会社の忘年会。
新入社員の俺は否応なく下っ端で、余興の一つや二つはどうやら見せなければいけないようだった。
社内の紅一点、海老原エリカ先輩もどうやらそんな様子。
そういうわけで俺たちは二人羽織で天ぷら蕎麦を食う。
それの何が面白いのか、ヤングの俺は知らないが、チーフのエリカ先輩はやる気満々で、今夜も俺と
練習のため会議室で残業だ。
「もぅ〜何やってるの高田くんっ、もっと口開けて!!」
「だって先輩…、んぐ、あぐぅっ!」
大きなエビを口いっぱいに詰め込まれ俺は呻く。ちょっと!垂れてる!つゆ!
「え〜とおしぼり、おしぼりは…と、キャア!」
エリカ先輩のたどたどしい手があぐらをかいてる俺の膝元の、俺のあっつ〜いおしぼりをギュウと握った。
いてて、悲鳴を上げたいのはこっちの方だぜ!
「ん、もぅ〜、高田くんったら?まじめにやってよね。」
なにしろ85のFカップが背中に張り付いていて、何度もボヨンボヨンとその肉の固まりを押し付けてくるから
たまったもんじゃない。いや、逆か。溜まるとも!!
それでなくともエリカ先輩は色白ボインのグラマーで、26にもなってちょっと舌足らずな話し方と
緩めの口元の可愛らしい顔立ちが何ともいやらしく、SEなのになぜかプログラマーとあだ名される社内の
オナペ…いや、マドンナだ。
「私がお酒をこぼしたりしたらちゃんとオットット〜てゆうのよ。」
了解。
「さっきみたいに天ぷら落としたら、イキがいいねえこのエビは、っていうのよ。」
おっさんかってえの。まあ、了解。
客席に手招きしたら、ちゃんと社長を呼んで、いかがえすか、まあ一杯って。」
わっかりました〜、親方!!
そうしていよいよ忘年会のその日がやって来た。
そろいの旅館浴衣と羽織の姿で廊下でそばを用意していた俺たちに、すっかり出来上がって
ごきげんな社長が激励にきた。
「二人羽織?…いいねえ!楽しみにしているよ。え?高田くんが外なの?」
オーマイゴッ!なんてことだ。これがいわゆるサラリーマンの理不尽ってやつか?
「絵づら悪いね。エリカくんが蕎麦食う方が盛り上がるだろう。じゃあ頼んだよ。」
鶴の一声。
あんなに練習を重ねた俺たちのサービス残業はなんだったのか!?
動揺する俺にエリカ先輩は優しく言った。
「落ち着いて。落ち着いてね、高野くん!社長命令なら仕方ないわ。」
だって先輩、逆サイドなんて俺練習してねえ…。
「私がアドリブで合わすから。とにかく今から一心同体よ高野くん!私にとにかくおそばを
食べさせればいいから。がんばってね!」
こういうところはさすがの先輩チーフだった。
俺は震える手でエリカ先輩を後ろ手に縛ると、膝をかがめて羽織を被り、そのままエリカ先輩に
おぶわれるように身を重ねた。
「いくわよ!」
そのまままっすぐまっすぐ、というエリカ先輩のこえに誘導され俺たちは蕎麦を携え舞台に立った。
「こんばんわ〜。みなさん、飲んでますか〜!」
イエ〜!とおっさんどもの声に慌てて俺は片手を上げる。少し遅れるタイミングに笑いと歓声が上がる。
「さてと…と。」
エリカ先輩の合図の声でゆっくり膝を折りつつ座布団に座る。アッ、というエリカ先輩の声に、座る時に
広がる浴衣の裾を押さえており込みながら、という作業を忘れていた事にはっと気づいて、俺は先輩の首元で
ごめん、と小さく叫んだ。いいのよ、とばかりにエリカ先輩が、後ろ手でドンマイ、と俺を叩く。
イケナイ…先輩そこは俺の恥骨です。
「私、もう酔っぱらっちゃったので一足お先におそばで締めたいと思います。ではでは、
いっただっきま〜す!!」
やはりすこし遅れて手を合わす、俺の仕草に皆が沸いた。
割り箸を割る。反対に持った割り箸に、おっとこっちじゃない、とかエリカ先輩の上手な誘導で
無事箸を割り、残像のお膳を元にそばつゆも…うまく持てた。
ちゃぷん、つる、つる、もぐもぐ。
俺の少し上すぎる箸の定位置に、亀のように首を伸ばしてエリカ先輩が蕎麦にかぶりつく。
「あ〜、こいつは美味い、お蕎麦ですよ〜。」
うまいのは先輩だ、と感心しつつ、俺はせっせと蕎麦を食わせる。
「んぐ、んん、う、美味いけど、ちょお、と、早食いし過ぎかな〜あぐっん。」
とにかく食わせる。
「んぐ、のろに…ちゅまった…ああぐう、もぐもぐ、お茶…、んぐうっ!」
とにかく食わせる。
「けっほっ、あっあっ、すみません、吐いちゃっ……むううぐぐっ!!」
とにかく食わせる。
待て待てと、たまりかねたエリカ先輩が後ろ手で俺を止めようと叩くが、先輩そこは
俺の恥骨…から、ぐぐう、と身を起こして来た愚息が。それに気づいて、はっと手を引っ込め
身を硬くするエリカ先輩に、とにかく蕎麦を食わせる。
「こぼれたぞ〜、おい!」
口いっぱいに蕎麦を頬張るエリカ先輩が、さっさと蕎麦を飲み込まないので、俺はどうやら汁の滴る
蕎麦を箸から落としてしまったようだ。いけない。おしぼりおしぼり!拭かなければ。
「む、ううう〜ーーーんぐっ、やっ、ちょっ!!」
俺の優秀な右手は手探りでばっちりおしぼりを掴み、こぼした汁を拭こうと左手で浴衣の合わせを
がばと開いた。
ーーおおおおお〜〜〜。
なぜだか低い歓声が上がる。
ーーちょっ、おい、白だぜ、白!!
ざわざわとしだした客席だが、何をしろというのか。早くしろってことか?
ごしごしと乱暴におしぼりを擦り付ける。何か邪魔な硬いワイヤーが手に当たるので、拭き取りにくいし
上にずり上げた。
「やっ、高田くっ、やあああ〜〜〜っん!」
何かがブルンとまろびでて、客席の歓声がわあ、と上がった。
お、受けてる!受けてるよ!先輩!!
ーーいいぞお、中の人!
中の人などいないっ!!
「待って、高田くん!止まって!胸、胸見えちゃってるの!」
高田くんなどいないっ!!
「やあ、だめ、みんな見て、見てるっ、見ないで下さいっ!見ないで、見ないで……ああ!」
エリカ先輩の声がなにか悲壮な、それでいて艶めいたものに変わっていく。
ヒューヒューと囃し立てる声が、いいぞ!もっと激しく!という声が、聞き慣れた上司のもので、
俺は命令に従う。新入社員だ、仕っ方が無〜い。
その歓声に応えるようにエリカ先輩が身をよじって俺の手に身体をぶつけてくる。
そんなにしなくても拭き取るのに。あっこんなところに豆が落ちてる。
「あン、あンッ!だめ引っ張っちゃっ、それチ…首…とれちゃうっ!!アアんっ!!」
首が取れる?なにいってんスか先輩。引っ張ってもとれねえじゃん、これ。ほら。
ほら。ほらほらほら、クリクリクリ、ほらほらほらおらっ!
「あっ、あっ、あっ、やっ、あああっ!!だめ、高田くん、やめ、やめてっ!」
エリカ先輩がガクガクと身を震わせ、身体を左右に揺らすので、豆はなかなか掴めない。
そのまま執拗につまみつつ、回転させるようにごしごしとおしぼりを握った手を動かしていると、
いつのまにかかぶり付きで見ているのか、ごく近いところから、
ーーてんぷら食わねえの?というのんきな声がした。この声は、…………部長じゃん!?
了解!天ぷら、天ぷらっ!
いきますよ、ほらここですよ、エリカ先輩!
「あっ、そんな大きいのは入らな…んんあぐうううっ………っ!」
ちくわの天ぷらはなんとかくわえられたようだった。ホっと一息。そこに。
ーーお酒飲まねえの?はっ、この声は……………専務じゃん!?
お酒!酒っすね!了解!酒は…あった!おちょこに注いで…。
ーーお〜とっととと!
ちくわをくわえてもんどりうってるエリカ先輩の代わりにおっさん達のばっちりハモる声がした。
会社というところは上司達のチームワーク、息が合うのが大切だときく。きっとこの会社は
発展するだろう。入社してよかった。
俺は受けを狙ってエリカ先輩のくわえたちくわの天ぷらの先から、お酒を流し込もうとして
まんまと失敗した。
んあああん、と声を漏らして先輩の脚が跳ねた。よしっ、…じゃない!あー、脚にこぼしたんだ、
きっと。拭かなきゃ、大変〜おしぼりおしぼり!
さっきと同じく右手におしぼり、左手でがばっとエリカ先輩の浴衣の裾を開いて濡れた太腿を露にする。
ーーおおおおおおおお〜〜〜っ!!
一段とおおきな歓声が上がる。
ーー意外だ!意外、赤だぜ!真っ赤!
すぐ隣の上司達の声に俺はあわててエリカ先輩の太腿を抱えて大きく開く。
赤だって。やっぱりやけどしてるんだ。早く拭かなきゃ!冷やさなきゃ!そこへ。
ーー私が拭いてやろう。
はっその声は……………さっきの鶴の声!社長!!
なんて社員思いの社長だろうか。良かったですね、エリカ先輩。
社長が拭いてくれるのならば、と、おしぼりを渡した俺は、空いた両手で後ろからエリカ先輩の
太腿を抱えて左右に大きく開いた。これで見やすく、拭きやすいはずだ。
「やあああ〜〜〜…、や、あ、ああ、もぅ……、やあ〜〜〜ん。」
ちくわを食べ終わったのか、エリカ先輩が羞恥の声を上げ始めた。
まあ、恥ずかしいよな、お漏らししたみたいに、エリカ先輩のお股びしょぬれだもの。
エリカ先輩の脚の付け根を拭く社長の指がグニュグニュ動くたび、先輩はびくびくと跳ねて、
ついには俺にもたれかかるように、大きく身体を弓なりに反らせ始めた。突き出すFカップにまだ
おつゆがのこっていたのか、何人かの手が先輩の大きな胸をぐぬぐぬっと拭いている。エリカ先輩の
アン、アンと高い声がだんだんとせつなく、切羽詰まったようになっていき、ハアハアと息が荒い。
俺も、まわりの上司達も、それに同調してなんだか知らないがみんなが一つの目的に向かって
進んでいるような一体感がそこにある。
ああ、そうか。会社の忘年会なんて、バカにしていたが、これは、とにかく。
いい事なのだ。
ーー奥が見にくいな。
と言う社長の声に、俺は自分の腰を突き出し、さらに抱えた脚ももっと持ち上げる。
「やああああぁあぁーーーーーっ!!」
エリカ先輩の高い声があがる。
ーー後ろの穴も丸見えだ。
息を飲む上司達の声にもじもじとはずかしそうに腰をくねらし、先輩の脚が閉じようと暴れる。
俺だけでは押さえきれないのを察した誰かが、両方の脚を持ち上げ、さらに太腿の肉をかき分け、
陰部を開き、さらに尻タブも支えてくれる。
ここ一番で助けてくれる、頼もしい上司達だ。俺、ついていきます!!
ーー社長、どうぞ。
と、すっかり冷めたお酒のとっくりがピタピタとセんパイの戦慄く白い尻に当てられる。
ーーうむ。
とっくりを受け取った社長は左右から口を開かされパクパクしているエリカ先輩の蜜壷に
そっと注ぐ。溢れるぎりぎりまでそそがれるのを皆の爛々とした目が凝視する。
ーーーお〜〜とっとっとと……。
見えない俺も、一緒に声を揃える。
そしてあてがわれた社長の口がずぞぞーとそれを啜る音を聞いて、ひぃん、と小さく哭いた
エリカ先輩と同時に、俺は羽織の中で果てた。