Game1-3 
 
 ネトゲのオフ会に集まったのは、男4に女2、合わせて六人だった。  
 男衆の方は、深夜バイト専門なフリーターの俺、もう一人はすねかじりのアキバ系ピザ、  
 んでもって髪の薄いオッサンと、最後にたぶん小学生くらいのNYYのキャップを目深に被ったハーフパンツのショタ。  
 そいでもって女の方は、たぷたぷおっぱいの茶髪ボブの女子高生と、がっちりセーターを着込んだ無口な中学生メガネっ娘。  
 ともかく、期待してなかった女組がどっちともものすごい美少女ってことで、とーぜんカラオケの二次会で話の流れはセクハラ方面に。  
 
 そして今、俺は――  
 
「……あー、なんだろうこれ、本当にリアクションしづらいんだけど……」  
 
 あろうことか、アキバ系のピザにジーンズの上からもぞもぞと尻に手を押しつけられていた。  
 当然、俺もピザもお互いに微妙な表情だ。だが、ルールはルール、引いたクジの内容には従わなければならない。  
 
 ところで俺達は今、クジ引き王様ゲームをしていた。  
 それぞれ番号を割り振ったのち、全員で書き込んだクジを引いてそれを実行するゲームだ。  
 そして第一回目のクジは『1が2の尻を三分間撫でる』。1は俺。2はピザの割り振りで、この惨劇に至った。  
 
「あはは! 何このキモい光景。二人ともすごい顔してるじゃん、あははっ」  
 
 そう言って笑ったのは、茶髪女子高生のミルク。ミルクというのは、ネトゲでのキャラ名だ。  
 一方、メガネっ娘のノアは困ったように笑い、ホットパンツのアルスは何してんだこいつらと言わんばかりに目を細め、  
 オッサンの吉田はさっきからずっと俺たちの方なんてチラ見もせずにミルクとノアの方をエロい目でじろじろ見つめている。  
 
「……もう三分経ったからいいんじゃないか?」  
 
 ピザのキモタが言う。メガネをクイッと押してクールぶりながら、アルスの方を見る。  
 
「うん。ボクの時計では一分たったけど……」  
「そーか」と俺。「じゃあ、終了だな。口直しにさっさと二回目行くぞ」  
 
 俺とキモタはさっさと席に戻り、ゲーム再開。  
 しかし、思い返してみれば、これがこのクジ引きゲームの怖いところだ。  
 いつでもクジを追加できるが、もし『1が2のをしゃぶる』なんて書いて今回と同じ配置になったら目も当てられない。  
 それゆえ、おそらく全員が無難な命令しかしていないのは予想できた。当然ながら『1と2がセックスする』なんて言語道断だ。  
 
 だが、2ゲーム目は、吉田がアルスの髪の毛に匂いをめいっぱいに嗅ぎまくって、  
 第3ゲームはミルクとノアが互いにくすぐりあって、黄色い笑い声で男衆をただムラムラさせるだけだった。  
 
 そして、このゲームがついに動き出したのは――4ゲーム目からだった。  
 
 
 Game4 俺×ミルク 
 
『1が2の胸を揉み放題』  
 
 それは吉田の書いたクジだった。だが、その恩恵にあずかったのは吉田ではなく、1の俺――そしてその相手は――  
 
「ち、ちょっとぉ! も、揉み放題って……そんなの……!」  
 
 制服のシャツを押しあげるたぷたぷのふくらみを両腕で覆い隠し、ミルクが真っ赤になる。  
 だけど俺の方はもう完全に股間をフル勃起させていた。向かいの席のミルクの乳袋から目がはなせなくなる。  
 
「おほっ……マジかよ。み、ミルクちゃんのおっぱい揉み放題とか……っ」  
「こ、こら、そこのスケベ男!」とミルクが怒鳴る。「そんな風に鼻の下伸ばしながら言うなぁ!」  
 
 俺は他の男性陣の羨望の眼差しを受けながら、ミルクの隣に腰を下ろして肩を抱く。ふわりと甘い匂いがした。  
 ぶっちゃけ俺は童貞だ。女の乳だって直接触ったことがない。だからもう、この状況だけでイきそうだった。  
 
「ミルクちゃんのおっぱい、本当に触ってもいい……?」  
「いやだって言ったって、どーせ……も、揉むんでしょ……」  
 
 ミルクが、上目遣いでじろりと睨んでくる。その顔にすら興奮しまくるマジ変態な俺。  
 俺はふんふんと鼻息を荒くしながら、そろそろと……ミルクの肩に回した手を、制服のブレザーの奥に入れる。  
 
 ごくりと生唾を飲む。そして、薄いシャツを押しあげる乳袋を……手のひらで包みこむ。  
 ……ふにゅ。ふに、ふに……。  
 エロすぎる感触。俺は思わず、よだれをこぼしそうになった。  
 こっ……、こ、これが、女の子の……15歳の……り、リアル女子高生の……っ。  
 
「み、ミルクちゃんのおっぱい……やわらかくて気持ちいいよ……」  
「んっ……ち、ちょっと揉み方やらしーんだけど……っ!?」  
「すっげ、マジたまんね……ね、ミルクちゃん、生乳揉んでもいい? い、いいよね?」  
「あっ、こら、エッチ、何して……っ!」  
 
 俺はもう調子コキまくりで、ミルクのシャツのボタンを一個外し、待ちきれずにそこから手をつっこんでしまう。  
 さらさらのブラの感触。それをめくりあげ……ついに、ミルクの生乳を、たぷんっ……と下乳をすくいあげるように揉む。  
 それは、背筋がゾクッ、とするほどのやわらかさだった。  
 
「……はぁ……ま、おっきなマシュマロみたいで気持ちいいよ……ミルクちゃあん……」  
「ば、バカ、あんた、胸触っただけでいちいちエッチぃ顔しすぎ……ッ!」  
「うひひ。つか、マジでこのままミルクで生オナニーしたいんだけど?」  
 
 ふにゅ、ふにゅ……。  
 そっと指先に力をこめるだけで、くにゅくにゅとやわらかく手の中で形を変えるマシュマロ。  
 その手触りはもっちもちで、若い肌が指に吸いついてくる……ま、マジでたまらない触り心地なんだが?w  
 
「み、ミルクのおっぱいマジエロすぎ……っ。な、中にどんだけミルクつまってんの?」  
「うっさいスケベ野郎!」とミルクは真っ赤になって叫ぶ。「いーから、さっさとゲーム再開しろぉ!」  
 
 そうだそうだ、とキモタが声を荒げる。半ギレ状態で、吉田がお前ミルクちゃんが嫌がってるのにしつこいぞとか説教垂れる。  
 だけど、てめーらがいくら妬もうが、ミルクパイは今や俺のもの……w  
 俺はミルクの生乳を思う存分たぷたぷしながら、足を組んで言った。  
 
「んじゃあ、第5ゲームいこか?」  
 
 
Game5 キモタ×アルス 
 
『1はパンツを脱いで、直にパッツンパッツンのスパッツをはく』  
 
 かなりフェチの入ったクジだった。当然、それを書いたのはキモタだ。  
 しかしそのキモタは今、ソファでアタマを抱えてがっくりとうなだれていた。  
 何故なら、1になったのは……ノアとミルクの美少女コンビではなく、小五男子のアルスだったからだ。  
 アルス自身も嫌々だっただろうが、俺の役得を目の当たりにした上でのキモタの落胆っぷりはハンパじゃなかった。  
 
「まあ、元気出せよw」と俺。  
「じ、自分はミルクちゃんのおっぱい揉みまくりなくせして……」  
 
 ふてくされるキモタ。すると、カラオケルームの戸が開き、着替え終えたアルスが戻ってきた。  
 
「……はいたけど……なんなんだよ、この変なズボン……」  
 
 アルスはシャツの裾をぎゅっと押さえ、真っ赤になって股間を隠していた。その腕には脱いだハーフパンツがかかっている。  
 そのとき、いきなりアルスに股間を見せろ見せろと面白がってはやしたてたのは、ミルクだった。  
 
「あたしばっかエッチぃことされたら不公平じゃん。ほら、アルスくんも大人しく見せなよー!」  
 
 どこかヤケクソ気味に叫ぶミルク。アルスはしばらく戸口でもじもじしていたが、やがてあきらめたように手を離した――瞬間。  
 場が、静まり返った。  
 
「……おろ……?」とミルクが指さす。「アルスくんって……女の子……なの?」  
「え……ち、ちがっ、ボクは……」  
 
 あわてるアルス。そのスパッツの股間は、……ぷにぷにとやわらかそうな割れ目の形にふくらんでいた。  
 だが、もうこうなったらいくら否定しても手遅れだ。そして、ここに来てついにキモタが勢いを取り戻す。  
 
「あ、アールスきゅんっ♪」  
「わっ、な、なにするんだよ!?」  
 
 キモタはそそくさとアルスの後ろに回り込むと、回した両手でぎゅっとアルスのスパッツの両袖をつかんだ。そして……  
 
「い、いや、ちゃーんとスパッツはかせてあげなきゃだめだと思ってさ、ほら……」  
「〜〜〜ッ!?」  
 
 ぎゅむ、ぎゅむ……キモタがスパッツを引きあげると、アルスの幼唇に生地が食い込み、美味しそうな恥肉を浮かびあがらせる。  
 キモタはそれをデレデレとした顔でのぞきこみながら、執拗に何度も何度も何度もアルスをスパッツでいじめまくる。  
 ついにガマンの限界を超えたのか、アルスはキモタの両手を押さえ、振り向いてキッと睨みつけた。  
 
「い、いい加減にしろよ! ぼ、ボクは男だっていってるじゃないか、この変態!」  
「へへ……男の子をロールしてるわりには、ず、ずいぶんエロいカラダしてるよね……ぷにぷにしておいしそ……」  
「なッ……! き、キミってなんでそんな言い方ばっかりするんだよ!」  
「てゆーかちょっと!」とミルク。「あんた何調子のってアルスくんいじめてるわけ! いい加減にやめなさいよ!」  
 
 正直、キモタの気持ちがわからないわけではないが、そーだそーだ、と一応賛同する。  
 キモタはようやくアルスを解放したが、その隣に密着して座り、ずっと股間のふくらみをニヤニヤとのぞいていた。  
 
 そして、6ゲーム目。  
 
 
 Game6 吉田×ノア 
 
『1と2がキスする』  
 
 そのクジを引いた瞬間、吉田がいい年したオッサンのくせにガッツポーズをとった。  
 その一方、どちらかといえばこのゲームの最中ずっとビクビクしてた、メガネっ娘のノアが赤い顔をうつむかせる。  
 
「いやあ、ち、中学一年生とキスかぁ。おじさん、なんかイケないことしてるみたいで悪いなぁ」  
 
 吉田はそう言うが、めちゃくちゃ顔はうれしそうだ。こいつムッツリスケベだ。吉田はノアの隣に座り、ささやきかける。  
 
「ノーアちゃん。それじゃあ、き、キスしちゃおうか?」  
「……!!」  
 
 ノアはふるふると首を振ると、おずおずと距離をとってゆく。だが、吉田がそれを追いかける。  
 そしてついに、ノアはソファの一番隅っこに追いつめられてしまった。  
 
「もしかして、ノアちゃん……き、キスをするの、はじめてなのかな?」  
「……(こくこく)」  
「そ、そうなんだぁ。でへへ……の、ノアちゃんみたいな子のはじめてになれるなんて、お、おじさん嬉しいよ……」  
「!?」  
「だ、大丈夫だよ。おじさんがリードしてあげるから、ね?」  
 
 吉田は言うがはやいか、とにかくキスしたいといわんばかりにノアを抱き寄せる。ノアの胸を密着させ、その感触も味わっていた。  
 
「おじさん!」といきなりミルクが怒鳴る。「キスはいいけど、抱きしめるのナシでしょ! ……ふぁっ!?」  
 
 ミルクがびくんっ、と身体を強張らせる。もちろん、俺がミルクたんの乳首をコリコリしてあげたからだ。  
 
「バカ! やめてよ、オトナのくせにやることがいちいちエロいっての!」  
「うひひ。ミルクの乳首、ぷにゅぷにゅで気持ちいーw」  
「んっ、く……!」  
 
 俺はミルクのおっぱいをいじめて、反論を封じる。吉田は俺とミルクをくっつけてくれた恩人だ。ここはアシストせねば。  
 吉田はそれを意気に感じてか、キモいキス顔で唇をちゅぱちゅぱさせ、抱き寄せたノアに顔を近づけてゆく。  
 
「……!! や……っ」  
 
 ノアは懸命に吉田の顔を押し返す。だけどついに押し切られ――  
 
「ちゅむっ……んちゅ、むちゅ……ふは……の、ノーアちゃんっ♪ おじさん、君みたいな子、大好きだよ……」  
「……はっ……ん、むにゅ……ぷはっ、も……ゆる……くださ……んんっ!? ふっ、……くぅ……!」  
 
 ちゅぷ、むぢゅ、ちゅぱ、むにゅにゅむ……。  
 キスってこんなにエロかったんだと思わせるほどねちっこく、吉田がノアの薄い色をした唇を吸いまくる。  
 ノアは弱々しく吉田の胸を押し返していたが、むしろそれは吉田を興奮させるだけだった。唇をはなすと、つうっと唾液の橋がかかる。  
 
「……んぅ……!」ふるるっ、とノアが肩を震わせる。その唇は吉田の唾液でてらてらと光っていた。  
「ノアちゃんは良い子だね……ちゃーんとおじさんの唾液ごっくんできてえらいね……?」  
「……!」  
 
 ペットみたいに吉田に頭をなでなでされ、ノアは口に手を当て、顔を真っ赤にする。  
 ノアたんマジ飼いてー!と思わせるほどの従順な反応だった。つか、そろそろミルクとキスしたいんだが。  
 
 そんなこんなで、ようやく第6ゲームも終わりを迎えた。  
 
 
 7th Game St 
 
 クジ引き王様ゲームは一時、インターバルになった。  
 
「んー、ミルク、ミルクとマジエッチしてーよーっ。俺と付き合ってよーっ」  
「うるさい! つ、つかちょっと、はなれてよこのスケベ! オトナのくせに甘えるなぁ……ッ!」  
 
 俺はミルクの腰に抱きつき、ふわふわの谷間にシャツの上から顔をすりすりしていた。  
 当然、今はもうノーブラだから、ふにゅふにゅ感はもう極上だ。谷間に食い込む制服のネクタイがまたエロさを演出している。  
 たぶん今の俺は童貞っぷり発揮しまくりでハタから見てたら相当イタいだろうが、しかしそれは他の男二人にも言えることだ。  
 
「うひ……うひひ……アルスきゅんのおまんこ、ムッチムチじゃん……す、すごく気持ちよさそ……」  
「気持ちいいって何がだよ……っ! い、いつまでそんなトコ見てんだ……!」  
 
 さっきからアルスの股ぐらに顔を近づけているのは、キモタだ。小五相手にもう理性弾けまくってやがる。  
 アルスの方も怒り顔を真っ赤にしながらキモタの顔を押しのけているが、しかしキモタの粘着イジメっぷりはもう止まらない。  
 
「お、おじさん、ノアちゃんのこと好きになっちゃったよ……ねえ、おじさんのペットにならない……?」  
「……!!(ふるふる!)」  
 
 ノアのふとももを撫でながら、吉田が言い寄っている。つかお前、ふともも触るの反則だろうが。  
 ……ともかくそんなわけでもう男衆はぶっちゃけ絶好調だ。下半身が。  
 
「そういえばさー」と俺。「吉田さんの書いたクジってある意味ジョーカーですよね」  
「え?」と吉田。  
「たとえば俺の場合、1が2の乳揉み放題だったでしょ。時間制限もなくて揉み放題ってーことは、  
 『三分間尻をなでる』みたいな指示系とはちがって、揉みたくなければ揉まなくていいってことなわけで――」  
「ああっ! そ、そうか、つまり……」とキモタ。  
「そう……つまり放題系のクジを追加しまくれば……いくらそれを引いても好きなように相手を選べる……ってことだよ」  
 
 男衆三人、獲物にセクハラしながら顔を見合わせ、スケベ面を付き合わせてにんまりと笑う。  
 するとそのとき、「ちょっとまてー!」とミルクが叫んだ。  
 
「そんなの、あたしたちにめちゃくちゃ不利じゃん! それ反則! 今から禁止!」  
「ルールにのっとった作戦ですよ?」と俺は薄笑い。「嫌なら、そっちもおにゃのこチームで抵抗してみたらどうですか?」  
「うっわぁーマジムカつくこいつー! あーそーですかだったら抵抗しますよ! アルスくん、ノアちゃん、こっちきて!」  
 
 アルスとノア、そしてミルクが逃げるようにカラオケルームの端に集まって何かを相談し始める。  
 一方、こっちのスケベ集団はせこせこと股間をおったてながら放題系命令のクジを作り始めていた。  
 
「し、しかしこんなオフ会で、あんな可愛い子で童貞喪失できるなんて……ふ、ふひひっ」と俺。  
「まあまあ、まだ筆おろしできると決まったわけじゃないじゃないですか少佐w」とキモタ。  
「そっちこそ、リアルボクっ娘小学生をロックオンして顔がニヤけてますがキモタ大佐?ww」  
「いやいやそちらこそwww」  
 
 と、すると吉田は突然サイフを手に立ちあがった。  
 
「よ、よし、ちょっとおじさんはこれからオトナのおもちゃ屋さんに兵站補給任務に行ってきます!」  
「おおっ、ノリがいいじゃないですか吉田少将! 任務ご苦労様です!」  
 
 俺とキモタは敬礼で吉田を見送る。そして――  
 
 ――第二クォーターの時は、刻一刻と近づいていた。  
 

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