなど無いのよ。分かったら黙って顔を上げなさい」
ゆっくりと顔を上げる。
そこには、先ほどの汚れた服から着替えたセシル様が……優しい笑顔を浮かべて立っていた。
もしかして……着替えるから僕に見ないでいて欲しかっただけ?
「…………勝手に笑うことは許しませんわ。気色悪い」
怪訝そうな目で見るセシル様。
しまった、思わず顔に出ちゃったみたい。
「……まあ良いわ。エビの国、第3皇女、セシル・エルマレイに気に入られて……
光栄に思いなさいね。Yes 以外の答えは認めませんわよ」
「はいッ!」
こうして僕は、この僕と同じくらいの年頃の、可愛らしいご主人様の召使いになったというわけだ。
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