どうしてこんなことになっちゃったんだろう……
わたしはこんなことしたくなかった。
親戚のおじさんたちの前でエッチなことするなんていくらお金をもらっても嫌だった。
家のアルバムに残ってる、小さい頃の裸の写真とかだって恥ずかしくて捨てたいくらいなのに……
お尻丸見えで立たされた時は泣きそうなくらい恥ずかしかったし……短い時間だけど前までみられてしまった……
思い出しただけで恥ずかしくて死んじゃいそう。
お姉ちゃんたちも断ってくれれば良かったのに……みんながやるって言ったら、わたしだけやらないなんて言えなかった。
……こんなふうにいっつも人任せだからいけないのかな……
恥ずかしい目に逢ってるのはわたしだけじゃない……ううん、むしろわたしはマシな方だ。
お姉ちゃんなんかとうとうパンツまで脱がされて……完全に裸にされてしまった。
あんなに頑張ってたのに……酷い……
「飛鳥ちゃん、裸じゃ可哀想だから小春お姉さんの手ブラと手ショーツをつけてあげるね」
「な、何ソレ……!そんなのいらな……きゃうっ!!」
小春さんはお姉ちゃんに後ろから抱きつき、片腕で胸を隠すと、もう一方の手をお姉ちゃんのお股の間から通して……あそこを手のひらで覆った。
「……っっ!!」
見ているこっちが恥ずかしくなってわたしはおもわず目を逸らす。
でも……視線を外しても、お姉ちゃんの切ない声が聞こえてきた……
結局お姉ちゃんはその状態でサイコロを振らされた。
出た目は4でその先は……
【次の自分の番まで全裸になる】
「既に意味ないわねw良かったね、飛鳥ちゃん」
「………………あぅっ!」
複雑そうな表情のお姉ちゃんに小春さんが楽しそうに話しかけた。
その際も両手を動かして、お姉ちゃんに悲鳴を上げさせるのは忘れない。
そして……またわたしの番だ。
わたしは最初から小さい目しか出なくて……みんなからずいぶん遅れてしまっている。
このままだと……全部のエッチなマスに止まるんじゃないかと思えてきて怖い……
「……えいっ!」
わたしはいつもより少しだけ大きな声で力強くサイコロを振った。
……出た目は6……
「あ……!」
わたしは嬉しくなって少しだけ軽い足取りで先に進むけれど……その先にあったのは……
【六尺褌に着替えてゲームを続ける】
え……?ふんどし……?何、ソレ……?
わたしの頭の中は一瞬真っ白になった。
……それから少し遅れて、ちょっと違うのかもしれないけどお相撲さんのまわし姿とかが浮かんできた。
「お、そこ止まったか、はい!弥生ちゃん」
親戚のおじさんの一人に、まるでお年玉か何かのように白い手ぬぐいのようなものを渡された。
「あ、ありがとうございます」
咄嗟にわたしはお礼を言ってしまう。
何これ……布?ただの一枚の細長い布?
……まさかこれをつけろってこと?
なんでこれが着るものになるのかわからない……これしか身につけちゃいけないの?
わたしはどうしていいかわからずその場で手の中の白い布をじっと見つめるしかなかった。
「弥生ちゃんが締め方わかるわけないよね。お姉さんがやってあげる♪」
ずっとお姉ちゃんの身体をいじっていた手を離し、小春さんがこちらを向く。
開放されたお姉ちゃんは身体を手で隠す事も出来ず、その場に崩れ落ち、息を切らしていた。
わたしはビクリと身体を震わせた。
「ここじゃ着替えられないかな?……あっちの襖の奥でお色直ししよっか?」
「あ……あの……」
「何?ここですっぽんぽんになって着替えたいの?」
「い、いえっ!!」
わたしはそれ以上何も言えず小春さんに引っ張られて……広間の奥へと連れて行かれた。
ぴしゃり……と襖が閉じられる。
「は〜い、じゃあ全部脱いで〜」
「……恥ずかしいです」
「お姉さんは昔、弥生ちゃんのおしめだって換えてあげたことがあるんだよ?」
そんなこと言われると、ますます恥ずかしい。
しかし、わたしがどの道小春さんに逆らえるわけがなくて、あっという間にスカートと上着を脱がされ裸にされてしまう。
服を来ている小春姉さんの前でわたしだけ裸でいるのは……元々の力関係がさらに開いたみたいで凄く惨めな気分になった。
「……靴下もぬごっか。流石に褌に靴下はマニアックすぎて混ぜるな危険って感じ」
小春さんが何にこだわっているのかわたしにはよくわからなかった。
「じゃあ褌にお着替えしましょうね〜まずこれを跨いで」
「……はい」
小春さんの広げて伸ばした布をわたしが言われたとおり恐る恐る跨ぐと
「あっ……!」
小春さんの手によって布が持ち上げられ、わたしのあそこをふんわりした布の感触が包み、さらに布越しに小春さんの手の体温が感じられた。
「ひうっ!!」
後ろは細くなった布がわたしのお尻の間に入り込んで、食い込まされる。
そのまま小春さんは慣れた手つきで……時々わたしの恥ずかしいところを触りながら、布をわたしの腰に巻きつけていった。
「うーん、なんだか着付けしてあげてるみたいね……いや、昔みたいにオムツ換えてあげてるみたいかな?」
わたしがそう言われて思わずうつむくと……次の瞬間、もう一回お尻の間を通された布を……
小春さんが強く上に引っ張り、わたしのお尻と股間に思い切り食い込ませてきた。
「痛い!……痛いです!!食い込みすぎです!」
わたしは爪先立ちになり、身体が宙に浮かんでしまうんじゃないかというほど布が食い込む痛みに叫んだ。
「ゆるふんはかっこ悪いでしょう?外れたり、隙間からおまんこやお尻の穴見えちゃったらどうするの?」
それは絶対……嫌だけど……
「はい出来上がり!」
小春さんがわたしのお尻をパチンと叩く。
「いたっ!」
わたしはよろよろと2,3歩前に歩くと。
「うぅっ!」
お尻にきつく食い込んだ布を触った。そこはふわりとした布の感触とは打って変わり、しめ縄のような固さだった。
「ほら、姿見見てみる?」
小春さんが部屋にあった大きな鏡をわたしに見せた。
……そこには、ふんどし姿の女の子……わたしがいた。
「やだぁっ!!……あうっ!!」
わたしは思わず身体を抱いてその場にしゃがもうとしたが、お尻に食い込んだ布がぎゅっと擦れる痛みに、腰を引くだけになった。
「うーんあまりの似合わなさが逆にいい感じね。かーわいい」
「こ……こんなの……絶対おかしいです……なんでこんな」
なぜこんな格好をさせられなければいけないのかわからない。わたしはなんだかよくわからない気持ちで全身が震えた。
しかし、そんなわたしの様子を見ても小春さんは楽しそうに笑い、そして恐ろしい事を言う。
「じゃあ……みんなの所に戻ろうか?」
「……いや!いやです!こんなカッコでみんなの前になんか出れません!!」
わたしは自分でも驚くぐらい……はっきり嫌と言った。
こんなにはっきり自分の気持ち……それも否定の感情を出せたのはどれくらいぶりだろう。
でも、そんなわたしのなけなしの叫びも小春さんの前では全然意味がなかった。
「飛鳥ちゃんなんかもう全裸よ?弥生ちゃんだってもう生尻晒したんだから同じようなモンじゃない」
「で、でも……でも」
理屈ではそうだけど……この格好は……この格好は全部脱ぐより恥ずかしい気がした。
女の子なのに、こんな……男の人がつける……ううん、今は男の人だってつけないようなものを……つけさせられて
裸になったことのない女の子なんていないけど……ふんどしを締めさせられた女の子なんてわたしの他にどれだけいるんだろう……
「さ……行ってらっしゃい!」
小春さんの手で襖が開かれる。
「きゃっ!!!」
そして、背中を押され、わたしはよろめくように、元いた大広間へと戻らされた。
……ふんどし一枚の格好で。
元の部屋に戻った瞬間。みんなの視線が一斉に自分に集まるのを感じた。
一瞬遅れて、声が投げかけられる。
「「おおっ!!」」
「「かわいい〜〜〜」」
ああ……みんなが見てる……わたしのふんどし姿を
女の子なのにふんどしを締めてるわたしを……
恥ずかしくて……死んじゃうよぉ……
わたしは褌一枚などという、下着姿なんかとは比べ物にならない……下手すれば完全に裸より恥ずかしい格好で親戚の人たちの前に出された。
………………!!!
自分の心臓の音が聞こえそうだった。
あまりの恥ずかしさに気を失いそうだ。
いっそここで気絶した方が楽かもしれない……そんなふうに思った。
「うくっ!」
でも、お尻とお股に食い込む布の感触がわたしを元の世界へと引き戻す。
人間どんなに恥ずかしくても都合よく気を失いなんてできないみたい。
このカッコであとどれだけいればいいの……?10分、一時間?
本当はあと10秒だって耐えられない。こんなのあんまりだ。
わたしはこの時……これ以上の恥ずかしいことがあるなんてまだ想像も出来なかった……
「すごーい、ホントにふんどしだー!」
皐月ちゃんに大声でそう言われ、わたしは思わずビクリとしてしまう。
皐月ちゃんはパタパタと水着姿でわたしの傍まで寄ってくると、わたしをじろじろと見つめてくる。
「かっこいー!いいなー!ボクも締めてみたいなー」
……こんなこと羨ましがらないでよ……
「ダメよ皐月ちゃん。勝手に自分の場所から動いちゃ、それにほら、次自分の番よ」
小春さんはいつのまにか既に全部脱がされているお姉ちゃんの所に戻っていた。
「……うくっ!!早く振って……」
……お姉ちゃんはしゃがみ込んだ状態で小春さんに後ろから抱きつかれ……またどこかを触られているようだった。
「あ、はーい」
皐月ちゃんはサイコロを受け取りながら元の場所に戻ると、勢いよくそれを振った。
「ありゃ?」
出た目は2……ここまで大きな数しか出てなかった皐月ちゃんはちょっとガッカリした様子だ。
それでもわたしが次6を出しても追いつけないくらい先にいる。
……若葉さんは目の前だから追いつけるかもしれないけど……
「……うぁっ!」
その時……わたしの足元で若葉さんが潰れた……
わたしが着替えてる間ずっとブリッジしてたみたいだけど限界がきたんだ。
うう、わたしがもたもたしててごめんなさい。
でも若葉さんはセーターの下にもう一枚インナーを着ていたので、まだ上も下も裸にはならないですんでいた。
「どれどれ、なんて書いてあるかな〜」
むしろ楽しみという様子で皐月ちゃんがマスに書いてある内容を読んだ。
【この場にいる誰か3人に次の番までお尻を触ってもらう(着衣の場合は生尻になること)】
……わたしは聞いているだけで顔が真っ赤になった。わたしなら絶対やだ……そんなの。
「何コレ!ははっおもしろっ!!」
自分が出したと言うのに、皐月ちゃんはまるでテレビのバラエティ企画でも見たように楽しそうに笑う。
「おりょ?じゃあこの水着一度脱がなきゃダメ……?あ、こうすればいっか!」
そう言うと皐月ちゃんは自分の水着の後ろをお尻に思いっきり食い込ませ、お尻を丸出しにした。
なんだか完全にお尻丸出しよりいやらしい感じがする……
それにしても、なんでそんな恥ずかしいことを自分から、笑いながら出来るんだろう。
いつもそうだ。皐月ちゃんは、わたしにはできない事を平然とやってのける。
……それでも今のわたしの格好よりはずっとマシだけど……
「へへー弥生ちゃんとお揃いでTバックだー!!」
皐月ちゃんはそんなことを言いながらまたわたしの傍に来たかと思うと、横に並んでお尻を突き出す。
「や、やめてよぉっ……!!」
わたしはますます恥ずかしくなって顔を覆う。
なんだか皐月ちゃんの分までわたしが恥ずかしがってるみたい……
どうしてわたしばっかり……
「ほら、皐月ちゃん。早くそのスベスベのお尻を触ってくれる人を指定しなさい
……あ、でもお姉さんは飛鳥ちゃんのお尻触ってるからいいわよ。たまには他の人にいい目逢わせてあげて」
「ちょ、小春姉さん!あんま中の方は……やめて!!」
お姉ちゃん可哀想……そう思ったとき。
「んーっとね!じゃあ慶ちゃん!」
「……!!」
その名前を聞いて、わたしは動揺を隠せなかった。
慶太さんは……わたしのおばあちゃんの兄弟の孫という間柄で、今は大学生のすごくかっこいい男の人。
そんなに近い親戚関係じゃないけど、家は近所で……小さい頃からよく遊んでもらった。
慶太さんは昔からわたしや皐月ちゃんを凄く可愛がってくれた。
アニメとかにも詳しくて、可愛い服とかも作れてわたし達に着せてくれたりした。
……最近になってきてそれって実はちょっとあぶない人なんじゃないかと思えてきたけど……
やっぱりわたしの事を可愛がってくれるから大好きだった。
それに小さい頃は意識してなかったけど、慶太さんが実はもの凄くかっこいいって……わかるようになったから。
こんなこと誰にも言えないけど……慶太さんはわたしの初恋の相手だった。
もちろん……今も好き。
そんな慶太さんが立ち上がり皐月ちゃんに指名されてわたし達のいる部屋の中央に来た。
大好きな男の人の前でこんな格好してるなんてあらためて恥ずかしく仕方なくてわたしは俯いていると……
「……弥生ちゃんそれ凄く可愛いよ」
「え……!?」
慶太さんが先に、わたしに向かって声をかけてくれた。
こんな格好を可愛いと言われてわたしは喜んでいいのかわからなくて、その場でもじもじし続けるしかなかった。
「だがしかし、今は皐月ちゃんのお尻だ!」
「うん♪触ってー!」
皐月ちゃんは嬉しそうにお尻を慶太さんに向かって突き出して左右にフリフリと振る。
そこに慶太さんの細長い指と、白い掌が触れる。
「きゃん♪」
「引き締まってる……というか硬いお尻だね。脂肪の層が殆ど無い、お尻というより脚の延長だ……だがそれがいい。蒼い果実最強」
慶太さんの手が、皐月ちゃんのお尻を撫で回して、揉んでいく。
「やぁあん♥くすぐったいよぉ……!でもなんか気持ちいかも」
皐月ちゃんは嬉しそうに慶太さんにお尻を触ってもらって……気持ち良さそうにしていた。
なんで……?どうして同じお尻丸出しなのにわたしはこんな辛い思いをしているだけで、皐月ちゃんは慶太さんと楽しそうにしているの……?
ずるい、ずるいずるいずるいよ……いっつも皐月ちゃんばっかり―――――!!